池脇千鶴

等身大の演技が光る若手女優
声の出演作「猫の恩返し」(2002)が4日(金)に日本テレビ系で放送。透明感のある可憐な少女のような雰囲気が魅力の池脇。TVのオーディション番組で芸能界入りした彼女は、「大阪物語」('99)で映画デビューを果たし、売れない漫才コンビを両親に持つ多感な少女を好演。その演技力の高さが評価されると、NHK連続テレビ小説「ほんまもん」(2001~2002)のヒロインに抜てきされるなど、瞬く間にTVに映画に引っ張りだこの人気女優となる。清純派としてのイメージが強い彼女だが、平凡な大学生と足の不自由な女の子ジョゼをめぐる恋物語「ジョゼと虎と魚たち」(2003)では、それまでのイメージを覆すようなヌードシーンに挑戦、大学生にふんした妻夫木聡と大胆なベッドシーンを披露している。その後も、TVドラマや「火火」(2004)、「誰がために」(2005)など順調にキャリアを積んで多様なキャラクターを演じるようになるが、女優として彼女が最も存在感を放つ役柄は、やはり“等身大の少女”である。友人宅に集まった若者たちの何気ない一日を温かな視点で描く青春群像ドラマ「きょうのできごと a day on the planet」(2003)や、都会の片隅でそれぞれの幸せを求めて懸命に生きようとする4人の女性を描いた「ストロベリーショートケイクス」(2006)など、恋に一喜一憂したり、悩みを抱えながら夢を追いかけたりと、“現実”を生きる女性にふんしたときの彼女の演技は目を見張るものがある。新作は、作家・菊池寛とその周囲の人々が織り成す人間模様を描く「丘を越えて」が現在公開中。池脇は西田敏行ふんする菊池寛の個人秘書役で出演。その他にも、「火垂るの墓」、「20世紀少年」、「ホームレス中学生」と話題作の公開が続々と控えている。

PROFILE
'81年11月21日、大阪府生まれ。愛称は“ちぃちゃん”。TVのオーディション番組において、「三井のリハウス」の第8代リハウスガールに選ばれ、芸能界デビュー。映画デビュー作「大阪物語」では、日本アカデミー賞新人俳優賞やキネマ旬報新人女優賞など、数多くの映画賞を受賞した。女優としては珍しく、“エス・エス・エム”という吉本興業系の事務所に所属している。

ラリー&アンディ・ウォシャウスキー

互いに相手を補い合い、常に新しいものに挑みつづける兄弟
脚本・監督作「マトリックス レボリューションズ」(2003)が27日(金)に日本テレビ系で放送。“マトリックス”シリーズの監督といえば、もはや説明の必要がないほど有名になったウォシャウスキー兄弟。映画好きな両親を持った2人は毎週のように映画館に通い、映画の中で育ってきた。ゆえに監督になるのは、自然なことだったと言う。大学を中退し、建築工事の仕事に携わり、マーベルコミックの脚本を手掛けるなどした後、'95年の「暗殺者」の脚本家として映画界入りを果たす。シルベスター・スタローンとアントニオ・バンデラス出演の本作は、脚本の巧妙さをたたえられながらも、ヒットはしなかった。そして監督としてのデビューはレズビアンサスペンスの「バウンド」('96)。バイオレンスとセックスにまみれた女たちの生き様を描き上げた本作で、批評家たちの絶賛を受け、きわどくエネルギッシュな個性を持つウォシャウスキー兄弟の才能が世間に注目され始める。そして5年の月日をかけて脚本を書き上げた、「マトリックス」('99)を発表。新感覚のSFXで彩られた本作は、映像世界に革命をもたらし、スタイリッシュなアクション、斬新かつ奥深い世界観で全世界に衝撃を与えた。大ヒットを記録し、全3作のシリーズ化も決定し、彼らは一躍人気監督の仲間入りを果たす。型破りなことを好み、常に限界に挑戦しているウォシャウスキー兄弟。これまでずっと共に作品を作り上げてきた2人は、互いに相手を補い、相互に影響を与え合っているという。“マトリックス”シリーズ終了後は監督ではなく、脚本家として「Vフォー・ヴェンデッタ」(2005)に参加。久々の監督作として、2人が初めて日本のアニメを知ったきっかけとなった作品「マッハGoGoGo」の映画化、「スピード・レーサー」(7/5[土])が公開される。ファミリー映画を作りたいと願ってきた彼らが、本作で家族の強い絆を描きつつ、最新の映像世界を見せてくれる。

