ショーン・ペン

天才的な演技力と底知れぬ魅力を持つハリウッドきっての実力派

主演作「アイ・アム・サム」(2001)が1月31日(月)に衛星第2で放送。
ハリウッドの反抗児ショーン・ペンも50歳を超えた。最近は、映画のみならず政治や社会奉仕活動を独力で精力的に行い注目されている。もともと舞台役者として活動していた彼の作品選びは、いわゆるハリウッドの大作路線とは一線を画しており、インディペンデントで作家性の強い監督作品への出演が多い。“演じる”という熱っぽさや技巧を感じさせず、どんな役柄にもなりきってしまうが、そこにはいつもペン自身が存在するという抜群の演技力。その実力は、例えば死刑囚の心の叫びを細やかに表現し高い評価を受けた、ティム・ロビンス監督の「デッドマン・ウォーキング」('95)や、太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島を舞台にした「シン・レッド・ライン」('98)など、シリアスでメッセージ性の強い作品であればあるほど発揮される。
そして、娘を惨殺され復しゅうに燃える父親を演じた「ミスティック・リバー」(2003)と、アメリカで初めて同性愛者であることを公にして公職に就いたハービー・ミルク役を演じた「ミルク」(2008)でアカデミー賞主演男優賞を受賞、名実ともに演技派俳優として確固たる地位を築く。
また彼は監督としても、「インディアン・ランナー」('91)、「クロッシング・ガード」('95)、「プレッジ」(2001)、「イントゥ・ザ・ワイルド」(2007)、など硬派な秀作を世に送り出しており、マルチな才能を見せている。演技、映像、音楽などにこだわり続けて作品を創造していく彼の映画、そして生き方そのものは、これからも常に注目されていくであろう。
近々アメリカで公開される予定の新作が、テレンス・マリック監督の「ザ・ツリー・オブ・ライフ」(原題)。本作は、'50年代のアメリカ中西部を舞台にした家族の物語で、物語の前半ではブラッド・ピットが父親役を担い、ペンは、その息子ジャックが大人になった役を演じる。

PROFILE
'60年8月17日、米・カリフォルニア州生まれ。父は映画&TV映画の監督、母は女優、兄は音楽家、弟(2006年に死去)は俳優という芸能一家に育つ。TV映画、舞台を経て'81年の「タップス」で映画デビュー。以来、40本近い作品に出演し、アカデミー賞主演男優賞に5回ノミネート、うち2回受賞している。監督、脚本家としても活躍。'85年にマドンナと結婚するが、'89年に離婚。'96年にロビン・ライト・ペンと再婚、2010年に離婚した。

松山ケンイチ

特異な存在感を放つ実力派若手俳優

出演作「デスノート the Last name」(2006)が28日(金)に日本テレビ系で放送。
同作で、姿勢を猫背に、顔には大胆なメークを施し、原作の漫画のキャラクターそのものといっても過言ではないほど作り込んで謎の探偵“L”を演じた松山。このL役で一気に知名度を上げた彼だが、実際の松山はLの冷たく都会的なイメージとは異なり、出身地の青森の訛りが残る素朴な青年だ。そんな素の姿をみじんも感じさせず、憑依したかのごとく役になりきることから“カメレオン俳優”と称されることも多い。
2002年に「アカルイミライ」で映画デビュー後、初主演作の「ウィニング・パス」(2003)や「不良少年<ヤンキー>の夢」(2005)など、コンスタントに出演を重ねていく。そして、国のために命を捨てることもいとわない少年兵を演じた「男たちの大和 YAMATO」(2005)で転機を迎える。この作品でベテラン映画スタッフたちの誇りや撮影現場の熱気に触れ“映画は熱い中で生まれる芸術だ”と気付いた松山は俳優としてだけではなく、一人の人間として作品のために何ができるのかを考えるようになったという。
その後、「DEATH NOTE デスノート」(2006)をはじめ、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(2006)や「椿三十郎」(2007)などの大規模な作品にも活躍の幅を広げていった彼は、演技力を認められ、映画を中心に数々の作品で主演に抜擢される。「人のセックスを笑うな」(2007)で年上の既婚女性との恋に翻弄される青年を演じ、純朴な表情を見せる一方で、同名ギャグ漫画を実写映画化した「デトロイト・メタル・シティ」(2008)では、過激な悪魔メークを施したデスメタルバンドのボーカルでありながら、普段は大人しい青年という2つの顔を持つキャラクターを怪演。作品ごとに表情や姿、言葉遣いを自在に変化させる彼は、次々と新たな魅力を発揮している。
また、崔洋一監督とタッグを組んだアクション時代劇「カムイ外伝」(2009)や、村上春樹のベストセラー小説を映画化した「ノルウェイの森」(2010)は海外の映画祭でも注目を集め、世界に通用する映画俳優としての地位を確立しつつある。
そんな松山の最新作は、週刊ヤングジャンプで連載中の漫画を実写化した1月29日(土)公開のSFアクション「GANTZ」。その後も、続編となる「GANTZ PART II」、'70年代の日本を舞台にしたノンフィクション「マイ・バック・ページ」、育児に奔走する“イクメン”に初挑戦した「うさぎドロップ」の公開を控える。また、秋公開予定のコメディー「僕達急行 A列車で行こう」では瑛太との共演も決まっている。

