フィリップ・シーモア・ホフマン

卓越した表現力で観客を魅了する名優
出演作「M:i:III」(2006)が3月27日(土)にフジ系で放送。
ホフマンは大学卒業後、サスペンス映画「トリプル・ボギー」('91)の端役で映画デビュー。翌年、アル・パチーノ主演の「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」で主人公を裏切る青年役を好演して頭角を現す。これを機に多くの出演作品に恵まれた彼は、「ツイスター」('96)での竜巻マニアの研究者役で味のある脇役ぶりを発揮。続く「ブギーナイツ」('97)でもお茶目なゲイ役が高評価される。さらに、名優ロバート・デ・ニーロと共演した「フローレス」('99)でドラッグ・クイーンにふんした彼は、デ・ニーロの演技を食う演技で観客の度肝を抜いた。その後も、教え子の女子生徒に手を出す高校教師を演じた「25時」(2002)や、落ちぶれた牧師役の「コールドマウンテン」(2003)などで印象的な役柄を多く演じる。
そして、同性愛者だった作家トールマン・カポーティがノンフィクション「冷血」を完成させるまでを描いた「カポーティ」(2005)で、ホフマンは主人公のカポーティを巧みに演じ、アカデミー賞などその年の主演男優賞をほぼ総なめにする。以後、俳優として黄金期を迎えた彼は、「M:i:III」でのアクの強い闇商人役や、「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(2007)、「ダウト あるカトリック学校で」(2008)でオスカーに再びノミネートされる活躍を見せた。
今後も、初監督に挑んだラブ・コメディー「Jack Goes Boating」(原題)や、日本人監督の大野加寿夫が脚本・監督を手掛けるコメディー「Mr.Crumpacker and the Man From the Letter」(原題)への製作・主演と、話題作が目白押しだ。

PROFILE
'67年7月23日、米・ニューヨーク州生まれ。高校時代はレスリングの有力選手だったが、途中で演劇に転身。大学で演劇を専攻し、卒業後はオフ・ブロードウェーで舞台活動を続ける。映画デビュー後は、「ハードエイド」(日本未公開)以来親交のあるポール・トーマス・アンダーソン監督との関係が深く、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007)以外の全作品に出演している。また舞台での活躍も目覚しく、2000年にはサム・シェパードの戯曲を舞台化した「トゥルー・ウェスト」でトニー賞にノミネートされた。

オーランド・ブルーム

美しく強い戦士たちを演じて大ブレークした二枚目俳優オーランド・ブルーム
出演作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」(2003)が21日(日)にテレビ朝日系で放送。“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズで、エルフ族の麗しき弓の名手レゴラスを演じて一躍脚光を浴びたブルーム。端正な顔立ちとノーブルな身のこなしで世界中の女性をとりこにしている若き英国の二枚目俳優だ。そんな彼の映画デビューは、名門ギルドホール音楽演劇学校在学中に出演した「オスカー・ワイルド」('97)。通りに立つゲイの若者の1人という端役だったが、その美しさだけで映画界からのオファーが殺到した。だが、まだ修業が足りないと思った彼は、映画出演の話を全て断って演技の勉強を続ける。そして、ギルドホール卒業を2日前に、ファンタジー超大作「ロード・オブ・ザ・リング」(2001)のレゴラス役を射止め、本格的な俳優活動をスタートさせた。
続いて、ディズニーランドのアトラクションを映画化した海洋アドベンチャー「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」では、海賊に連れ去られた最愛の女性を救うため大海原で冒険を繰り広げる鍛冶屋の青年を演じ、主役のジョニー・デップを食うほどの急成長を遂げる。今作の大ヒットとともに人気を爆発させた彼は、大作へのオファーが絶えないハリウッド若手スターの地位を確立。ブラッド・ピット共演の歴史スペクタクル「トロイ」(2004)では、自らの恋のため祖国に厄災をもたらしたトロイの王子にふんし、無敵の戦士アキレスをタフに演じたピットと対をなすナイーブな魅力でファンを感嘆させた。リドリー・スコット監督と組んだ「キングダム・オブ・ヘブン」(2005)では、父親の理想を受け継ぎ、十字軍に参加して偉大な騎士へと成長する鍛冶屋の青年を堂々と演じ、見事な主演を飾る。
同年には、等身大の青年を演じた現代劇「エリザベスタウン」(2005)に出演。失恋と失業のダブル・パンチをくらった青年が、新たな人生を歩みだす姿をナチュラルに演じている。最新作は、11人の監督がニューヨークを舞台にさまざまな愛の形をつづる「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー」(2008)。ブルームが出演したのは岩井俊二監督の「アッパー・ウェスト・サイド」で、若き青年作曲家とその助手の物語を描く。今後の出演作としては、ロックバンドのリーダーシンガー役にふんする「シンパシー・フォー・デリシャス」(原題)や、小さな町の人々の生活が1人の訪問者によって変化していくアンサンブル映画「メーン・ストリート」(原題)、SF逃亡劇「ザ・クロス」(原題)など目白押し。さらなる躍進を目指すブルームの今後の動向に注目したい。