PROFILE
ラリー、'65年6月21日、アンディ、'67年12月29日、アメリカ、イリノイ州シカゴ生まれ。幼少のころから熱狂的な映画ファンであり、コミックやアニメの世界に傾倒していた。大学を中退し大工として働き、2人で設計図を書いて実家を建て直したという。映画業界で必要な忍耐力は、この建築現場で身につけた、とも語る。'95年に「暗殺者」で脚本家としてデビュー。'99年の脚本・監督作「マトリックス」で、一躍人気監督に。兄のラリーが性転換手術を受けたという噂が流れるが、実際、手術はしていない。今夏公開される「スピード・レーサー」の原作である日本のアニメ「マッハGoGoGo」が、彼ら独自の映像世界を構築する原点とも言われており、日本のアニメが「マトリックス」を生んだと言われるのもこのためである。

ジュリア・ロバーツ

ゴージャスな美ぼうとチャーミングな笑顔が魅力のハリウッドのトップ女優
出演作「ザ・メキシカン」(2001)が16日(月)にNHK衛星第2で放送。ハリウッドのトップ女優として確固たる地位を築いているロバーツ。'88年に映画デビューを果たし、「マグノリアの花たち」('89)の薄幸の人妻役などで注目を集めていた彼女の名を世界に知らしめたのが、その年の全米ナンバーワンヒット作「プリティ・ウーマン」('90)だった。実業界の大物と恋に落ち、エレガントな女性に変身していく売春婦ビビアンを、抜群のスタイルと親しみやすい笑顔で好演。“現代のシンデレラ・ストーリー”と呼ばれた映画さながらに、一夜にしてスターの仲間入りを果たした。だがその後は、不治の病をもつ青年と恋に落ちる娘を演じた「愛の選択」('91)など、多くの話題作に出演するも、思うようなヒットに至らず人気は低迷。私生活でも、「フラットライナーズ」('90)での共演をきっかけに交際を始めたキーファー・サザーランドとは挙式予定3日前に婚約破棄、'93年にカントリー歌手ライル・ラベットと結婚するが21カ月で離婚するなど、ゴシップ誌をにぎわせる。そんなロバーツが本来の輝きを取り戻した作品が、ラブ・コメディー「ベスト・フレンズ・ウェディング」('97)だった。元恋人の結婚を阻止しようと奔走するヒロインを、持ち前のキュートな魅力で軽やかに演じ、映画は大ヒット。マスコミからも“彼女のカムバック作品になった”と絶賛された。そして2000年には、新たな代表作となる「エリン・ブロコビッチ」への出演を果たす。同作でロバーツが演じたのは、巨大企業を相手に史上最大級の訴訟に勝利した、子持ちの独身女性。知識も教養もないが、曲がったことが嫌いで自分の心のままに突き進む姿が「プリティ・ウーマン」のビビアンとも重なるこの役で、アカデミー賞主演女優賞を受賞。名実ともにハリウッドを代表する女優の1人となった。このとき既に30代に入っていたロバーツは、以降、「モナリザ・スマイル」(2003)での保守的な女子大に変化をもたらす教師、男女4人のもつれる愛を描いた「クローサー」(2004)の写真家など、知的で落ち着いた女性の役を好んで演じるようになる。その一方、「ザ・メキシカン」などでは変わらぬ天性のコメディエンヌぶりを披露し、昔からのファンを喜ばせている。新作「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」が公開中。'80年代の世界情勢を変えた、米国の政治家チャーリー・ウィルソンの実話を基にした社会派コメディーで、ロバーツはチャーリーに味方する資産家を演じている。

