クリスチャン・ベール

子役時代から着実に進化を続ける実力派俳優
主演作「バットマン ビギンズ」(2005)が10月5日(金)に日本テレビ系で放送。13歳のとき、スティーブン・スピルバーグ監督作「太陽の帝国」('87)で4000人の中から選ばれ主人公の少年役を務めたベール。その後は、ハンサムで品のある風貌から「若草物語」('94)、「ある貴婦人の肖像」('96)などでの御曹司役といった線の細い役柄が多く、“俳優”として注目されることは少なかった。だが、'98年に出演した「ベルベット・ゴールドマイン」で、'70年代イギリスのグラム・ロック・ムーブメントを背景に、同性愛に目覚める青年をリアルに演じ、単なるお坊ちゃまではない役の開拓に成功する。演技派の道を歩きはじめた彼は、連続殺人鬼のエリート証券マンを怪演した「アメリカン・サイコ」(2000)でさらに注目を受け、次いで「リベリオン」(2002)で、東洋の武術をガン・アクションに取り入れた“ガン=カタ”を披露し肉体的男らしさも見せるなど、作品ごとに新たな魅力を開花。2004年に主演した「マシニスト」では、役作りのために約30キロも減量。目を覆いたくなるほどにやせこけた痛々しい姿になり、観客を大いに驚かせた。さらにその直後には「バットマン ビギンズ」撮影のため、逆に40キロ近く増量した上で筋肉質な体になるという過酷な肉体改造を行い、役者魂を見せつけた。複雑な心情を持ったクセのある役柄を多く演じてきた彼は、「バットマン ビギンズ」のヒットで広く映画ファン以外にも名の知られる存在となった。新作としては、ベールら6人の男優、女優たちが、それぞれに歌手ボブ・ディランを演じる伝記映画「I'm Not There」(2007)が来年日本公開予定。また、ラッセル・クロウ共演の西部劇「3:10 to Yuma」(2007)が現在米国で公開中のほか、“バットマン”シリーズの最新作「The Dark Knight」の撮影が前作と同じくクリストファー・ノーラン監督で進んでいる。

PROFILE
'74年1月30日、イギリス・ウェールズ生まれ。父は元パイロットの金融アドバイザーだが、元ダンサーの母、サーカスでダンサーをする祖父という芸能一家に育つ。音楽の道を志す姉の影響で10歳から演技の勉強を始める。イギリスやアメリカでCMやTVドラマに出演した後、「太陽の帝国」に主演。第2次世界大戦中の上海を舞台に、両親とはぐれた少年が強制収容所でたくましく生きる姿を好演し、全米批評家協会から初の最年少演技賞を受ける。2000年には、ウィノナ・ライダーのアシスタントをしていた女性と結婚。娘が1人いる。そのほかの出演作に、「スウィング・キッズ」('93)、「サラマンダー」(2002)、「プレステージ」(2006)などがある。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

セクシーでゴージャスな美ぼうが魅力のオスカー女優
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ出演作「エントラップメント」('99)が27日(木)にテレビ東京系で放送。英国出身だが、どこかエキゾチックで情熱的な、ラテン系の雰囲気と色気を漂わせるゼタ=ジョーンズ。男勝りな剣さばきを披露した彼女の出世作「マスク・オブ・ゾロ」('98)、大泥棒を相手に戦うしたたかな保険調査員役の「エントラップメント」、音楽オタクの主人公をこっぴどく振る気取り屋の女性を演じた「ハイ・フィデリティ」(2000)など、力強いアクション・ヒロインや、いじわるな悪女がはまり役。ミュージカル映画「シカゴ」(2002)でも、スキャンダルを逆手に取り、スターダムにのし上がっていく貪欲なショーガールを好演。パワフルな歌とダンスで主役を食うほどの圧倒的な存在感を放ち、アカデミー賞助演女優賞を受賞した。以降も「ディボース・ショウ」(2003)や「オーシャンズ12」(2004)などで、わがままで自信満々の美女というイメージが大いに生かされているが、本人はプライベートでもそうしたイメージを持たれることを懸念している。彼女自身、自分をシャイで常に不安を抱えている普通の女性だと公言しており、「ハイ・フィデリティ」で共演したジョン・キューザックは、お高く留まっているイメージや世間が言う悪評と実際の彼女がかけ離れていたことに感動したと言われている。今後は、強い女性役ばかりではなく、そうした違う一面をスクリーンで披露してくれることを期待したい。新作は9月29日(土)公開の「幸せのレシピ」。ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」(2001)のリメークで、ニューヨークの高級レストランで働く完全主義者の女性シェフが、本当の幸せを求めていく姿を描く。2007年後半には、“脱出王”と異名を取る伝説のマジシャン、ハリー・フーディーニが、1926年のイギリス・ツアーで出会った女性と情熱的な恋に落ちるロマンチック・スリラー「Death Defying Acts」が米国で公開予定。

