カテゴリー

ヒュー・ジャックマン

美貌と性格の良さでファンを魅了するオーストラリア出身の正統派俳優

主演作「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(2009)が2月10日(金)に日本テレビ系で放送。
確かな演技力と端正なルックス、たくましい肉体美で多くの女性を魅了し続けるジャックマン。当たり役となった“X-メン”(2000)シリーズのウルヴァリン役で母国オーストラリアから見事ハリウッド・デビューを果たした彼は、その後一気にスターダムへと駆け上がっていく。
ジョン・トラボルタと互角に渡り合った「ソードフィッシュ」(2001)、アシュレイ・ジャドを相手にした「恋する遺伝子」(2001)とヒット作に続けて出演。そしてメグ・ライアンと共演した「ニューヨークの恋人」(2001)で紳士的な19世紀の公爵を風格と威厳を持って好演し、世の女性を夢中にした。また「ヴァン・ヘルシング」(2004)では、鍛え上げられた体と189cmの長身を生かして、史上最強のモンスター・ハンターを勇ましくかつクールに演じ、2006年にはジャックマンもファンだという名匠ウディ・アレン監督作「タロットカード殺人事件」に出演、さらにユアン・マクレガーふんする平凡な会計士に怪し気なナイトクラブを紹介する弁護士役を務めたサスペンス「彼が二度愛したS」(2008)、同じオーストラリア出身のニコール・キッドマンと共演した戦争ロマン「オーストラリア」(2008)などで着実にハリウッド俳優として知名度を上げていき、人気を不動のものとした。
ジャックマンの強みは、どんな役でも演じられること。アクションはもちろん、コメディーからラブ・ストーリー、ドラマからミュージカルまでオールマイティーにこなしてみせる。近作の「リアル・スティール」(2011)は、そんな芸達者な彼が主人公を演じることによって、父子ドラマ、ロボット・アクション、ボクシング、すべての要素を説得力あるものにしている。新作では、アンサンブル・コメディー「Movie43(原題)」(2012)、ミュージカル映画「Les Miserables(原題)」(2012)など話題作が目白押し。

"ヒュー・ジャックマン" PROFILE ≫

ブラッド・ピット

スターとしての輝きと演技力を発揮し、アメリカ映画界を牽引する存在

主演作「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(2008)が2012年1月6日(金)に日本テレビ系で放送。
TVドラマでデビュー後、'91年の「テルマ&ルイーズ」でその美貌が注目されて以来、美形スターの道をひた走ってきたピット。そして、その美しさ故のルックス重視の呪縛から逃れるために、個性派監督の作品で特異な役を演じてきた。
例えば、デビッド・フィンチャー監督のサイコ・サスペンス「セブン」('95)の新人刑事役や「ファイト・クラブ」('99)のチンピラ役、また奇才テリー・ギリアム監督の「12モンキーズ」('95)では情緒不安定な男を嬉々として演じ、ガイ・リッチー監督の「スナッチ」(2000)では強い訛りのある英語を駆使して滑稽な男を好演した。そして新境地を開くことになったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の「バベル」(2006)では40代の男の苦悩を、妻役のケート・ブランシェット相手にきっちり演じ切った。
さらに、アンジェリーナ・ジョリーと子供たちの存在により人間的に大きく成熟した彼は、インディーズ映画の巨匠ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の犯罪コメディー「バーン・アフター・リーディング」(2008)、クェンティン・タランティーノ監督の第2次世界大戦を舞台にした「イングロリアス・バスターズ」(2009)に挑み、新しい顔を見せた。新作ごとに演技の幅を広げ、役柄のキャラクター更新を重ねる一方、プロデューサーとしての手腕も発揮。巨匠マーチン・スコセッシ監督に念願のオスカーをもたらした「ディパーテッド」(2006)、自らが主演しベネチア国際映画祭男優賞を受賞した「ジェシー・ジェームズの暗殺」(2007)、厳格な父親を演じた「ツリー・オブ・ライフ」(2011)、実在の人物を熱演し3度目のアカデミー賞ノミネートが期待されている「マネーボール」(2011)など既に20本近くの映画に携わっている。新作はゾンビ映画「ワールド・ウォーZ」(2012年12月全米公開予定)が待機中。

"ブラッド・ピット" PROFILE ≫

堤真一

50代を目前に充実した活躍を見せる実力派俳優

出演作「容疑者Xの献身」(2007)が27日(火)にフジ系で放送。
本作で福山雅治演じる湯川と頭脳戦を繰り広げる数学教師に扮し、圧倒的な存在感を見せつけた堤。20代の頃は時間を掛けて役に向き合うことができる舞台にこだわっていたという彼は、デビッド・ルボー、野田秀樹ら名演出家の作品に多数出演し、演技力に磨きをかける。そんな彼の転機となったのが、民放TVドラマで初めてレギュラー出演した「ピュア」('96フジ系)。本作で知名度を上げると、TVや映画にも活躍の場を広げていく。
SABU監督の「弾丸ランナー」('96)ではやくざ役、「39刑法第三十九条」('99)では猟奇的殺人犯を演じるなど男臭い演技で注目を集めた彼だが、そのイメージを大きく変えたのが、松嶋菜々子との共演が話題となった「やまとなでしこ」(2000フジ系)。本作で純愛に生きる男を演じた堤は、高い演技力と大人の魅力で幅広い年代層に支持されるように。
人気俳優の仲間入りを果たした彼は、40歳を過ぎて映画への出演が激増する。「ローレライ」(2005)など話題作にも出演する機会が多くなり、「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)では人情味溢れる自動車修理販売店の社長を好演。日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など数多くの映画賞を受賞した。
異なる人格を見事に演じわける彼は、宮藤宮九郎脚本の「舞妓Haaaan!!!」(2007)で、主演の阿部サダヲに負けないハイテンションな演技で新たな一面をのぞかせる一方、「クライマーズ・ハイ」(2008)や「孤高のメス」(2010)ではシリアスな役柄を迫真の演技で見せた。また、人気TVドラマ“SP”の劇場版シリーズ(2010、2011)では激しいアクションを披露するなど、50歳を目前に、これまで以上にさまざまな役に挑戦している。最新作となる人気シリーズの第3弾「ALWAYS 三丁目の夕日'64」は、2012年1月21日(土)公開。

"堤真一" PROFILE ≫

ジョン・ボイト

二枚目から極悪非道な危険人物まで幅広く演じる名優

出演作「ミッション:インポッシブル」('96)が12月18日(日)にテレビ朝日系で放送。
大学で演技や演出について学んだボイト。卒業後の彼は、俳優としてのキャリアを地方の舞台からスタートさせる。オフ・ブロードウェイを経て「サウンド・オブ・ミュージック」でブロードウェイ・デビューを果たし、舞台俳優として高い評価を得るようになるが、30歳を目前にして活動の拠点をハリウッドに移す。その直後出演した映画、「真夜中のカーボーイ」('69)では夢と現実の間で苦悩する若者を演じ、同作で共演したダスティン・ホフマンと共にアカデミー賞主演男優賞候補となる。惜しくも受賞は逃すものの彼の確かな演技力は一躍脚光を浴びるようになる。
ベトナム戦争の意義を問う「帰郷」('78)では、戦場で心身に傷を負った帰還兵・ルークを演じ、主演男優賞を受賞。この作品の撮影時、実際にベトナムから帰還した負傷兵たちと病院で生活を共にしたボイトは、受賞にあたり彼らへの感謝と戦争への思いを熱く語った。その後も極寒のアラスカを舞台に熱演した「暴走機関車」('85)で主演男優賞候補となるなど、俳優としての地位を不動のものとしていく。
しかし'90年代後半からは、それまで演じてきた二枚目や好人物といった役を避けるかのように、新たな顔を見せるようになる。犯罪ブレーンという役どころの「ヒート」('95)や、TVドラマシリーズ「24 TWENTY FOUR(シーズン7)」(2009)では私腹を肥やそうとする政府高官など、暗い部分を持つ役が目立つ。中でも衝撃的なのは「アナコンダ」('97)で演じた、人間を餌にしてアナコンダを捕獲しようとする極悪非道な男・サローン役である。そのすさまじい迫力から“怪演”とまで評された。
こういった役へのオファーを受ける理由を問われ、「演じることが楽しいから」と答えたのは還暦を迎える頃である。現在72歳になるボイトだが、これからもさまざまな役に挑戦を続けていくだろう。

