イライジャ・ウッド

子役から実力派俳優へと成長した若手スター
出演作「エターナル・サンシャイン」(2004)が6日(木)に衛星第2で放送。
美しい顔立ちと大きなブルーの瞳が印象的なウッド。その生まれ持ったビジュアルを生かし、幼くして役者人生をスタートさせた彼は、子役として数々のCM、TVドラマで活躍。映画界でも「わが心のボルチモア」('90)で主役に抜てきされると、高い演技力で注目を集める。
その後も、「ラジオ・フライヤー」('92)では義父に虐待される弟を守る兄、「危険な遊び」('93)では母親を失い叔父夫婦に預けられた少年を、「8月のメモワール」('94)ではケビン・コスナーふんする父の後ろ姿を見ながら心の成長を遂げていく少年をそれぞれ好演。シリアスなドラマもこなす名子役として活躍し、若いながらも俳優としてのキャリアを着実に積んでいく。
'98年には、パニック超大作「ディープ・インパクト」、SF学園ホラー「パラサイト」に出演し、“少年”から“青年”へと脱皮。そして2001年、世界的大ヒットを記録したファンタジー・アドベンチャー、“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズの主人公・フロドの役を射止め、一気に大ブレーク。ハリウッドのトップスターの仲間入りを果たしたものの、映画の大ヒットを受けて自身の俳優としてのイメージが固定されることを嫌った彼は、以降、さまざま役に挑戦するようになる。「僕の大事なコレクション」(2005)での少し変わった収集癖のある青年や、「シン・シティ」(2005)での無言の殺人鬼など個性的な役柄を演じ、実力派俳優として独自の道を突き進んでいる。
そんな彼は、アメリカのパンク・ロック歌手イギー・ポップの半生を描く「The Passenger」(公開未定)に、イギー・ポップ役での出演が決定している。

PROFILE
'81年1月28日、米・アイオワ州生まれ。幼いころから歌や演劇に親しみ、母親の勧めでモデル学校に通う。'89年に国際モデル&タレント大会でスカウトされて芸能界入り。'89年の「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」で映画デビュー。「ロード・オブ・ザ・リング」の出演に際しては、オーディション用のオリジナル・ビデオを友人の協力を得て製作し、2000人以上の候補者の中から主演を獲得した。大の音楽好きで、趣味が興じてレコード会社を設立した。

金城武

ミステリアスな魅力を放ち続けるアジアのスーパースター
金城武主演作「LOVERS」(2004)が10月26日(日)テレビ朝日系で放送。
透明感と独特の浮遊感、近代的な洗練された印象の金城。日本語、北京語、広東語、台湾語、英語が堪能で、アジアにとどまらず世界へと活躍の場を広げ続けている彼は、今年、スクリーン・デビュー15年という節目を迎えた。寡黙な新興宗教の教祖を演じた香港映画「ワンダー・ガールズ 東方三侠2」(未公開)でデビューしたのが'93年。デビュー当時は、ジミー・リン、アレックス・スー、ニッキー・ウーと並んで台湾四小天王と呼ばれ、ティーンエージャー向けのコメディーとアクション映画に数多く出演するなどアイドル的な存在だった。
そんな彼を一躍スターダムに押し上げたのが、ウォン・カーウァイ監督の「恋する惑星 Chungking Express」('94)と「天使の涙」('95)。当時の彼は、広東語をうまく操れなかったが、役者としての天性の勘の良さと恵まれたプロポーション、卓越した身体能力を武器に頭角をあらわしていく。そして、「羅生門」のリメークである「MISTY」('97)で日本映画デビューを果たす。その2年程前から日本のTVドラマに出演していたものの、日本での知名度はまだ低かった彼の名を知らしめたのが、援助交際とHIV感染を題材にしたTVドラマ「神様、もう少しだけ」('98)。彼は、主演の人気音楽プロデューサー役を好演し、共演の深田恭子と共に一気にブレークした。
それからの彼の日本での活躍は目覚ましい。台湾、香港では見せることのなかったダーク&クールなイメージでシリアスな役柄に挑戦した「不夜城」('98)、銀行強盗のリーダーにふんしたアクションコメディーの「スペーストラベラーズ」(2000)、戦闘のプロを演じた「Returner リターナー」(2002)と、幅広い役柄を器用に演じ分け、そのたびに新しい魅力を開花させていく。そんな姿が、日本の多くの女性をとりこにし、彼の人気を不動のものとする。
また、彼にとって初の中国時代劇作品であるチャン・イーモウ監督の「LOVERS」は、米ゴールデングローブ賞・外国語映画賞にノミネートされた。本作で彼は、身分を隠して反体制勢力の女性に近づく官吏を圧倒的な存在感で演じ、人気と知名度はアジア各国に拡大する。そして昨年、「Returner リターナー」以来、約6年ぶりの日本映画「Sweet Rain 死神の精度」に主演し、死神という難役を独特の存在感で演じきり、日本での金城人気が再燃している。
話題の新作「レッドクリフ PartI」は11月1日(土)より公開。中国の英雄伝「三国志」のハイライトともいえる“赤壁の戦い”を映画化した歴史アクション大作で、彼は三国志きっての人気キャラクターである天才軍師・諸葛孔明を演じる。

