ラッセル・クロウ

無骨さと繊細さを兼ねそなえた名優
主演作「ビューティフル・マインド」(2001)が1日(火)に衛星第2で放送。ワイルドで男くさいヒーローから、心の病に冒された繊細な学者までたくみに演じ分けるハリウッドきっての“演技派”として、アカデミー賞の常連となっているクロウ。もともと地元オーストラリアで俳優業をスタートさせた彼は、「クイック&デッド」('95)への出演を機にハリウッドに進出。'97年の「L.A.コンフィデンシャル」で、警察内部の汚職に立ち向かう熱血漢の刑事を好演し、一躍注目を集める。
タバコ会社の内部告発に苦悩する中年科学者にふんした「インサイダー」('99)では、体重を20キロも増やし、髪をグレーに染めるなど、徹底した役作りでアカデミー賞主演男優賞にノミネート。2000年には、巨匠リドリー・スコット監督の「グラディエーター」で、ローマ皇帝の将軍から奴隷剣闘士に転じたマキシマスを熱演し、見事アカデミー賞主演男優賞を受賞。マッチョな男らしさと哀愁を帯びた瞳が多くの観客を魅了し、彼を一挙に大スターへと押し上げた。さらに、翌年の「ビューティフル・マインド」では、精神分裂症に悩まされながらも、妻の愛に支えられて偉業を達成した天才数学者の苦闘を渾身の演技で見せ、またしてもアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。以降、英国海軍として戦いに身を投じる伝説的な名艦長にふんした「マスター・アンド・コマンダー」(2003)や、大恐慌時代、どん底から一夜にして栄光をつかんだ伝説のボクサーを大熱演した「シンデレラマン」(2005)など、多彩な役柄で圧倒的な演技力を披露。ハリウッドでの不動の地位を獲得する。
2007年には、麻薬王となった男と、それを追う刑事の激突を描くクライム・アクション「アメリカン・ギャングスター」で、デンゼル・ワシントンと共演。2大オスカー俳優の火花散る対決シーンは映画ファンをうならせた。続く、レオナルド・ディカプリオふんするCIA工作員に危険な指示を出す切れ者上司を演じた「ワールド・オブ・ライズ」(2008)、国家的陰謀につながる殺人事件の真相を究明する新聞記者にふんした「消されたヘッドライン」(2009)に出演。最新作は、リドリー・スコット監督と5回目のダッグを組んだ歴史大作「ロビン・フッド」(2010)。本作の中でクロウは、多くの小説や映画で語り継がれてきた中世の英雄ロビン・フッドを演じる。強気をくじき、弱きを助けるタフで男らしい彼のヒーローぶりに期待したい。

PROFILE
'64年4月7日 、ニュージーランド生まれ。両親が映画関係者だった事もあり、幼いころから撮影現場に出入りしていた。その後、オーストラリアに移住し、6歳から子役として活躍。'90年に「アンボンで何が裁かれたか」で映画デビューし、「ザ・クロッシング」('90)で映画初主演を果たす。'93年にはネオナチ集団の卑劣なボスにふんした「ハーケンクロイツ ネオナチの刻印」で、オーストラリア映画協会賞主演男優賞を受賞。世界的に注目されるきっかけとなる。酒好きで短気な性格から私生活での暴れん坊ぶりが取りざたされることも多い。女性関係は、メグ・ライアンなど多数の女性と浮名を流してきたが、2003年、「ザ・クロッシング」で共演したダニエル・スペンサーと結婚。2児を設けている。また、ロックバンド“30 Odd Foot of Grunts"のメンバーで、クロウはボーカルとギターを担当している。