"ジョン・ボイト" PROFILE ≫

ジェラルド・バトラー

インテリ、イケメン、セクシーと3拍子そろった英国俳優は、話題作がめじろ押し

出演作「タイムライン」(2003)が12月1日(日)にNHK BSプレミアムで放送。
弁護士を目指していたバトラーは、26歳で役者を志してロンドンに来たというから、俳優人生のスタートは少々遅い。映画デビューはイギリスの文芸ドラマ「Queen Victoria 至上の恋」('97)。ロンドンを拠点にしながら「ドラキュリア」(2000)や「タイムライン」などのアメリカ作品にも出演し始める。
一躍注目されたのは「トゥームレイダー2」(2003)のアンジェリーナ・ジョリーとの共演だ。トレジャー・ハンターのジョリーの元恋人の傭兵として出演。2人は世界各地を舞台にハードなアクションを展開、強靭でセクシーな肉体を披露した。
日本で人気に火がついたのは「オペラ座の怪人」(2004)。原作者アンドリュー・ロイド=ウェバー自らによるオーディションに合格して歌のレッスンを積み、怪人の悲しみと怒りを見事な歌唱力で表現。イケメンの怪人は日本でも知られることになる。
一方、アメリカでは「300〈スリーハンドレッド〉」(2007)で主演、スパルタ国のレオニダス王役が人気を博した。鍛え上げた肉体美で圧倒的多数の敵に立ち向かう王の姿は、見るものを魅了した。
こうしてハリウッドスターの仲間入りをした彼は、「幸せの1ページ」(2008)で子持ちの海洋学者になり、「男と女の不都合な真実」(2009)ではラブ・コメディーに出演。「バウンティー・ハンター」(2010)では保釈中の元妻を追う賞金稼ぎになり、アニメ「ヒックとドラゴン」(2010)では声優に挑戦。役どころも出演作も広がった。
最新作は2012年日本公開予定の「Machine Gun Preacher(原題)」(2011)。元犯罪者の人道活動家が、アフリカの子供達を救出するアクションだ。既にアメリカで公開中のシェークスピア劇の現代版「Coriolanus(原題)」(2011)を含め、2014年まで7本の作品が予定されている。

"ジェラルド・バトラー" PROFILE ≫

香川照之

円熟期を前にしてなお、挑戦し続ける演技派俳優

出演作「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009)が11月4日(金)に日本テレビ系で放送。
父は歌舞伎俳優の市川猿之助、母は女優の浜木綿子という芸能一家に生まれた香川だが、2歳のとき両親が離婚。母方に引き取られ、以来40年以上市川とは疎遠となる。大学卒業を目前に、彼が選んだのは両親と同じ芸能界。デビューしてからの10年間は、オリジナルビデオへの出演が主だったが、徐々に香川の演技は注目されるようになる。
カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作「鬼が来た!」(2000)では、中国の農村で捕らわれた日本人兵を力強く演じ、同じく中国映画の「故郷の香り」(2003)では、一途に妻を愛し続ける不器用な男性を、ろうあという設定のためせりふなしで見事に演じ切り、東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。
その後も、数々の作品に出演し、演技派俳優としての力をつけていく。全編英語のせりふに挑んだ日本版西部劇「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」(2007)では権力におびえる八方美人な保安官、「劔岳 点の記」(2009)では、急傾斜や大雪など過酷な状況の中で測量隊を誘導する案内人、「あしたのジョー」(2010)では、特殊メークを施して、原作そのものの丹下段平にふんした。NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」(2009-2011)の俳人・正岡子規役では体重を17kg減量し、その最期を熱演したことも記憶に新しい。
円熟期を前にしてなお、様々な役柄に挑戦し続ける香川だからこそ、46歳にして“市川中車”を襲名し歌舞伎俳優になるという決断にも、説得力がある。来年6月には初舞台を踏む予定だ。今後も映像の場では“香川照之”として活動する彼の最新出演作「カイジ2 人生奪回ゲーム」が、11月5日(土)から公開される。大ヒットとなった「カイジ 人生逆転ゲーム」の続編で、前作では主人公の行く手を阻み、本作では失脚した地位を奪回するべく主人公と手を組む男・利根川を演じる。また、12月23日(金)には「聯合艦隊司令長官 山本五十六」の公開も控える。

"香川照之" PROFILE ≫

岡田将生

作品ごとに演技の幅を広げていく正統派イケメン俳優

出演作「僕の初恋をキミに捧ぐ」(2009)が21日(金)日本テレビ系で放送。
180cmの長身に精悍だが優しい顔立ち、若手の中でも“イケメン”俳優といわれる岡田の映画デビューは「アヒルと鴨のコインロッカー」(2007)の端役。しかし、同年「天然コケッコー」(2007)で、片田舎に転校してきた都会的で洗練された少年・大沢広海役で、その存在感に注目が集まる。
その後TVドラマ「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」(2007)で注目を浴びると、2008年には初主演を務めた「ホノカアボーイ」(2008)や、兄がうらやむほどの美貌と才能を持ちながらも暗い過去を引きずる弟役で高い評価を受けた「重力ピエロ」(2009)など、5本の出演作品が立て続けに公開。それぞれの演技の評価も高く、その年の国内映画賞の新人賞を総なめにした。
そして、2010年「告白」、「瞬 またたき」、「悪人」、「雷桜」とまたも立て続けに出演作品が公開。
「告白」では生徒役が多かった彼の初の教師役。問題を抱えた生徒たちと大人の狭間で空回りをする新米教師を熱演。また、「悪人」では、お金持ちのお坊ちゃまで自由気ままな大学生を演じ、今まで演じたことのない“悪役”に挑んだ。「雷桜」では初の時代劇に挑戦。徳川の将軍家に生まれた孤独な青年、斉道を演じた。この役で彼が苦悩しながら役を作りあげていたことを監督の廣木隆一が「彼は現場に無地の状態で入り、七転八倒して役を作り上げていく」と明かしている。
これまでは“イケメン”というイメージから外れない役どころが多かった岡田だが、2010年の彼は新しいキャラクターに挑戦した。主演の新作「アントキノイノチ」が11月19日(土)に公開。この作品で岡田は遺品整理の仕事をする、心を閉ざした青年を演じる。
そして2012年には小栗旬とW主演の「宇宙兄弟」の公開が予定されている。岡田は日本人初の月へ向かう宇宙飛行士で、小栗の演じる南波六太の弟・日々人役。

"岡田将生" PROFILE ≫

北大路欣也

チャンバラスターから転向し、さまざまな役に挑戦し続ける生粋の映画俳優

出演作「インシテミル」(2010)が14日(金)に日本テレビ系で放送。
北大路の父は、戦前戦後を通して片岡千恵蔵らと同時期に活躍した東映の大スター、市川右太衛門。その父が主演する「父子鷹」('56)で、勝海舟の子供時代の役に抜擢され、デビューした。
そして“俳優になる自覚があまりなかった”まま「旗本退屈男」('58)、「葵の暴れん坊」('61)など、20本以上の東映時代劇に出演する。いわば二世俳優のはしりで、お坊っちゃん的な印象で、当時は白ぬりの若殿役が多かった。
同じ東映のスター近衛十四郎の長男、松方弘樹とはライバルといわれ、'61年の「花笠ふたり若衆」「若君と次男坊」などで共演し、時代劇の若手スターとして期待されていた。
転機が訪れたのは、大学入学後。友人に「早稲田に入ってきたのだから、1回くらいシェークスピアをやれ! お前、一生チャンバラで終わるのか」と言われ、大学で「リア王」の舞台に出演。これを機に自ら現代劇への転向を希望し、「海軍」('63)で主演を果たす。
世の中が時代劇映画から現代劇やTV進出への転換期だったことも重なり、北大路の活躍の場は一気に拡大した。「仁義なき戦い 広島死闘篇」('73)ではチンピラやくざを、「八甲田山」('77)では、雪山で遭難しても上司を立て部下を思うりりしい大尉を演じ、「火まつり」('85)では奔放な生き方を貫く男を好演。眼光鋭い重厚な演技は、映画界に欠かせない存在になった。
そしてその高い演技力で数々の映画賞を受賞する。近年では、「新・極道の妻たち 覚悟しいや」(1993)で岩下志麻とねんごろになる殺し屋に、「花より男子ファイナル」(2008)で謎の紳士に、「HACHI 約束の犬」(2008)では吹替えに挑戦。「桜田門外の変」(2010)では水戸藩主・徳川斉昭を演じ、公開作品はすでに90近くになる。昔、父親に「(出演作品に)節操がない」と言われたという名優は、これからもさまざまな役に挑戦し続けていくに違いない。

