ダニー・グローバー

脇で魅する黒人俳優のトップスター
ダニー・グローバー主演作「プレデター2」('90)が11月30日(日)にテレビ朝日系で放送。
まじめで、人間味あふれる温かい雰囲気が魅力のグローバー。アフリカ系アメリカ人の彼は、サンフランシスコ州立大学とブラック・アクターズ・ワークショップで演技を学び、その後も、昼間は市の仕事をしながら演技の修業を重ねていく。やがて、ブロードウェーに進出し、シアター・ワールド賞を受賞するなど、数多くの舞台に立ち活躍し始める。
そんな彼の映画デビューは、32歳のとき。アルカトラズ刑務所から奇跡の脱出を果たした男たちを描いた「アルカトラズからの脱出」('79)で、端役ではあったが収監者の1人を演じた。その後しばらくは、TVの人気番組に出演しながら、映画出演の機会をうかがっていたが、サリー・フィールドがオスカーに輝いた「プレイス・イン・ザ・ハート」('84)で、主人公を献身的に支える農夫を好演し注目を浴びる。'30年代に生きる黒人の悲哀を、前向きに、しかしながらでしゃばりすぎない演技で丁寧に表現し、作品に深みを与えたのは、さすがグローバーならでは。さらに翌年には、スティーブン・スピルバーグ監督の「カラーパープル」でヒロインをいたぶる乱暴な夫を熱演。このときの迫真の演技を振り返り彼は、「俳優は、役柄の内側にあるものを体現すべきというのが、わたしの役への取り組み方。アフリカ系アメリカ人は、映画で自分を表現するチャンスが今までなかった。せりふは映画を超え、映画は手段となりアフリカ系アメリカ人を見つめ直すきっかけになる」と語っている。
こうしてアメリカを代表する黒人俳優へと成長した彼が、さらにハリウッド・スターの仲間入りを果たすことになったのは、後に人気シリーズとなる「リーサル・ウェポン」('87)でメル・ギブソンふんする型破りな刑事の相棒、家庭的でまじめなマータフ刑事役に起用されたこと。これで、日本での知名度もぐんと上がった。以降、知的で温かみのある判事役として貫禄を見せた「レインメーカー」('97)、クールな悪役の元米軍大佐を演じた「ザ・シューター 極大射程」(2007)、レンタルビデオ店の店長にふんした奇想天外なコメディー「僕らのミライへ逆回転」(2008)など、コンスタントに出演し続け、シリアスな作品からコメディーまで作風を問わず、今や脇を固める役者として欠かせない存在となる。

「ブラインドネス」本年度カンヌ国際映画祭オープニング作品である話題の新作「ブラインドネス」が22日(土)より丸の内プラゼールほか全国公開中。ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説を映画化した心理パニック・サスペンスで、彼は原因不明の伝染病で失明した黒い眼帯の老人を穏やかに演じている。また来年夏には、出演とエグゼクティブ・プロデューサーを兼任する日米合作映画「The Harimaya Bridge はりまや橋」が公開される予定である。

(C)2008 Rhombus Media/02 Filmes/Bee Vine Pictures.

PROFILE
'47年7月22日米・カリフォルニア州生まれ。映画の他にも、テレビドラマで監督、プロデューサーとしても活躍。母校のサンフランシスコ州立大学から名誉博士号を授与されるなど高く評価されている。'94年、劇団「ロビー・シアター・カンパニー」を俳優ベン・ギロリと共同で、ロサンゼルスに設立。多分化主義の演劇と後進の育成にも力を注いでいる。'75年に結婚。一女がいる。

ロバート・ダウニー・Jr.

