ケビン・ベーコン

幅広い演技力と強い個性であらゆる役を物にする性格派俳優
主演作「トレマーズ」('89)が24日(木)にテレビ東京系で放送。その熟達した演技で、数多くの個性的な役柄をこなすベーコン。現在ではアクの強い演技に定評のある彼だが、保守的な大人たちに反抗する若者を演じた「フットルース」('84)でブレークしたこともあり、'80年代までは青春スターのイメージが強かった。しかし'90年代に入ると、海兵隊員にふんし、それまでとはひと味違うクセのある演技を見せた「JFK」('91)などへの出演をへて、凶悪な脱獄囚を演じた「激流」('94)で個性派としての才能が開花。以降、「スリーパーズ」('96)での少年たちをいじめ抜く陰湿な看守や「ワイルドシングス」('98)の悪徳刑事、「インビジブル」 (2000)の透明人間になって暴走する科学者など、それぞれにタイプの異なる悪役を演じ、強烈な存在感を発揮するようになっていく。にもかかわらず悪役のイメージばかりが際立たないのは、一方で、「アポロ13」('95)の宇宙飛行士や「ウィズ・ユー」('97)の知的障害者など、多彩な役に挑戦しているためであろう。中でも、12キロ減量して撮影に臨んだ「告発」('94)では、副刑務所長から非人道的な扱いを受けるシーンの多い、「スリーパーズ」の看守と表裏のような囚人役を熱演。放送映画批評家協会賞の最優秀男優賞を受賞するなど、批評家の絶賛を浴びた。さらに近年は、クリント・イーストウッド監督の「ミスティック・リバー」(2003) やジェーン・カンピオン監督の「イン・ザ・カット」(2003)など、独自の世界を持つ監督たちの作品に積極的に出演。特に「ミスティック・リバー」では、幼なじみが関係した殺人事件の捜査にあたる刑事にふんし、内に秘めた深い孤独や葛藤を細やかな演技で表現、役者としての成熟ぶりを多くの人に印象づけた。2005年には「バイバイ、ママ」で劇場長編監督デビューを飾っており、今後は俳優のみならず監督としての活躍も期待されている。イラク戦争を題材にした「テイキング・チャンス(原題)」が2008年にネット上で公開予定。イラクで殺された米海兵隊員の遺体を、故郷ワイオミング州まで運んだ中佐が書いた短編の映画化で、ベーコンは中佐を演じている。また、ウォーターゲート事件後のリチャード・ニクソン元米大統領の歴史的インタビューを描く「フロスト/ニクソン(原題)」が、2008年に全米で公開予定。ベーコンはニクソンの補佐官だったジャック・ブレナンにふんする。

PROFILE
'58年7月8日米・ペンシルバニア州生まれ。高校卒業後、ニューヨークで演技を学び、ブロードウェーの舞台に立つ。'78年、青春コメディー「アニマル・ハウス」の端役で映画デビュー。その後、ウエーターをしながら活動を続け、5人の若者の青春を描いた「ダイナー」('82)で酔いどれのはみだし者を好演し、注目を集める。また、兄弟で「ザ・ベーコン・ブラザーズ」というバンドを結成するなど音楽活動にも力を入れている。妻は女優のキーラ・セジウィック。他の出演作に「アフリカン・ダンク」('93)、「マイ・ドッグ・スキップ」('99)、「秘密のかけら」(2005)などがある。

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