PROFILE
'69年9月25日、英・ウェールズ生まれ。幼いころから歌とダンスに興味を抱き、11歳から舞台に立つ。15歳のときロンドンに進出、ミュージカル「42nd STREET」の主役に抜てきされ、2年にわたって舞台に立ちつづけた。その後、TVでの活躍を経て活動拠点をハリウッドに移し、TV映画「ザ・タイタニック」('96)に出演。その演技がスティーブン・スピルバーグ監督の目に止まり、彼が製作総指揮を務めた「マスク・オブ・ゾロ」に出演すると、一気にスター街道を突き進んでいく。2000年、25歳年上の俳優マイケル・ダグラスと結婚。同年の「トラフィック」撮影時、すでにダグラスの子を身ごもっていたが、妊婦の役でそのまま出演して話題を呼んだ。現在は一男一女の母親でもある。

ケビン・スペーシー

クールな雰囲気で観客を魅了する2度のオスカーを獲得した性格俳優
出演作「交渉人」('98)が20日(木)にテレビ東京系で放送。「ユージュアル・サスペクツ」('95)で事件の鍵を握る男を演じてアカデミー賞助演男優賞を、「アメリカン・ビューティー」('99)でリストラされたダメ中年男にふんし同賞主演男優賞を受賞したスペーシー。深い印象を残す名脇役から多彩な役を演じ分ける主演スターへと飛躍を遂げた彼だが、もともとは舞台を中心に活躍していた。22歳で初舞台を踏んで以来、チューホフの「かもめ」やユージン・オニール作品など数多くの舞台に立ち、'91年にはニール・サイモンの戯曲「ロスト・イン・ヨンカーズ」でトニー賞を受賞。「舞台は映画への踏み台ではなく、私の人生になくてはならないものだ」と語るように、舞台俳優としての長いキャリアはスペーシーにとって演技力の基盤となっている。そんな彼が映画界で注目されたのが、不気味な連続殺人鬼を熱演した「セブン」('95)。人々の心を揺さぶる鋭い眼差しが印象深く、少ない出番ながら強烈な存在感を放ち、「ユージュアル―」とともに一躍日本での知名度を上げた。その後は、警察内部の腐敗と闘う刑事を好演した「L.A.コンフィデンシャル」('97)、犯人説得にあたる交渉人をクールに演じた「交渉人」など、サスペンス作への出演が相次いだが、ブラック・コメディー「アメリカン―」で“屈折した男”の内面を軽妙に表現し、新境地を開拓した。自分を異星人だと名乗る不思議な男にふんした「光の旅人 K-PAX」(2001)、同僚女性のレイプ殺害容疑で死刑宣告された大学教授役の「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」(2003)など、2000年以降も知的で洗練された雰囲気を武器に、幅広い役柄を難なくこなしている。「スーパーマン リターンズ」(2006)に続き、悪役に挑戦した「Fred Claus」(2007)がことしの12月に日本公開予定。家族の厄介者であるサンタクロースの兄が、南極に戻って名誉挽回を図るコメディーで、主人公のダメな男をビンス・ボーンが演じる。

