トミー・リー・ジョーンズ

日本でもCMでおなじみのハリウッドを代表する名優
主演作「ハンテッド」(2003)が5日(木)にテレビ東京系で放送。日本では缶コーヒーのCMで人気のジョーンズ。お茶目な宇宙人を演じる彼についつい親近感を抱いてしまうが、本国アメリカでは、ただそこにいるだけで他者を圧倒するようなオーラを放つ、ハリウッドきっての名優として有名。特に、彼がブレークするきっかけとなった“悪役”を演じたときは秀逸で、ケネディ暗殺の黒幕と目された人物にふんした「JFK」('91)、極悪テロリスト役の「沈黙の戦艦」('92)では、主役を食うほどの存在感を発揮している。'93年には、無実の医師を執ように追跡する連邦保安官補を演じた「逃亡者」でアカデミー賞助演男優賞を受賞。その後も、本気で気が狂ったのかと思うような「ナチュラル・ボーン・キラーズ」('94)、「バットマン・フォーエヴァー」('95)などで悪役を演じるが、'90年代後半あたりから役柄が一転。「追跡者」('98)、「英雄の条件」(2000)、「ミッシング」(2003)、「ノーカントリー」(2007)など、無骨で実直、どこか影と悲哀を感じさせる大人の男性を多く好演し、最近ではそちらのイメージの方が板に付いてきている。そうした謹厳実直なキャラクターを逆に生かし、「メン・イン・ブラック」('97) や、先述の缶コーヒーのCMといったコメディーでも大いに活躍するところが、彼の名優と評されるゆえんなのかも知れない。アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた新作、「告発のとき」が28日(土)に公開。ジョーンズふんする元軍人の男性が、軍から脱走した息子の消息を探るうちに過酷な真実を知ることになる人間ドラマ。

PROFILE
'46年9月15日、米・テキサス州生まれ。少年時代から学業、スポーツに優れ、奨学金を得て高校、大学に進学する。ハーバード大学でのルームメートは、後に米国副大統領となるアル・ゴアだった。アメリカン・フットボールでは全米アイビー・リーグの最優秀選手に選ばれる。大学では英文学を専攻する一方で演劇部にも所属。卒業後、舞台俳優として活躍し、「ある愛の詩」('70)で映画デビュー。「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」(2005)では初の映画監督を務めた。2001年に、カメラマンの女性と3度目の結婚をした。

キアヌ・リーブス

イメージにとらわれず、作品に真摯に向き合うハリウッド・スター
主演作「コンスタンティン」(2005)が25日(日)にテレビ朝日系で放送。端正な顔立ちで、神秘的な美しさを持つキアヌ・リーブス。'86年に「栄光のエンブレム」でアメリカ映画デビューを果たすも、「2番手役ばかりでは欲求不満になる」とハリウッドへ。そして、青春カルトムービー「リバーズ・エッジ」('86)で注目を集め、「ビルとテッドの大冒険」('89)のおバカ全開のコメディーや、男娼をミステリアスな魅力で演じた「マイ・プライベート・アイダホ」('91)、オフビートなアクション「ハートブルー」('91)に出演。また、アート色の強い、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ドラキュラ」('92)、ベルナルド・ベルトルッチ監督の「リトル・ブッダ」('93)などにも挑戦している。「俳優として望んでいることは、バラエティーに富んだキャラクターに挑戦すること」と語るキアヌらしく、イメージが定着することを好まず、出演作のジャンルは多岐にわたる。だが、作品数に対して、当たり役には恵まれていなかったキアヌ。そんな彼をビッグ・スターの地位へと導いた作品が「スピード」('94)だ。身体を作り、80%のスタントに自ら挑戦、全世界でヒットを記録するが、彼は正統派ヒーローのイメージを打ち消すようにサイバーSFの「JM」('95)、犯罪ラブ・ストーリーの「フィーリング・ミネソタ」('96)、オカルト・サスペンス「ディアボロス 悪魔の扉」('97)などを選択。その後キアヌは、映像分野にも大きな影響を与えた「マトリックス」('99)に出演、世界中でカルト的な人気を呼び、全3作のシリーズ化がされ、キアヌ自身もトップ・スターの座を不動のものにした。だが、それ以降は白血病を患う妹の看病のため仕事をセーブし、2年ぶりに主演した「コンスタンティン」では、神にさえ文句を言うアンチ・ヒーローを、減量や話し方の工夫を施し好演。また、実写映像のデジタルペイントという手法で独特の映像世界を作り出した「スキャナーダークリー」(2006)で、3つのアイデンティティーに精神を引き裂かれていく麻薬の潜入捜査官を演じるなど、再びコンスタントに映画出演する。作品により自分を高め、予算規模やジャンルにとらわれないキアヌの新作は、1951年にマイケル・レニーが主演した未来SF映画のリメーク作、「ザ・デイ・ジ・アース・ストゥッド・スティル(原題)」で、12月に公開が予定されている。地球壊滅の危機を警告するため、地球を訪れる宇宙人役を演じる彼の演技に注目だ。