"北大路欣也" PROFILE ≫

ジェームズ・フランコ

第83回アカデミー賞で司会を務めたハリウッド期待の若き演技派

出演作「最後の初恋」(2008)が10月4日(火)にNHK BSプレミアムで放送。
本年度のアカデミー賞ではダニー・ボイル監督の「127時間」(2010)での主演男優賞ノミネートに加え、アン・ハサウェイと共に司会まで務めた、ハリウッド注目の若手実力派俳優。2001年にゴールデン・グローブ賞主演男優賞(テレビ映画部門)を受賞した「DEAN ディーン」などTVを中心に活躍していた彼は、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」(2002)で主人公ピーターの親友ハリーを演じて一躍注目を浴び、世界的に知られるようになった。
その後も、ショーン・ペンと共演したガス・バン・サント監督の「ミルク」(2008)で、ペン演じる同性愛者ミルクの恋人役を好演し、インディペンデント・スピリット賞助演男優賞を獲得。同年、セス・ローゲンの相棒を務めた「スモーキング・ハイ」(2008・日本未公開)では、コメディー演技で新境地を披露してゴールデン・グローブ賞助演男優賞(ミュージカル・コメディー部門)にノミネートされるなど、数々の賞で高く評価されている。
他にも、男娼という難役で演技力を見せつけたニコラス・ケイジ監督作「SONNY ソニー」(2002)、ロバート・デ・ニーロふんする刑事の父に追われる息子を熱演した「容疑者」(2002)、ロバート・アルトマン監督の「バレエ・カンパニー」(2003)など大物と共演し、実績を積んでいく。
最近の出演作には、ジュリア・ロバーツ主演の「食べて、祈って、恋をして」(2010)、北米で大ヒットしたスティーブ・カレルとティナ・フェイ主演作「デート&ナイト」(2010・日本未公開)、迫真の演技で登山家を演じた「127時間」などがあり、年を重ねるごとに演技に輝きが増している。最新作は10月7日(金)公開の「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」(2011)。映画史に名高い名作「猿の惑星」('68)の起源を描き、人類が猿によって支配された経緯が明かされる本作では、その歴史の目撃者となる科学者を自然体の演技で好演している。

"ジェームズ・フランコ" PROFILE ≫

トム・クルーズ

プロデューサーとしても活躍するハリウッド屈指の大スター

主演作「M:i:III」(2006)が24日(土)にフジ系で放送。
長年にわたりハリウッドを代表するスターとして君臨し続けるトム・クルーズ。ハンサムな顔立ちや私生活に注目が集まりがちなトムだが、高い演技力とプロデューサーとしての才能を持ち合わせた数少ない俳優の1人だ。
20代のころから“俳優として成長できること”を第1条件に出演作を選んできたという彼は、「トップガン」('86)や「カクテル」('88)のような娯楽作品に出演する一方で、「レインマン」('88)、「7月4日に生まれて」('89)では果敢に難役に挑み、俳優としての経験を着実に積んでいく。
そして、転機となったのが'96年の「ミッション:インポッシブル」。すご腕スパイ“イーサン・ハント”という当たり役を得るとともに、製作に携わりプロデューサーとしての手腕を発揮。これまでに「バニラ・スカイ」(2001)、「ニュースの天才」(2003)など、計17本の作品で製作・製作総指揮を務めた。
スターの地位を確固たるものにした彼は、スティーブン・スピルバーグ監督とタッグを組んだ「マイノリティ・リポート」(2002)や、日本の実力派俳優・渡辺謙らと共演した「ラスト サムライ」(2003)などのヒット作に恵まれる。また、2004年には「コラテラル」で初めて本格的な悪役に挑戦し話題となった。
SF大作への出演が目立つトムだが、大統領の椅子を狙う野心家の上院議員を演じた「大いなる陰謀」(2007)や、実在のドイツ軍人シュタウフェンベルク大佐に扮した「ワルキューレ」(2008)などシリアスな作品にもコンスタントに出演している。一方で、娯楽大作「ナイト&デイ」(2010)では「バニラ・スカイ」以来の共演となったキャメロン・ディアスと息の合ったアクションを披露した。
次回作、大ヒット・シリーズ第4弾「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」は12月16日(金)に日本公開。その後も主演作が控えており、人気ミュージカルを映画化した「Rock of Ages(原題)」、犯罪スリラー「One Shot(原題)」が制作進行中。

"トム・クルーズ" PROFILE ≫

アラン・ドロン

フランスを代表する永遠の二枚目俳優

出演作「チェイサー」('78)が14日(水)にNHK BSプレミアムで放送。
'60~'70年代にかけて絶大な人気を誇った二枚目俳優ドロン。「女が事件にからむ時」('57)で映画デビューを果たし、「お嬢さん、お手やわらかに!」('58)で日本でも人気が上昇。同時期に活躍したフランスの俳優に、ジャン・ポール・ベルモンドがいるが、日本では甘いマスクのドロンが圧倒的に人気があり、欧米人の代名詞的存在でもあった。
美男子アイドルとして人気を上げていた彼が一躍注目を集めたのは、サスペンス「太陽がいっぱい」('60)。冷徹さや孤独感が漂う端正な顔立ちを生かし、金持ちの友人を殺し、財産の横領をもくろむ野心家の主人公を見事に演じきった。
その美しい容姿の中に、しっとや憎悪のどす黒い感情を内包させた戦りつを走らせる演技は、時の巨匠たちの心をつかみ、ルキノ・ビスコンティ監督の「若者のすべて」('60)、「山猫」('63)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「太陽はひとりぼっち」('62)などに出演し、スターとしての道を歩き始める。
そして「地下室のメロディー」('63)、「サムライ」('67)、「さらば友よ」('68)、「シシリアン」('69)、「ボルサリーノ」('70)とフィルム・ノワールやサスペンス色の強い映画に多数出演。クールな美貌で特殊な世界を生きる男の非情や哀愁をにじませた役どころを演じ、女性のみならず男性からも高い支持を得る。'80年代に入るまで、その勢いは留まるところを知らずヒットを連発させた。
その後は、好んで演じ続けた執念と野望にまみれた役も控えめなものとなり、「カサノヴァ最後の恋」('92)で色事師の悲惨な晩年を演じ、自らを投影させる余裕さえ見せた。
'98年の「ハーフ・ア・チャンス」では、ライバル、ベルモンドと「ボルサリーノ」以来、28年ぶりの共演を果たし、貫禄たっぷりの演技を披露するも、この作品を最後に映画界から引退することを宣言。だが、2001年にTVドラマ「アラン・ドロンの刑事物語」で俳優業に復帰し、息子アラン・ドロンJr.との初共演も見せた。
また2003~2004年にフランスとドイツで共同製作された「アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ」にも主演し、今もなお元気な姿を見せている。

"アラン・ドロン" PROFILE ≫

ケビン・コスナー

'90年代の新しいヒーロー像を確立した正統派スター

出演作「シルバラード」('85)が30日(火)にNHK BSプレミアムで放送。
誠実で頼りになる正統派のヒーローを演じ、'90年代前半にはアメリカを代表するスターとしてハリウッドに君臨したコスナー。初主演を務めた「ファンダンゴ」('85)と、無法者一味と戦う4人組ガンマンの1人にふんした西部劇「シルバラード」で注目された彼は、アクション大作「アンタッチャブル」('87)で一気にスターダムを駆け上る。
その後コスナーは「フィールド・オブ・ドリームス」('89)で演じた、亡父への思いを野球に託して奇跡を起こす農民役や、ケネディ大統領暗殺事件の真相を追及する「JFK」('91)の地方検事役など、理想に燃える等身大のヒーローという役柄で、“90年代のヒーロー”として正統派スターの地位を築いていった。
中でも、製作・監督・主演を務めた西部劇「ダンス・ウィズ・ウルブズ」('90)は作品賞・監督賞などアカデミー賞7部門を受賞。興行収入でも大成功を収め、その人気は絶頂を迎える。
これらの作品で新しいタイプのヒーロー像を体現する一方、「ボディガード」('92)等の娯楽作品ではアクション・スターとしての魅力をいかんなく発揮するなど、'90年代前半のコスナーの快進撃はとどまるところを知らなかった。
だが、巨費を投じて製作した海洋アドベンチャー、「ウォーターワールド」('95)が興行的に大失敗し、「ダンス―」に続く監督・主演作「ポストマン」('97)が酷評されるなど、ちょう落も早かった。
その後は、「メッセージ・イン・ア・ボトル」('99)や、「ママが泣いた日」(2005)など、派手さはないが味のある作品で演技の幅を広げていく。
そして2006年、伝説のレスキュースイマー役で主演を務めた海洋アクション、「守護神」が久々に大ヒットを記録。撮影前にハードな訓練を受けたコスナーは、大半の場面をスタントなしでこなす熱演を見せた。
最新作には、2013年公開予定の「Man of Steel(原題)」がある。コミック原作として人気を博した「スーパーマン」('97)の映画シリーズの復活として注目の作品で、コスナーはスーパーマンを育てる父親役で出演する。

