ショーン・コネリー
初代ジェームズ・ボンド役でおなじみの英国を代表する名優
出演作「史上最大の作戦」('62)が9日(火)に衛星第2で放送。
長寿スパイ・アクションシリーズ“007”シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で名をはせたコネリー。タフでワイルドな肉体にタキシードをさっそうと着こなし、ダンディーな魅力あふれるコネリー版“元祖”ボンドは、ファンの間でもピカイチの人気を誇る。この役によって彼の名は世界中に知れ渡り、以降7作にわたりシリーズの顔として活躍した。だが回を重ねるごとに、ボンドの強烈なイメージが定着することに嫌悪感を抱くようになった彼は、さまざまなジャンルの作品に出演し、イメージ・チェンジを図っていく。巨額の遺産をめぐるサスペンス「わらの女」('64)や、陸軍刑務所を舞台にした社会派ドラマ「丘」('65)などは、いずれもボンドのイメージが払拭できず失敗に終わったが、シリーズで着けていたカツラを取り、若づくりを止めた「オリエント急行殺人事件」('74)あたりから人生経験を積み重ねた男ならではの渋みが加わっていく。
そして「風とライオン」('75)で優しくも力強いアラブの首長役を熟年の風格を漂わせて熱演し、新境地を開拓。ようやく“脱ボンド”に成功した。さらに、'87年には暗黒街の帝王アル・カポネに命懸けで立ち向かう老警官を演じた「アンタッチャブル」で主役のケビン・コスナーを食うほどの存在感を発揮し、アカデミー賞助演男優賞を受賞。ボンドのスマートでタフな魅力にいぶし銀の輝きが加わり、渋い演技派への転身を果たした。
老齢となったその後は、華やかなスターとうまみの濃い個性派俳優として、主役から印象的な脇役まで幅広く活躍。ハリソン・フォードの父親役を演じて大ヒットした「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(89)や、テロリストと戦う元脱獄犯にふんした「ザ・ロック」('96)、美術品専門の大泥棒をセクシーに演じた「エントラップメント」('99)など派手なアクション作にも意欲的に挑戦。脱ボンドと同時に生やし始めたヒゲも新しいトレードマークとなり、年を重ねるごとに渋みと貫録を増した魅力的な俳優となっていく。気難しい老小説家にふんした「小説家を見つけたら」(2000)では、作家志望の黒人少年と深い友情を育んでいくまでを円熟した演技で見せ、生涯のベスト・ワークだと賞賛された。2006年にはその業績を称え、アメリカ映画協会の生涯功労賞を受賞したコネリー。これを機に引退宣言し、一線を退いている。
PROFILE
'30年8月25日、英・スコットランド、エジンバラ生まれ。生活が貧しかったため、13歳から牛乳配達などのアルバイトをして家計を助ける。18歳で入隊するが、病気のため除隊。22歳のときミスター・ユニバースに出場し、2位を受賞する。同じ頃、舞台「南太平洋」のオーディションを受けて合格し、演技への関心を高めていく。'54年、「Lilacs in the Spring」のエキストラ役で映画デビュー。長い下積み生活を経て、“007”シリーズ第1作「007/ドクター・ノオ」の初代ボンド役に抜てきされ、人気スターへ。'89年には米・ピープル誌の「生存する最もセクシーな男性」に当時60歳で選ばれた。'99年には英国王室からナイトの称号を得るが、熱烈なスコットランド独立運動支持派として知られる。