宮崎駿
冒険心や好奇心をかきたてる作品を作り続ける日本アニメ界の巨匠
監督作「千と千尋の神隠し」(2001)が2月2日(金)に日本テレビ系で放送。スピード感にあふれた演出、個性的で不思議な魅力を持つキャラクター、細部にわたって綿密に考えられたシナリオなど、作品を発表するたびに高い評価を得てきた宮崎監督。自然と人間の共存の在り方を問うSFファンタジー「風の谷のナウシカ」('84)で一躍有名になった後も、伝説の浮島をめぐるアドベンチャー「天空の城ラピュタ」('86)の連続するダイナミックな映像や、けなげな姉妹と不思議な生き物との交流を描いた「となりのトトロ」('88)の懐かしい日本の風景美などで、子供のみならず大人の心もつかみ、その人気は国民的なものとなった。'97年には、これまでの“宮崎アニメ”の殻を破るべく、残虐な描写も辞さず挑んだ「もののけ姫」が大ヒット。完全主義ゆえの体力と精神の限界から「もののけ姫」の製作を最後に監督引退を宣言していたが、その後、引退を撤回し「千と千尋の神隠し」を発表。フルデジタルの圧倒的な映像美が話題となり、観客動員数2350万人、興行収入304億円など日本映画史の新記録を樹立したほか、米アカデミー賞では長編アニメーション賞、ベルリン国際映画祭ではアニメ作品として史上初の金熊賞(グランプリ)に輝くなど、世界に“宮崎アニメ”の名を知らしめた。SMAPの木村拓哉が声優に初挑戦した「ハウルの動く城」(2004)では、魔女ののろいで老婆にされてしまった少女とハンサムな魔法使いの恋模様を、ユーモラスかつ躍動感たっぷりに描き健在振りをアピール。現在は次回作の準備に取り掛かっているとのことで、内容についてはまだ明らかにされてはいないものの、公開が待ち遠しい。
PROFILE
'41年1月5日生まれ、東京都生まれ。高校3年生の時に見た日本初のカラー長編アニメ「白蛇伝」に感銘を受け、アニメーションに興味を持ち始める。学習院大学卒業後の'63年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、高畑勲監督の「太陽の王子 ホルスの大冒険」('68)などで場面設計や美術設計を担当する。'79年、テレコム・アニメーションフィルムに移り、「ルパン三世 カリオストロの城」('79)で映画監督デビュー。'85年には製作会社「スタジオジブリ」(ジブリとはサハラ砂漠に吹く熱風のことで「日本のアニメに疾風を巻き起こそう」と名付けられた)を設立し、現在まで数多くのアニメ映画製作にかかわっている。昨年、彼の息子である宮崎吾朗が「ゲド戦記」で監督デビューを果たした。
出演作「赤い月」(2003)が26日(金)に日本テレビ系で放送。クールで端正なルックスと、東京芸大出身という経歴からかアーティスティックな雰囲気を漂わせる伊勢谷。ファッション界では“カリスマ・モデル”として若者に絶大な人気を誇っていたが、近年は着実に演技のキャリアを積んで“映画俳優”としての地位を確立した。「赤い月」では、関東軍秘密情報機関のエリート情報員に扮し、麻薬におぼれる姿を迫真の演技で見せたほか、天国の入り口を舞台に、人生の中で最良の思い出を振り返る死者22人のうち、あえて思い出を選ぼうとしない偏屈な若者役の「ワンダフルライフ」('98)や、18歳のホーム・ヘルパーに恋する実年齢は80歳だが、外見は20歳の青年という難役に挑戦した「金髪の草原」(2000)、一途に愛しながらもヒロインの人生を転落させていくやくざ役の「嫌われ松子の一生」(2006)など、どこか屈折した影のある役柄がピタリとはまる。俳優としての名を全国に広めた「CASSHERN」(2004)でも、単なる勧善懲悪なヒーローではない苦悩する主人公・鉄也を好演している。