リーアム・ニーソン

内からあふれる男の渋みが魅力のカメレオン俳優

出演作「バットマン ビギンズ」(2005)が6月27日(月)にNHK BSプレミアムで放送。
アクション大作からインディペンデント系まで幅広いジャンルの作品で、全く違った表情を見せてくれる演技派のニーソン。そんな彼は作品選びの基準を問われると、デビューから一貫して“脚本の良さに尽きる”と語っている。
即座に引き付けられた作品としてニーソンが挙げるのが、実在の人物を演じた3本の映画「シンドラーのリスト」('93)、「マイケル・コリンズ」('96)、そして「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004)。彼は、これらの作品で多くの栄冠に輝きスター俳優に。
また、その重厚な存在感で世界的大ヒット作「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」('99)でのクワイ・ガン・ジン役をはじめとするスペクタクル超大作にも数多く出演し、演技派俳優としての地位を揺るぎないものにしていく。
近作では、これまでのイメージとかけ離れた新境地に挑んだ本格サスペンス「96時間」(2008)。心優しき父親にして過激な追跡者という主人公の極端な二面性を演じ切ったニーソンの圧倒的な存在感は度肝を抜いた。さらに、「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」(2010)では、Aチームを率いる天才指揮官ハンニバルをあふれんばかりのカリスマ性で演じた。
ことしに入ってからは、5月に相次いで日本公開された「アンノウン」(2011)と「クロエ」(2009)。前者で事故に遭い意識を失っている間に自分の身元を奪われてしまう男、後者では妻との関係に頭を悩ませる大学教授と、2本の作品で異なる魅力を見せ、まさにカメレオン俳優の本領を発揮している。
今後の作品としては、バットマン・シリーズ最新作の「The Dark Knight Rises(原題)」、SF超大作「Battleship(原題)」、「タイタンの戦い」(2010)の続編「Wrath of The Titans(原題)」(以上2012・全米公開予定)などが控えており、来年の還暦を前にファンにさまざまな新作を届けてくれそうだ。

PROFILE
'52年6月7日、イギリス・北アイルランド生まれ。教職に就くことを目指していたが、演劇に目覚めて大学を中退。'76年にベルファストのリリック・プレイヤーズ・シアターに入団し、プロの俳優としての第一歩を踏み出す。その後、ジョン・ブーアマン監督に認められ、'81年の「エクスカリバー」で映画デビュー。私生活では'94年、女優のナターシャ・リチャードソンと結婚し2児をもうけるが、リチャードソンは2009年スキー事故で死去。

ビリー・ボブ・ソーントン

俳優、脚本家、監督、ミュージシャン、4つの顔を持った個性派俳優

出演作「イーグル・アイ」(2008)が18日(土)にフジ系で放送。
俳優、脚本家、監督、ミュージシャンとしてマルチに活躍するボブ・ソーントン。27歳の時に脚本家と俳優を志した彼は、「ハンターズ・ブラッド」('86、日本未公開)で映画デビュー。その後、長い下積み時代を経て、「幸福の条件」('93)、「デッドマン」('95)などに出演。
また、「ファミリー 再会のとき」('96、日本未公開)では脚本を手掛け、フィルム・メーカーとしての足場を固めていく。翌年には、監督・脚本・主演の3役をこなした「スリング・ブレイド」('96)でアカデミー賞脚色賞を受賞。知的障害のある殺人者という難役を演じ切り、主演男優賞にノミネートされる。
本作で一気に知名度を上げた彼は、「アルマゲドン」('98)で人気俳優ブルース・ウィリスと共演、同年の「シンプル・プラン」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ハリウッド俳優としてのキャリアを順調に重ねていく。
俳優業以外でも、サム・ライミ監督の「ギフト」(2000)に脚本家として参加し、マッド・デーモン主演の「すべての美しい馬」(2000)では監督・製作をするなど多才ぶりを発揮。
その後、「バーバー」(2001)の床屋を営む寡黙で憂鬱な男性、「チョコレート」(2001)の無愛想な刑務所の看守役で渋味の効いた演技を見せると、サンタ姿の泥棒に扮した「バッドサンタ」(2003)では一転して汚い言葉を連発。シリアスからコメディーまでこなす個性派俳優としての地位を確立していく。
「がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン」(2005)では近年はまり役となっている“不良中年”を演じる一方、「庭から昇ったロケット雲」(2006)では純粋なまなざしで夢を追い掛ける父親役を好演し、新たな一面を見せた。アクの強さと繊細さを兼ね揃えた彼は、ハリウッドに欠くことのできない俳優の一人として、その存在感をますます高めている。
そんな彼が、麻薬中毒の刑事を怪演している「ファースター 怒りの銃弾」(2010)は現在公開中。また、暴力的な田舎者の兄弟が騒動を巻き起こすコメディー「The Baytown Disco(原題)」(2012)への出演も決まっている。

PROFILE
'55年8月4日、米・アーカンソー州生まれ。プロ野球チーム“カンザスシティ・ロイヤルズ”へ入団を希望したがけがで断念。大学に進学し、心理学を専攻するが中退。ミュージシャンに転身した後、'81年、ロサンゼルスの演劇学校で演技を学ぶ。2005年には「狂っちゃいないぜ」('99)で共演したアンジェリーナ・ジョリーと5度目となる結婚を経験するも、2003年に離婚。脚本家、俳優業の傍ら自身のバンド“ザ・ボックスマスターズ”で活動中。

