ジュリアン・ムーア

確かな演技力で抜群の存在感を放つ実力派女優
出演作「エボリューション」(2001)が2日(日)にテレビ朝日系で放送。端正な顔立ちと気品漂う大人の色香が魅力のムーア。'90年代から映画に出演するようになった彼女は、それまで舞台で培ってきた確かな演技力を基盤とし、さまざまな役に挑戦してきた。アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた「ブギーナイツ」('97)での親権を失った元ポルノ女優、同じくポール・トーマス・アンダーソン監督作の「マグノリア」('99)での財産目当てで結婚した勝気な女性、「羊たちの沈黙」('91)の続編「ハンニバル」(2001)での勇敢なFBI捜査官役など、主役ではないが独特の存在感を放ち、作品を盛り上げる役割を果たしている。30歳を過ぎてから映画に出演し始め、映画女優としては遅咲きの彼女だが、コーエン兄弟が手掛けた「ビッグ・リボウスキ」('98)などのコメディーから、同性愛や人種問題に深く切り込んだ「エデンより彼方に」(2002)などのシリアスなメロドラマまで、ジャンルや作品の規模を問わずに活躍できるマルチな人気女優として、今ではハリウッドでも確固たる地位を築いている。そんな彼女の評価を如実に表しているのが映画賞の受賞履歴で、「エデンより彼方に」ではベネチア国際映画祭で主演女優賞を、文芸ドラマ「めぐりあう時間たち」(2002)ではベルリン国際映画祭で銀熊賞(女優賞)をそれぞれ受賞。アカデミー賞こそ受賞経験はないが、これまでに4度ノミネートされ、そのほか数多くの映画賞で主演、もしくは助演女優賞を受賞しており、賞レースの常連となっている。新作「NEXT―ネクスト―」が2008年に公開予定。ニコラス・ケイジふんする、数分後の未来を予知できる特殊能力を持つ男性が、FBIとテロリストの戦いに巻き込まれていくSFアクション・サスペンスで、ムーアは特殊能力を持つ男性に協力を依頼するFBI捜査官役で出演する。

PROFILE
'60年12月3日、米・ノースカロライナ州生まれ。ボストン大学で演劇の博士号を取得後、オフ・ブロードウェーを中心とした舞台やTVドラマで活躍。「フロム・ザ・ダーク・サイド」('90)で映画デビュー。「ゆりかごを揺らす手」('92)、「ショート・カッツ」('94)など出演を重ね、ルイ・マル監督の遺作「42丁目のワーニャ」('94)で注目される。その後、「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク」('97)、「シッピング・ニュース」(2001)、「フォーガットン」(2004)、「フリーダムランド」(2006)などの話題作に出演。「家族という名の他人」('97・日本未公開)の撮影で知り合ったバート・フレインドリッチ監督と2003年に再婚し、2人の子どもの母でもある。

