ウィル・スミス

ラッパーからハリウッドを代表するスターに成長した俳優
ウィル・スミス主演作「インデペンデンス・デイ」('96)が8月30日(土)フジテレビ系で、同じく主演作「メン・イン・ブラック」('97)が9月5日(金)日本テレビ系で放送。
元は売れっ子ラップ・ミュージシャンでありながら、今では俳優としての知名度の方が上回っているスミス。映画デビューから2年後に初主演したアクション・コメディー「バッドボーイズ」('95)が大ヒットした彼は、パニック超大作「インデペンデンス・デイ」、トミー・リー・ジョーンズと共に黒いスーツとサングラスでキメたSFコメディー「メン・イン・ブラック」など話題作に主演するドル箱スターとして大活躍。その一方で本格的な演技の勉強経験がなかったスミスは、出演作を重ねる中で演技力を磨いていく。中でも、伝説のボクサー、モハメド・アリの波乱に富んだ半生を描いた「アリ」(2001)では、アリ本人からアリ役に指名され、肉体トレーニングなど1年がかりで徹底した役作りを行った。スタントなしでファイト・シーンに挑むほど役に情熱を注いだスミスは、2001年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされる。
名実共に俳優として認められた彼は、その後、「メン・イン・ブラック2」(2002)「バッドボーイズ2バッド」(2003)と過去のヒット作の続編を経て、近未来を舞台にしたSFスリラー「アイ,ロボット」(2004)で人気を不動のものに。2005年には、一転「最後の恋のはじめ方」でラブコメに挑戦。端正なルックスと軽やかな魅力が、作品のしゃれた雰囲気にマッチした。
今やスター俳優へと成長したスミスだが、そんな彼もプライベートでは良き父親。ホームレスから億万長者になった父子の心温まる実話を映画化した「幸せのちから」(2006)では、愛息ジェーデン・クリストファー・サイア・スミスと父子役で共演。息子との幸せな生活を願い奮闘する父親を丁寧に見せたスミスの好演に、実の父子であるからこそかもし出される親子愛がプラスされ感動をよび、再びスミスは2006年度アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされた。近年、登場人物がほぼ1人という難役に挑んだ「アイ・アム・レジェンド」(2007)など、シリアスな作品が続いたスミスだが、8月30日(土)から公開の「ハンコック」(2008)では原点に戻るかのようにアクション・コメディーに主演。怪力過ぎて嫌われ者というおかしなヒーローを演じている。

PROFILE
'68年9月25日、米・ペンシルバニア州生まれ。12歳からラッパーとして活躍。高校時代には友人とラップ・ユニット“DJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンス”を結成し、'86年にレコード・デビュー。グラミー賞に3回ノミネートされ、うち2回受賞するという快挙を成し遂げている。クインシー・ジョーンズのすすめでTVドラマに出演したことをきっかけに俳優業を始め、'92年に「ハートブレイク・タウン」で映画デビュー。その後も音楽活動も続け、「メン・イン・ブラック」「ワイルド・ワイルド・ウエスト」('99)では主題歌を担当した。妻は女優のジェーダ・ピンケット・スミス。

ロバート・デュバル

いぶし銀の演技で魅せる名バイプレーヤー
主演作「ディープ・インパクト」('98)が25日(月)にTBS系で放送。
人当たりの良さそうな笑顔と紳士的な雰囲気が魅力のデュバル。同世代のジーン・ハックマンやダスティン・ホフマンのようにスタータイプの俳優ではないが、彼らをして“デュバルにはかなわない”と言わしめるほど、演技派の名優として多くの俳優から尊敬を集めている。ことしで77歳を迎え、長いキャリアの中で今ある地位を確立してきたと思われがちなデュバルだが、彼はスクリーン・デビュー時からすでに“演技派”であった。「アラバマ物語」('62)で初めての映画出演を果たした彼は、物語のキーパーソンである、言葉をしゃべらない知的障害者という難しい役を好演。デビューから難役をこなし、またそれを自分のものにしてしまった無名の新人に世間は一躍注目する。
フランシス・フォード・コッポラ監督も彼に目を付け、中年男性の悲哀を体現した「雨のなかの女」('69)を皮切りに、コッポラ作品の“なくてはならない”存在として活躍。特に、「ゴッドファーザー」('72)でのイタリアン・マフィア・ファミリーを支える冷静な弁護士役、ベトナム戦争を背景にした「地獄の黙示録」('79)でのサーフィン好きのヘリコプター隊隊長役では、主役を食うほどの圧倒的な存在感を放ち、両作品ともアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。
その後は主演作にも恵まれ、'83年には、失意の底から立ち上がるカントリー・シンガーを演じた「テンダー・マーシー」(日本未公開)で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞。実力と実績を兼ね備えた、誰もが認める演技派俳優としての地位を揺ぎないものにする。以降は、控えめながらも強烈な個性を持つ脇役を多くこなし、近年では「サンキュー・スモーキング」(2006)や「ラッキー・ユー」(2007)などに出演、物語を締める名バイプレーヤーとして活躍を続けている。新作「The Road」が11月にアメリカで公開予定。核戦争後の世界を舞台に、ビゴ・モーテンセンふんする主人公とその息子が、食人族の攻撃を避けながら地獄のような旅を続ける。デュバルは親子が道中出会う老人役で出演する。

