サマンサ・モートン

純真さと妖えんさが同居した不思議な魅力を持つ実力派女優
主演作「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」(2002)が31日(土)に衛星第2で放送。
少女のようなあどけなさと妖えんな魅力を併せ持ち、硬軟自在な演技力を武器に幅広い役をこなすモートン。本格的な映画デビュー作となった「アンダー・ザ・スキン」('97)で彼女が演じたのは、最愛の母を亡くした悲しみから自暴自棄になる19歳の少女。ヌード・シーンや過激な性的場面もあったこの難役を繊細かつ大胆に演じきり、ボストン映画批評家協会賞の主演女優賞に輝くなど絶賛を浴びた。
さらにモートンは、この作品を見て彼女に注目したウッディ・アレン監督の「ギター弾きの恋」('99)に出演し、ブレークを果たす。「アンダー―」の役から一転、言葉の話せない純粋な娘にふんした彼女は表情としぐさだけでさまざまな感情を見事に表現し、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされる。また2002年には、自身初の大作となったスティーブン・スピルバーグ監督のSFサスペンス「マイノリティ・リポート」(2002)に出演。予知能力を持つ“プリコグ”という不思議なキャラクターがモートンの持つミステリアスな雰囲気にマッチし、強烈な存在感を発揮した。この年はほかにも、恋人の自殺に直面した女性の心の再生を描いた「モーヴァン」、監督ジム・シェリダンの実体験を基にした感動作「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」に主役で出演。特に「イン・アメリカ―」では、ニューヨークへ移住した貧しいアイルランド人一家の母親役で激しさを内に秘めた真摯な演技を見せ、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。
世界的な実力派女優としての地位を確固たるものにしたモートンは、その後も話題先行型の空疎な大作ではなく、ドラマのしっかりした作家性が強い作品に出演していく。イギリスの新鋭ローレンス・ダンモアのデビュー作「リバティーン」(2004)では、ジョニー・デップ演じる破天荒な詩人と恋に落ちる舞台女優にふんして陰影のある演技を披露し、映画ファンをうならせた。また鬼才ハーモニー・コリン監督の異色作「ミスター・ロンリー」(2007)では、“マリリン・モンロー”になりきることでしか生きられない女性役を熱演。デビュー時から変わらぬ感性豊かな演技に成熟味が加わり、大女優の風格さえ感じさせた。
舞台演出家の男性と彼を取り巻く女性たちの姿を描いたヒューマン・コメディー「シネクドキ、ニューヨーク(原題)」が2009年公開予定。「エターナル・サンシャイン」(2004)などの人気脚本家チャーリー・カウフマンの初監督作で、モートンは妻子に去られた主人公の恋人を演じる。

PROFILE
'77年5月13日、イギリス・ノッティンガム生まれ。幼少時から演技を学び、13歳でテレビ初出演。16歳でロンドンに移ってからはテレビドラマなどへの出演を重ね、短編「ザ・フューチャー・ラスト・ア・ロングタイム(原題)」('96、日本未公開)で映画デビューを果たす。私生活では、2000年に俳優チャーリー・クリード・マイルズとの間に女の子が誕生。その後、名優イアン・ホルムの息子ハリー・ホルムと婚約し、2008年1月に次女を出産した。