宮崎あおい

天才的な演技力とキュートな顔立ちで日本映画界をリードする若手女優宮崎あおい
出演作「陰日向に咲く」(2008)が28日(金)に日本テレビ系で放送。幼くてあどけない等身大の少女の笑顔を見せたかと思うと、その童顔からは想像もできないほどの恐ろしく冷たい無表情な一面を見せたりと、作品ごとに全く別の“顔”を見せてくれる宮崎。特に、「EUREKA ユリイカ」(2000)や「害虫」(2002)、「ラブドガン」(2004)など、どこか孤独で陰のある少女を演じたときの存在感は圧倒的で、その演技力は、「害虫」の塩田明彦監督をはじめ多くの映画関係者に“天才肌”と評されている。
そんな彼女は、作品ごとに異なる役柄と出会うことに喜びを感じるという。そういった意味では、おしゃれ好きで恋愛体質の20歳の女の子を演じた「NANA」(2005)、ジャズピアニストを目指す活発で感受性豊かな少女を演じたNHKの連続テレビ小説「純情きらり」(2006)への出演は、彼女にとって刺激的で、かつ大きな転機となったに違いない。大ヒットしたこの2作品で、従来見せていなかった明るく前向きなキャラクターを演じたことは、女優としてのポテンシャルの高さを改めて示しただけでなく、彼女の一般的な知名度を上げることにも成功した。2007年には、京都とソウルを舞台にした日韓合作のラブ・ストーリー「初雪の恋 ヴァージン・スノー」、過去に傷を持つ人々の物語が交錯する人間ドラマ「サッド・ヴァケイション」など話題作に次々出演。
そして、2008年にはNHK大河ドラマ「篤姫」で、主人公の篤姫に抜てきされ、大河ドラマ史上最年少での主演を果たした。これまで映画をメインに活動してきた彼女は、TVドラマでもその才能を遺憾なく発揮し、若手演技派女優としての地位を確固たるものとした。その後、お笑い芸人・劇団ひとりのベストセラー小説を映画化した「陰日向に咲く」、中年おやじパンクバンドに振り回されるOLを演じた「少年メリケンサック」(2008)などに出演。常に映画にひっぱりだこな一方で、CMにも多数出演しており、彼女の姿を見ない日はないと言っても過言ではないだろう。漫画家・浅野いにおの人気同名コミックを映画化した「ソラニン」(2010)では、ギターと歌にも初挑戦している。そんな彼女の次回出演作は「オカンの嫁入り」(2010年9月4日公開)で、大竹しのぶとの親子役に挑戦する。

PROFILE
'85年11月30日、東京都生まれ。4歳で子役デビュー。'99年ごろから本格的に女優としての道を歩み始め、映画の仕事を中心にCMやTVドラマで活躍。青山真治監督が手掛けた「EUREKA ユリイカ」での印象的な演技で脚光を浴びると、「害虫」ではナント三大陸映画祭で主演女優賞を受賞するなど国内外で高い評価を得る。2004年には初舞台となった「星の王子さま」でゴールデンアロー賞演劇新人賞を受賞。趣味は写真で、「ただ、君を愛してる」(2006)の劇中でも彼女が撮影した写真が一部使用されている。兄で俳優の宮崎将とは「EUREKA ユリイカ」、「初恋」(2006)で共演を果たしている。ほかの代表作に「闇の子供たち」(2008)、「劔岳 点の記」(2009)など。

クリント・イーストウッド

西部劇ヒーローから世界を代表する映画人となった大御所
監督・主演作「許されざる者」('92)が17日(月)、監督作「父親たちの星条旗」(2006)が18日(火)、「硫黄島からの手紙」(2006)が19日(水)に衛星第2で放送。
俳優として半世紀以上のキャリアを誇り、監督として2度のアカデミー賞に輝くイーストウッドは、多くの映画人の尊敬を集めるハリウッドの大御所だ。そんな彼は俳優時代、「荒野の用心棒」('64)のニヒルなガンマンや、“ダーティハリー”シリーズ('71~'88)のアウトロー刑事に代表されるような、正義のためなら暴力も辞さない“武骨なタフガイ”といった役柄で人気を集めた。「恐怖のメロディ」('71)で監督業に進出した後も、「ガントレット」('77)、「ルーキー」('90)など多くの刑事アクションや犯罪ドラマを監督・主演し、バイオレンス・ヒーローとして活躍する。
そんな中、ターニング・ポイントとなった作品が、自身“最後の西部劇”と語る「許されざる者」('92)だ。アカデミー賞を受賞した本作で、イーストウッドは町を牛耳る保安官に制裁を加える老ガンマンを熱演。同時にそれまで演じてきた、暴力に暴力で対抗する“アンチ・ヒーロー”への疑問を作品に込め、高い評価を得た。
以降は、ラブ・ストーリー「マディソン郡の橋」('95)、SFドラマ「スペース カウボーイ」(2000)などさまざまなテーマに挑みながら新しいヒーロー像を模索。泥棒が大統領の殺人隠蔽を暴く「目撃」('97)、しがない記者が無実の死刑囚を救うため奔走する「トゥルー・クライム」('99)といった人間臭い“正義の執行者”や、ロートルのエージェントを演じた「ザ・シークレット・サービス」('93)、隠居中の元FBI捜査官役の「ブラッド・ワーク」(2002)などの老体に鞭打つ老齢の主人公を円熟した演技で体現。ボクシングを題材にした監督作「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)では不器用な老トレーナーを好演するとともに、家族の愛と生命の尊厳という深いテーマを精緻なタッチで描き、2度目のオスカーに輝いた。
こうしてベテラン俳優にして巨匠という、唯一無二の映画人となったイーストウッド。そんな彼の集大成的作品が、昨年公開された「グラン・トリノ」(2008)。偏屈で人種差別的な老人が、アジア系移民の少年との交流を通して心を動かされ、彼らを守るために自らを犠牲にするという本作。孤高の“ヒーロー”として己の正義を貫き続けてきた彼の映画人生そのもののような役柄で、世界中から絶賛を浴びた。ことし80歳を迎える彼だが、「インビクタス 負けざる者たち」(2009)に続き、マット・デーモンとタッグを組んだ「Hereafter(原題)」(2010年10月22日全米公開)で初めてのジャンルとなるスリラーへ挑戦、レオナルド・ディカプリオの出演がうわさされる、実在したFBI長官の伝記映画「Hoover(原題)」も準備中と、ますます映画づくりにまい進している。

