ロン・ハワード
手堅い演出でコンスタントにヒット作を生み出すオスカー監督
監督作「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)が16日(土)にフジ系で放送。
青春映画の名作「アメリカン・グラフィティ」('73)などで人気を博した俳優業から映画監督に転身し、その確かな演出力で見事成功を手にしたハワード。ミステリー、アクション、SF等、どんなジャンルを手掛けても良質な映画に仕上げる彼だが、多くの作品に共通しているテーマが“家族”だ。アメリカの中流家庭の在り方をコミカルなタッチで描いた「バックマン家の人々」('89)はもちろん、大迫力の火災シーンが話題を呼んだスペクタクル・ドラマ「バックドラフト」('91)でも、作品の根底にあったのは、殉職した消防士の父の跡を継いだ兄弟の確執と和解だった。
また、トム・クルーズ、ニコール・キッドマン共演の「遙かなる大地へ」('92)では、アイルランドからアメリカへ移住して家族を作ろうとする恋人たちを描き、ラッセル・クロウ主演の「シンデレラマン」(2005)では、大恐慌時代に家族を養うため戦い続けた実在のボクサーの半生を映画化した。このように、現代では失われつつある家族のきずなを丹念に描くことから“ハリウッドの古き良き伝統を受け継ぐ監督”と評されることも多く、本国でコンスタントにヒット作を生み出していることも少なからずその作風と関係していよう。
さらに、「シンデレラマン」のような実話を基にした作品で抜群の手腕を発揮するのもハワードの特徴だ。月への飛行中に爆発事故を起こした、アポロ13号の危機と奇跡の生還をリアルに再現した大作「アポロ13」('95)は大ヒットを記録。実在の天才数学者ジョン・ナッシュの数奇な運命をつづった「ビューティフル・マインド」(2001)では、持ち前のヒューマニズムあふれる演出が感動を呼び、作品賞、監督賞ほか4部門でアカデミー賞を受賞した。
現在公開中の「フロスト×ニクソン」(2008)では、英国の人気司会者デビッド・フロストがリチャード・ニクソン元米大統領に行った、伝説のTVインタビューとその舞台裏をスリリングに映画化。タブロイド紙記者たちの激動の1日をつづった「ザ・ペーパー」('94)や、TVの持つ恐ろしさをコミカルに描いた「エドtv」('99)などでマスメディアに強い関心を示したハワードの集大成ともいえる1作で、今年のアカデミー賞では作品賞、監督賞など5部門にノミネートされた。
最新作「天使と悪魔」が5月15日(金)より公開。「ダ・ヴィンチ・コード」の前章にあたる歴史ミステリーで、バチカンを狙ったテロを阻止するため、ガリレオ・ガリレイらが結成した秘密結社の謎に迫る宗教象徴学者ラングドン(トム・ハンクス)の活躍を描く。
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PROFILE
'54年3月1日に米・オクラホマ州で、共に俳優の両親の間に生まれる。2歳のころから、子役として映画や父親の演出した舞台に出演。次第に映画製作にも興味を持つようになり、高校卒業後に2年間、南カリフォルニア大学の映画学科で学んだ。'77年に、父と共同で脚本を書き、自ら主演も務めた「バニシング in TURBO」で監督デビュー。弟のクリント・ハワード、娘のブライス・ダラス・ハワードも俳優として活躍している。