ヘレナ・ボナム・カーター
古典的な美しさをもつ個性派女優
主演作「眺めのいい部屋」('86)が2月10日(火)に衛星第2で放送。
曾祖父が元英国首相という名門一家に育った気品と優雅さを身にまとい、なおかつ個性的で創造的な英国の実力派女優ボナム・カーター。学生時代からCMや舞台に出ていた彼女は、舞台演出家トレバー・ナンに見いだされて、'84年「レディ・ジェーン/愛と運命のふたり」で映画デビューを果たす。そして同年、ジェームズ・アイボリー監督の「眺めのいい部屋」に主演し、イギリスの良家の令嬢が因習と自由思想の間で、真の恋に目覚め成長していくようすを繊細な演技で表現し注目された。
この映画の成功で、彼女は世界的に知られるようになり、さらにメル・ギブソン主演の「ハムレット」('90)でハリウッドに進出。その後は、知的な中産階級の次女を演じた「ハワーズ・エンド」('92)、ヒロインの花嫁エリザベス役を熱演したケネス・ブラナー監督・主演のホラー大作「フランケンシュタイン」('94)、アカデミー主演女優賞にノミネートされた「鳩の翼」('97)など、クラシカルな作品で演技を光らせてきた。
血筋が良く、陶器のように白い肌と黒髪を持ち、“コスチューム女優”としての評価が高い彼女だが、それまでのお嬢さまイメージを覆す汚れ役にチャレンジしたのが、ブラッド・ピットと共演した「ファイト・クラブ」('99)。この作品で、彼女は小悪魔的なヒロインを見事に演じ、新境地を開いた。さらに、ティム・バートン監督が手掛けた「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001)では、猿の特殊メークで人間愛護運動の女性活動家であるアリを知的でセクシーに好演し、キャリアの幅を広げていく。現・夫であるバートン監督とは、このあたりから交際が始まり、以降、人生の喜びと父と息子のきずなを描いたファンタジー「ビッグ・フィッシュ」(2003)、ジョニー・デップと共演した「チャーリーとチョコレート工場」(2005)、デップ演じるスウィーニーが殺した人間の肉でパイを焼くラべット夫人にふんした「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(2005)などバートン監督作品への出演が増え、一作ごとにバートン監督との“あうん”の呼吸が絶妙な演技からにじみ出るようになっていく。
こうして今では、ジャンルや国籍を問わず、いろいろな役柄を演じきれる個性的な実力派として引っ張りだこのボナム・カーター。ことし公開される作品では、登場シーンは短いが重要な役どころとなる悪人セレナにふんした「ターミネーター4」(2009年6月13日公開)、前作に続き魔女のベラトリックス・レストレンジ役を演じる「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2009年7月17日公開)に出演している。
PROFILE
'66年5月26日、英・ロンドン市生まれ。スペイン人、フランス人、ユダヤ人の血を引く両親の間に生まれる。父親は銀行頭取、母親は精神科医、大叔父は映画監督のアンソニー・アスクィス、曾祖父は元イギリス首相のハーバート・ヘンリー・アスキス伯爵という上流階級出身。サウス・ハムステッド校からウェストミンスター校に移り、CMに出演したり、学校劇に主演したのがきっかけで、'82年テレビ映画「バラの模様」の役を得る。そして、この作品を観たトレバー・ナン監督に見いだされることになる。フランス語が得意で、全編フランス語の映画「恋人たちのポートレート」('96)に出演したこともある。私生活では、バートン監督との間に2人の子供がいる。