PROFILE
'85年3月5日生まれ、青森県むつ市出身。2001年、ホリプロのオーディションでグランプリを受賞し、PARCOの広告でモデルデビュー。その後は、俳優として「NANA」(2005)、「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙<そら>へ」(2007)、「L change the WorLd」(2008)、「ウルトラミラクルラブストーリー」(2009)などに出演。また、「銭ゲバ」(2009)などTVドラマやCMでも活躍している。2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」の主演も決定した。

コリン・ファレル

公私共に話題を振りまくアイルランド出身の人気俳優

出演作「リクルート」(2003)が19日(水)、衛星第2で放送。
太い眉に愛くるしい瞳、ワイルドな雰囲気に濃い顔が魅力的なファレルは、さまざまな役柄で圧倒的な存在感を見せる個性派俳優だ。そんな彼の出世作は、いきなり主役に抜擢された「タイガーランド」(2000)。仲間を思いやる人間味あふれる兵士を自然体で好演して高い評価を集めた。その後も、極限状態の中で正義感に目覚める米軍中尉にふんした「ジャスティス」(2002)、トム・クルーズ演じる逃亡した主人公を追う司法省の調査官役に挑戦した「マイノリティ・リポート」(2002)など、主役級の出演が舞い込む。「フォーン・ブース」(2002)では、全編ほとんどを電話ボックスの中で、姿の見えない声の主を相手に演技するという難役に挑戦。短時間で別人のように豹変していく主人公の恐怖を見事に表現し、若手実力派として脚光を浴びる。
だが、自身の人気とはうらはらに、マスコミに対する悪態や、記者会見での喫煙、飲酒、次々と報道される女性関係など、このころから“問題児コリン・ファレル”としてタブロイド誌をにぎわせるようになる。そんな“問題児騒動”を払拭するかのように、人命救助に当たる特殊部隊員の活躍を描く「S.W.A.T.」(2003)、アル・パチーノら大物俳優と共演したサスペンス「リクルート」、強大な帝国を築き上げた若き王の波乱の生涯を描く歴史大作「アレキサンダー」(2004)など、数々の大作に出演。変わらぬ人気ぶりをアピールする。また、味方に命を狙われる羽目になった殺し屋を演じた「ヒットマンズ・レクイエム」(2008・日本未公開)では、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した。
近年では、俳優ヒース・レジャーの遺作「Dr.パルナサスの鏡」(2009)で、撮影中に急逝したレジャーの代役を、生前の友人であったファレルら3人の俳優が引き継ぎ、映画を完成へと導いた。同年には、落ちぶれた中年カントリー歌手の再生を描く「クレイジー・ハート」で、主人公のジェフ・ブリッジスを師匠と仰ぐ人気歌手を演じ、見事な歌声とギター演奏を披露している。
そんな彼の新作は、名匠ピーター・ウィアー監督の戦争逃走劇「ザ・ウェイ・バック(原題)」(2010)、キーラ・ナイトレイ共演の犯罪ドラマ「ロンドン・ブールバード(原題)」(2010)、妖しい吸血鬼にふんする「フライナイト」(2011)など目白押しだ。