PROFILE
'67年10月28日、米・ジョージア州生まれ。4歳の時に両親が離婚し、母親の下で育てられる。俳優の兄エリックが出演する「悪の華 パッショネイト」('83)の撮影を見て女優を志すようになり、高校卒業後はニューヨークに渡って演技を学んだ。テレビドラマなどへの出演を経て、エリックとの共演作「ブラッド・レッド 復讐の銃弾」('88、日本未公開)で映画デビュー。私生活では、キーファー・サザーランドを筆頭に多くの共演者と浮名を流した。2002年にカメラマンのダニエル・モダーと再婚し、3児をもうけている。

佐藤浩市

脇役でも存在感を放つ演技派俳優
佐藤浩市出演作「THE 有頂天ホテル」(2005)が7日(土)にフジテレビ系で放送。名優・三國連太郎を父親に持つ佐藤。長年、三國との間に確執がありながら同じ俳優の道を選んだ彼は、'81に「青春の門」でスクリーンデビュー。炭鉱の町に生まれ育った少年がひとり立ちしていく姿を、父親譲りの筋の良さで力演し、ブルーリボン新人賞を受賞する。その後は名女優・夏目雅子の恋人役に抜擢された「魚影の群れ」('83)、仲代達矢、岩下志麻と共演した「北の螢」('84)などで、ベテラン俳優相手に演技を磨く。さらに、興行収入100憶円のヒットとなった中国シルクロードを舞台にした歴史大作「敦煌」('88)にも出演するなど着実に実績を積んでいく。娯楽作よりも内容が濃く人間をしっかりと描いた作品に多く出演し、その都度新たな才能を発揮してきた佐藤。そんな彼が度々タッグを組むのが、観る側に問題を投げ掛け考えさせるような社会派作品を得意とする阪本順治監督。「トカレフ」('94)では、幼児誘拐殺人犯の心の闇を誇張することなく繊細に好演。「顔」(2000)では、妹を殺害し逃亡する内気な女性の心の支えになる男性役を、「KT」(2002)では、日本のあり方に疑問を感じる元自衛官を熱演し、「亡国のイージス」(2005)では、まじめな防衛庁情報局の内事本部長役で同世代の名優たちと競演。それぞれ作品の重要な役どころを存在感ある独特の雰囲気と高い演技力で務めた。次第に父親同様、邦画になくてはならない貴重な存在となった佐藤は、近年の「THE 有頂天ホテル」辺りからはコメディーにも挑戦し新たな魅力を放っている。そして6月7日(土)から公開される同じく三谷幸喜監督の新作「ザ・マジックアワー」(2008)では主演を務め、映画の撮影だと騙され、本物のギャング相手に殺し屋にふんする売れない三流役者をコミカルに演じている。今後も「闇の子供たち」「誰も守ってくれない」「少年メリケンサック」と出演作が目白押しだ。

PROFILE
'60年12月10日東京生まれ。多摩芸術学園映画学科を中退。'80年のNHKドラマ「続・続事件 月の景色」で俳優デビュー。幼少期に父親・三國連太郎が家出したことから長年、親子の間に確執が出来る。だが「人間の約束」('86)や「美味しんぼ」('96)で親子共演する中で次第に確執も薄れていき、'95年には日本アカデミー賞でプレゼンターを務めた佐藤が受賞者である三國にトロフィーを手渡した。これまで海外作品への出演はないが、'90年に「チャイナシャドー」で香港の名優ジョン・ローンと共演。プライベートでは25歳のときモデルの女性と結婚し1児をもうけるがその後離婚。33歳で女優・広田レオナの従姉妹である舞台女優と再婚し1児をもうけた。大のゴルフ好きとしても知られている。

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