ジョン・トラボルタ
劇的な再ブレークを果たしたハリウッドきっての個性派スター
出演作「パニッシャー」(2004)が29日(金)に日本テレビ系で放送。目尻の下がったやや下膨れの顔からにじみ出る人の良さと、肩の力の抜けた演技で多くの人を魅了するトラボルタ。彼の名を一躍世界に知らしめたのは、'70年代後半に出演した2本の映画だった。踊りだけが生きがいの青年を演じた「サタデー・ナイト・フィーバー」('77)では、幼少時から習っていた得意のダンスを披露。大ヒットを記録し、世界中にディスコ・ブームを巻き起こした。その翌年に出演した青春ミュージカル「グリース」でも、不良グループのリーダー役でダンス・シーンをセクシーにこなし、映画はまたしても大ヒット。そのまま順調なキャリアを歩むかに見えたトラボルタだったが、ラブロマンス「アーバン・カウボーイ」('80)、「サタデー・ナイト―」の続編「ステイン・アライブ」('83)などコンスタントに映画出演を重ねるもヒット作は生まれず、しばらく低迷の時期が続く。TVなどの活動を経て'89年に出演したコメディー「ベイビー・トーク」では、ひょんなことから父親となったタクシー運転手を演じ、久々のヒットとなった。だが彼の復活を印象づけたのは、何といってもクエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」('94)だろう。この作品で演じたギャングの役は、トラボルタのファンであるタランティーノが彼のために用意したもの。「サタデー・ナイト―」のパロディーともいえるレストランのダンス・シーンなど、'70年代のトラボルタをリアルタイムで知らない世代にも存在をアピールし、“ハリウッドで最も劇的なカムバック”とまで言われた。その後、「ゲット・ショーティ」 ('95)の映画産業に乗り出すマフィアや、「パニッシャー」の裏社会を牛耳る資産家など様々なタイプの悪役を演じ、演技の幅を広げていく。一方、屈託のない笑顔で風変わりな天使を演じた「マイケル」('96)や、大企業に立ち向かう正義感の強い弁護士を好演した「シビル・アクション」('98)では、生来の善人風のキャラクターが役柄にマッチし、多くの観客のハートをつかんだ。ブロードウェー・ミュージカルを映画化した「ヘアスプレー」(2007)では、女子高生の“母親”役に挑戦。スターの地位に甘んじることなく、新しい役にチャレンジし続けている。人生に行き詰まった中年男4人がバイクでアメリカ横断の旅に出る「団塊ボーイズ」が公開中。トラボルタは自己破産した実業家を演じる。
PROFILE
'54年2月18日に米・ニュージャージー州で、イタリア系の父とアイルランド系の母の間に生まれる。5歳のころから、元女優で演技コーチの母からタップダンスを習い始め、以後舞台の経験を積むようになる。16歳の時に高校を中退してニューヨークに移り、オフ・ブロードウェーやTVなどに出演。'75年に、「魔鬼雨」で端役を得て映画デビューを果たす。私生活では、「エキスパーツ」('88、日本未公開)で共演した女優ケリー・プレストンと'91年に結婚。一男一女をもうけている。無類の航空機好きとしても知られ、自家用ジェットのほか、ボーイング747-400の副操縦士免許も取得している。