ダスティン・ホフマン

情熱を持って芝居に打ち込み独特の存在感を放ち続けるベテラン俳優

出演作「パピヨン」('73)が1日(水)にNHK BSプレミアムで放送。
アカデミー賞主演男優賞に7度のノミネート歴があり、「クレイマー、クレイマー」('79)と「レインマン」('88)でオスカーを獲得した、ハリウッドを代表する名優ホフマン。彼はピアニストになることを夢見て大学でも音楽を専攻するが、アマチュアの舞台に立ったことを機に演劇の道へ進むことを決意。ニューヨークのアクターズ・スタジオで演技を学ぶ。
長い下積み生活の後、マイク・ニコルズ監督に見出され主演した「卒業」('67)で注目を集める。以降、確かな演技力と独特の存在感で「真夜中のカーボーイ」('69)、「パピヨン」などで高い評価を受ける。
その後もさまざまな役を演じてきたホフマンは、役になりきるために徹底的なリサーチを行うことでも知られる。役欲しさに女装する売れない俳優を演じた「トッツィー」('82)では女性の声帯を研究して声まで変えた完璧な女装をし、驚異的な記憶力を持つ自閉症患者にふんした「レインマン」では、患者たち独特の世界観を理解しようと医師や自閉症を患う人たちに話を聞くなどして役作りした。また「アウトブレイク」('95)で細菌研究所の軍医を演じるに当たっては、細菌に関する書籍や論文を読み漁り、共演者にレクチャーするほどの知識を得た。
作品を選ぶ基準は出演して何かを学べることだという、彼の演技に対する情熱がうかがい知れる。
だが、近年は自分が心から楽しめる作品を選んでいると「ニューオーリンズ・トライアル」(2003)のインタビューで語っている。その言葉の通り、「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」(2007)では個性的な魔法使い、声優に挑戦した「カンフーパンダ」(2008)や「ねずみの騎士デスペローの物語」(2008・日本未公開)など楽しそうな彼の演技は、見る者を楽しませてくれる。
そんな彼が声優を務める「カンフー・パンダ2」が、8月19日(金)から公開される。前作に引き続き、ホフマンは主人公の師匠であるシーフー老師の声を担当する。

PROFILE
'37年8月8日、米・カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。かつて映画監督を志していた家具職人の父と映画好きの母の元に生まれる。名前はサイレント時代の西部劇スター、ダスティン・ファーナムに由来する。下積み時代には、今や大御所俳優のジーン・ハックマン、ロバート・デュバルとアパートで同居生活を送っていた。'69年に結婚した元バレエ・ダンサーと離婚後、'80年に現在の妻と再婚し、計6人の子供がいる。

ジェニファー・コネリー

美少女子役から聡明で美しい演技派へ転身した女優

出演作「地球が静止する日」(2008)が27日(金)に日本テレビ系で放送。
ブルネットの髪と目が特徴的なコネリー、聡明で美しく演技にも定評のある女優として、さまざまな作品に出演している。両親の友人の勧めでモデルやCMに出演したコネリーは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」('84)で映画デビュー。主人公が愛した女性の少女時代を演じ、そのかれんで美しい容姿から注目を集めた。翌'85年に出演した「フェノミナ」では、日本でアイドル的な人気を博し、日本でのCM出演や歌手デビューを果たした。
しかし、その後作品に恵まれず人気は低迷、「ホット・スポット」('90)など7作品でヌードになっていた。だが、コネリーは仕事の傍ら学業をこなし、エール、スタンフォードといった名門大学で演劇学や即興演劇を学び着実に力をつけていた。
「レクイエム・フォー・ドリーム」(2000)では、その演技力が認められ、多くの助演女優賞にノミネートされた。そして翌年、実在の天才数学者をモデルにした「ビューティフル・マインド」(2001)で、次第に心をわずらっていく主人公を献身的に支える妻役を演じ、アカデミー賞助演女優賞ほか、数々の賞を獲得、美少女子役から演技派へと見事に転身を遂げた。
現在2人の息子の母親で第3子を妊娠中のコネリー。母親になったことがきっかけで女優としてまた一つ成長をしたと語る彼女は、作品を作る理由や役の背景を深く考えて出演を選出するようになったとインタビューで答えている。
怪物になってしまった恋人を愛し続ける女性役の「ハルク」(2003)、愛されることを渇望する孤独な女性を演じた「砂と霧の家」(2003)、「地球が静止する日」の母親役などさまざまな役を演じる彼女。美少女子役からオスカー女優、そして母親になった、コネリーのこれからの演技に注目したい。
新作はことし1月に日本公開された「僕が結婚を決めたわけ」(2010)に続き、「Salvation Boulevard」の全米公開が予定されている。

PROFILE
'70年12月12日、米・ニューヨーク生まれ。写真家のデイビッド・ドゥガンとの間にできた長男を未婚の母で出産。その後、「ビューティフル・マインド」で共演したポール・ベタニーと結婚し次男をもうけている。映画の主な出演作は「ダーク・ウォーター」(2005)、「そんな彼なら捨てちゃえば?」(2009)などがある。女優業のほかにバレンシアガ、レブロンのイメージキャラクターを務めている。