"ケビン・コスナー" PROFILE ≫

オーウェン・ウィルソン

脚本家として才能を放ち、コメディーでもアクションでも活躍するイケメン俳優

主演作「エネミー・ライン」(2001)が21日(日)にテレビ朝日系で放送。
“本来は脚本家志望、成り行きで俳優になってしまっただけ”と言うウィルソンの映画人としての始まりは、テキサス大学時代にウェス・アンダーソンと出会ったことからだ。
2人が共同執筆したショートフィルムが注目され、アンダーソン監督・脚本、ウィルソン脚本・出演のコメディー「アンソニーのハッピー・モーテル」('96・日本未公開)で映画デビュー。アンダーソンは監督へ、ウィルソンは俳優・脚本家への道を歩み始める。
その後も2人はタッグを組み、崩壊した家族がひとつ屋根の下に戻ってくる異色コメディー「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001)で、ウィルソンはアカデミー賞脚本賞にノミネートされた。近年ではインドを舞台にしたロードムービー「ダージリン急行」(2007)も2人による作品である。
コメディーの出演が多いウィルソンが、もう1つの才能を発揮しているのは、アクションだ。「シャンハイ・ヌーン」(2000)では見事な乗馬とガンさばきで、列車強盗団のボスとしてカンフー集団と対決。世界のジャッキー・チェンと共演しても見劣りしないアクションを見せた。
続く「シャンハイ・ナイト」(2003)、「80デイズ」(2004)でもジャッキーと共演。「アイ・スパイ」(2002)では、ちょっと頼りないスパイ役でエディ・マーフィと共演。アクション色の強いコメディーは、彼の得意分野になった。
声の出演でも「カーズ」(2006)、「カーズ2」(2011)、「ファンタスティックMr.FOX」(2009)などコミカルな作品が多い。
ブロンドヘアをなびかせ、パっと見はナイーブな印象を受けるが、映像の中では笑いとアクションで活躍するウィルソン。バードウォッチング大会に挑む3人の男をコミカルに描いた「The Big Year(原題)」が、10月に全米公開予定。2012年は盟友アンダーソン監督のコメディー「Moonrise Kingdom(原題)」でブルース・ウィリスと共演する。

"オーウェン・ウィルソン" PROFILE ≫

ジェシー・アイゼンバーグ

2011年注目のオタク系若手俳優

出演作「ゾンビランド」(2009)が12日(金)にWOWOWで放送。
1月に公開され大ヒットを記録した「ソーシャル・ネットワーク」で巨大SNS、“Facebook”の創設者に扮し、一躍注目を浴びたアイゼンバーグ。ネット上の交流は得意だがリアルなコミュニケーションは苦手という今どきの若者を好演しアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた彼は、これまでもいわゆる“オタク”タイプの役柄を演じてきた。
'99年にTVシリーズ「ゲット・リアル」でデビューした彼は、「Roger Dodger」(2002)で映画初出演を果たす。その後、ケビン・クライン主演の「卒業の朝」(2002)やM・ナイト・シャマラン監督のスリラー「ヴィレッジ」(2004)を経て、両親の離婚に振り回される息子を演じた「イカとクジラ」(2005)でインディペンデント・スピリット・アワードの助演男優賞にノミネートされる。
また、「ハンティング・パーティ」(2007)でリチャード・ギア、「ソリタリー・マン」(2009)ではマイケル・ダグラスといった名優と共演することで、ハリウッド俳優としての経験を着実に積んでいく。
その一方、「アドベンチャーランドへようこそ」(2009・日本未公開)でクリステン・スチュアート扮する美少女に翻弄されるさえない大学生を演じた彼は、ホラー・コメディー「ゾンビランド」でも気弱でオタクな主人公に抜てき。“ダサくてさえない男子”という当たり役を得る。
まだまだ経験の浅い彼だが、その確かな演技力と、他の若手俳優にはない独特のキャラクターを武器にこれからも活躍の場を広げていきそうだ。
今後の作品としては、「ゾンビランド」のルーベン・フライシャー監督と再タッグを組んだクライム・コメディー「30 Minutes or Less(原題)」が8月に全米公開されるほか、薬物依存症の母親を持つ優等生の息子を演じる「Predisposed(原題)」が2012年に全米公開予定。
現在撮影中のウディ・アレン監督作「The Bop Decameron(原題)」ではエレン・ページやペネロペ・クルスとの共演が伝えられている。

"ジェシー・アイゼンバーグ" PROFILE ≫

ハンフリー・ボガート

“ボギー”の愛称で親しまれたハードボイルド・スター

出演作「カサブランカ」('42)が、25日(月)にNHK BSプレミアムで放送。
美形でもなく、背も高くはないが、内面から漂わせる男くささで人気を博したボガート。“ボギー”のニックネームで親しまれた彼は、襟を立てたトレンチコート姿や、親指と人差し指で吸い口をつまむたばこの吸い方など、特徴あるスタイルで独自の男の美学を見せてきた。
下積み時代は冷酷なギャングや犯罪者役ばかり演じていたが、転機となったのはダシール・ハメットのハードボイルド小説を映画化した「マルタの鷹」('41)。主役の私立探偵サム・スペードをさっそうと演じ、タフでしたたかな新しいヒーロー像を開拓する。
翌年には、メロドラマの傑作「カサブランカ」に主演。過去の愛に苦悩するナイトクラブのオーナー役で、哀愁の中にもダンディズムあふれる演技を披露した。映画はヒットし、一躍彼はトップスターの座に就く。
'44年には「脱出」で共演した25歳年下の女優ローレン・バコールと意気投合。妻と離婚し、バコールと4度目の結婚を果たす。その後彼女とは、「三つ数えろ」('46)など3作で共演している。
「アフリカの女王」('51)では、キャサリン・ヘプバーンふんする女性を手助けし、ドイツ軍の砲艦襲撃に臨む酔いどれ船長を演じた。今までのクールでタフなイメージを覆し、大らかなユーモアと人間味あふれる演技を見せ、アカデミー賞主演男優賞を受賞。
その後も、ハードボイルドなイメージに縛られない幅広い役柄を演じるようになるが、「殴られる男」('56)の主演を最後に喉頭がんで亡くなる。
死後、'60年代に“ボギー”ブームが再燃し、彼の影響を受けた作品や、パロディーも多数製作されている。特にウッディ・アレン脚本・主演の「ボギー!俺も男だ」('72)は、ボガートに心酔する映画評論家が、ボガートの幽霊のアドバイスを受けながら自分を変えようとする物語で、全編「カサブランカ」のオマージュであふれており、ファンには見逃せない作品のひとつだ。

"ハンフリー・ボガート" PROFILE ≫

キーファー・サザーランド

“脱ジャック・バウアー”を目指す!? さらなる活躍に注目したい俳優

出演作「フォーン・ブース」(2003)が5日(火)にNHK BSプレミアムで放送。
サザーランドといえばTVドラマ“24-TWENTY FOUR-”シリーズで知られるが、10代から二世俳優として映画に出ていてその数は50作以上に及ぶ。
映画初出演は、父ドナルド・サザーランドと共演したコメディー「ニール・サイモンのキャッシュマン」('83)。端役だったが翌年「キーファー・サザーランドのベイ・ボーイ」でいきなり主演。思春期の悩める少年役でカナダのアカデミー賞といわれるジェニー賞男優部門にノミネート、作品は最優秀作品賞を獲得した。
さらに注目されたのは「スタンド・バイ・ミー」('86)の不良グループのリーダー・エース。くわえたばこで堂に入った風貌は「24―」のジャック・バウアーをほうふつとさせる。当時トム・クルーズ、チャーリー・シーンらと共に、'80年代のハリウッド青春映画をにぎわした若手俳優たちの総称“ブラッドパック”の1人と呼ばれていた。
その後、エミリオ・エステベスらと共演した西部劇「ヤングガン」('88)では恋するガンマンに扮し、サスペンス映画「フラットライナーズ」('90)では、自らを実験台にして死に至る世界をのぞこうとする医学生を。海兵隊で起きた殺人事件を暴く「ア・フュー・グッドメン」('92)では迫力ある中尉を演じ、体をはった演技からインテリ学生まで主役、脇役にとらわれず幅広い役をこなしていた。
作品に恵まれない時期もあったが2001年に「24―」が開始。情熱的だが冷徹で、正義のためなら法も犯す捜査官バウアーは大ブレイク。シリーズは約10年続き、サザーランド=バウアーは揺るぎないものになった。現在は2012年の映画化に向けて準備中だ。一方、最新作は世界の終末を描いたSF映画「メランコリア」(2011年公開予定)。近年は、味わい深い声や表情が名脇役の父に似てきたと言われており、今後の方向性にも注目が集まる。