PROFILE
'77年1月13日、英・ケント州カンタベリー生まれ。母は語学学校を経営。父は彼が4歳の時に亡くなった人権活動家ハリー・ブルームと聞かされていたが、後に母の恋人で、ハリーの死後、ブルームの後見人になった男性が実の父だと明かされた。俳優にあこがれ、王立青年劇団、演劇アカデミーに所属し、ユアン・マクレガーも学んだ名門ギルドホールに入学。卒業1年前に転落事故で背骨を折る大けがを負い、二度と歩けないとも言われたが奇跡的に回復した。元々舞台俳優志望だった彼は在学中に「十二夜」、「かもめ」など多くの舞台に立つ。最近ではロンドンの舞台「イン・セレブレーション」(2007)に出演した。俳優以外の活動にも積極的なブルームは、2007年からネパールの貧しい地域の学校を訪ねるなどの人道支援活動を続けており、近年、ユニセフの親善大使に任命された。現在はモデルのミランダ・カーと交際中。

サム・ライミ

ホラー、ヒューマン、ヒーロー・アクション、ジャンルを問わない実力派マルチ監督
監督作「スパイダーマン3」(2007)が3月19日(金)に日本テレビ系で放送。スーパーマン、バットマンと並ぶアメリカン・コミックのヒーロー、“スパイダーマン”の映画化作品が大ヒットし、いまやメジャー監督となったライミだが、彼のデビュー作は元祖スプラッターともいうべきB級ホラー「死霊のはらわた」('83)で、続編が製作されるほどの大ヒットとなった。このころに一度、大好きだった「スパイダ-マン」の映画化を企画するが実現せず、自身が考えたオリジナル・ヒーロー「ダークマン」('90)を製作し大ヒットさせる。その後、B級コメディーホラーのイメージを覆すべく、大金を手にした人々の欲望を描いたサスペンス「シンプル・プラン」('98)や、ケビン・コスナー主演の野球感動作「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」('99)、ケート・ブランシェット主演のサスペンス・スリラー「ギフト」(2000)などを監督し、人間ドラマも演出できることを証明した。
そして2002年、ライミは念願だった「スパイダ-マン」を監督。これまでも映画監督として高い評価を受けていたが、いわゆる大作とは無縁だったライミ。同作の大ヒットは一気に彼をメジャーな存在へと押し上げた。また続編は失敗作が多いという定説を覆すかのように、「スパイダーマン2」(2004)も1作目を超える成功を収める。2007年にはさらなる続編となる「スパイダーマン3」を発表。今や彼は、ハリウッドを代表するヒットメーカーへと飛躍を遂げた。一連の“スパイダーマン”シリーズは、最新のCG技術を駆使した映像の迫力もさることながら、さまざまな葛藤に苦しむ主人公の青春物語に仕上げた点が多くの人の共感を呼び支持された。良い題材に恵まれたという見方もあるが、図書館が開けるほど膨大な量のアニメ・コミックを収集しているという彼のアニ・コミへの思い入れの強さがヒットの裏側にあったことは見逃せない。
2009年には、ライミ自身久々となるホラー「スペル」を手掛ける。兄アイバンとの共同脚本で製作された本作は、パワフルな恐怖を味わいながらも極上の笑いも堪能できる、ホラー出身の監督ならではの会心作になっている。「スパイダーマン」シリーズの続編が望まれていたライミだが、同シリーズの製作からは手を引くようで、彼の次回監督作は、世界中で大人気のオンライン・ゲーム「ワールド・オブ・ウォークラフト」シリーズを映画化したものになりそうだ。