「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」さらに12月20日(土)には日本映画「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」の公開も控えており、年末の映画界を賑わす“顔”となるだろう。

(C)2008「K-20」製作委員会

PROFILE
'73年10月11日台湾・台北市生まれ。日本国籍。日本人の父と、台湾人の母の間に生まれる。中学までは台北の日本人学校に学び、高校からはアメリカン・スクールに在学。高校時代にスカウトされ、清涼飲料水のCMに出演し芸能界デビュー。その言語力とたぐいまれな容姿をもって映画やTVドラマ、CMなど、国境を越えて幅広く活躍中。欧米での人気も高く、'98年にはアジア人として初めてプラダのワールド・キャラクターに起用された。また今年は、エンポリオ・アルマーニのアジア人俳優初のキャンペーン・キャラクターを務めている。

ジョン・ウー

独自のアクション演出と血の通った人物造形が持ち味のヒットメーカー
ジョン・ウー監督作「M:I-2」(2000)が19日(日)にテレビ朝日系で放送。
独自の美学に貫かれたアクション演出で世界中の映画ファンを魅了するウー。デビュー作が不運に見舞われ、長らく低迷していたウーにとって転機となったのが“香港のスピルバーグ”とうたわれたツイ・ハークとの出会いだった。ハークが製作を手掛けた「男たちの挽歌」('86)で監督・脚本を担当。暗黒街の男たちの抗争と友情をスタイリッシュな映像で描いた同作は、カンフー・アクションが主流だった香港映画界に新風を巻き込み、世界中で話題を呼んだ。以後、続編「男たちの挽歌II」('87)や、男2人と美女1人の怪盗トリオが奇抜なテクニックを駆使して活躍する「狼たちの絆」('91)などヒット作を連発。両手に銃を持った男たちのダンサブルな動き、カット割りの連続からのスローモーションといったアクション演出は、クエンティン・タランティーノら多くの監督に影響を与えた。
香港を代表するヒットメーカーにまで上り詰めたウーだったが、「香港映画の製作の現状は過酷だし、扱えるテーマも限られている」という理由からアメリカに活動の拠点を移す。「ハード・ターゲット」('93)と「ブロークン・アロー」('96)の2本の娯楽アクションでハリウッドでの足場を固めた彼は、「フェイス/オフ」('97)でいよいよ本領を発揮。互いの顔が入れ替わったFBI捜査官と凶悪テロリストの死闘を描いたこの作品では、たぐいまれなアクション演出に単純な善悪では割り切れない深みのあるドラマが加わり、批評家からも高い評価を得る。さらに、同作の大ヒットでハリウッド屈指の人気監督となったウーは、製作・主演のトム・クルーズによって超大作「M:I-2」の監督に抜てきされ、クライマックスでのバイクを駆った一騎討ちのシーンなど随所で持ち味を発揮した。
その妥協のない描写から“バイオレンスの詩人”とも呼ばれるウーだが、本人は暴力否定論者であることを公言。暴力を描くのはそのひどさを伝えるためであり、自作にしばしば登場する白いハトには“平和”の意味が込められていると言う。白人兵士と先住民族の兵士の友情を描いた「ウインドトーカーズ」(2001)や、子どもたちの過酷な現実をつづるオムニバス映画「それでも生きる子供たちへ」(2005)の1編「桑桑<ソンソン>と小猫<シャオマオ>」では、そうしたウーのヒューマニズムを垣間見ることができよう。以前の作品とは毛色の異なるこの2作をへて、今後どのような映画を作るのか注目される。