アラン・ドロン

フランスを代表する永遠の二枚目俳優
出演作「テキサス」('66)が30日(金)にNHK衛星第2で放送。'60~'70年代にかけて絶大な人気を誇った二枚目俳優ドロン。「女が事件にからむ時」('57)で映画デビューを果たし、「お嬢さん、お手やわらかに!」('58)で日本でも人気が上昇。同時期に活躍したフランスの俳優に、ジャン・ポール・ベルモンドがいるが、日本では甘いマスクのドロンが圧倒的に人気があり、欧米人の代名詞的存在でもあった。美男子アイドルとして人気を上げていた彼が一躍注目を集めたのは、サスペンス「太陽がいっぱい」('60)。冷徹さや孤独感が漂う端正な顔立ちを生かし、金持ちの友人を殺し、財産の横領をもくろむ野心家の主人公を見事に演じきった。その美しい容姿の中に、しっとや憎悪のどす黒い感情を内包させた戦りつを走らせる演技は、時の巨匠たちの心をつかみ、ルキノ・ビスコンティ監督の「若者のすべて」('60)「山猫」('63)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「太陽はひとりぼっち」('62)などに出演し、スターとしての道を歩き始める。そして「地下室のメロディー」('63)「サムライ」('67)「さらば友よ」('68)「シシリアン」('69)「ボルサリーノ」('70)とフィルム・ノワールやサスペンス色の強い映画に多数出演し、自らの真価を発揮する道を探り当てた。これらの作品で、クールな美貌に特殊な世界に生きる男の非情や哀愁を滲ませた役どころを演じ、女性のみならず男性からも高い支持を得る。'80年代に入るまで、その勢いは留まるところを知らず、ほとんどの作品で主演を張りヒットを連発させた。その後は、好んで演じ続けた執念と野望にまみれた役も控えめなものとなり、「カサノヴァ最後の恋」('92)で色事師の悲惨な晩年を演じ、自らを投影させる余裕さえ見せた。'98年の「ハーフ・ア・チャンス」では、ライバル、ジャン・ポール・ベルモンドと「ボルサリーノ」('70)以来、28年ぶりの共演を果たし、貫禄たっぷりの演技を披露するも、この作品を最後に映画界から引退することを宣言。最近出演した日本の番組では「映画でやりたいことはやりきったから」とその理由を話している。しかし、2001年にTVドラマ「アラン・ドロンの刑事物語」で俳優業に復帰し、息子アラン・ドロンJr.との初共演も見せた。また2003~2004年にフランスとドイツで共同製作された「アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ」にも主演し、12月にはDVDも発売される。ことし初めには映画「マディソン郡の橋」('95)の舞台化作品に、かつての恋人ミレーユ・ダルクと共演。デビューから50周年を迎えた現在もまだまだ元気な姿を見せている。

PROFILE
'35年11月8日、フランス生まれ。17歳で海兵隊に入隊し、除隊後は世界各地を放浪。'57年に「女が事件にからむ時」で映画デビュー。フランス、イタリア、アメリカ映画など、数々の作品に出演し、爆発的な人気を誇る。俳優業の傍ら、自身のプロダクション“アデル・プロ”を設立。「ル・ジタン」('75)や「ブーメランのように」('76)の製作を手掛け、プロデューサーとしても手腕を発揮。また、「危険なささやき」('81)では監督業に進出した。私生活では「恋はひとすじに」('58)で共演したロミー・シュナイダーをはじめ、女性関係のスキャンダルでも世間を大いに賑わせた。

ビル・マーレー

幅広いジャンルの作品で存在感を発揮する個性派俳優
出演作「SPACE JAM」('96)が20日(火)に衛星第2で放送。アメリカの人気TVコメディー・ショー「サタデー・ナイト・ライブ」の第2シリーズ('77)からレギュラー出演し、一躍注目されたマーレー。幼児的な身振りに投げやりな表情と毒舌で人々の笑いを誘い、天才コメディアンとして名をはせていく。'79年、子供たちのサマー・キャンプを舞台に、仕事より女性が目当ての指導員らが騒動を繰り広げるコメディー「ミートボール」で映画デビュー。無頓着だが、猪突猛進すると大変な事態を引き起こす男を演じ、ナンセンスな笑いを振りまいた。この作品の監督、アイバン・ライトマンとは、マーレーの初期の代表作「ゴーストバスターズ」('84)でもコンビを組んだ。同作は全世界で大ヒットを記録。マーレーもお化け騒動に立ち向かう科学者を珍妙に演じ、日本でブレークを果たす。笑いを取る演技ばかり注目されがちな彼だったが、売れない脚本家を演じた「トッツィー」('82)や、アルコール依存症の芸人を演じた「クレイドル・ウィル・ロック」('99)などでは正統派の演技もできることを証明。その多面的な魅力に着目した個性派監督たちの作品に続けて出演することになる。脚本にほれ込み、最低保障のギャラで出演したウェス・アンダーソン監督の「天才マックスの世界」('98、未公開)では、主人公の高校生と恋のバトルを展開する中年男を演じ、全米批評家協会賞など助演男優賞を総なめにした。その後、グウィネス・パルトロウふんする元天才劇作家の夫を演じた「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001)、落ち目の海洋学者を演じた「ライフ・アクアティック」(2004)でもアンダーソン監督とコンビを組む。監督はマーレーを主役に想定して「ライフ・アクアティック」の脚本を執筆、マーレーも「自分にとって特別な存在になった監督」と言うほど、2人は強い信頼関係を築いている。インドを舞台に、大人になりきれないアメリカ人3兄弟の愛ときずなを描くアンダーソン監督の新作「ダージリン急行」にも出演。2008年3月に公開が予定されている。さらに、ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」(2003)では哀愁を帯びた人気低迷のハリウッド俳優を好演し、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞に輝いた。同作で見せた“哀愁を帯びた中年男の魅力”は、自分に息子がいることを知り、昔の恋人を訪ねて回る男を演じた、ジム・ジャームッシュ監督の「ブロークン・フラワーズ」(2005)でも発揮され、年齢とともに魅力が増す俳優として、目の離せない存在となっている。