PROFILE
'76年5月31日、アイルランド・ダブリン生まれ。少年時代はサッカー選手だった父親や叔父と同じ道を志すが、次第に演劇に興味を抱き、ダブリンの演劇学校に入学(のちに中退)。TVシリーズなどの出演を経て、ティム・ロス初監督作「素肌の涙」('98)で映画デビュー。その後、舞台に立つ彼をケビン・スペーシーが見初め、スペーシー主演の「私が愛したギャングスター」(2000)に出演した。2001年に女優アメリア・ワーナーと結婚するが、4カ月後に離婚。モデルの元恋人との間に息子が1人いる。近年、「オンディーヌ(原題)」(2009)の撮影で知り合った女優アリシア・バックレーダとの間に男の子が生まれた。

中谷美紀

ミステリアスな雰囲気ととぼけた味わいが同居する個性派女優

出演作「あかね空」(2006)が12日(水)に衛星第2で放送。
映画にドラマにCMにひっぱりだこの中谷。透明感あふれる顔立ちとミステリアスな雰囲気を持ち合わせた正統派の美人タイプで、「カオス」(2000)の悪女風ヒロインや、主人公を献身的に支える妻にふんした「力道山」(2004)などシリアスな役もこなすが、彼女の魅力が光るのは、どこか抜けたような“天然系”キャラを演じたときだ。TVドラマ「ケイゾク」('99 TBS系)の、東大卒のキャリアながらも少し飛んだ性格の刑事・柴田や、「電車男」(2005)でのちょっと浮世離れしたお嬢さまのエルメスなど、クールな外見とのギャップが実にキュート。
2003年ころからはTVドラマを離れて映画を中心に活動。なかでも、転落の一途をたどる女性の不幸な人生をユーモアたっぷりに描いた主演作「嫌われ松子の一生」(2006)は、スマッシュ・ヒットを記録した。この作品で中谷は、愛を信じて突き進む主人公・川尻松子役を熱演し、「ケイゾク」と並ぶ、彼女の代表作といえる作品となった。ただ撮影中は苦労の連続だったようで、中島哲也監督と本音でぶつかり合い、“女優なんて仕事は、私には向いていないとつくづく思い知らされた”と語っている。
とはいえ、女優としての彼女の実力は誰もが認めるところで、その先も次々と話題作に出演。乱暴者の夫に献身的に尽くす妻を演じた「自虐の詩」(2007)では、「嫌われ松子の一生」に続き薄幸の女性をコミカルかつ感動的に好演。さらに「シルク」(2007)ではマイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、役所広司ら国際的スターと共演し、女優としての幅をさらに広めることに成功。2009年には、松本清張の代表作を映画化したミステリー「ゼロの焦点」で、貫禄すら感じさせる安定した演技を披露した。
2010年は2作品の映画に出演。夫婦のすれ違いを描いた江國香織の同名小説を映画化した「スイートリトルライズ」では、女性としての妖艶さをさらに増した大人の演技を見せている。また、「それいけ!アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌」には声優として出演。以前、デンマーク製の人形劇ムービー「ストリングス 愛と絆の旅路」(2004)で吹き替えを務めたことはあるものの、アニメ声優はこれが初挑戦となった。
そんな中谷は、早速2011年も話題作への出演が決定している。1つ目は、有川浩のベストセラー小説を映画化した「阪急電車」(夏公開予定)。2つ目は、誰もが知っている日本文学の古典「源氏物語」(2011公開予定)の映画化作品で、中谷は「源氏物語」の作者である紫式部を演じる予定だ。

PROFILE
'76年1月12日、東京都東村山市生まれ。東京・表参道でスカウトされて芸能界入り。'93年、「ひとつ屋根の下」(フジ系)でドラマに初出演する。映画デビューは大森一樹監督作「大失恋。」('95)。'96年からは、坂本龍一プロデュースの下、音楽活動も開始、歌手としても人気を集める。また、「嫌われ松子の一生」の製作過程を赤裸々につづった日記「嫌われ松子の一年」をはじめ、絵本やエッセー、旅行記などを精力的に発表し、多方面で才能を発揮している。ほか出演映画に「約三十の嘘」(2004)、「疾走」(2005)、「LOFT ロフト」(2005)、「7月24日通りのクリスマス」(2006)、「しあわせのかおり」(2008)など。

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