サミュエル・L・ジャクソン

どんな役も自分のものにする遅咲きの演技派
出演作「S.W.A.T.」(2003)が8日(土)にフジ系で放送。ハリウッドの中でも、最も精力的に仕事をする俳優の一人であるジャクソン。長い下積み時代に培ってきた演技力とアクの強さで、個性的な脇役からアクション大作の主役までをこなし、ハリウッド映画に欠かせない俳優として確固たる地位を築いている。彼が一躍注目されるきっかけになった作品は、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」('94)。ジョン・トラボルタの相棒役で哲学的な殺し屋ジュールスを演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。その後、大ヒットを記録した「ダイ・ハード3」('95)で世界的にブレーク。再びタランティーノ監督と組んだ「ジャッキー・ブラウン」('97)では武器密売人を怪演し、見事ベルリン映画祭主演男優賞を受賞する。この時期、「ロング・キス・グッドナイト」('96)の私立探偵役を含め、"おしゃべり"な役が続いたせいか、ほとんど顔の表情だけでバイオリン鑑定家を演じた「レッド・バイオリン」('98)や、ジェダイの騎士役で出演した「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」('99)でのエレガントで物静かな演技は、彼がジャンルを問わず幅広い役柄をこなせる俳優であることを多くの人に印象づけた。ケビン・スペーシーと白熱した演技合戦を繰り広げる「交渉人」('98)、愛国心と忠誠心で突っ走る軍人を熱演した「英雄の条件」(2000)などで演技派俳優としての名声をほしいままにする一方、「スネーク・フライト」(2006)のようなB級作品にも積極的に出演。還暦を間近に控えた現在も、枠にとらわれない作品選びのスタンスを貫いている。現在公開中の「ブラック・スネーク・モーン」では、セックス依存症の少女と交流を結ぶ元ブルースマンを演じ、全編にわたってギターの弾き語りを披露。指導にあたった伝説的ブルースマンたちを驚かせたほどの腕前を見せてくれる。来年には、スティーブン・キング原作、ジョン・キューザック共演の「1408(原題)」が公開予定。ニューヨークのホテルののろわれた一室を舞台に、幽霊ツアーガイドブックのライターが本物の幽霊と出会うホラーで、ジャクソンはホテルのマネジャーを演じる。

PROFILE
'48年12月21日、米・ワシントンD.C.生まれ。アトランタのモアハウス・カレッジで演劇を学んだ後、'76年にニューヨークに渡り、映画の端役やCMに出演。モーガン・フリーマンらとニグロ・アンサンブル・カンパニーに参加し、多くの舞台で経験を積む。'81年に「ラグタイム」で本格的に映画デビュー。その後、「スクール・デイズ」('88、日本未公開)、「ドゥ・ザ・ライト・シング」('89)など、スパイク・リー監督作の常連となる。「ジャングル・フィーバー」('91)ではジャンキーを演じ、カンヌ映画祭の歴史で唯一となる助演男優賞を受賞した。「黒人のおしゃれはサミュエルに教えてもらう」とタランティーノに言わせるほどのおしゃれ好きで、「ジャッキー・ブラウン」でかぶっていたカンゴールのベレー帽も彼が提案したものだ。

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