PROFILE
'31年1月5日、米・カリフォルニア州生まれ。大学在学中、アマチュア女優だった母親の勧めで演劇を始める。大学卒業後、海軍に2年間従軍し、ニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで演技を学ぶ。このころ、ダスティン・ホフマンやジーン・ハックマンら、後に名優となるそうそうたる顔ぶれとルームメートだった。その後、トラック運転手などの職を転々としながらブロードウェーの舞台に立ち、「アラバマ物語」で映画デビューを果たす。3度の離婚を経て、2005年にアルゼンチン人女優と4度目の結婚をした。

ブレンダン・フレイザー

幅広い役柄をこなすハンサム・ガイ
ブレンダン・フレイザー主演作「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」が18日(月)にTBS系で放送。
“ハムナプトラ”シリーズの主演で一気に知名度を上げたフレイザー。初主演作である'92年の「青春の輝き」や「きっと忘れない」('94)では真面目な優等生キャラを演じ、さわやかな印象を残したが、その一方で原始人にふんした「原始のマン」('92)、ゴリラに育てられた男を演じた「ジャングル・ジョージ」('97)などコミカルな役柄もこなし幅広い役選びをしている。
また、「くちづけはタンゴの後で」('96)では、気品のある双子の御曹司兄弟を演じ分け、世間から隔離されて育った純真無垢な青年役の「タイムトラベラー きのうから来た恋人」('99)で正統派の二枚目を演じたかと思えば、'98年の「ゴッド・アンド・モンスター」では同性愛というテーマに挑戦。老映画監督に好意を抱かれる青年役で、引き締まった肉体美を披露し女性ファンを虜にした。
そして'99年には“インディ・ジョーンズ”以来の新しいアドベンチャー・ヒーローとして人気を呼んだ「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」に主演し、鍛えられた体を生かし、タフな冒険家を熱演。続編の「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」までの間にも、フレイザーは、さえない男から6種類のナイスガイへ変身する「悪いことしましョ!」(2000)、自作の世界に迷い込んだ漫画家を演じた「モンキーボーン」(2001)のちょっとおバカな役まで、バラエティーに富んだ役柄に挑んでいる。どの作品のどの役柄にも見事にハマっていることからも、彼の演技力の幅や高さが伺える。
シリーズ第3作の「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」が8月16日より公開。いつもの大迫力のアクション・シーンに加え、成長した息子との親子関係も描かれている。さらには、東京ディズニーシーのアトラクションでお馴染みで、冒険SF小説の金字塔であるジュール・ベルヌの「地底旅行」の世界を完全映画化した「センター・オブ・ジ・アース」が10/25(土)に公開される。最新の立体デジタル撮影装置を使用した初の長編作品で、フレイザーの代表作がまたひとつ生まれるのではないだろうか。

PROFILE
'68年12月3日、米・インディアナ州生まれ。父親がカナダ観光局の役人だったため、世界中を転々として育った。大学もトロント大学、シアトルのコーニッシュ大学など変わるが、終始演劇を専攻。舞台やTVドラマの出演を経て、'91年「恋人のドッグファイト」で映画デビューを果たし、“ハムナプトラ”シリーズの大ヒットでスターの地位を築く。'98年に元女優のアフトン・スミスと結婚し2人の間に3人の息子がいるが、2007年12月に離婚を公表した。

アーロン・エッカート

独特の色気とチャーミングな魅力でさまざまな役に挑戦する注目アクター
アーロン・エッカート主演作「ザ・コア」(2003)が10日(日)にテレビ朝日系で放送。
さわやかなルックスと、複雑なキャラクターをものにする演技力に定評があるエッカート。大学で映画と演劇を専攻していた彼は、在学中にニール・ラビュートと出会い意気投合。後にラビュートの長編デビュー作「In the Company of Men(原題)」('97、日本未公開)に出演し、同僚の女性を追いつめるエリート・サラリーマンを演じてインディペンデント・スピリット賞新人俳優賞を受賞する。以来、体重を18キロも増やし、性的不能の夫を演じた「僕らのセックス、隣の愛人」('98、日本未公開)や、夢と現実の区別がつかなくなった女性が騒動を巻き起こす異色コメディー「ベティ・サイズモア」(2000)など、ラビュート作品の常連となる。
そんなエッカートにとって転機となった作品が、ジュリア・ロバーツ主演のヒューマン・ドラマ「エリン・ブロコビッチ」(2000)だった。同作でロバーツ演じる子持ちの独身女性をサポートする恋人役を好演、その演技力が高い評価を得ると共に人気も急上昇した。その後は、ヒラリー・スワンク共演のSFパニック「ザ・コア」、殺人犯が次々殺される事件を追うFBI捜査官にふんしたサスペンス「サスペクト・ゼロ」(2004)などで主演を務め、ハリウッドで確かな地位を築いていく。
「サスペクト・ゼロ」でエッカートが演じた捜査官は、遠隔透視できる殺人犯を追いつめながら、自身も遠隔透視能力に目覚めていくという際どいキャラクター。社会派風刺コメディー「サンキュー・スモーキング」(2005)で演じた、禁煙世論と戦うたばこ業界のPRマンや、ブライアン・デ・パルマ監督作「ブラック・ダリア」(2006)でふんした、過去の殺人事件に関係していた刑事など、繊細な演技が魅力のエッカートには、善人と悪人の区別がつき難い複雑な役が似合う。
さらに、自分の個性を全面に押し出さない受け身の芝居ができるのも彼の持ち味だ。「エリン・ブロコビッチ」のロバーツや、ラビュートが監督した文芸ロマンス「抱擁」(2002)で共演したグウィネス・パルトロウなど、どんな大物女優と組んでも相性が良く見える独特の魅力と柔軟性を兼ね備え、ハリウッドでは“共演したい男優ナンバーワン”とまで言われている。
新作「ダークナイト」が9日(土)より公開。人気ヒーロー、バットマン誕生の秘密を描いた「バットマン ビギンズ」(2005)の続編で、エッカートは町の犯罪撲滅に挑む地方検事を演じている。監督は前作に引き続きクリストファー・ノーラン。

