ジュディ・デンチ

圧倒的な演技力と存在感で抜きん出たイギリスきっての名女優
出演作「プライドと偏見」(2005)が8日(水)に衛星第2で放送。
舞台で培った確かな演技力を武器に、歳を重ねてから映画界で“演技派”としての地位を確立したデンチ。'57年に「ハムレット」のオフェーリア役で舞台デビューを果たして以来、長らく舞台を中心に活躍していた彼女は、50歳を越えた'80年代ころから積極的に映画出演を増やしていく。
「眺めのいい部屋」('86)では好奇心旺盛な恋愛小説家ラビッシュ夫人を好演し、英国アカデミー賞助演女優賞を受賞。人妻と不倫の恋に落ちるジゴロの母親を演じた「ハンドフル・オブ・ダスト」('88)でも同賞を受賞した。さらに、「ゴールデンアイ」('95)以降の“007”シリーズにジェームズ・ボンドの上司“M”役で出演したことで、一般的に顔を知られるようになる。
脇役から主役、古典劇から現代劇までどんな役柄もものにする彼女は、その後映画界で引っぱりだこ。ヴィクトリア女王を従僕との禁断の恋に生きた1人の女性として情感豊かに演じた「Queen Victoria 至上の恋」('97)では、初めて米アカデミー賞主演女優賞にノミネート。翌年には、「恋に落ちたシェイクスピア」('98)でエリザベス1世を貫録たっぷりに演じ、わずか8分程度の出番ながら強烈な印象を残して、見事米アカデミー賞助演女優賞を受賞した。
以降、チョコレートで心を開いていくひねくれ者の老女を説得力十分に演じた「ショコラ」(2000)で米アカデミー賞助演女優賞、認知症に冒された実在の小説家を渾身の演技で熱演した「アイリス」(2001)、イギリス初のヌード・レビューを誕生させた劇場のオーナーにふんし、コミカルな魅力を発揮した「ヘンダーソン夫人の贈り物」(2005)で米アカデミー賞主演女優賞とつづけざまにノミネートされたほか数々の映画賞を受賞。もはや賞レースの常連といえるほど、現代最高の女優としてその地位を揺るぎないものとしている。
近年は、ケート・ブランシェット共演のサスペンス「あるスキャンダルの覚え書き」(2006)で、年下の女性教師と特殊な友情を結ぼうとする老教師を恐ろしいまでの存在感で演じ切り、真骨頂を発揮。ことし公開されたシリーズ最新作「007 慰めの報酬」(2008)でも作品の醍醐味に一役買い、健在ぶりを見せつけた。
新作としては、ニューヨークのファッション・ウィークで起こった殺人事件をブラックユーモアを交えて描いたサスペンス「Rage(原題)」が今年後半に全米公開予定。そのほか、ロブ・マーシャル監督が手掛けるミュージカル映画「NINE」にも出演し、来年春に日本公開が決定している。

PROFILE
'34年12月9日、イギリス、ヨーク生まれ。ロンドンの名門演劇学校セントラル・スピーチ・アンド・ドラマで演劇を学び、'60年にはロイヤル・シェークスピア・カンパニーの「ロミオとジュリエット」でジュリエット役に抜てきされて絶賛される。'88年にはケネス・ブラナーの要請され「から騒ぎ」で演出家デビュー。その偉大な業績に対し、'88年には英国王室から“デーム”の称号を与えられた。プライベートでは'77年に俳優のマイケル・ウィリアムズと結婚。2001年に彼が亡くなるまで一緒だった。代表作はほかに、「ヘンリー五世」('89)、「ムッソリーニとお茶を」('98)、「シッピング・ニュース」(2001)、「ラヴェンダーの咲く庭で」(2004)など。

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