仲間由紀恵

大河、コミカル、恋愛、時代劇など、いまや何でもござれの本格女優

出演作「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」(2010)が12日(日)にテレビ朝日系で放送。
シリーズ10周年の本作で、お馴染みの貧乏マジシャンを演じる仲間は、その恐怖で社会現象を巻き起こした鈴木光司の同名小説を映画化した「リング0 バースデイ」(2000)で主演したことからブレイクする。
その直後に、今回放送の「劇場版TRICK―」をはじめ、シリーズ化される作品の第一弾であるTVドラマ「TRICK」(2000)の主役・山田奈緒子役に抜擢された。売れない奇術師と自称天才物理学者のコンビが、奇怪な事件に隠されたトリックを解明していく大ヒット作だ。さまざまなパロディーが散りばめられた独特の演出と雰囲気の中で、役柄の設定やセリフ回しで笑いを誘った仲間は、この作品で多くの熱狂的ファンを獲得し、清楚なアイドルのイメージから女優へと変貌する。
同じく、シリーズ化されたTVドラマ「ごくせん」(2002)でも、山口久美子(ヤンクミ)として主役を任される。任侠の家に育ち、生徒と“心の汗”を流すことを夢見る熱血教師をコミカルに演じている。3シーズン放送されたTVドラマは、すべて高視聴率を記録し、2009年には映画化もされた。
この2大ヒットシリーズ以外にも、被疑者の似顔絵から特殊能力を駆使して本当の犯人を追い詰める警察官を演じたTVドラマ「顔」(2003)や、フジ系の月9枠で日本人青年に恋する在日韓国人女性を演じた「東京湾景 Destiny of Love」(2004)など多数の作品で主演。
2006年には、NHK大河ドラマ「功名が辻」に出演し、当時、大河ドラマとしては最年少の主役として山内千代役を熱演した。これらの功績が評価され、受賞者は放送業界の実力者として認知される橋田賞を同年に受賞。
また、その年の12月には、映画「大奥」(2006)で主役の絵島を演じ、「うぶな女性のかわいらしさを、匂うがごとくかもし出している」と評価され、第31回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を獲得、演技派女優として確固たる地位を確立する。
こうして本格女優に成長した仲間の次回主演作は「テンペスト」(NHK BSプレミアム 2011年7月放送予定)。池上永一の同名小説をTVドラマ化した波乱万丈の大河ロマンで、幕末期の琉球を守ろうとした女性の壮大な物語になっている。すでに堤幸彦演出で舞台化され、仲間も同役で主演。男性と偽って成り上がる女性という難しい役柄であり、舞台とテレビでは芝居方法も異なるが、再び同じ役を演じるということで、舞台時よりも深みを増した仲間の芝居が期待できそうだ。

PROFILE
'79年10月30日、沖縄県浦添市生まれ。'93年、地元のタレント要請学校「沖縄タレントアカデミー」に入学し、沖縄テレビ放送制作のドラマ「青い夏」('94)にてデビュー。2005年には、松下電器のイメージキャラクター“きれいなおねえさん”に抜擢され、CMに出演。また、同年、NHK紅白歌合戦の司会に抜擢され、以後3回務めた。2008年には、24時間テレビ「愛は地球を救う」のチャリティーパーソナリティーを務めている。

マリオン・コティヤール

近年、頭角を現し始めた変幻自在の美人女優

出演作「エディット・ピアフ 愛の讃歌」(2007)が7日(火)にNHK BSプレミアムで放送。
深く演技にのめり込み、常に新しい役柄に挑戦する女優として高い評価を受けているコティヤール。出演した映画の数は決して多くない彼女の知名度を上げるきっかけとなったのが、リュック・ベッソンが脚本を担当したフランス映画“TAXi”シリーズ('97、2000、2003)への出演だった。
その後、ティム・バートン監督のファンタジー映画「ビッグ・フィッシュ」(2003)でハリウッドデビュー。そして'07年、伝説的シャンソン歌手エディット・ピアフの生涯を描いた「エディット・ピアフ 愛の讃歌」で演じたピアフ役が各映画賞で大絶賛され、フランス人女優として2人目、フランス語による演技では初めてとなるアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得。ニューヨーク・タイムズ紙も彼女の演技について「魂までも別人物になりきってしまう女優」と評価し、一躍脚光を浴びることになった。
その後は話題作へ引っ張りだこになる。2009年には、ジョニー・デップと共演した「パブリック・エネミーズ」や、大ヒット・ブロードウェーミュージカルを映画化した「NINE」、2010年にはクリストファー・ノーラン監督によるSFアクション「インセプション」に出演し、その名はより一層知れわたることに。
私生活では、ことし5月に「世界でいちばん不運で幸せな私」(2003)での共演がきっかけで交際をスタートさせたギョーム・カネとの間に男の子を出産。
そんな彼女は、現在フランスで公開中のウッディ・アレン監督作「Midnight in Paris」(原題)に出演中で、ことし10月に全米で公開される「Contagion」(原題)では、マット・デーモンや、ジュード・ロウらと共演する。さらには、ノーラン版“バットマン”シリーズ最新作「The Dark Knight Rises」(原題)(2012年7月20日全米公開予定)への出演も控えており、今後の活躍からますます目が離せない。

PROFILE
'75年9月30日、フランス・パリ生まれ。舞台俳優である両親の影響を受け、子どものころから舞台に立つ。オルレアンの高等演劇学校で演技を学び、主席で卒業。環境問題に熱心なことでも知られ、環境保護団体“グリーンピース”に所属している。オドレイ・トトゥと共演した「ロング・エンゲージメント」(2004)で、セザール賞最優秀助演女優賞を受賞。2010年、フランス文化の向上に貢献したとして、芸術文学勲爵士を授与された。

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