ティム・バートン
子ども心を忘れないハリウッドきってのオタク監督
監督作「PLANET OF THE APES 猿の惑星」(2001)が17日(日)にテレビ朝日系で放送。バートン監督作品の魅力は、不気味なものを描いても、不思議と残酷さや恐怖は感じられず、むしろユーモラスでメルヘンチックであるところだ。「ビートルジュース」('88)のマイケル・キートンふんする幽霊をはじめ、「シザーハンズ」('90)のハサミ手の改造人間など、本来はグロテスクなはずのキャラクターを、バートンはなんとも愛嬌のある人物に創り上げている。そしてこれらの主人公はみな、ふだんは人から忌み嫌われていて、ちょっと屈折してはいるけれど心の優しい人物ばかり。このようなマイノリティーの存在にスポットを当てるのも、彼の作品の特徴である。「マーズ・アタック!」('96)で大スター演じる政府の要人が次々と火星人に殺され、落ちこぼれの青年や老人がヒーローとなってしまうところなどに、バートンのマイノリティーに対する愛が感じられる。この作品については「大スターがあたふたしているのを見るのは楽しい」と言っていたバートン。「PLANET OF THE APES~」でメジャーな俳優たちにサルを熱演させたのも、いかにもバートンらしいところだ。「ビッグ・フィッシュ」(2003)では独自のファンタジー感を損ねることなく、大人向けな内容の感動作を完成させ新たな一面を見せた。「スリーピー・ホロウ」('99)などで度々コンビを組んだジョニー・デップを主演に迎えた「チャーリーとチョコレート工場」(2005)では、バートン監督らしい原色をメーンに使ったカラフルなセットが組まれ、誰も見たことのないチョコレート工場を作り出した。さらに「チャーリー~」は日本国内で興行収入50億円を超える大ヒットも記録している。現在はミュージカル、スウィニー・トッドの映画化作品「Sweeney Todd」で監督を務める。主演をバートン作品の常連デップ、共演にヘレナ・ボナム・カーター。
PROFILE
'58年8月25日、米・カリフォルニア州バーバンク生まれ。ディズニーのアニメーターとして活躍したのち、長編初監督作品となる「ピーウィーの大冒険」('85)を手掛ける。「ビートルジュース」で注目される。「バットマン」('89)「バットマン リターンズ」('92)「エド・ウッド」('94)などを監督。「ティム・バートンのコープスブライド」(2005)で念願だったストップモーション・アニメの初監督となる。長年連れ添ったリサ・マリー夫人(「マーズ・アタック」の火星人役)と離婚し、「PLANET OF THE APES~」でサルのヒロインを演じたヘレナ・ボナム・カーターと交際を始めた。2003年にカーターとの間に息子が生まれるが入籍はしていない。