PROFILE
'59年10月23日、米・ミシガン州生まれ。父は家具店チェーンのオーナー。8歳の時から8ミリカメラで映画を撮り始める。ミシガン州立大学で文学や人類学を学んだ後に、俳優ブルース・キャンベルらと映画製作会社ルネサンス・ピクチャーズを設立。20歳の時に製作した短編映画「森の中」を「死霊のはらわた」('83)として再映画化、商業映画の監督としてデビューを果たす。同作はカンヌ国際映画祭に上映され賞賛を浴びる。'90年の「ダークマン」がきっかけでユニバーサルの役員となり、同社作品の製作総指揮を手がけるように。2002年、監督した「スパイダーマン」で大ブレーク。「THE JUON 呪怨」(2004)では製作総指揮を担当している。また「マニアック・コップ2」('90)、「イノセント・ブラッド」('92)などには役者として出演。兄アイバン・ライミは脚本家、弟テッド・ライミは俳優。

ショーン・コネリー

初代ジェームズ・ボンド役でおなじみの英国を代表する名優
出演作「史上最大の作戦」('62)が9日(火)に衛星第2で放送。
長寿スパイ・アクションシリーズ“007”シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で名をはせたコネリー。タフでワイルドな肉体にタキシードをさっそうと着こなし、ダンディーな魅力あふれるコネリー版“元祖”ボンドは、ファンの間でもピカイチの人気を誇る。この役によって彼の名は世界中に知れ渡り、以降7作にわたりシリーズの顔として活躍した。だが回を重ねるごとに、ボンドの強烈なイメージが定着することに嫌悪感を抱くようになった彼は、さまざまなジャンルの作品に出演し、イメージ・チェンジを図っていく。巨額の遺産をめぐるサスペンス「わらの女」('64)や、陸軍刑務所を舞台にした社会派ドラマ「丘」('65)などは、いずれもボンドのイメージが払拭できず失敗に終わったが、シリーズで着けていたカツラを取り、若づくりを止めた「オリエント急行殺人事件」('74)あたりから人生経験を積み重ねた男ならではの渋みが加わっていく。
そして「風とライオン」('75)で優しくも力強いアラブの首長役を熟年の風格を漂わせて熱演し、新境地を開拓。ようやく“脱ボンド”に成功した。さらに、'87年には暗黒街の帝王アル・カポネに命懸けで立ち向かう老警官を演じた「アンタッチャブル」で主役のケビン・コスナーを食うほどの存在感を発揮し、アカデミー賞助演男優賞を受賞。ボンドのスマートでタフな魅力にいぶし銀の輝きが加わり、渋い演技派への転身を果たした。
老齢となったその後は、華やかなスターとうまみの濃い個性派俳優として、主役から印象的な脇役まで幅広く活躍。ハリソン・フォードの父親役を演じて大ヒットした「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(89)や、テロリストと戦う元脱獄犯にふんした「ザ・ロック」('96)、美術品専門の大泥棒をセクシーに演じた「エントラップメント」('99)など派手なアクション作にも意欲的に挑戦。脱ボンドと同時に生やし始めたヒゲも新しいトレードマークとなり、年を重ねるごとに渋みと貫録を増した魅力的な俳優となっていく。気難しい老小説家にふんした「小説家を見つけたら」(2000)では、作家志望の黒人少年と深い友情を育んでいくまでを円熟した演技で見せ、生涯のベスト・ワークだと賞賛された。2006年にはその業績を称え、アメリカ映画協会の生涯功労賞を受賞したコネリー。これを機に引退宣言し、一線を退いている。

PROFILE
'30年8月25日、英・スコットランド、エジンバラ生まれ。生活が貧しかったため、13歳から牛乳配達などのアルバイトをして家計を助ける。18歳で入隊するが、病気のため除隊。22歳のときミスター・ユニバースに出場し、2位を受賞する。同じ頃、舞台「南太平洋」のオーディションを受けて合格し、演技への関心を高めていく。'54年、「Lilacs in the Spring」のエキストラ役で映画デビュー。長い下積み生活を経て、“007”シリーズ第1作「007/ドクター・ノオ」の初代ボンド役に抜てきされ、人気スターへ。'89年には米・ピープル誌の「生存する最もセクシーな男性」に当時60歳で選ばれた。'99年には英国王室からナイトの称号を得るが、熱烈なスコットランド独立運動支持派として知られる。

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