ティルダ・スウィントン

中性的な容姿と硬軟自在な演技力で抜群の存在感を放つ知性派女優
出演作「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」(2005)が18日(日)にテレビ朝日系で放送。ミステリアスなルックスと幅広い演技力で、圧倒的な存在感を放つスウィントン。大学卒業後、舞台女優として活躍していた彼女は、映画監督デレク・ジャーマンとの出会いをきっかけに映画女優としての道を歩み始める。ジャーマンがイタリア・ルネサンス期の画家カラヴァッジオの生涯を描いた「カラヴァッジオ」('86)で映画デビュー。賭け事師の恋人とカラヴァッジオとの間で揺れる女性レナにふんし、デビュー作ながら、準主役にあたる重要な役柄を見事に演じた。以降、「ザ・ガーデン」('90)、「ヴィトゲンシュタイン」('93)などに出演し、ジャーマン作品の常連となる。中でも、悲劇の王エドワード二世の姿を描いた「エドワードII」('91)では、妻イザベラ役で迫真の演技を見せ、ベネチア映画祭主演女優賞に輝いた。その翌年には、女性監督サリー・ポッターがバージニア・ウルフの原作を映画化した「オルランド」に出演。こん睡状態から覚めると女性になっていた青年貴族オルランドを演じ、世界中の話題を集めた。'94年にジャーマンがエイズで死去。その後も、「イヴの秘かな憂鬱」('96)でセックス依存症の弁護士にふんするなど、インディーズ系作品でクセのある役を演じることが多かったが、レオナルド・ディカプリオとの共演作「ザ・ビーチ」(2000)でハリウッドに進出。それを機にハリウッドの大作にも出演するようになる。しかし演じる役は一筋縄ではいかないものが多く、キアヌ・リーブスと共演した「コンスタンティン」(2005)では天使ガブリエルを、「ナルニア国物語―」では冷徹な魔女を演じ、いずれも強烈な印象を残した。この2作に顕著なように、その独特な容姿から、性もしくは人間をも超越した役をオファーされることも多いというスウィントン。だが「サムサッカー」(2005)で17歳の少年の平凡な母親、「ブロークン・フラワーズ」(2005)でバイク男たちと暮らす昔かたぎの女性を演じているように、自身のパブリック・イメージに固執せず、多彩な役に挑戦している。「自分の顔立ちが作品内でどんな化学反応を起こすのか楽しんでいる」というコメントからもうかがえる、自らを客観視できる知性もまた魅力の一つだろう。公開中の「フィクサー」では、体重を増やして冷酷な企業弁護士を演じ、見事アカデミー賞助演女優賞を受賞。新作「ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛」が5月21日(水)より公開される。

PROFILE
'60年11月5日、英・ロンドン生まれ。スコットランド人の父とオーストラリア人の母に育てられ、ダイアナ妃と同じ小学校に通う。ケンブリッジ大学で政治学と英文学を専攻するが、演劇に興味を持つようになり、卒業後はロイヤル・シェイクスピア劇団で演劇を学んだ。鬼才ジャーマンが手掛けた「カラヴァッジオ」で映画デビューを果たしてからは、アート系からハリウッド大作までさまざまな映画に出演。私生活では、劇作家ジョン・バーンとの間に双子をもうけている一方、2004年からは画家サンドロ・コップと恋人関係にある。

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