永瀬正敏
スタイリッシュさと素朴さを併せ持つ個性派俳優
主演作「隠し剣 鬼の爪」(2004)が23日(金)に日本テレビ系で放送。クールでスタイリッシュな探偵や殺し屋、そして地味だが実直な好青年。そんな両極端ともいえる役柄をどちらも違和感なく演じ分けている永瀬。彼が活躍するきっかけとなったのは、米インディーズ界の鬼才ジム・ジャームッシュ監督の「ミステリー・トレイン」('89)へ出演してから。以降、林海象、石井聰亙、利重剛といった個性派監督や新人の監督の作品に続けて登場。ファッションや音楽にもこだわる姿勢を見せ、クールでアーティスティックなイメージを印象付けていく。一方で、名匠・山田洋次監督は「息子」('91)、「学校II」('96)、「隠し剣 鬼の爪」など好んで彼を起用。“王道”の人間ドラマで、奇をてらわない彼のもうひとつの魅力を引き出した。山田監督は「彼は映画の中で生きている感じがする。深く映画に入り込んでしまっている」と語り、映画の中で見せる彼の自然なたたずまいを絶賛している。TVドラマではなく映画を活動の中心とし、インディーズ作品にも積極的に出演したり、俳優業の傍ら本格的な音楽活動を行うという彼の独自のスタンスは、後に続く浅野忠信、オダギリ ジョーらへと受け継がれていると言えるかもしれない。新作は、2月24日(土)公開の「さくらん」。安野モヨコの人気コミックを土屋アンナ主演で実写化した話題作で、主人公のおいらんに心引かれる浮世絵師に扮している。さらに、夏に公開が予定されている佐藤江梨子主演の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」にも出演が決まっている。
PROFILE
'66年7月15日、宮崎県都城市生まれ。'82年にオーディションに合格し、翌年、相米慎二監督の「ションベン・ライダー」で映画デビュー。俳優を徹底的にしごく相米演出は、彼が映画の世界にはまるきっかけをつくったという。その後はTVドラマに出演していたが、「ミステリー・トレイン」への出演が転機となり、スクリーンでの活動がメーンとなっていく。さらに、アジア各国の監督によるシリーズ“アジアン・ビート”('91~'92)やアイスランドを舞台にした「コールド・フィーバー」('95)など海外へも活動の場を広げる。'92年と'96年に、ミュージシャンとして2枚のアルバムを発表。2004年には「渇いた花 four by four equal one」で初めて監督を務めた。「我が人生最悪の時」('93)、「遙かな時代の階段を」('94)、「罠」('96)の3部作で演じた私立探偵の濱マイクははまり役となり、2002年にTVドラマ化もされて話題を呼んだ。