"キーファー・サザーランド" PROFILE ≫

リーアム・ニーソン

内からあふれる男の渋みが魅力のカメレオン俳優

出演作「バットマン ビギンズ」(2005)が6月27日(月)にNHK BSプレミアムで放送。
アクション大作からインディペンデント系まで幅広いジャンルの作品で、全く違った表情を見せてくれる演技派のニーソン。そんな彼は作品選びの基準を問われると、デビューから一貫して“脚本の良さに尽きる”と語っている。
即座に引き付けられた作品としてニーソンが挙げるのが、実在の人物を演じた3本の映画「シンドラーのリスト」('93)、「マイケル・コリンズ」('96)、そして「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004)。彼は、これらの作品で多くの栄冠に輝きスター俳優に。
また、その重厚な存在感で世界的大ヒット作「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」('99)でのクワイ・ガン・ジン役をはじめとするスペクタクル超大作にも数多く出演し、演技派俳優としての地位を揺るぎないものにしていく。
近作では、これまでのイメージとかけ離れた新境地に挑んだ本格サスペンス「96時間」(2008)。心優しき父親にして過激な追跡者という主人公の極端な二面性を演じ切ったニーソンの圧倒的な存在感は度肝を抜いた。さらに、「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」(2010)では、Aチームを率いる天才指揮官ハンニバルをあふれんばかりのカリスマ性で演じた。
ことしに入ってからは、5月に相次いで日本公開された「アンノウン」(2011)と「クロエ」(2009)。前者で事故に遭い意識を失っている間に自分の身元を奪われてしまう男、後者では妻との関係に頭を悩ませる大学教授と、2本の作品で異なる魅力を見せ、まさにカメレオン俳優の本領を発揮している。
今後の作品としては、バットマン・シリーズ最新作の「The Dark Knight Rises(原題)」、SF超大作「Battleship(原題)」、「タイタンの戦い」(2010)の続編「Wrath of The Titans(原題)」(以上2012・全米公開予定)などが控えており、来年の還暦を前にファンにさまざまな新作を届けてくれそうだ。

"リーアム・ニーソン" PROFILE ≫

ビリー・ボブ・ソーントン

俳優、脚本家、監督、ミュージシャン、4つの顔を持った個性派俳優

出演作「イーグル・アイ」(2008)が18日(土)にフジ系で放送。
俳優、脚本家、監督、ミュージシャンとしてマルチに活躍するボブ・ソーントン。27歳の時に脚本家と俳優を志した彼は、「ハンターズ・ブラッド」('86、日本未公開)で映画デビュー。その後、長い下積み時代を経て、「幸福の条件」('93)、「デッドマン」('95)などに出演。
また、「ファミリー 再会のとき」('96、日本未公開)では脚本を手掛け、フィルム・メーカーとしての足場を固めていく。翌年には、監督・脚本・主演の3役をこなした「スリング・ブレイド」('96)でアカデミー賞脚色賞を受賞。知的障害のある殺人者という難役を演じ切り、主演男優賞にノミネートされる。
本作で一気に知名度を上げた彼は、「アルマゲドン」('98)で人気俳優ブルース・ウィリスと共演、同年の「シンプル・プラン」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ハリウッド俳優としてのキャリアを順調に重ねていく。
俳優業以外でも、サム・ライミ監督の「ギフト」(2000)に脚本家として参加し、マッド・デーモン主演の「すべての美しい馬」(2000)では監督・製作をするなど多才ぶりを発揮。
その後、「バーバー」(2001)の床屋を営む寡黙で憂鬱な男性、「チョコレート」(2001)の無愛想な刑務所の看守役で渋味の効いた演技を見せると、サンタ姿の泥棒に扮した「バッドサンタ」(2003)では一転して汚い言葉を連発。シリアスからコメディーまでこなす個性派俳優としての地位を確立していく。
「がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン」(2005)では近年はまり役となっている“不良中年”を演じる一方、「庭から昇ったロケット雲」(2006)では純粋なまなざしで夢を追い掛ける父親役を好演し、新たな一面を見せた。アクの強さと繊細さを兼ね揃えた彼は、ハリウッドに欠くことのできない俳優の一人として、その存在感をますます高めている。
そんな彼が、麻薬中毒の刑事を怪演している「ファースター 怒りの銃弾」(2010)は現在公開中。また、暴力的な田舎者の兄弟が騒動を巻き起こすコメディー「The Baytown Disco(原題)」(2012)への出演も決まっている。

"ビリー・ボブ・ソーントン" PROFILE ≫

ダスティン・ホフマン

情熱を持って芝居に打ち込み独特の存在感を放ち続けるベテラン俳優

出演作「パピヨン」('73)が1日(水)にNHK BSプレミアムで放送。
アカデミー賞主演男優賞に7度のノミネート歴があり、「クレイマー、クレイマー」('79)と「レインマン」('88)でオスカーを獲得した、ハリウッドを代表する名優ホフマン。彼はピアニストになることを夢見て大学でも音楽を専攻するが、アマチュアの舞台に立ったことを機に演劇の道へ進むことを決意。ニューヨークのアクターズ・スタジオで演技を学ぶ。
長い下積み生活の後、マイク・ニコルズ監督に見出され主演した「卒業」('67)で注目を集める。以降、確かな演技力と独特の存在感で「真夜中のカーボーイ」('69)、「パピヨン」などで高い評価を受ける。
その後もさまざまな役を演じてきたホフマンは、役になりきるために徹底的なリサーチを行うことでも知られる。役欲しさに女装する売れない俳優を演じた「トッツィー」('82)では女性の声帯を研究して声まで変えた完璧な女装をし、驚異的な記憶力を持つ自閉症患者にふんした「レインマン」では、患者たち独特の世界観を理解しようと医師や自閉症を患う人たちに話を聞くなどして役作りした。また「アウトブレイク」('95)で細菌研究所の軍医を演じるに当たっては、細菌に関する書籍や論文を読み漁り、共演者にレクチャーするほどの知識を得た。
作品を選ぶ基準は出演して何かを学べることだという、彼の演技に対する情熱がうかがい知れる。
だが、近年は自分が心から楽しめる作品を選んでいると「ニューオーリンズ・トライアル」(2003)のインタビューで語っている。その言葉の通り、「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」(2007)では個性的な魔法使い、声優に挑戦した「カンフーパンダ」(2008)や「ねずみの騎士デスペローの物語」(2008・日本未公開)など楽しそうな彼の演技は、見る者を楽しませてくれる。
そんな彼が声優を務める「カンフー・パンダ2」が、8月19日(金)から公開される。前作に引き続き、ホフマンは主人公の師匠であるシーフー老師の声を担当する。

"ダスティン・ホフマン" PROFILE ≫

リチャード・ギア

大人のセクシーさと渋さを併せ持ったベテラン俳優

出演作「コットンクラブ」('84)が18日(月)にNHK BSプレミアムで放送。
日本映画をハリウッドでリメークした主演作「Shall we Dance?」(2004)や、「HACHI 約束の犬」(2009)で話題を集めたギア。コンスタントに話題作に出演し、人気スターとしての第一線を走り続けている彼がブレークしたのは、'80年代青春映画の金字塔「愛と青春の旅立ち」('82)。恋や友情に悩みながら成長していく海軍士官訓練生を熱演し、高い注目を浴びた。'90年の「プリティ・ウーマン」では娼婦をエレガントな女性に変身させる青年実業家を演じ、甘いマスクで世の女性たちのハートをわしづかみ。その人気は浮動のものとなる。
'80、'90年代には“セクシー・スター”とうたわれたように恋愛映画での印象が強いが、サスペンス、ヒューマン・ドラマ、ミュージカルまで、出演した作品は多種多様。50代になっても、若い女性をもとりこにしてしまう色気を残しつつ、円熟した演技にますます磨きがかかる。ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した「シカゴ」(2002)では自宅の車庫で歌と踊りの練習を重ね、「綴り字のシーズン」(2005)でもバイオリンを弾くシーンのために個人レッスンを受け、家族から迷惑がられるほど熱心に取り組むなど、役に対する探究心は相当なもの。彼も“役者の醍醐味は、役のために新しいことを学べることだ”と語っている。
昨年は2本の出演作が日本で公開された。退職を目前に自らの人生に虚無感を抱く警察官を演じた「クロッシング」(2008)と、1920年代に女性初となる大西洋横断に成功した飛行士アメリア・イヤハートの夫にふんした「アメリア 永遠の翼」(2009)で、どちらも哀愁漂う初老の男を貫禄ある演技で見せつけた。そんな彼の次回日本公開作は「HACHI―」でもタッグを組んだラッセ・ハルストレム監督の「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」(2006)で、4月30日(土)から公開される。

