チェ・ミンシク
圧倒的な演技力で観客を魅了する韓国映画界屈指の実力派
出演作「ブラザーフッド」(2004)が25日(金)に衛星第2で放送。ソン・ガンホ、ソル・ギョングと並び演技派ビッグ3と称されるなど、韓国映画界きっての演技派俳優として知られるミンシク。“役者が演技をするときは取り憑かれたようにしなければならない”というポリシーを持ち、徹底した役づくりで知られる彼は、ジャンルを問わずさまざまな作品で名演技を見せ、韓国のみならず世界の映画人の尊敬を集める大物俳優だ。
高校在学中から舞台俳優として活動した彼は、「九老アリラン」('89)で映画デビュー。長い下積みを経て、チンピラ風の検事を演じた「ナンバー・スリー」('97未公開)、ソン・ガンホと共演したブラック・コメディー「クワイエット・ファミリー」('98)などの演技で高い評価を受け、個性派俳優として頭角を現していく。そんな中大きな転機となったのが、日本でも大ヒットした「シュリ」('99)への出演だった。テロ工作のため韓国へ侵入した北朝鮮兵士役を圧倒的な存在感で怪演した本作で、主役のハン・ソッキュを食うほどの強烈な印象を残してブレークを果たす。以降は、酒に溺れ放浪癖のある天才画家を熱演した「酔画仙」が2002年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、翌年主演した「オールド・ボーイ」が同映画祭審査員特別グランプリを受賞し、世界に通用する俳優として一気に知名度を上げる。「オールド―」では、理由も分からず15年もの間監禁され、復讐の鬼と化した主人公を“怪物”ともいうべき鬼気迫る演技で体現。怒り、憎しみ、孤独、愛などあらゆる感情を極限までスクリーン上に爆発させ、世界中から絶賛を浴びた。こうして韓国を代表する演技派俳優としての地位を揺るぎないものにしたミンシク。
「シュリ」や「オールド・ボーイ」からアクの強い役柄のイメージが強い彼だが、“情けない中年男”といった役を演じたときの彼もまた上手い。失職中の主夫が妻の浮気を知り殺意を抱く「ハッピー・エンド」('99)、夢破れた中年トランペッターが中学校の吹奏楽部とコンクールを目指す「春が来れば」(2004)、落ちぶれたボクサーが再起に挑む「クライング・フィスト」(2005)。どの作品でも、人生のどん底からもがく“ダメ男”を魅力的に巧演していた。
現在は、イ・ビョンホンと共演する新作スリラー「悪魔を見た(仮題)」を撮影中。ビョンホン演じる情報諜報部員の婚約者を殺したサイコ・キラーにふんし、白熱の演技対決を繰り広げる模様。「オールド・ボーイ」以来の強烈なキャラクターを演じるとあって、公開前から注目を集めている。
PROFILE
'62年4月27日、韓国・ソウル生まれ。高校在学中に劇団「根」に研究団員として入団。以降は主に演劇界で活動し、'90年に出演したTVドラマ「野望の歳月」でスターになる。その後スクリーンに活躍の場を移し、さまざまな作品で端役としてキャリアを積んだ後、「シュリ」で演技派俳優の地位を確立した。1年間に上映しなければならない韓国映画の日数を定めたスクリーンクォーター制の縮小に反対する運動にも積極的に参加している。