PROFILE
'50年9月21日、米・イリノイ州生まれ。アイルランド系の両親のもと、9人兄弟の5番目として生まれる。医者を志して大学の医学部に入るが、勉強に嫌気が差して1年で中退する。その後、兄がメンバーだったシカゴ即興劇団セカンド・シティのオーディションを受け、同劇団のワーク・ショップに加入。ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドらと出会い、それをきっかけに「サタデー・ナイト・ライブ」にレギュラー出演するようになる。'90年には「クイック・チェンジ」(未公開)で監督業にも進出。現在、作家としても活躍中だ。

堤幸彦

娯楽作良し感動作良しの器用な映像作家
堤幸彦監督作「トリック 劇場版」(2002)が11月11日(日)テレビ朝日系で放送。シニカルでテンポよい笑いと、凝ったカメラワークや編集による斬新な映像が魅力の堤。その魅力で現在、日本映画界の第一線で活躍する堤だが、実は最初から映画の世界を目指していたわけではない。CM、ミュージックビデオ、TVのバラエティー番組などのディレクターと、さまざまなジャンルで活躍し、そこで磨かれた独特のセンスによって“ケイゾク”('99)、“トリック”(2000-2005)などのTVドラマをヒットさせた。人物の顔を半分しか映さない撮り方や、画面を湾曲させ異様な雰囲気を作リ出すなどのインパクトある映像と、連発されるギャグや登場人物たちの絶妙な掛け合いが新味で多くのファンを獲得。それらの映画化により映画界でも知名度を上げた堤は、青春群像コメディー“ピカ☆ンチ”シリーズ(2002、2004)なども成功させる。そんな娯楽作品で定評のある堤が、渡辺謙プロデュースによる「明日の記憶」(2006)で新たな一面を開花。若年性アルツハイマー病と向き合う夫婦の姿を描くという重いテーマのこの作品。堤の“人間を見る目”を買って監督に起用したという渡辺がにらんだ通り、夫婦愛、病を患った主人公の苦悩をしっとりと、また激しく表現した。人間の機微を丁寧に描き、これまでと違う質感の作品で観客を驚かせた堤は、他人の心を癒やそうとする中で、自分自身に向き合っていく10代の少年少女たちの姿を描いた「包帯クラブ」(2007)や、不器用な男性と彼に尽くす女性の愛が温かい「自虐の詩」(2007)など、心情重視の作品を続けて制作。最新作としては、TVドラマ「スシ王子!」(2007)を映画化したコメディー「銀幕版 スシ王子! ニューヨークへ行く」、竹中直人と吉永小百合ふんする夫婦の愛を描く「まぼろしの邪馬台国」、浦沢直樹の人気コミックを実写映画化するサスペンス・アドベンチャー「20世紀少年」とバラエティー豊かな作品が目白押しだ。

