スティーブ・ブシェーミ
一度見たら忘れられない風ぼうと演技で多くのファンを魅了
出演作「アルマゲドン」('98)が14日(日)にテレビ朝日系で放送。色白の顔にギョロリとした青い目、分厚い唇といった独特の風ぼうで、観客に強い印象を与えるブシェーミ。クエンティン・タランティーノの初監督作「レザボア・ドッグス」('91)で要領のいい小悪党“Mr.ピンク”を演じ、日本でもカルトな人気を得るようになった彼は、ロバート・ロドリゲスの「デスペラード」('95)やジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」(2003)など、インディペンデント系の監督の作品を中心に活躍してきた。とりわけ、まだ売れない時代から付き合いのあったジョエル&イーサン・コーエン兄弟とは、これまで6作品で組んでいる。中でも「ファーゴ」('96)では、自分の弱さを隠すためにひたすらしゃべりまくる神経質な面と、シリアスな場面でドジを踏んでしまう間抜けな部分を併せ持つ誘拐犯を好演。証人たちから“変な顔”と呼ばれる点も含め、「ゴーストワールド」(2001)で演じたレコード・マニアのさえない中年男などとも通じる、“どこか情けなさの漂うキャラクター”がブシェーミのパブリック・イメージとして定着するきっかけになった。他方で、ハリウッドのメジャー作品にも積極的に出演。「コン・エアー」('97)の、37人を惨殺した快楽殺人者の役や、「アイランド」(2005)でのクローン人間が暮らす施設の研究員役など、ともすれば大味になりがちな大作において個性的な演技を披露し、作品にアクセントを効かせる役割を果たしている。また、'80年代の終わりごろから監督を志すようになった彼は、'96年に「トゥリーズ・ラウンジ」で本格的な監督デビューを飾った。監督・脚本・出演の3役を務めた新作「インタビュー」が、20日(土)から開催される第20回東京国際映画祭で上映。2004年にイスラム過激派の男に殺害されたオランダ人監督テオ・ファン・ゴッホが手掛けた同名作のリメークで、ブシェーミは、シエナ・ミラーふんする新進女優と駆け引きを繰り広げる敏腕記者を演じる。
PROFILE
'57年12月13日、米・ニューヨーク生まれ。少年時代から俳優にあこがれ、高校卒業後、昼間は消防士として働き、夜はスタンダップ・コメディーの舞台に立つ生活を送った。その合間にアクターズ・スタジオで演技を学び、'84年に映画デビュー。脇役中心ながら出演作は多く、'90年代には30本以上もの作品に出演している。また、「モンスターズ・インク」(2001)や「シャーロットのおくりもの」(2006)では声優にも挑戦するなど多才ぶりを発揮。永瀬正敏やオダギリ ジョーなど、好きな俳優にブシェーミの名前を挙げる日本人俳優も多い。アメリカの同時多発テロの際、かつて働いていた消防署へ出向き、ボランティアとして行方不明の消防士の捜索にあたるなど、情に厚い一面も見せている。