"リチャード・ギア" PROFILE ≫

ケビン・ベーコン

数多くの個性的な役柄をこなし幅広い活躍を続ける性格俳優

出演作「フットルース」('84)が15日(金)にNHK BSプレミアムで放送。
本作で保守的な大人たちに反抗する若者を演じブレークしたベーコン。'80年代の彼は“来るもの拒まず”の精神で大小さまざまな作品の出演依頼を受け、やりたい役と声を掛けられる役のギャップに悩んだ時期もあるという。その後、同性愛者の囚人を演じた「JFK」('91)での個性的で深みのある演技が認められ、海兵隊員にふんした「ア・フュー・グッドメン」('92)のような大作にも出演。以降、「激流」('94)の凶悪犯、「インビジブル」(2000)の透明人間となり暴走する科学者などの悪役を怪演し強烈な印象を残した。
また、'96年の「告発」では非人道的な虐待を受ける受刑者を熱演。12キロの減量をして臨んだ鬼気迫る演技で、放送映画批評家協会賞の主演男優賞を受賞した。すでに青春スターの面影はなく、ベーコンの演技の幅を一気に広げたこの作品は彼のファンにも人気が高い。
自己中心的な悪党や影のある囚人などダークな印象が強いベーコンだが、一方で「アポロ13」('95)の宇宙飛行士や「ミスティック・リバー」(2003)の殺人課の刑事、「フロスト×ニクソン」(2008)のニクソン元米大統領の補佐官といった役にも挑戦し、渋みのある演技で独特の存在感を放つ。
ほかにもコミカルな役や知的障害者など多彩な役を巧みに演じてきた彼は、出演作の多い役者としても知られる。“ケビン・ベーコンゲーム”なるものがあるほどで、これは彼の共演者を“ベーコン数1”、その俳優の共演者を“ベーコン数2”とたどっていくと、ほとんどの俳優が“ベーコン数4”までに入るというもの(米の映画データベース・サイトIMDbに載っている俳優に限る)。
そんな彼の次回作「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」が、ことし6月公開予定。シリーズ1~3作の前日譚で、ベーコンは秘密結社のリーダーという悪役を演じる。また、秋には久々のコメディー出演作「Crazy, Stupid, Love.(原題)」の公開も控えている。

"ケビン・ベーコン" PROFILE ≫

ゲーリー・オールドマン

エキセントリックで魅力的な悪役が十八番の男優

出演作「ザ・ウォーカー」(2010)が2日(土)と3日(日)にWOWOWで放送。
多くの悪役をこなすオールドマン。彼が演じる悪役は、狂気にみち、“悪”に染まりきったキャラクターだ。「ザ・ウォーカー」で演じた、退廃した世界で一冊の本に執着し、本の持ち主である主人公をつけ狙う悪役カーネギーは、オールドマンの得意とする“悪役”そのものだ。彼の“悪役”の根源ともいえる代表作は「レオン」('94)。オールドマン演じる、主人公レオンたちを執拗に追う麻薬警察官スタンフィールドのエキセントリックな演技が彼を一躍有名にした。
また、オールドマンはとことん役作りにこだわることでも有名だ。映画デビュー作「シド・アンド・ナンシー」('86)のセックス・ピストルズのベーシスト、シド・ビシャス、「JFK」('91)のケネディ大統領暗殺事件の犯人オズワルド、「不滅の恋 ベートーヴェン」('94)のベートーベンなど、オールドマンは役の背景をとことん研究し、役になりきった。また、彼のこだわりを形として見ることができるのが、「ドラキュラ」('92)と「ハンニバル」(2001)での特殊メークを施した姿。毎日4時間以上のメーク時間を費やし役に挑んでいる。
そんな、悪役として地位を固めたオールドマンだったが、素顔は3人の子供を持つ子ぼんのうな父親。悪役を演じ続けた彼は子供たちに自分が出演した作品を見せられないという悩みを抱えていた。その彼が満を持して挑んだのが「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(2004)から登場した、ポッターの父親的存在となる、シリウス・ブラック。この役を機に、オールドマンは主人公を支える役どころが増えていく。最新作、アメリカで公開中の「レッド・ライディング・フード(原題)」では狼ハンターの役を演じる。童話「赤ずきん」を基にした本作でオールドマンは悪の顔を見せるのか、主人公を支える善の顔を見せるのか日本での公開も楽しみだ。

"ゲーリー・オールドマン" PROFILE ≫

ザック・エフロン

ハリウッドの若手成長株ナンバー1の注目俳優

出演作「ヘアスプレー」(2007)が3月22日(火)に衛星第2で放送。
世界各国で社会現象を巻き起こすほど大ヒットした“ハイスクール・ミュージカル”シリーズ(TVムービー:2006・2007、劇場版:2008)によって世界のトップアイドルとなったエフロン。キュートな笑顔、甘いマスクが人気だった彼も、最近は随分大人の顔つきとなり、俳優として活躍の幅を広げている。そこには、彼の演技に対するしんしな姿勢、俳優としての野心がうかがえる。
彼はハマリ役となった“歌って踊る”イメージからの脱却を考え、決定していた「フットルース」リメーク版での主演を降板し、青春学園コメディー「セブンティーン・アゲイン」(2009)に挑む。中身が37歳のまま17歳に戻ってしまう主人公にふんしたエフロンは、悪友とふざけ合うコミカルなシーンから最愛の人へメッセージを送る感動シーンまで、時に笑いを、時に涙を誘う熱演で、役者としての確かな実力を見せてくれる。続いて「ミー・アンド・オーソン・ウェルズ(原題)」(2009・日本未公開)では、'30年代を舞台に演劇の才人、オーソン・ウェルズに認められて、彼が書いた戯曲に出演する青年を好演した。
さらにアイドル人気をあえて封印し、生きる意味を失った青年をシリアスに演じた「きみがくれた未来」(2010)。いつも元気いっぱいの役を演じてきた彼にとって、心に傷を負った大人の男性を演じるのは刺激的だったようで、かたくななまでに未来への扉を閉ざして生きる青年の複雑な感情を巧みに表現し、新たな魅力を開花させた。
こうしてアイドル俳優から一転、演技派として脱皮しつつあるエフロンの次回主演作は「ザ・ラッキー・ワン(原題)」(2011年米公開予定)。ニコラス・スパークスの同名小説を映画化したロマンチックストーリーで、イラク戦争から帰還した若者が運命の女性と恋に落ちる姿を描く。アメリカ海軍軍曹役のエフロンの人気再爆発も大いに期待できそうだ。