紆余曲折を経てスターの座を手にした天性の演技派アクター
ロバート・ダウニー・Jr.出演作「ワンダー・ボーイズ」(2000)が27日(木)にNHK衛星第2で放送。
同業者も一目置く卓越した演技力で、さまざまな難役を物にするダウニー・Jr.。彼が一躍注目を集めたのは、退廃的な若者たちの青春を描いた「レス・ザン・ゼロ」('87)での演技だった。ドラッグにおぼれ、人生を転落する上流階級の青年にふんしたダウニー・Jr.のリアルな演技をマスコミが絶賛。同作で見せた徹底して役にのめり込む演技は、チャールズ・チャプリンの生涯を描いた「チャーリー」('92)でも存分に発揮されることになる。ダスティン・ホフマンら名優相手にオーディションで主役を獲得した彼は、独自のユーモア・センスと微妙な表情の変化による感情表現でチャプリン役を好演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
俳優として順調なキャリアを築いているように見えたダウニー・Jr.だったが、次第に「レス・ザン・ゼロ」で演じた役さながらドラッグの問題が影を落とすようになる。父の勧めで(!)幼少期からドラッグを服用していた彼は、'96年に麻薬不法所持で逮捕され、以降逮捕を繰り返す。その間も、HIVに感染した演出家を演じた「ワン・ナイト・スタンド」('97)などで私生活上のトラブルを感じさせない演技を披露するが、'99年についに実刑判決を下されカリフォルニア州立刑務所に服役。約1年後に出所するも、2001年に再逮捕され、今度は矯正施設に収容されることになる。そこでリハビリに取り組み、2003年に完全復帰を果たした。
復帰後は、アルコール依存症の記者を演じたサスペンス「ゾディアック」(2007)等で変わらぬ存在感を発揮。そして自身初の大作「アイアンマン」(2008)で主演を務め、そのキャリアは大きな変化を迎えることになる。同作でダウニー・Jr.が演じたのは、自社兵器がテロに悪用されている現実を知って、自ら開発したパワードスーツを装着し、“アイアンマン”となって悪に挑む軍事企業の最高経営責任者。ダークな過去を持つシニカルなキャラクターがはまり役となり、映画は全世界で大ヒットを記録した。この作品の成功を受け、現在ダウニー・Jr.の元にはオファーが殺到。“奇跡の復活”を遂げた彼の快進撃はしばらく続きそうだ。

「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」全米ナンバーワン・ヒットとなった「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」が22日(土)より公開。アクション映画の撮影で東南アジアを訪れた俳優らが本物の戦争に巻き込まれるコメディーで、ダウニー・Jr.は黒人軍曹になりきるため皮膚の色を黒くした演技派俳優を演じている。

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PROFILE
'65年4月4日にアメリカ・ニューヨークで、映画監督の父ロバート・ダウニーと女優の母エルシー・フォードの間に生まれる。5歳の時に父が監督した「POUND(原題)」('70、日本未公開)で映画デビュー。高校を中退して本格的に俳優の道に進み、人気TVコメディー・ショー「サタデー・ナイト・ライブ」でお茶の間の人気者に。私生活では'93年にモデルのデボラ・ファルコナーと結婚し1児の父となるが、'96年から別居を始め、2004年に離婚。2003年に映画プロデューサーのスーザン・レビンと婚約し、2005年8月に再婚した。

堤真一

日本を代表する名助演男優になった男
堤真一出演作「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007)が21日(金)に日本テレビ系で放送。
高い演技力と大人の魅力で幅広い年代層に支持される堤。彼の俳優人生の始まりは、高校卒業後に入団したアクション俳優の育成事務所、ジャパンアクションクラブから始める。そこで真田広之の付き人や、坂東玉三郎の舞台「天守物語」への出演を経て、本格的に役者を目指すことを決意。事務所退団後は、NHK大河を中心に出演数を増やしていくが、民放初出演となったフジテレビ系「ピュア」('96)に出演したことで知名度も上がり、活躍の場をさらに広げていく。
そして映画初主演となった「弾丸ランナー」('96)で、監督デビュー作となったSABU監督とタッグを組み、拳銃を暴発させたことで命を狙われる男を熱演。男臭い演技が注目を集めた彼の印象を大きく変えたのが、松嶋菜々子との共演が話題となったフジテレビ系「やまとなでしこ」(2000)。純愛に生きる男のイメージはそれまでの印象を大きく変え、その変化が彼をさらなる人気実力派俳優の座へと駆け上がらせ、このドラマを境に映画への出演が激増する。「DRIVE」(2002)、「ローレライ」(2005)、「フライ,ダディ,フライ」(2005)、などの大作映画にも出演する機会が多くなり、西岸良平の人気コミック「三丁目の夕日」を映画化した「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)では、昭和30年代にいそうな人情味溢れる自動車修理販売店の社長を好演。その年の日本アカデミー賞では最優秀助演男優賞を獲得した。
また、宮藤宮九郎脚本の「舞妓Haaaan!!!」(2007)では、舞妓好きの野球選手を演じ、今年公開された「山のあなた~徳市の恋~」、「クライマーズ・ハイ」、10月4日に公開された最新作「容疑者Xの献身」と異なる人格、役柄も違和感なく表現力できてしまうところも彼の魅力の一つなのかもしれない。円熟期に近づきつつあるかの演技からはこれからも目が離せない。