役者としての活躍にとどまらない彼は、'98年にニューヨーク大学映画コースに短期留学して映画製作を学んだ経験を生かし、「カクト」(2002)を初監督。ストリートに生きる若者たちが、ドラッグをめぐって騒動に巻き込まれていく姿をスピーディーかつみずみずしいタッチで描き、マルチな才能を発揮した。現在、声優に初挑戦のアニメ「鉄コン筋クリート」が大ヒット上映中。新作として、秋に公開予定の異才・三池崇史監督が手掛ける全編英語の西部劇「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」への出演も決まっている。
出演作「クリムゾン・タイド」('95)が18日(木)にテレビ東京系で放送。「遠い夜明け」('87)で黒人活動家スティーブ・ビコ役に扮し、高い演技力を見せて以来、主役級でさまざまな話題作に出演してきたワシントン。鍛え上げられた肉体と、知性と思慮深さを感じさせる端正な風ぼうが魅力で、「遠い夜明け」のほか、南北戦争下の北軍黒人部隊の兵士役を熱演した「グローリー」('89)、米国の黒人解放運動の指導者マルコムXを演じた「マルコムX」('92)といった実話に基づく社会派ドラマや、犯人検挙に奔走するFBIのテロ対策部長に扮した「マーシャル・ロー」('98)、病院側が拒否する息子の心臓移植手術を要求して病院に立てこもる父親を熱演した「ジョンQ 最後の決断」(2002)などのサスペンス作品で正義感の強い善人役を好演。中でも「グローリー」ではアカデミー賞助演男優賞を受賞し実力を見せつけた。“役作りで最も大切にしているのは精神面”と言うワシントンは、軍人や刑事役を多く演じながらも、役それぞれの状況設定を考え抜き印象深いキャラクターに作り上げる。'99年の「ボーン・コレクター」では、事故により顔と1本の指以外がまひしながらも名推理で事件を解決に導く刑事という難役に挑戦。体をほとんど動かせない制約の中、顔の表情で見事に演じきった。2001年には「トレーニング デイ」で、今までのイメージを変え初の悪役に挑み、汚職もいとわないベテラン麻薬捜査官で新境地を開く。意外にもこの悪役でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、'63年のシドニー・ポワチエに続く、黒人俳優として2人目の主演男優賞受賞者となった。新作「デジャヴ」が3月17日(土)から公開。デジャブ体験をめぐる謎を追うサスペンスで、優れた分析力を持つ捜査官を演じる。
出演作「Shall we Dance?」(2004)が12日(金)に日本テレビ系で放送。実力派女優としての演技力のみならず、成熟した知性や色気を漂わせるサランドンの魅力は全く衰える気配を知らない。彼女はこれまで、友人を救うために殺人を犯す女性を演じた「テルマ&ルイーズ」('91)、検察の圧力に立ち向かう弁護士役の「依頼人」('94)、死刑囚を励ます修道女に扮した「デッドマン・ウォーキング」('95)などで自立した強い女性を演じ、高い評価を受けてきた。一方で、「ぼくの美しい人だから」('90)ではモデル出身の抜群のスタイルで17歳年下の青年をとりこにする女性を演じるなど、ラブ・ロマンスに出演すれば抜群の色気を発揮。そんなふうに色気だけでも強さや知性だけでもない、両面をバランス良く見せる現代的で新しい“女性らしさ”は彼女ならではの魅力と言える。彼女は役に対し、その人物をいろいろな観点からとらえ、表面からは語りきれないそのキャラクターの過去や考え方を引き出せるように演じたいと語る。だからこそ彼女の演じる人物には説得力があり、観客の共感を誘うのだろう。新作として、ビリー・ボブ・ソーントン共演のコメディー「Mr. Woodcock」(全米10月公開)、アニメと実写を融合させた「Enchanted」(全米11月公開)を含め約8本の出演作が控えている。