"ザック・エフロン" PROFILE ≫

堺雅人

“ほほ笑み”の裏にさまざまな表情を隠した演技派俳優

出演作「ゴールデンスランバー」(2009)が12日(土)にフジ系で放送。
舞台で培った確かな演技力を武器に、映画、TVと多方面で活躍中の堺。彼の魅力はなんといってもその笑顔だ。言葉で語らなくても、ほほ笑みの中から苦悩や諦め、陰などいくつもの感情を表現できるところが彼の俳優としての個性と言えよう。主人公たちをやさしい笑顔で見守る美大講師を好演した「ハチミツとクローバー」(2006)、都市伝説にのめり込み、常軌を逸していくカメラマンの姿を“狂気”が入り交じった笑みで表現した「壁男」(2007)と、穏やかな優しい役でも影のある役でも存在感を伺わせる。
突然行方をくらましたエリート会社員に扮した「アフタースクール」(2007)は、彼が冒頭で見せる含みのある笑顔が事件を意外なてん末に導く布石として利いていた。一方、「クライマーズ・ハイ」(2008)では、泥まみれになりながら日航機墜落事故の第一報を伝えようと奔走する新聞記者を、笑みを封印した眼光鋭い表情で熱演。この2作品で数々の映画賞で助演男優賞を受賞した堺は、それ以降、立て続けに映画に主演する。
「ラッシュライフ」(2009)で孤高の泥棒を好演し、南極観測隊の隊員を料理で癒す調理担当者を演じた「南極料理人」(2009)では意外な料理の腕前を披露。「クヒオ大佐」(2009)では女性をとりこにする結婚詐欺師をコミカルに演じた。作品ごとにまったく違ったキャラクターを演じ、固定されたイメージを持たない堺は、どんな役でもひょうひょうとこなしているように見えるが、役柄に近づくために文献や資料をいくつも読み漁るという研究熱心な面も持ち合わせている。首相暗殺犯に仕立て上げられ逃げ回る青年を演じた「ゴールデンスランバー」では、人間だけでなく動物の走りのフォームまで研究したというエピソードも。
8月27日(土)公開の「日輪の遺産」でマッカーサーの財宝の隠匿を命じられた帝国陸軍少佐役を、今秋公開予定の人気コミック・エッセーを映画化した「ツレがうつになりまして。」では、宮崎あおいと夫婦を演じる。

"堺雅人" PROFILE ≫

阿部サダヲ

天性の演技力で幅広い役柄を演じる個性派俳優

主演作「なくもんか」(2009)が3月11日(金)に日本テレビ系で放送。
見る者を引き付ける演技力でさまざまな役柄をこなす阿部は、近年、映画やTVドラマ、舞台などで欠かせない存在となっている。'92年から劇団「大人計画」に参加した阿部は、演技経験が皆無だったにもかかわらず、入団時から優れた演技を見せ、周囲を驚かせた。
劇団の看板役者として活躍する阿部が、初めてスクリーンを飾ったのは、新人漫画家たちの青春を描く「トキワ荘の青春」('96)。後に藤子不二雄となる漫画家・藤本弘を演じた。以後、舞台で鍛えた演技力を武器に数々のTVドラマや映画に出演。中でも、同じ「大人計画」の宮藤官九郎が脚本を手掛けた“木更津キャッツアイ”シリーズが人気を博し、阿部が演じたキャラクター・猫田の怪演にも注目が集まる。
そして、映像では脇から支える役が多かった阿部が、「舞妓Haaaan!!!」(2007)で長編映画初主演の座を射止める。舞妓との野球拳を夢見る破天荒なサラリーマンにふんし、多くの観客の笑いを誘った。阿部の十八番ともいえるテンションの高い演技は秀逸で、日本アカデミー賞主演男優賞優秀賞に輝いた。
その後も、野心家の警視庁捜査一課・管理官をシリアスに演じた「アンフェア the movie」(2007)、神出鬼没の謎の男を演じた「パコと魔法の絵本」(2008)など、話題作に次々と出演。2009年には、「舞妓Haaaan!!!」の水田伸生監督と宮藤官九郎脚本による人情喜劇「なくもんか」で再び主演を務め、笑顔の裏に悲しみや複雑な感情を抱える惣菜屋の店主を熱演した。
近作では、男女が逆転した大奥での人間模様を描く時代劇「大奥」(2010)に出演し、主人公に大奥での作法や生き方を教える古参役を男前に演じている。また、出演作「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」(2011)が現在公開中。阿部はアメリカ軍の捕虜になっていた英語が話せる日本人を演じている。

"阿部サダヲ" PROFILE ≫

ジェフ・ブリッジス

ついに“無冠の帝王”の名を返上したベテラン演技派俳優

出演作「アイアンマン」(2008)が20日(日)にテレビ朝日系で放送。
俳優のほかにミュージシャン、写真家、画家など多彩な顔を持つブリッジス。俳優という仕事の素晴らしさを教えようとする父ロイドに誘われ、兄ボーと共にTVで父と共演するなど、幼少時から演技を通して自分以外の人物になることの面白さを知る。映画デビュー作「怒りを胸にふり返れ!」('70)以降、数々の作品に出演してきた彼は、アカデミー賞において「ラスト・ショー」('71)、「サンダーボルト」('74)、「ザ・コンテンダー」(2000)で助演男優賞候補、「スターマン 愛・宇宙はるかに」('84)で主演男優賞候補となりながらも受賞経験はなく、米国の雑誌等で“最も過小評価されている俳優の一人”と言われていた。だが、落ちぶれたミュージシャンの苦悩と再生を描いた「クレイジー・ハート」(2009)で、5度目のノミネートにしてついに主演男優賞を獲得。彼は脚本が送られてきた時点で音楽映画にも関わらず音楽担当者が決まっていなかったこと、また出演作「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」('89)を超す満足度を得られる音楽映画はないだろうと思っていたことから、本作への出演を1度断っている。しかし、30年来の友人でもあり、同作でアカデミー賞歌曲賞を獲得したプロデューサー、T・ボーン・バーネットの参加を知り出演を決めた。
長い俳優生活の中で、若さを持て余した生意気な田舎の青年から円熟した魅力を感じさせる大人の男性へと演じる役柄も変化。変幻自在な役者となったブリッジスは毎回、演じるキャラクターと自分との共通点を探し、そこから役作りをするという。これからも俳優、ミュージシャンなどの経験を生かした説得力のある演技で見る者を魅了し続けるであろう彼の次回作は、'69年製作の西部劇「勇気ある追跡」のリメークで、2010年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている「トゥルー・グリット」。父親を殺され復しゅうを誓った少女に依頼され、犯人を追う保安官を演じる。3月18日(金)から公開。

"ジェフ・ブリッジス" PROFILE ≫

ジャック・ニコルソン

エキセントリックな演技が光るアカデミー賞史上最多ノミネート男優

出演作「愛と追憶の日々」('83)が2月14日(月)に衛星第2で放送。
エキセントリックな演技に定評があるニコルソンは、アカデミー賞主演男優賞を2回、助演男優賞を1回受賞、そしてアカデミー賞ノミネート回数では最多の記録の12回を誇るハリウッドきっての名優だ。彼が最初に注目されたのはデニス・ホッパーが主演・監督を務めた「イージー・ライダー」('69)。ホッパー演じるキャプテン・アメリカと意気投合する酔いどれ弁護士ハンソン役。ニコルソンは自由を恐れる深層心理を熱弁する姿など演技が高く評価され、アカデミー賞に初ノミネートされた。
以降、'70年、'73年、'74年とノミネートが続き、'75年の「カッコーの巣の上で」で州立精神病院の管理体制に“人間の尊厳と自由”を訴え続けた男を演じ、初のアカデミー賞主演男優賞を獲得した。2度目の受賞に輝いたのは母娘の30年を見つめたヒューマンドラマ「愛と追憶の日々」('83)。母親と恋仲になる女ったらしの宇宙飛行士ギャレット役でアカデミー賞助演男優賞を受賞。その後ノミネートが続いた中、恋愛小説を得意とするベストセラー作家だが、プライベートは恋愛どころか自己中心的で毒舌な近所からの嫌われ者を演じた「恋愛小説家」('97)で3度目のアカデミー賞を受賞した。
しかし、賞にノミネートされた作品以外にも彼の魅力が詰まった作品は多々ある。「シャイニング」('80)では、怨念に取り付かれ、おのを振り上げ息子を追い回す錯乱した姿は、見る者を恐怖に陥れた。また「バットマン」('89)では、科学薬品を浴びたため、皮膚が真っ白になり引きつった笑顔で復しゅうの鬼と化す悪役ジョーカーを怪演。2月11日(金)から公開中の最新作「幸せの始まりは」では詐欺容疑で起訴を起こされそうな息子を助けず、保身に走るダメ親父を演じている。ニコルソンのエキセントリックでありながらユーモラスな演技に注目だ。

