佐藤浩市
脇役でも存在感を放つ演技派俳優
出演作「THE 有頂天ホテル」(2005)が7日(土)にフジテレビ系で放送。名優・三國連太郎を父親に持つ佐藤。長年、三國との間に確執がありながら同じ俳優の道を選んだ彼は、'81に「青春の門」でスクリーンデビュー。炭鉱の町に生まれ育った少年がひとり立ちしていく姿を、父親譲りの筋の良さで力演し、ブルーリボン新人賞を受賞する。その後は名女優・夏目雅子の恋人役に抜擢された「魚影の群れ」('83)、仲代達矢、岩下志麻と共演した「北の螢」('84)などで、ベテラン俳優相手に演技を磨く。さらに、興行収入100憶円のヒットとなった中国シルクロードを舞台にした歴史大作「敦煌」('88)にも出演するなど着実に実績を積んでいく。娯楽作よりも内容が濃く人間をしっかりと描いた作品に多く出演し、その都度新たな才能を発揮してきた佐藤。そんな彼が度々タッグを組むのが、観る側に問題を投げ掛け考えさせるような社会派作品を得意とする阪本順治監督。「トカレフ」('94)では、幼児誘拐殺人犯の心の闇を誇張することなく繊細に好演。「顔」(2000)では、妹を殺害し逃亡する内気な女性の心の支えになる男性役を、「KT」(2002)では、日本のあり方に疑問を感じる元自衛官を熱演し、「亡国のイージス」(2005)では、まじめな防衛庁情報局の内事本部長役で同世代の名優たちと競演。それぞれ作品の重要な役どころを存在感ある独特の雰囲気と高い演技力で務めた。次第に父親同様、邦画になくてはならない貴重な存在となった佐藤は、近年の「THE 有頂天ホテル」辺りからはコメディーにも挑戦し新たな魅力を放っている。そして6月7日(土)から公開される同じく三谷幸喜監督の新作「ザ・マジックアワー」(2008)では主演を務め、映画の撮影だと騙され、本物のギャング相手に殺し屋にふんする売れない三流役者をコミカルに演じている。今後も「闇の子供たち」「誰も守ってくれない」「少年メリケンサック」と出演作が目白押しだ。
PROFILE
'60年12月10日東京生まれ。多摩芸術学園映画学科を中退。'80年のNHKドラマ「続・続事件 月の景色」で俳優デビュー。幼少期に父親・三國連太郎が家出したことから長年、親子の間に確執が出来る。だが「人間の約束」('86)や「美味しんぼ」('96)で親子共演する中で次第に確執も薄れていき、'95年には日本アカデミー賞でプレゼンターを務めた佐藤が受賞者である三國にトロフィーを手渡した。これまで海外作品への出演はないが、'90年に「チャイナシャドー」で香港の名優ジョン・ローンと共演。プライベートでは25歳のときモデルの女性と結婚し1児をもうけるがその後離婚。33歳で女優・広田レオナの従姉妹である舞台女優と再婚し1児をもうけた。大のゴルフ好きとしても知られている。