PROFILE
'68年3月12日、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。高校卒業後、ハワイでサーフィン、フランスでスキーをしながら気ままな3年間を過ごす。その後、ユタ州のブリガム・ヤング大学で映画と演劇を学び、「ザ・スローター 赤い迷宮」('94、日本未公開)で映画デビュー。「サンキュー・スモーキング」ではゴールデン・グローブ賞主演男優賞にノミネートされた。女優のエミリー・クラインと婚約していたが、'98年に破局。他の出演作に「ペイチェック 消された記憶」(2003)、「カンバセーションズ」(2005)、「幸せのレシピ」(2007)などがある。

クリストファー・ノーラン

斬新なアイデアで観客を驚かせる敏腕監督
監督作「バットマン ビギンズ」(2005)が8日(金)にフジテレビ系で放送。
10年前まで、ごく普通の会社員だったノーランは、会社の休日を使って1年がかりで撮り上げた初の長編作「フォロウィング」('98)を経て、長編2作目「メメント」(2000)でアカデミー賞脚本賞にノミネートされるという才能の持ち主。「メメント」は、妻を亡くしたショックから記憶障害になってしまった男性に真実と虚構が交錯するというサスペンス・スリラーで、現在から過去へストーリーが逆行していく中で謎が明らかになっていくという複雑な構成が絶賛された。ノーランは映画製作について「観客を驚かせたい。何度も繰り返し観てもらえるような作品をつくりたい」と語っており、彼の思惑通り、難解にも関わらずリピーターになる観客が続出するほど大ヒットした。
そんな彼の才能にいち早く目を付けたのが“オーシャンズ”シリーズを手掛けるスティーブン・ソダーバーグ。彼の後ろ盾の下、ノーランはノルウェー映画(日本未公開)のリメーク作「インソムニア」(2002)でメジャー映画に進出。事件の捜査中、誤って相棒を殺してしまって以来不眠症になった敏腕刑事が、事件の容疑者に追い詰められていくというオリジナルのストーリーに、ノーランは主人公が相棒を殺してしまう原因となる過去の秘密を盛り込み主人公に人間的深みを加えた。ただのリメークに終わらない作品に仕上げたノーランの才能は、主演を務めた名優アル・パチーノからも認められるほど。波に乗った彼は4作目にして人気シリーズ“バットマン”の監督に抜擢。それまでティム・バートンらが手掛け、ヒーローものの娯楽作としてヒットさせてきたシリーズだけに続編に期待が集まった。だがやはりノーランはその過去のヒットに甘んじることなく、独自の視点でバットマンに挑んだ。ごく普通の青年がなぜバットマンになったかという過去や心の機微を丹念に描き、ヒーローであるバットマンを人間味のあるキャラクターにつくり変えた。
全く新しい“バットマン”シリーズは観客にも受け入れられ、シリーズ最新作「ダークナイト」(2008)が9日(土)から公開。強大な敵“ジョーカー”とバットマンが死闘を繰り広げる。今度はどんなアイデアで驚かせてくれるのか期待大だ。

PROFILE
'70年7月30日、イギリス・ロンドン生まれ。7歳のときから父親の8ミリカメラで映画を撮り始める。ロンドンのユニバーシティ・カレッジに進学して、英文学を学びながら映画を自主製作する。社会人になってからも自費で短編作をつくり、初の長編映画「フォロウィング」が世界各国の映画祭で高く評価される。小説家で脚本家の弟のジョナサン・ローランとは良き相棒であり、これまで「メメント」「プレステージ」(2006)「ダークナイト」の脚本を共に執筆。妻は“バットマン”シリーズのプロデューサーであるエマ・トーマス。

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