ビル・ナイ
英国を代表するいぶし銀俳優
出演作「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」(2007)が4月4日(日)と11日(日)にテレビ朝日系で放送。TVシリーズからキャリアをスタートさせた英国のカリスマ俳優ビル・ナイ。彼は、名門ギルドホール音楽演劇学校で演技を学び、舞台俳優としてキャリアを積んだ後、「針の眼」('81)で映画初出演を果たす。しばらくはTVドラマで活躍することが多かったが、伝説のロックバンドが再起するまでを描いたコメディー映画「スティル・クレイジー」('98)で演じたボーカル・レイ役の怪演が話題を呼ぶ。劇中で歌も歌った彼は、笑いに秘められた中年の苦悩を巧みに表現し注目されるようになっていく。英国アカデミー賞助演男優賞を受賞した「ラブ・アクチュアリー」(2003)でも「スティル・クレイジー」と同様の再起を目指す往年のロックスターを演じる。本作では、少年っぽさが抜けない、どこか憎めないおちゃめでかわいい中年男性を好演している。そして吸血鬼一族とおおかみ男一族の争いを描いたアクション「アンダーワールド」シリーズ(2003、2006、2009)では、吸血鬼族の長老ビクターにふんしてこわもての演技を披露し、印象を残す。
こうして脇役でキャリアを積み上げてきた彼の名を世界中に知らしめたのが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの2作目から登場している海賊船を操る“深海の悪霊” デイビー・ジョーンズ船長役。特殊メークではなく、すべてCG処理されているが、不気味な海の怪物の姿は、一度見たら忘れられないほどインパクトが強い。その後も彼は、脇役ながらも強烈な個性で存在感を発揮していく。近作では、「ワルキューレ」(2008)のオルグリヒト将軍、「パイレーツ・ロック」(2009)の24時間ロックを流し続ける海賊局のドン、手塚治虫の『鉄腕アトム』をハリウッドでCGアニメ化した「ATOM」(2009)のお茶の水博士の声を担当。重厚でシリアスな演技からコミカルな役柄まで器用に演じ分けている。
また現在公開中の、モルモットによる特殊部隊Gフォースの活躍を実写とCGで描くアクション「スパイアニマル Gフォース」(2009)では、邪悪な億万長者レナード・セイバー役でいい味を出している。このように着実な活躍を続けているナイの新作は、2010年11月、2011年夏に公開が予定されている「ハリー・ポッターと死の秘宝」(2部作)。シリーズ最終作で初登場するナイは、魔法大臣のルーファス・スクリムジョール役にふんしている。
PROFILE
'49年12月12日、イギリス・サリー州生まれ。初めはジャーナリスト、のちに小説家を志してパリに渡るが挫折し、ロンドンに戻って俳優を目指す。TVやラジオ、舞台でも活躍し、その演技が高く評価されている。ほかの映画の代表作は、「ナイロビの蜂」(2005)、「あるスキャンダルの覚え書き」(2006)、「アレックス・ライダー」(2006)など。私生活では女優ダイアナ・クイックと長年パートナー関係にある。娘は女優のメアリー・ナイ。