PROFILE
'64年9月2日、レバノン・ベイルート生まれ。作品によって、体重を増減させたり、鼻ピアスやモヒカン刈りにするなど、役作りの徹底ぶりには定評がある。また、誠実な二枚目青年を演じても見事にはまり、「ラジオタウンで恋をして」('90)や「雲の中で散歩」('95)、「恋愛適齢期」(2003)、「イルマーレ」(2006)など恋愛作品も多数。「スピード」「イルマーレ」で共演したサンドラ・ブロックとは、非常に仲が良く、彼女はキアヌを、天性の親切さと純粋な心を持っている感じと評していた。そんな話を裏付けるべく、大のバイク好きでも知られる彼は、“マトリックス”シリーズの成功は、特殊効果チームの功績が大きいと、クリエーターチーム全員にハーレーダビッドソンを贈ったという逸話もある。

ティルダ・スウィントン

中性的な容姿と硬軟自在な演技力で抜群の存在感を放つ知性派女優
出演作「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」(2005)が18日(日)にテレビ朝日系で放送。ミステリアスなルックスと幅広い演技力で、圧倒的な存在感を放つスウィントン。大学卒業後、舞台女優として活躍していた彼女は、映画監督デレク・ジャーマンとの出会いをきっかけに映画女優としての道を歩み始める。ジャーマンがイタリア・ルネサンス期の画家カラヴァッジオの生涯を描いた「カラヴァッジオ」('86)で映画デビュー。賭け事師の恋人とカラヴァッジオとの間で揺れる女性レナにふんし、デビュー作ながら、準主役にあたる重要な役柄を見事に演じた。以降、「ザ・ガーデン」('90)、「ヴィトゲンシュタイン」('93)などに出演し、ジャーマン作品の常連となる。中でも、悲劇の王エドワード二世の姿を描いた「エドワードII」('91)では、妻イザベラ役で迫真の演技を見せ、ベネチア映画祭主演女優賞に輝いた。その翌年には、女性監督サリー・ポッターがバージニア・ウルフの原作を映画化した「オルランド」に出演。こん睡状態から覚めると女性になっていた青年貴族オルランドを演じ、世界中の話題を集めた。'94年にジャーマンがエイズで死去。その後も、「イヴの秘かな憂鬱」('96)でセックス依存症の弁護士にふんするなど、インディーズ系作品でクセのある役を演じることが多かったが、レオナルド・ディカプリオとの共演作「ザ・ビーチ」(2000)でハリウッドに進出。それを機にハリウッドの大作にも出演するようになる。しかし演じる役は一筋縄ではいかないものが多く、キアヌ・リーブスと共演した「コンスタンティン」(2005)では天使ガブリエルを、「ナルニア国物語―」では冷徹な魔女を演じ、いずれも強烈な印象を残した。この2作に顕著なように、その独特な容姿から、性もしくは人間をも超越した役をオファーされることも多いというスウィントン。だが「サムサッカー」(2005)で17歳の少年の平凡な母親、「ブロークン・フラワーズ」(2005)でバイク男たちと暮らす昔かたぎの女性を演じているように、自身のパブリック・イメージに固執せず、多彩な役に挑戦している。「自分の顔立ちが作品内でどんな化学反応を起こすのか楽しんでいる」というコメントからもうかがえる、自らを客観視できる知性もまた魅力の一つだろう。公開中の「フィクサー」では、体重を増やして冷酷な企業弁護士を演じ、見事アカデミー賞助演女優賞を受賞。新作「ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛」が5月21日(水)より公開される。

PROFILE
'60年11月5日、英・ロンドン生まれ。スコットランド人の父とオーストラリア人の母に育てられ、ダイアナ妃と同じ小学校に通う。ケンブリッジ大学で政治学と英文学を専攻するが、演劇に興味を持つようになり、卒業後はロイヤル・シェイクスピア劇団で演劇を学んだ。鬼才ジャーマンが手掛けた「カラヴァッジオ」で映画デビューを果たしてからは、アート系からハリウッド大作までさまざまな映画に出演。私生活では、劇作家ジョン・バーンとの間に双子をもうけている一方、2004年からは画家サンドロ・コップと恋人関係にある。