チャン・ツィイー

華々しい活躍を続けるアジアン・ビューティー
主演作「ジャスミンの花開く」(2004)が26日(月)に衛星第2で放送。アジア映画をけん引する監督のひとり、チャン・イーモウにその才能を見出され、デビュー作でヒロインに抜擢された「初恋のきた道」('99)であどけなさが残る純朴な少女を好演したツィイー。「初恋の-」は第50回ベルリン国際映画祭で銀獅子賞にも輝くとともに、彼女の未知なる可能性を感じさせた作品となる。
そして彼女の才能は、2000年度アカデミー賞外国語映画賞ほか3部門に輝いた大河ロマン「グリーン・デスティニー」(2000)で早くも芽吹き始める。前作「初恋-」で見せた内気な少女とは一転、華奢な体からは想像もできないほどの見事な殺陣を披露するなどして、女剣士にあこがれる活発な女性を演じた彼女の姿には共演者のチョウ・ユンファ、ミシェル・ヨーも絶賛。この作品を境に国内外からも一層の注目を浴びるようになった彼女は、ジャッキー・チェン主演の「ラッシュアワー2」(2001)で映画出演3作目にしてハリウッドに進出し、自身初となる悪女役にも挑戦して演技の幅を広げる。
以降、韓国映画「MUSA 武士」(2001)や、中国映画「HERO」(2002)、木村拓哉との共演が話題となった「2046」(2003)などに出演。そして、ロブ・マーシャル監督が手掛けた「SAYURI」(2005)で演じた芸者役で、彼女はゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネート。受賞こそ逃すものの、その美貌と卓越した演技力でアジアのみならず世界の映画ファンをとりこにした。また最近では母国での2年ぶりの主演作「女帝(エンペラー)」(2006)をはじめ、アメリカ・日本・韓国・中国を舞台に精力的に映画出演を続けている。彼女の最新作「花の生涯-梅蘭芳-」が3月7日(土)より公開。本作で彼女は、激動の時代を愛と共に生きた天才女形“梅蘭芳”役のレオン・ライの愛人であり、京劇の男役を演じる女性を熱演している。

'79年2月9日、中国・北京生まれ。8歳から舞踏を始め、中学在学中には中国のダンス・コンテストで優勝。その後、演劇に興味を持ち、名門・中国中央演劇学院に入学。19歳の時、チャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」のヒロインに抜擢され映画デビューを果たす。清楚で凛とした雰囲気と、イーモウ監督に見出された経緯から、第2のコン・リーともよばれている。また、昨年行われた北京五輪では公式サイトの特派員記者を務めるなど、中国を代表する名女優のひとりとして注目を集めている。

ピアース・ブロスナン

“007”で一躍注目された二枚目俳優
主演作「ゴールデンアイ」('95)が18日(日)にテレビ朝日系で放送。“007”シリーズの5代目ジェームズ・ボンドで知られるブロスナン。アイルランド出身の彼は、11歳でロンドンに移住し、20歳から演劇を学ぶ。その後ハリウッドに渡るが映画では役に恵まれず、もっぱらTVドラマで活躍。中でも「探偵レミントン・スティール」('82~87)での軽妙な私立探偵役が人気を博し注目を集めた。そのころすでに、ロジャー・ムーアの後を引き継ぐ4代目ジェームズ・ボンドのオファーを受けるが、「探偵レミントン―」の続編が決まりあえなく断念。「ゴールデンアイ」で満を持して5代目を襲名した。二枚目の容姿とダンディーな大人の男としての魅力だけでなく、ユーモラスで女性の母性本能をくすぐるような“ブロスナン版ボンド”は、一時期沈滞していたシリーズを再び人気シリーズに浮上させる。
42歳にして世界的スターにのし上ったブロスナンは、ボンド役以外でも「ダンテズ・ピーク」('97)、「トーマス・クラウン・アフェアー」('99)などハリウッド大作で主演をはり存在感を示していく。また、ボンド役最後となる「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002)前後には、「テイラー・オブ・パナマ」(2001)や「ダイヤモンド・イン・パラダイス」(2004)でボンドを思わせるような役にふんし、ファンを喜ばせた。
その後数年、日本ではあまり活躍を見られなかったが、ベテラン俳優クリス・クーパー主演のブラック・コメディー「あぁ、結婚生活」(2007)や1月30日(金)に公開する、名女優メリル・ストリープ主演によるブロードウェー・ミュージカルの映画化「マンマ・ミーア!」(2008)などで健在ぶりを見せている。そのほか、スーザン・サランドン共演の「The Greatest」、ロマン・ポランスキー監督作「The Ghost」などが製作進行中だ。ことしで56歳を迎えるブロスナン。渋みを増した男の色気で二枚目俳優として今後も楽しませてくれそうだ。