PROFILE
'64年7月7日生まれ、兵庫県西宮市出身。「ゆかいな海賊大冒険」('84)で舞台デビューを果たす。その後、単発ドラマやNHK大河ドラマ「独眼竜政宗」('87)などの出演を経て、フジテレビ系「ピュア」('96)で注目される。1996年にはSABU監督の「弾丸ランナー」で映画初主演。そのほか「39刑法第三十九条」('99)、「姑獲鳥の夏」(2005)、「魍魎の匣」(2007)なども代表作。また、2009年にはフジテレビ系の深夜ドラマからヒットした「SP警察庁警備部警護課四係」の公開が予定されている。

デビッド・ドゥカブニー

誰よりも“X-ファイル”を愛した男
主演作「X-ファイル ザ・ムービー」('98)が10日(月)にTBS系で放送。
日本での米国TVドラマ人気の火付け役となった“X-ファイル”シリーズ('93~2002)の主人公モルダー捜査官役で知られるドゥカブニー。教師志望から俳優に転身した彼は、'90~'91年に、当時話題だったTVドラマ「ツイン・ピークス」で女装趣味のあるデニス捜査官を好演し注目される。その後、「チャーリー」('92)、「カリフォルニア」('93)など映画にも出演して着実にキャリアを積んでいき、'93年に転機となる“X-ファイル”シリーズのモルダー捜査官役に抜擢。科学では説明できない不可思議な事件を扱うFBI捜査官モルダーとスカリーの活躍を描くこのドラマはたちまち視聴者をとりこにした。
鋭い洞察力を持ち、多少偏屈なところが魅力のモルダー役は、教師を志してプリンストン大学、エール大学という2つの名門校で英文学を学んだドゥカブニーならではのはまり役で、現在でも彼の代名詞となっている。'98年には劇場映画も製作され、さらに人気は高まった。また出演だけにとどまらず、数話では監督を務めたり原案を手掛けたりと意欲的に製作に取り組んでいく。
そんな彼がシーズン8で突然降板。シリアスな“X-ファイル”から一転、ロマンチック・コメディーの「この胸のときめき」(2000)やSFコメディー「エボリューション」(2001)に主演してファンを驚かせた。だがその後もドラマとモルダー人気はおさまらず、最終シリーズのシーズン9でファンの期待に応えるように復活、主演俳優としてのけじめをつけた。
その後は、スティーブン・ソダーバーグ監督によるスタイリッシュ群像劇「フル・フロンタル」(2002)や、売れない女性歌手コンビがドラッグクイーンとして人気者になっていくさまを描いた「コニー&カーラ」(2004)などに出演し俳優としての飛躍に務めた。
そしてことし6年振りに再び“X-ファイル”が復活。11月7日(金)より公開される映画「X-ファイル:真実を求めて」で、再びモルダーにふんしたドゥカブニーは、映画の第2弾を心待ちにしていたことを告白。また、TVドラマを一時降板したことについて、「早く2作目を作りたいとう思いからだった」と当時の真意を語り、“X-ファイル”の今後については、「ファンにもう見たくないと言われるまで続けたい」と次回作も期待できそうなコメントをしている。

PROFILE
'60年8月7日、ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。'88年に「ワーキング・ガール」の端役でスクリーン・デビュー。妻は「ディック&ジェーン 復讐は最高!」の女優ティア・レオーニで、2児の父親。2004年には妻レオーニやロビン・ウィリアムズが出演する「House of D」(日本未公開)で映画監督としてもデビュー。新作としては、デミ・ムーアと共演する「The Joneses」が製作進行中。また現在米国では主演のTVドラマ「Californication」が好評放送中。ことし8月には、性依存症であることを告白した。

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