PROFILE
'30年5月31日、米・カリフォルニア州生まれ。'54年に「半魚人の逆襲」で映画デビューし、'59年TV西部劇「ローハイド」で準主役に抜擢され、注目を浴びる。'64年にはセルジオ・レオーネ監督にイタリアに招かれ、「荒野の用心棒」などのマカロニ・ウエスタンに出演。帰国した後は、自らの製作会社マルパソ・カンパニーを設立。ドン・シーゲル監督と組んだ「ダーティハリー」('71)が大ヒットした。'86年から2年間、カリフォルニア州カーメル市の市長を務めていたこともある。ジャズへの造詣が深く、チャーリー・パーカーの伝記映画「バード」('88)を監督、そのほか多くの監督作で音楽を担当し、「グラン・トリノ」では自身の歌声を披露している。私生活では一度の離婚、女優ソンドラ・ロックとの破局を経て、'96年、ニュースキャスターのディナ・ルイスと再婚した。

エバ・メンデス

ラテン系の明るいキャラクターで人気のセクシー女優
出演作「ゴーストライダー」(2007)が5月14日(金)に日本テレビ系で放送。
ラテン系の明るいキャラクターとセクシーな魅力で人気を高めてきたメンデス。モデル出身の彼女の映画デビューは、「ロクスベリー・ナイト・フィーバー」('98・日本未公開)だが、注目されたのは麻薬捜査課に配属された新人刑事が、汚職もいとわないベテラン刑事に振り回される姿を描くサスペンス「トレーニング デイ」(2001)。彼女は、本作で悪徳刑事にふんしてオスカーを受賞したデンゼル・ワシントンの恋人役という重要な役を演じた。
持ち前の度胸で体当たりの演技を披露した彼女は、その後、「ワイルド・スピード×2」(2003)、「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」(2003)、「ゴーストライダー」とヒット作に続々と出演して人気も急上昇、一躍トップスターの仲間入りを果たす。さらに「タイムリミット」(2003)で再びワシントンと共演。今度は、別居中の彼の妻という役柄。「トレーニング デイ」とは、ちょうど立場が逆転した本作では、名優ワシントンと堂々と渡り合い、気が強くてタフで賢い熱血女刑事、そのキャラクターを見事に体現した彼女の存在感が光っている。
また、ファレリー兄弟監督の「ふたりにクギづけ」(2003)や、ウィル・スミスが初めてロマンチック・コメディーに挑戦した「最後の恋のはじめ方」(2005)では、彼女が本来持つラテン系のノリの良さを生かし、抜群のコメディーセンスを発揮。こうして彼女は一作ごとに役の幅を広げ、シリアス、コミカル両方の役柄を難なくこなせることを証明してきた。
近年では、年齢とともにさらに女性としての輝きを増し、エリート警察官とアウトローとして生きる兄弟の壮絶な運命を描いた「アンダーカヴァー」(2007)や、不死身の仮面ヒーローの活躍をスタイリッシュな映像美で描いた「ザ・スピリット」(2008)などで、セクシーかつしなやかな演技で魅惑的なヒロインを熱演している。
演技に情熱を惜しまない本格派女優としての評価を確立しつつある彼女の今後公開の作品としては、キーラ・ナイトレイ、サム・ワーシントン共演の「Last Night」(原題・2010年3月米限定公開)やマーク・ウォールバーグ、ウィル・フェレルと共演したアクション・コメディー「The Other Guys」(原題)などがある。

PROFILE
'74年3月5日、アメリカ・フロリダ州マイアミ生まれ。キューバ系アメリカ人。4人兄姉の末っ子。ロサンゼルスに育ち、カリフォルニア州立大学在学中から演技の勉強を始める。その後、名演技コーチのイバナ・チュバックに師事し、まもなく念願のプロ・デビューを果たす。女優になる前はモデルをしており、ウィル・スミスやエアロスミスのミュージック・ビデオにも出演。俳優業のかたわら、化粧品会社レブロンのイメージ・キャラクターも務める。また、同社が主催する乳がん撲滅キャンペーンに積極的に参加している。

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