「レッドクリフ PartI」中国の英雄伝「三国志」のハイライトである“赤壁の戦い”を映画化した「レッドクリフ PartI」が11月1日(土)より公開。ウーが多額の私財をつぎ込んで完成させた入魂の1作だ。

(C)2008 Three Kingdoms Ltd.(C)Bai Xiaoyan

PROFILE
'46年5月1日、中国・広東省生まれ。4歳の時に香港に移住し、劇団で役者として活躍した後、映画監督の道へ。'73年に監督デビュー作を完成させるも、暴力描写の多さが原因で上映禁止の憂き目に遭い、2年後に再編集して「カラテ愚連隊」として公開された。日本映画への造詣も深く、とりわけ深作欣二監督や石井輝男監督からの影響を公言している。

新垣結衣

モデルから女優へ成長をとげた若手女優
新垣結衣主演作「恋空」(2007)が12日(日)TBS系で放送。
清楚なイメージで清純派女優の新星として期待を集める新垣。小中学生向けファッション雑誌の人気モデルだった彼女は、2006年に放送されたお菓子のCMのイメージキャラクターとして一躍大ブレイク。以降、日本テレビ系「ギャルサー」(2006)などゴールデンタイムで放送される人気ドラマにも出演するようになり、彼女の人気はさらに急上昇していく。
そんな彼女を女優として目覚めさせたのが、映画デビュー作にして初主演を務めた「恋するマドリ」(2007)。彼女はこの作品で引越しをきっかけに起こる、恋愛と友情の三角関係に揺れる純朴な美大生・ユイを熱演。舞台あいさつで“主演という事は考えずに、良い演技をして見てもらう。やることは一緒です”と語り、女優としての成長を感じさせる作品となった。その後、「ワルボロ」(2007)で不良に目覚める青年が恋心を抱くヒロイン・山田をキュートな魅力で演じて好評を受け、彼女は女優としての才能をさらに開花させる。
そして、原作は約1200万人が涙したと言われるケータイ小説を映画化した「恋空」(2007)で2回目の主演を果たした彼女は、次々と過酷な現実が降りかかる女子高生・美嘉という主人公で、これまでの明るい印象を一変させるシリアスな演技にも挑戦。辛い経験を糧に少女から大人の女性へと変化していく過程を見事に好演してみせた。また、タイプの異なる2人の男性から受ける深い愛情に揺れる女性の心境を上手く捉えているあたりも、この作品を大ヒットとなった彼女の魅力の1つだろう。

「フレフレ少女」そんな、実力派女優へと一歩ずつ近づく彼女の最新主演作「フレフレ少女」が10月11日(土)に公開。本作はお粗末な応援で大失態を犯し、“へなちょこ”応援団のレッテルを張られる応援団の奮闘劇を描く青春ムービーで、新垣は応援することの素晴らしさに目覚め、だらしない応援団をまとめる団長を演じている。

