ホアキン・フェニックス
着実に実力派俳優への道を歩む子役出身の個性派スター
ジャーナリスト役で出演した社会派ドラマ「ホテル・ルワンダ」(2004)が14日(月)にNHK衛星第2で放送。
幅広い演技力を武器に、作品ごとに違った顔を見せるフェニックス。そんな彼の名を多くの映画ファンが知ることになった作品が、ニコール・キッドマン主演のエロチック・サスペンス「誘う女」('95)だった。キッドマンふんするお天気キャスターに唆され、彼女の夫を殺す不良少年役で存在感のある演技を披露し、一躍注目される。また同作は、「ウォーキング・ザ・ドッグ」('91、日本未公開)出演後に俳優活動を休止していた彼にとって、復帰作であるとともに、芸名の“リーフ”ではなく本名の“ホアキン”として出演した初の作品にもなった。
その後は、リブ・タイラー演じる女子高生と恋に落ちる同級生を演じた「秘密の絆」('97)や、裏社会の陰謀に巻き込まれていく青年の姿を描いた社会派サスペンス「裏切り者」(2000)など、次々と話題作に出演。そのほとんどの作品で主役もしくは準主役を務め、知名度を上げていく。
多彩な役柄を演じるフェニックスだが、一貫しているのは演技に取り組む極めて真摯な態度。自他共に認める完ぺき主義者であり、「役作りに苦しんでいる状態が好きで、生きがいも感じる。とにかくいい俳優になりたい」とも発言している。役作りに対するこの飽くなき姿勢は、実在した人物を演じるときに実を結ぶことが多い。第73回アカデミー賞で、作品賞など5部門を受賞した史劇スペクタクル「グラディエーター」(2000)では、父や姉に愛されないローマ帝国の残忍な皇帝コモドゥスを、哀しみをたたえた演技で好演し、各方面から絶賛された。さらに2005年には、現在までの代表作ともいえる「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」に出演。同作で伝説のカントリー・シンガー、ジョニー・キャッシュにふんしたフェニックスは、劇中の歌もすべて自らこなすなど、波乱に満ちたキャッシュの人生を見事に演じきり、ゴールデングローブ賞をはじめ数々の映画賞に輝いた。
新作「帰らない日々」が26日(土)より公開。幼い息子をひき逃げされた大学教授一家と、ひき逃げ犯でありながら事件を担当することになる弁護士の運命が交錯するヒューマン・ドラマで、フェニックスは大学教授を演じている。監督は、「ホテル・ルワンダ」に続いて2度目のコンビとなるテリー・ジョージ。
PROFILE
'74年10月28日、プエルトリコ・サンフアン生まれ。'93年に他界したリバー・フェニックスは実の兄。両親が宗教団体の活動家だったため、幼少期は南米各地を転々とする。8歳の時に演技を始め、子役としてTVシリーズなどに出演。'86年に「スペースキャンプ」で映画デビューを果たす。私生活では、「秘密の絆」で共演したリブ・タイラーと約2年間交際していたが破局。厳格なベジタリアンとして知られ、撮影に必要でない限り、皮製品は身に付けないという。姉のレイン、妹のサマーも女優として活躍中。