PROFILE
'59年7月24日、米・ニュージャージー州生まれ。ノースリッジ軍人学校に通うが、同級生とのけんかが原因で退学。転校先の大学に通っていたころから演技に興味を持つ。スタンダップ・コメディアンとして活躍後、ジュリアード音楽院で2年間演技を学び、'81年舞台デビュー。以後、ブロードウェーを中心に多くの舞台に立つ。映画初出演は'86年の「心みだれて」。初主演作「ザ・プロデューサー」('95)でプロデューサー業に乗り出し、翌年「アルビノ・アリゲーター」では監督デビューを果たした。近年は「National Anthems」「リチャードII」「日陰者に照る月」など、舞台の活動に力を注いでいる。

サミュエル・L・ジャクソン

どんな役も自分のものにする遅咲きの演技派
出演作「S.W.A.T.」(2003)が8日(土)にフジ系で放送。ハリウッドの中でも、最も精力的に仕事をする俳優の一人であるジャクソン。長い下積み時代に培ってきた演技力とアクの強さで、個性的な脇役からアクション大作の主役までをこなし、ハリウッド映画に欠かせない俳優として確固たる地位を築いている。彼が一躍注目されるきっかけになった作品は、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」('94)。ジョン・トラボルタの相棒役で哲学的な殺し屋ジュールスを演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。その後、大ヒットを記録した「ダイ・ハード3」('95)で世界的にブレーク。再びタランティーノ監督と組んだ「ジャッキー・ブラウン」('97)では武器密売人を怪演し、見事ベルリン映画祭主演男優賞を受賞する。この時期、「ロング・キス・グッドナイト」('96)の私立探偵役を含め、"おしゃべり"な役が続いたせいか、ほとんど顔の表情だけでバイオリン鑑定家を演じた「レッド・バイオリン」('98)や、ジェダイの騎士役で出演した「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」('99)でのエレガントで物静かな演技は、彼がジャンルを問わず幅広い役柄をこなせる俳優であることを多くの人に印象づけた。ケビン・スペーシーと白熱した演技合戦を繰り広げる「交渉人」('98)、愛国心と忠誠心で突っ走る軍人を熱演した「英雄の条件」(2000)などで演技派俳優としての名声をほしいままにする一方、「スネーク・フライト」(2006)のようなB級作品にも積極的に出演。還暦を間近に控えた現在も、枠にとらわれない作品選びのスタンスを貫いている。現在公開中の「ブラック・スネーク・モーン」では、セックス依存症の少女と交流を結ぶ元ブルースマンを演じ、全編にわたってギターの弾き語りを披露。指導にあたった伝説的ブルースマンたちを驚かせたほどの腕前を見せてくれる。来年には、スティーブン・キング原作、ジョン・キューザック共演の「1408(原題)」が公開予定。ニューヨークのホテルののろわれた一室を舞台に、幽霊ツアーガイドブックのライターが本物の幽霊と出会うホラーで、ジャクソンはホテルのマネジャーを演じる。

PROFILE
'48年12月21日、米・ワシントンD.C.生まれ。アトランタのモアハウス・カレッジで演劇を学んだ後、'76年にニューヨークに渡り、映画の端役やCMに出演。モーガン・フリーマンらとニグロ・アンサンブル・カンパニーに参加し、多くの舞台で経験を積む。'81年に「ラグタイム」で本格的に映画デビュー。その後、「スクール・デイズ」('88、日本未公開)、「ドゥ・ザ・ライト・シング」('89)など、スパイク・リー監督作の常連となる。「ジャングル・フィーバー」('91)ではジャンキーを演じ、カンヌ映画祭の歴史で唯一となる助演男優賞を受賞した。「黒人のおしゃれはサミュエルに教えてもらう」とタランティーノに言わせるほどのおしゃれ好きで、「ジャッキー・ブラウン」でかぶっていたカンゴールのベレー帽も彼が提案したものだ。

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