PROFILE
'53年5月16日、アイルランド生まれ。少年時代に両親が離婚し、母と移住したロンドンで演劇の世界に入る。「クリスタル殺人事件」('80)で映画デビュー。'96年には製作会社を設立し、プロデューサーとしても活躍している。ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドにふんした「007/ユア・アイズ・オンリー」('81)でボンド・ガールを務めたカサンドラ・ハリスと結婚するが、'91年に死別。2001年に、元モデルのキーリー・シェイ・スミスと再婚した。2003年には、イギリス女王から大英帝国勲章を受けた。

妻夫木聡

さわやかなイケメン俳優から成熟した実力派俳優へ
妻夫木聡出演作「どろろ」(2007)が11(日)にTBS系で放送。
さわやかな笑顔と、自然な演技が魅力の妻夫木。'98年にTVドラマ「すばらしい日々」でデビュー以来、数多くのドラマや映画に出演している。その風貌からか、当初はイケメン俳優としてTVドラマを中心に活躍していたが、シンクロナイズドスイミングに挑戦する高校生を描いた「ウォーターボーイズ」(2001)の主演を務めたことで転機を迎える。ひたむきにシンクロに挑むその姿が彼のもつ雰囲気にぴったりはまり、日本アカデミー賞優秀主演男優賞、新人俳優賞を受賞するなど、俳優としての実力を高く評価された。以降、徐々に映画出演の機会を増やしていく。
報知映画賞主演男優賞を受賞した「ジョゼと虎と魚たち」(2003)では、脚の不自由な少女と恋に落ちる平凡な大学生を、繊細な表現力で演じた。また、秘密兵器の鍵を握る少女と恋に落ちる元特攻隊員にふんした「ローレライ」(2005)や、幼なじみの伯爵家の娘との悲恋に苦しむ侯爵家の長男役の「春の雪」(2005)、血のつながらない妹をけなげに支える兄を演じた「涙そうそう」(2006)など、話題作に続々と出演。さらに近年は、今まで演じることが多かったさわやかな好青年といった役柄だけではなく、さまざまな役柄に挑戦し、役者としての幅を広げている。
「どろろ」では、魔物に体の48カ所を奪われた青年という難しい役どころを陰影のある演技で披露。「憑神」(2007)では、ひょんなことから災いの神に取り憑かれてしまう“ツイテナイ”下級武士の悲壮をユーモラスに表現し、「闇の子供たち」(2008)では、タイで臓器売買の闇を追うカメラマン役を、江口洋介や宮崎あおいら共演陣に負けない存在感で演じ切った。さらに、東京国際映画祭で2冠に輝いた「ブタがいた教室」(2008)では、食育や命の大切さをテーマに、“食べることを前提に学校でブタを飼う”という実験的な授業に挑んだ新任教師を体当たりで熱演。生徒役の26人の子どもたちと本当の教師と生徒のような関係を築き、嘘のない、リアルな子どもたちの表情や言葉を引き出した。自身も、「子どもたちと同じように学んでいけた作品だった」と語り、俳優としての成長を深く印象付ける作品となった。

「感染列島」現在は、NHK大河ドラマ「天地人」に主演中。俳優として磨きがかかり、新たな飛躍を遂げた彼の活躍に、今後も目が離せない。映画では、最新主演作「感染列島」が、1月17日(土)より全国公開。本作は、新型ウイルスの感染爆発(パンデミック)の脅威に日本中がさらされるパニック・エンターテインメントで、妻夫木は、隔離された病院で患者の命を救うために懸命に戦う救命救急医を演じている。