小雪

幅広い役柄に挑戦し、本格派へと進化していく女優

出演作「ラスト サムライ」(2003)が15日(日)にテレビ朝日系で放送。
小雪が演じた寡黙でありながら熱い気持ちを秘めた日本人女性・たかは、彼女の魅力を十分に引き出しており、国際的評価を得たこの作品は、彼女の映画女優としての代表作のひとつになった。
クールビューティの印象が強い小雪だが、彼女の良さは演技のディテールだけにこだわらず、役全体の雰囲気を内側からかもし出せることだ。ファッションモデルであるスレンダーなボディがさらにその表現力を増幅させている。
本格的な映画出演となった堤義彦監督の「ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer」(2000)では、両親を殺した疑いのある人々を相手に、静かに淡々と殺人予告を宣言する霧島七海役を演じた。インターネットを媒介して広がる恐怖を描いたホラー「回路」(2000)では、ネットを研究する唐沢春江役に。無表情な演技で存在感を見せつけた。
その後、彼女のイメージを覆すような作品も増え「嗤う伊右衛門」(2003)では演出家の蜷川幸雄監督のもと、病で顔が崩れながらも深い愛情を持って生き抜くお岩を、おどろおどろしくもエロチックに表現。「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007)では、吉岡秀隆演じる売れない作家・竜之介が憧れる一杯飲み屋のおかみ・石崎ヒロミ役を好演。色っぽさとコミカルな庶民らしさを兼ね備えた演技は、彼女のもうひとつの代表作になった。また「カムイ外伝」(2009)では走り、斬られ、引きずられて崖から落ちるハードアクションを見せた。
近年は主演が続き「わたし出すわ」(2009)で、周囲の人に大金を差し出すつかみどころのない女性・山吹摩耶を。「信さん・炭坑町のセレナーデ」(2010)では昭和30年代の福岡を舞台に母親役を好演。クールビューティと言われる彼女が様々な作品を熱く演じている。

PROFILE
'76年12月18日生まれ。神奈川県出身。ファッション誌の読者モデルに応募して専属モデルとなり一躍人気を集めた。現在もモデルとして人気ファッション誌の表紙や化粧品CMなどに登場している。女優としてはTVドラマ「恋はあせらず」('98)に抜擢された後、映画にも活躍の場を広げていった。2011年4月、映画「カムイ伝」で共演した俳優、松山ケンイチと結婚したことを発表。趣味は旅行、語学、読書、手芸、料理、スポーツ全般。

吉永小百合

名実ともに日本を代表する映画女優

主演作「おとうと」(2010)が5月8日(日)にテレビ朝日系で放送。
日本を代表する唯一無二の映画女優、吉永小百合。'59年の「朝を呼ぶ口笛」でスクリーンに登場して以来、彼女の発するオーラは、常に夢と希望を呼び、観客は憧れを抱きながら彼女を見続けてきた。
彼女が最初に脚光を浴びたのが「キューポラのある街」('62)。貧しくも明るく前向きに生きる少女を好演しブルーリボン女優主演賞、NHK映画賞最優秀新人賞を受賞した。このときの、新鮮で清潔であり、優等生的なものを持っている娘のイメージが、以後の吉永のイメージを確立したと言える。そしてしばらくは、「青い山脈」「泥だらけの純情」(ともに'63)、「愛と死を見つめて」('64)など、このムードの青春映画に出演していく。
そんな殻を抜け出し、青春の“アイドル”からしたたかな“女”への転機をつかみ取った作品が、市川崑監督の「細雪」('83)。寡黙ながらもその清純さの中に強情さを秘めた三女・雪子役を抑制された演技で好演し、生々しいまでの存在感を与えた。こうして新境地を開拓し、成熟した女優としての地位を確実なものにした彼女は、「天国の駅」「おはん」(ともに'84)などでさらに推し進めて女の情念を演じ高い評価を得る。'88年から'92年までしばし映画界を離れたものの、その後もコンスタントに映画出演を続け、さまざまな役に挑戦してきている。
近年の代表作は、行定勲監督の「北の零年」(2004)、竹中直人と実在の夫婦役で共演した「まぼろしの邪馬台国」(2008)、戦争反対の信念を貫く夫を尊敬し、深い愛情で家族を支える母役を好演した「母べえ」(2008)、山田洋次監督10年ぶりの現代劇「おとうと」での勤勉な姉役など。そして今月28日(土)には、彼女がナレーションとチャプラの母の声を担当したアニメ「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」が公開される。これは手塚治虫の漫画「ブッダ」を全3部構成で映画化したもので、本作はその第1部となる。

PROFILE
'45年3月13日、東京都渋谷区生まれ。小学校5年生の時にラジオドラマ「赤胴鈴之助」で芸能界デビュー。数多くの映画、TVドラマに出演し、多数の主演女優賞を受賞。また歌手としては、橋幸夫とのデュエット曲「いつでも夢を」が30万枚を超える大ヒットとなり、'62年度日本レコード大賞を受賞している。'73年フジテレビのディレクターと結婚。2006年紫綬褒章受章。2010年文化功労者。熱烈な埼玉西武ライオンズファンとしても有名。

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