フランク・ダラボン

スティーブン・キング原作作品の名手
監督作「グリーンマイル」('99)が10日(土)にフジ系で放送。現在、劇場公開されている監督作は3作品(新作を含まず)と少ないながら、デビュー作「ショーシャンクの空に」('94)をはじめ「グリーンマイル」「マジェスティック」(2001)と、すべてヒットさせているダラボン。中でも、無実の罪で投獄された男が、みずからの力と知恵で、自由を手に入れようとする姿を描いた「ショーシャンクの空に」と、奇跡を起こす黒人死刑囚と看守たちとの心の交流を描いた「グリーンマイル」は、各年のアカデミー賞で、作品賞をはじめ、それぞれ7部門と4部門にノミネートされた。1、2作目ともに作品賞にノミネートされたことは、映画史上6人だけという快挙だ。そして、そのどちらも原作は、彼が大ファンだという人気作家スティーブン・キングの小説で、ダラボン自身が脚色。ホラー小説家として広く知られるキングだが、ダラボンは、ヒューマニズムを色濃く描いた彼の“非ホラー小説”に引かれるという。キング小説の魅力を、“色々なタイプの人間が巧みに描写されている”ところだと話すダラボンは、それを映画の中で十分に活かすため、登場人物を丁寧に描写することを何よりも大切にしている。映像効果や奇抜なストーリー展開に頼る作り方をしていない「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」は、どちらも刑務所というネガティブで暗い印象になりがちな場所が舞台でありながら、人間同士の心の触れ合いをじっくりと観せていき、ラストには観る者に希望や勇気を与え、また人の温かさを伝えて深く感動させた。原作の魅力を崩すことなく映画化するダラボンの手腕はキングにも信頼されているほどで、再びキング小説を原作にした新作「ミスト」(2007)では、ストーリーのラストを原作と変えたにも関わらず、キングに、“もし私がこのラストを思いついていたら、小説の中で使っていただろうね”と言わしめたほどだ。5月10日(土)公開の新作「ミスト」は、不審な深い霧にのみ込まれた田舎町のスーパーマーケットを舞台に、店内に取り残された人々が霧の中から現れる得体の知れない凶暴な生物たちに襲われ、次第に理性を失っていく姿を描く。キング×ダラボンの新たな世界が楽しみだ。

PROFILE
'59年1月28日、フランス生まれ。ブダペストの内乱を逃れ、フランスへ亡命したハンガリー人の両親の元に生まれる。幼少期に家族とともに渡米し、各地を転々とした後、ロサンゼルスに移り住む。高校卒業後、'81年「ヘルナイト」の製作アシスタントとして映画界で働き始める。美術助手なども経験した後、「エルム街の悪夢3 惨劇の館」('87)で脚本家デビューし、「ザ・フライ2 二世誕生」('89)「フランケンシュタイン」('94)などの脚本を執筆。'83年にスティーブン・キングの小説を原作に監督した短編映画をキングに認められ、「ショーシャンクの空に」の原作「刑務所のリタ・ヘイワース」の映画化権を獲得、劇場用映画の監督デビューを果たす。監督だけでなく脚本家やプロデューサーとしても活躍している。

スティーブン・スピルバーグ

ハリウッドのトップに君臨し続ける世界最高峰のヒットメーカー
監督作「オールウェイズ」('89)が3日(土)に衛星第2で放送。愛きょうのある笑顔と眼鏡がトレードマークの、世界的映画監督スピルバーグ。'60年代後半に映画界入りした彼は、「JAWS ジョーズ」('75)、「E.T.」('82)、“インディ・ジョーンズ”シリーズ、“ジュラシック・パーク”シリーズ、「宇宙戦争」(2005)など、数々の大ヒット作を次々と世に送りだし、“娯楽映画の王様”の称号を約20年も前から欲しいままにしている。その一方で、評論家受けがあまり良くないことでも知られ、“演出技術は抜群だがテーマは子どもっぽい”という評価を少なからず受けてきた。しかし、映画人として類いまれな才能を持つ彼は、人間のネガティブな一面をテーマにした「シンドラーのリスト」('93)、「アミスタッド」('97)、「プライベート・ライアン」('98)、「A.I.」(2001)など、シリアスな作品でも成功できることを証明し、一部評論家の意見を一掃させた。そうしたジャンルを問わずに映画を作れる手腕とともに、特筆すべきことが作品のリリースの早さである。映画監督のほかに製作や製作総指揮を数多くの作品で手掛け、一時は自身の製作会社を設立するなど売れっ子ゆえの超多忙なスケジュールに追われる中でも、彼はほぼ1年に1作のペースで監督作をリリースし、そうした行動力が他の追随を許さない彼の今ある地位を支えている重要なファクターのひとつといっても過言ではないだろう。新作は、'80年代に一世を風びしたアドベンチャー・シリーズの第4作「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」が6月21日(土)に公開。前作から19年を経て再びスクリーンに戻ってくるインディの活躍、そのインディを演じるハリソン・フォードが60歳半ばを超えて挑戦するアクションなどの見どころに加え、シリーズ全作でタッグを組むスピルバーグ監督と製作総指揮のジョージ・ルーカスの演出にも期待と注目が集まる。

PROFILE
'46年12月18日、米・オハイオ生まれ。高校時代に両親が離婚、母親と移住したカリフォルニアで、ユニバーサルの撮影スタジオに潜り込み映画製作について学ぶ。TV映画の演出を経て、「続・激突! カージャック」('74)で劇場映画監督デビュー。監督第2作「JAWS ジョーズ」の世界的大ヒットで一躍人気監督になる。製作者としても意欲的に活動し、'94年には自身の製作会社ドリームワークスを設立、“シュレック”シリーズや「グラディエーター」(2000)など多くのヒット作を輩出したが、2005年にパラマウントピクチャーズに買収された。

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