ロバート・ダウニー・Jr.
紆余曲折を経てスターの座を手にした天性の演技派アクター
出演作「ワンダー・ボーイズ」(2000)が27日(木)にNHK衛星第2で放送。
同業者も一目置く卓越した演技力で、さまざまな難役を物にするダウニー・Jr.。彼が一躍注目を集めたのは、退廃的な若者たちの青春を描いた「レス・ザン・ゼロ」('87)での演技だった。ドラッグにおぼれ、人生を転落する上流階級の青年にふんしたダウニー・Jr.のリアルな演技をマスコミが絶賛。同作で見せた徹底して役にのめり込む演技は、チャールズ・チャプリンの生涯を描いた「チャーリー」('92)でも存分に発揮されることになる。ダスティン・ホフマンら名優相手にオーディションで主役を獲得した彼は、独自のユーモア・センスと微妙な表情の変化による感情表現でチャプリン役を好演し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
俳優として順調なキャリアを築いているように見えたダウニー・Jr.だったが、次第に「レス・ザン・ゼロ」で演じた役さながらドラッグの問題が影を落とすようになる。父の勧めで(!)幼少期からドラッグを服用していた彼は、'96年に麻薬不法所持で逮捕され、以降逮捕を繰り返す。その間も、HIVに感染した演出家を演じた「ワン・ナイト・スタンド」('97)などで私生活上のトラブルを感じさせない演技を披露するが、'99年についに実刑判決を下されカリフォルニア州立刑務所に服役。約1年後に出所するも、2001年に再逮捕され、今度は矯正施設に収容されることになる。そこでリハビリに取り組み、2003年に完全復帰を果たした。
復帰後は、アルコール依存症の記者を演じたサスペンス「ゾディアック」(2007)等で変わらぬ存在感を発揮。そして自身初の大作「アイアンマン」(2008)で主演を務め、そのキャリアは大きな変化を迎えることになる。同作でダウニー・Jr.が演じたのは、自社兵器がテロに悪用されている現実を知って、自ら開発したパワードスーツを装着し、“アイアンマン”となって悪に挑む軍事企業の最高経営責任者。ダークな過去を持つシニカルなキャラクターがはまり役となり、映画は全世界で大ヒットを記録した。この作品の成功を受け、現在ダウニー・Jr.の元にはオファーが殺到。“奇跡の復活”を遂げた彼の快進撃はしばらく続きそうだ。
全米ナンバーワン・ヒットとなった「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」が22日(土)より公開。アクション映画の撮影で東南アジアを訪れた俳優らが本物の戦争に巻き込まれるコメディーで、ダウニー・Jr.は黒人軍曹になりきるため皮膚の色を黒くした演技派俳優を演じている。
(C)2008 DreamWorks LLC. All Rights Reserved.
PROFILE
'65年4月4日にアメリカ・ニューヨークで、映画監督の父ロバート・ダウニーと女優の母エルシー・フォードの間に生まれる。5歳の時に父が監督した「POUND(原題)」('70、日本未公開)で映画デビュー。高校を中退して本格的に俳優の道に進み、人気TVコメディー・ショー「サタデー・ナイト・ライブ」でお茶の間の人気者に。私生活では'93年にモデルのデボラ・ファルコナーと結婚し1児の父となるが、'96年から別居を始め、2004年に離婚。2003年に映画プロデューサーのスーザン・レビンと婚約し、2005年8月に再婚した。