江口洋介
優しい“あんちゃん”から大人の魅力を備えた男に変ぼうを遂げた演技派
出演作「GOEMON」(2009)が5日(土)にテレビ朝日系で放送。
185cmの長身と大人の色気を感じさせながらも、少年のような笑顔の似合う端正なルックスが魅力の江口。'87年にデビューした後、'90年代はじめには、当時人気のトレンディードラマ「東京ラブストーリー」('91)、「愛という名のもとに」('92)などで活躍。クールな二枚目で遊び人的な役を演じ、女性ファンを獲得する。そして彼の人気を不動のものにしたのが、'93年のホームドラマ「ひとつ屋根の下」。5人の弟と妹たちを何よりも愛する青年をすがすがしく好演し、“あんちゃん”の愛称でファン層を広めた。
'96年には、架空都市を舞台にした映画「スワロウテイル」でマフィアのボスを怪演。それまでの等身大の役とは異なった演技力を試される役に挑む。その後、落ち着いた“大人の男”の魅力が見え始めた江口には、当たり役となった人気TVドラマシリーズ“救命病棟24時”('99~)での敏腕医師や、「アナザヘヴン」(2000)での、人間の体を乗っ取る正体不明の殺人鬼と闘う刑事など、医師、刑事といった硬派な役が増える。その一方で、「凶気の桜」(2002)では、国粋思想に傾倒する3人の若者の兄貴分的殺し屋、「ギミー・ヘブン」(2004)での、“共感覚”を持つ孤独な男性という特異な役もこなし着実に役者としての幅を広げていく。
近年、映画中心の活動に変わってきた彼は話題の映画に次々と出演。製作費15億円の大作「戦国自衛隊1549」(2005)や、三崎亜記の同名小説を映画化した「となり町戦争」(2006)などで主役に抜擢される。
その後もコンスタントに出演作を増やしていき存在感を見せつけた江口は、医療ドラマをはじめ、社会派ドラマ、映画に数多く出演し、俳優としての地位を確立していく。2008年には、タイで横行する幼児売春などの闇の実態を描いた「闇の子供たち」で、闇ルートの臓器移植を取材する新聞記者を体当たりで演じた一方、異色のSF娯楽作「GOEMON」では伝説の盗賊・石川五右衛門にふんし、ワイルドな魅力を発揮して新境地を開拓した。
今後もいろいろな表情を見せてくれそうな彼は、日本映画界になくてはならない存在になりつつある。2011年2月11日(金)公開の「洋菓子店コアンドル」では、演技派女優・蒼井優と初共演。江口は、辛い過去を抱えて生きる伝説の元・天才パティシエ役を演じる。
PROFILE
'67年12月31日、東京都北区生まれ。'86年、原田眞人監督作「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」の端役を経て、'87年、人気コミックの映画化「湘南爆走族」のオーディションに主人公役で合格し、後にトレンディードラマを支える仲間、織田裕二と共に本格デビュー。偶然にも役名が、自分の名前と漢字1字違いの“江口洋助”だったという奇妙な縁を持つ。俳優だけでなく、歌手としての一面も持ち、CMソングやTVドラマ、TV番組のテーマ曲として使用される。'99年には歌手の森高千里と結婚。一男一女の父親である。