(C)2009映画「感染列島」製作委員会

PROFILE
'80年12月13日、福岡県柳川市生まれ。神奈川県横浜市で育つ。両親と兄の4人家族。デビュー前にはファッション誌でカリスマ読者モデルとして活躍していた。'97年、アミューズ、ホリプロ、ニッポン放送主催の“アホポンプロジェクト”による「超ビッグオーディション」で、300万人以上の応募者の中から第1回グランプリに選ばれて芸能界入り。以降、ドラマやCM、映画と幅広い分野で活躍する。TVドラマの出演作は、熱血研修医を演じた「ブラックジャックによろしく」(2003)、柴咲コウ共演の「オレンジデイズ」(2004)など。

藤原竜也

新しい役柄に挑み続ける若き実力派
藤原竜也主演作「デスノート the Last name」(2006)が1月9日(金)に日本テレビ系で放送。
蜷川幸雄の秘蔵っ子と言われ、高い演技力と存在感で大活躍している若手実力派俳優の藤原。彼は'97年、15歳のときに、ロンドンのバービカン劇場で「身毒丸」('97)の初舞台を踏み、鮮烈なデビューを果たす。そして、「15歳で初舞台とは思えぬ存在感で、天才新人現る」と大絶賛された、その卓越した演技力で、しばらくは、舞台でキャリアを着実に積んでいく。映画界への初お目見えは、学園ミステリー「仮面学園」(2000)。初出演にして主演を務めた彼は、幼い頃のトラウマを抱えた仮面職人の青年役で、内面の複雑さを見事に表現した。そして同年、中学生同士を殺し合わせるという内容が物議を呼び、国会でまで論議されて話題となった「バトル・ロワイアル」に主演し、一般に知名度が高まった。彼が演じた七原秋也役は、次々に起きる殺りくと対峙するという非常に難しい役どころ。しかも、舞台でのキャリアが長い彼も、映画は、この作品がまだ2本目。普通ならプレッシャーに押しつぶされかねない状況の中、「苦労した映画は、それだけすごくいい。映画は、厳しいけれど、魅力的で面白い世界、もっともっと映画を勉強したい」と意欲を見せた。
こうして同作品で強烈な印象を残した彼は、その言葉通り、以降映画への出演を重ねていく。初めはTVドラマとして製作され、好評を得て劇場公開された三池崇史監督の「SABU・さぶ」(2002)、難病の弟を支えるために暗黒の世界に生きる兄にふんした「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」(2004)、孤高の天才をクールに演じた「デスノート 前編」(2006)と「デスノート the Last name」。そして、2008年7月に公開された「カメレオン」では、その顔立ちから高貴な役が多かった彼がハードボイルドな外見に変身、ノースタントでアクションに挑むなど、復しゅうに燃える詐欺師を熱演し、新たな魅力を開拓させた。
そんな数々の映画や舞台でのストイックなまでの演技で、常に観客を魅了する彼の次回主演作は、2009年秋公開予定の「カイジ」。大人気コミックの実写版で、彼の役は、自堕落な日々を送るフリーターという、今までと正反対のキャラクター。このカイジを、どう演じるか、彼の新境地に大注目である。

映画「カイジ」
2009年秋 全国東宝系ロードショー
(C)2009映画「カイジ」製作委員会

PROFILE
'82年5月15日埼玉県生まれ。'97年、15歳のときに蜷川幸雄に見いだされて以来、舞台を中心に活躍。2003年日本演劇史上最年少21歳でタイトル・ロールを演じた「ハムレット」で、主な演劇賞を総なめにした。その高い演技力と若きカリスマ性は、NYタイムズやワシントン・ポストが大絶賛するなど海外でも高く評価されている。'08年は、「デスノート the Last name」以来、2年ぶりに主演した「カメレオン」のほか、蜷川幸雄が監督を務めた映画「蛇にピアス」に友情出演。また、篠山紀信撮影の写真集でも話題を呼んだ。

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