PROFILE
'55年11月3日愛知県名古屋市生まれ。法政大学を中退し専門学校にて映像を学ぶ。卒業後は、TV製作会社に所属。その後、秋元康と映像製作会社を設立していたこともある。映画デビューは、'88年にオムニバス・コメディー「バカヤロー! 私、怒ってます」('88)の中の第4話「英語がなんだ!」。この作品の後、しばらく“堤ユキヒコ”で活動。大の音楽好きでバンド活動もし、また舞台の演出でも才能を発揮している。そのほかの作品としては「2LDK」(2002)、「恋愛寫眞 Collage of Our Life」(2003)、「サイレン FORBIDDEN SIREN」(2006)、「大帝の剣」(2007)などがある。

クライブ・オーウェン

渋い色気と多彩な存在感が魅力の実力派英国俳優
出演作「ボーン・アイデンティティー」(2002)が4日(日)にテレビ朝日系で放送。濃厚な大人の男の色気を漂わせながら英国紳士の気品を失わない魅力的な風ぼうと、悪役から英雄、平凡な中年男まで幅広い役柄をこなす確かな演技力でひっぱりだこのオーウェン。'88年に「ブルーム」で映画デビューした彼は、不遇の時期が続き、しばらくはTVや舞台を中心に活躍していた。その後、'97年の「ベント 堕ちた饗宴」や英国のTVドラマ「セカンド・サイト」('99~2000)のヒットなどでじわじわと人気と知名度を上げ、2002年、「ボーン・アイデンティティー」で初のハリウッド大作へ出演。主人公を狙う寡黙なスナイパーを演じて注目を集める。2003年の「すべては愛のために」ではアンジェリーナ・ジョリーの相手役の難民救済に従事する青年医師を演じ、続く2004年には歴史超大作「キング・アーサー」の主演に抜てき。ハリウッド・スターの仲間入りを果たす。また、彼が主演して人気を博した同名舞台を映画化した「クローサー」(2004)では、舞台版で演じた役とは別の性欲としっと心に翻ろうされる中年医師役を演じ、大人の複雑な恋愛心理を体現。ゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞するなど高く評価され、実力派俳優として認識されるようになる。作品を通して観ると、同じ役者であることを忘れてしまうほど、1つ1つの映画で受ける印象がまるで違うオーウェン。役によって常に新鮮な魅力を発揮する彼の俳優としての面白さが「インサイド・マン」(2006)のスパイク・リーや主演作「トゥモロー・ワールド」(2006)のアルフォンソ・キュアロンら鬼才と呼ばれる監督にも多く起用されているゆえんだろう。今後は、ケート・ブランシェット主演の「エリザベス」('98)の続編「エリザベス:ザ・ゴールデン・エイジ(原題)」(来年春日本公開)に出演。また、ナオミ・ワッツ共演のアクション・スリラー「The International」(来年8月米公開)に主演するほか、2009年には米国で「シン・シティ」の第2弾の公開が予定されている。

PROFILE
'64年10月3日、イギリス・ウェスト・ミッドランド州コベントリー生まれ。5人兄弟の4男。カントリー・シンガーだった父が3歳の時に家を出て、継父と実母の下で育つ。'84年の20歳のころから3年間、英国王立演劇アカデミーで本格的に演劇を学び、劇団ヤング・ビク・シアターに入団。'88年、ロミオ役で出演した舞台「ロミオとジュリエット」で、ジュリエットを演じていたサラ・ジェーン・フェントンと'95年に結婚。現在、妻と2人の娘とともにロンドンで暮らしている。“撮影中、娘たちのことを思うと、すぐに家に帰りたくなってしまう”とコメントするなどファミリーマンの一面も。ダニエル・クレイグとともに6代目ジェームズ・ボンドの有力候補とうわさされていた。

カレンダー

2010年03月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
rss