キアラン・ハインズ
北アイルランドを代表する実力派男優
出演作「トゥームレイダー2」(2003)が1月24日(日)テレビ朝日系で放送。いかつい外見からはちょっと想像しにくいが、実はシリアスからコメディーまでどんな役柄も器用にこなす実力派俳優。彼は、北アイルランド・ベルファストのクィーンズ大学で法律を専攻していたが役者に転向し、スコットランド・グラスゴーやアイルランド・ダブリンの劇場で舞台の経験を積む。映画デビューは、ジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」('81)。その後しばらくは、「コックと泥棒、その妻と愛人」('89)、テレビドラマ「第一容疑者」('93)などイギリスの映画やドラマに多く出演するが、2000年代に入るとハリウッド映画での活躍が目立つようになってくる。例えば、切れ者のロシア大統領役を熱演した「トータル・フィアーズ」(2002)やアイルランド系マフィアにふんした「ロード・トゥ・パーディション」(2002)、「トゥームレイダー2」などで重厚かつ人間味あふれる演技を披露。難しい役どころでも、役の内面をきっちり表現できる役者として存在感を発揮している。そうかと思えば、イギリスで起きた実話を基にしたコメディー「カレンダー・ガールズ」(2003)のヌードカレンダーに挑戦する妻におろおろする夫役のようなコミカルな演技もうまい。
こうして数々の舞台経験で培った彼の多彩な演技力は、映画界でさらに磨きがかかっていく。主役ヴェロニカの情報提供者で犯罪組織の一員を演じた「ヴェロニカ・ゲリン」(2003)では、アイリッシュ映画TVアカデミー賞助演男優賞にノミネートされる。さらにスティーブン・スピルバーグ監督の「ミュンヘン」(2005)では、イスラエル秘密情報機関の一員で暗殺現場の清掃人・カールを熱演。物静かで几帳面な人物を、彼は抑えた中にも自己主張のある演技で表現し強烈な印象を残した。近作では、SFジュブナイルの名作「星の国から来た仲間」('75)をリメークした「ウィッチマウンテン/地図から消された山」(2009)で、主人公の兄妹を追跡する悪役としていい味を出している。
このように個性派男優として着実な活躍を続けているハインズの新作は、2010年11月、2011年夏に公開が予定されている「ハリー・ポッターと死の秘宝」(2部作)。シリーズ最終作で初登場するハインズは、ホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドアの弟役にふんしている。
PROFILE
'53年2月9日、北アイルランド・ベルファスト生まれ。ベルファストのクィーンズ大学で法律を専攻していたが、役者の道に進むため、大学を離れてロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートに入学。スコットランドの名門劇団グラスゴー・シチズンズでキャリアをスタートさせたのち、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに引き抜かれ「リチャード3世」のワールド・ツアーに参加。その後も数々の舞台に立つ。ほかの映画の代表作には、「オスカーとルシンダ」('97)、「オペラ座の怪人」(2004)、「マイアミ・バイス」(2006)、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007)など。