ビル・マーレー
幅広いジャンルの作品で存在感を発揮する個性派俳優
出演作「SPACE JAM」('96)が20日(火)に衛星第2で放送。アメリカの人気TVコメディー・ショー「サタデー・ナイト・ライブ」の第2シリーズ('77)からレギュラー出演し、一躍注目されたマーレー。幼児的な身振りに投げやりな表情と毒舌で人々の笑いを誘い、天才コメディアンとして名をはせていく。'79年、子供たちのサマー・キャンプを舞台に、仕事より女性が目当ての指導員らが騒動を繰り広げるコメディー「ミートボール」で映画デビュー。無頓着だが、猪突猛進すると大変な事態を引き起こす男を演じ、ナンセンスな笑いを振りまいた。この作品の監督、アイバン・ライトマンとは、マーレーの初期の代表作「ゴーストバスターズ」('84)でもコンビを組んだ。同作は全世界で大ヒットを記録。マーレーもお化け騒動に立ち向かう科学者を珍妙に演じ、日本でブレークを果たす。笑いを取る演技ばかり注目されがちな彼だったが、売れない脚本家を演じた「トッツィー」('82)や、アルコール依存症の芸人を演じた「クレイドル・ウィル・ロック」('99)などでは正統派の演技もできることを証明。その多面的な魅力に着目した個性派監督たちの作品に続けて出演することになる。脚本にほれ込み、最低保障のギャラで出演したウェス・アンダーソン監督の「天才マックスの世界」('98、未公開)では、主人公の高校生と恋のバトルを展開する中年男を演じ、全米批評家協会賞など助演男優賞を総なめにした。その後、グウィネス・パルトロウふんする元天才劇作家の夫を演じた「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001)、落ち目の海洋学者を演じた「ライフ・アクアティック」(2004)でもアンダーソン監督とコンビを組む。監督はマーレーを主役に想定して「ライフ・アクアティック」の脚本を執筆、マーレーも「自分にとって特別な存在になった監督」と言うほど、2人は強い信頼関係を築いている。インドを舞台に、大人になりきれないアメリカ人3兄弟の愛ときずなを描くアンダーソン監督の新作「ダージリン急行」にも出演。2008年3月に公開が予定されている。さらに、ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」(2003)では哀愁を帯びた人気低迷のハリウッド俳優を好演し、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞に輝いた。同作で見せた“哀愁を帯びた中年男の魅力”は、自分に息子がいることを知り、昔の恋人を訪ねて回る男を演じた、ジム・ジャームッシュ監督の「ブロークン・フラワーズ」(2005)でも発揮され、年齢とともに魅力が増す俳優として、目の離せない存在となっている。
PROFILE
'50年9月21日、米・イリノイ州生まれ。アイルランド系の両親のもと、9人兄弟の5番目として生まれる。医者を志して大学の医学部に入るが、勉強に嫌気が差して1年で中退する。その後、兄がメンバーだったシカゴ即興劇団セカンド・シティのオーディションを受け、同劇団のワーク・ショップに加入。ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイドらと出会い、それをきっかけに「サタデー・ナイト・ライブ」にレギュラー出演するようになる。'90年には「クイック・チェンジ」(未公開)で監督業にも進出。現在、作家としても活躍中だ。