(C)2008「フレフレ少女」製作委員会

PROFILE
'88年6月11日生まれ、沖縄県那覇市出身。中高生向けのファッション誌の読者だった姉に勧められたモデルオーディションに応募してグランプリを受賞。テレビ、ドラマ、CMと活躍の幅を広げていき、2006年「ポッキー」のCMイメージキャラクターで大ブレイク。
映画「恋するマドリ」「ワルボロ」「恋空」(2007)での高い評価を得て、2007年の日本アカデミー賞やブルーリボン賞の新人賞に輝く。最近出演したドラマは2008年7月から9月まで放送された「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(フジ系)。また2007年から歌手活動も始め、2008年10月15日(水)にはセカンドシングル「赤い糸」をリリースする。

ティム・ロス

確かな演技力と芸術家気質を持ち合わせた個性派俳優
出演作「PLANET OF THE APES 猿の惑星」(2001)が10月9日(木)にテレビ東京系で放送。
イギリス出身のロスは、画家である母親の影響で美術大学に進学し彫刻家を目指すが、演劇に魅せられ俳優志望に転身。卒業後、舞台、映画で経験を重ね、画家ビンセント・バン・ゴッホとその弟の兄弟愛を描いた「ゴッホ」('90)でゴッホ役を重厚に演じるなど、若手実力派と呼ばれる俳優に成長する。その活躍がクエンティン・タランティーノの目にとまり、彼の監督デビュー作「レザボア・ドッグス」('91)に、準主役である強盗グループの一員ミスター・オレンジ役で出演。これをきっかけに活動の拠点をハリウッドに移し、「パルプ・フィクション」('94)「フォー・ルームス」('95)とタランティーノ作品でひと癖もふた癖もある登場人物を見事に演じて注目を集めた。
ハリウッド進出から、わずか4年後の'95年には、冷酷な貴族にふんした「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」で'95年度アカデミー賞助演男優賞にノミネート、名実共にハリウッド俳優と認められる。だが、もともと芸術家志望だったためか、メジャー系大作より、作品の質や役柄を重視して出演作を選び、アート系、インディーズ系作品へ多く出演。そんな彼の名を、多くの映画ファンが知ることになった作品が、ジュゼッペ・トルナトーレ監督作の「海の上のピアニスト」('99)。船外への憧れを抱きながらも一生を船の上で暮らす天才ピアニストの心の機微を丁寧に表現した。
奇才ティム・バートン監督作「PLANET OF THE APES 猿の惑星」では、サルのメークを顔と全身に施しながらも、目力やアクションによって、威圧的なサルの将軍を迫力ある演技で見せた。近年は、ビム・ベンダース監督の「アメリカ,家族のいる風景」(2005)や、フランシス・フォード・コッポラ監督の「コッポラの胡蝶の夢」(2007)など、巨匠からの出演依頼が絶えない。新作としては、ベテラン監督ミヒャエル・ハネケが'97年に製作した「ファニーゲーム」を自らリメークしたサスペンス「ファニーゲームU.S.A.」(2007)が12月に公開。殺人ゲームに巻き込まれた一家の父親を演じる。

PROFILE
'61年5月14日イギリス・ロンドン生まれ。ジャーナリストの父と、画家で教師の母の間に生まれる。カフカの小説「変身」を俳優スティーブン・バーコフが演出した舞台で注目された後、'83年に、同じイギリス出身で現在も親交のあるゲーリー・オールドマンと共演した「ミーンタイム」(日本未公開)で映画デビュー。翌年、「殺し屋たちの挽歌」('84、日本未公開)で、英国紙イブニング・スタンダードの新人賞を受賞。'98年には「素肌の涙」で監督にも挑戦。2000年度インディペンデント・スピリット賞外国映画賞にノミネートされる。プライベートではファッション・デザイナーの女性と結婚、2児の父親である。

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