"ジャック・ニコルソン" PROFILE ≫

三浦友和

“伝説のアイドルの夫”という看板から見事に脱却した円熟味あふれる俳優

出演作「沈まぬ太陽」(2009)が2月11日に日本テレビ系で放送。
'71年にTVドラマ「刑事くん」に出演しデビュー。その後'74年に、妻となる山口百恵と共演した「伊豆の踊子」で映画デビュー。当初山口の相手役は一般公募されていたが、映画製作以前に山口と共演していたCMを観た監督によって相手役に抜擢される。この共演を機に三浦は、彼女が結婚・引退する'80年まで数多くの映画、TVドラマで共演。その結果“山口百恵の相手”役というイメージを長年背負う結果となる。
そんなイメージを払拭し、彼自身も“転機となった作品”と語るのが、台風の最中、学校に取り残された生徒たちの一夜を描いた「台風クラブ」('85)である。この作品で彼はこれまでの二枚目のイメージを覆す無責任な小学校教師・梅宮を演じ、第10回報知映画賞助演男優賞を受賞。これを皮切りに、これまで演じてきた優等生のような役柄から一転、さまざまなタイプの役を演じるようになり、俳優としての幅を広げていく。
その後、綿密なディスカッションを基にした台本のない即興的な演技で、別れた妻の子どもを預かることになった男と、そんな彼と同せいする女性の揺れ動く心情を描いた「M/OTHER」('99)に主演し、第24回報知映画賞主演男優賞を受賞。役者としての能力の高さを改めて示した。
近年では「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005)での戦争で子どもを亡くした医師役、「松ヶ根乱射事件」(2006)では同じ町に住む女性を妊娠させ、家出してしまうダメ父親、「アウトレイジ」(2010)では冷酷なやくざ・加藤などを熱演。さらにアニメ「Mr.インクレディブル」(2004)や「借りぐらしのアリエッティ」(2010)などで声優にも挑戦するなど、60歳を目前に、これまで以上にさまざまな役に挑戦している。経験によって裏打ちされた演技力で、今後どんな人間を演じて観衆を楽しませてくれるのか、その興味は尽きない。

"三浦友和" PROFILE ≫

ショーン・ペン

天才的な演技力と底知れぬ魅力を持つハリウッドきっての実力派

主演作「アイ・アム・サム」(2001)が1月31日(月)に衛星第2で放送。
ハリウッドの反抗児ショーン・ペンも50歳を超えた。最近は、映画のみならず政治や社会奉仕活動を独力で精力的に行い注目されている。もともと舞台役者として活動していた彼の作品選びは、いわゆるハリウッドの大作路線とは一線を画しており、インディペンデントで作家性の強い監督作品への出演が多い。“演じる”という熱っぽさや技巧を感じさせず、どんな役柄にもなりきってしまうが、そこにはいつもペン自身が存在するという抜群の演技力。その実力は、例えば死刑囚の心の叫びを細やかに表現し高い評価を受けた、ティム・ロビンス監督の「デッドマン・ウォーキング」('95)や、太平洋戦争の激戦地ガダルカナル島を舞台にした「シン・レッド・ライン」('98)など、シリアスでメッセージ性の強い作品であればあるほど発揮される。
そして、娘を惨殺され復しゅうに燃える父親を演じた「ミスティック・リバー」(2003)と、アメリカで初めて同性愛者であることを公にして公職に就いたハービー・ミルク役を演じた「ミルク」(2008)でアカデミー賞主演男優賞を受賞、名実ともに演技派俳優として確固たる地位を築く。
また彼は監督としても、「インディアン・ランナー」('91)、「クロッシング・ガード」('95)、「プレッジ」(2001)、「イントゥ・ザ・ワイルド」(2007)、など硬派な秀作を世に送り出しており、マルチな才能を見せている。演技、映像、音楽などにこだわり続けて作品を創造していく彼の映画、そして生き方そのものは、これからも常に注目されていくであろう。
近々アメリカで公開される予定の新作が、テレンス・マリック監督の「ザ・ツリー・オブ・ライフ」(原題)。本作は、'50年代のアメリカ中西部を舞台にした家族の物語で、物語の前半ではブラッド・ピットが父親役を担い、ペンは、その息子ジャックが大人になった役を演じる。

"ショーン・ペン" PROFILE ≫

松山ケンイチ

特異な存在感を放つ実力派若手俳優

出演作「デスノート the Last name」(2006)が28日(金)に日本テレビ系で放送。
同作で、姿勢を猫背に、顔には大胆なメークを施し、原作の漫画のキャラクターそのものといっても過言ではないほど作り込んで謎の探偵“L”を演じた松山。このL役で一気に知名度を上げた彼だが、実際の松山はLの冷たく都会的なイメージとは異なり、出身地の青森の訛りが残る素朴な青年だ。そんな素の姿をみじんも感じさせず、憑依したかのごとく役になりきることから“カメレオン俳優”と称されることも多い。
2002年に「アカルイミライ」で映画デビュー後、初主演作の「ウィニング・パス」(2003)や「不良少年<ヤンキー>の夢」(2005)など、コンスタントに出演を重ねていく。そして、国のために命を捨てることもいとわない少年兵を演じた「男たちの大和 YAMATO」(2005)で転機を迎える。この作品でベテラン映画スタッフたちの誇りや撮影現場の熱気に触れ“映画は熱い中で生まれる芸術だ”と気付いた松山は俳優としてだけではなく、一人の人間として作品のために何ができるのかを考えるようになったという。
その後、「DEATH NOTE デスノート」(2006)をはじめ、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(2006)や「椿三十郎」(2007)などの大規模な作品にも活躍の幅を広げていった彼は、演技力を認められ、映画を中心に数々の作品で主演に抜擢される。「人のセックスを笑うな」(2007)で年上の既婚女性との恋に翻弄される青年を演じ、純朴な表情を見せる一方で、同名ギャグ漫画を実写映画化した「デトロイト・メタル・シティ」(2008)では、過激な悪魔メークを施したデスメタルバンドのボーカルでありながら、普段は大人しい青年という2つの顔を持つキャラクターを怪演。作品ごとに表情や姿、言葉遣いを自在に変化させる彼は、次々と新たな魅力を発揮している。
また、崔洋一監督とタッグを組んだアクション時代劇「カムイ外伝」(2009)や、村上春樹のベストセラー小説を映画化した「ノルウェイの森」(2010)は海外の映画祭でも注目を集め、世界に通用する映画俳優としての地位を確立しつつある。
そんな松山の最新作は、週刊ヤングジャンプで連載中の漫画を実写化した1月29日(土)公開のSFアクション「GANTZ」。その後も、続編となる「GANTZ PART II」、'70年代の日本を舞台にしたノンフィクション「マイ・バック・ページ」、育児に奔走する“イクメン”に初挑戦した「うさぎドロップ」の公開を控える。また、秋公開予定のコメディー「僕達急行 A列車で行こう」では瑛太との共演も決まっている。

"松山ケンイチ" PROFILE ≫

コリン・ファレル

公私共に話題を振りまくアイルランド出身の人気俳優

出演作「リクルート」(2003)が19日(水)、衛星第2で放送。
太い眉に愛くるしい瞳、ワイルドな雰囲気に濃い顔が魅力的なファレルは、さまざまな役柄で圧倒的な存在感を見せる個性派俳優だ。そんな彼の出世作は、いきなり主役に抜擢された「タイガーランド」(2000)。仲間を思いやる人間味あふれる兵士を自然体で好演して高い評価を集めた。その後も、極限状態の中で正義感に目覚める米軍中尉にふんした「ジャスティス」(2002)、トム・クルーズ演じる逃亡した主人公を追う司法省の調査官役に挑戦した「マイノリティ・リポート」(2002)など、主役級の出演が舞い込む。「フォーン・ブース」(2002)では、全編ほとんどを電話ボックスの中で、姿の見えない声の主を相手に演技するという難役に挑戦。短時間で別人のように豹変していく主人公の恐怖を見事に表現し、若手実力派として脚光を浴びる。
だが、自身の人気とはうらはらに、マスコミに対する悪態や、記者会見での喫煙、飲酒、次々と報道される女性関係など、このころから“問題児コリン・ファレル”としてタブロイド誌をにぎわせるようになる。そんな“問題児騒動”を払拭するかのように、人命救助に当たる特殊部隊員の活躍を描く「S.W.A.T.」(2003)、アル・パチーノら大物俳優と共演したサスペンス「リクルート」、強大な帝国を築き上げた若き王の波乱の生涯を描く歴史大作「アレキサンダー」(2004)など、数々の大作に出演。変わらぬ人気ぶりをアピールする。また、味方に命を狙われる羽目になった殺し屋を演じた「ヒットマンズ・レクイエム」(2008・日本未公開)では、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した。
近年では、俳優ヒース・レジャーの遺作「Dr.パルナサスの鏡」(2009)で、撮影中に急逝したレジャーの代役を、生前の友人であったファレルら3人の俳優が引き継ぎ、映画を完成へと導いた。同年には、落ちぶれた中年カントリー歌手の再生を描く「クレイジー・ハート」で、主人公のジェフ・ブリッジスを師匠と仰ぐ人気歌手を演じ、見事な歌声とギター演奏を披露している。
そんな彼の新作は、名匠ピーター・ウィアー監督の戦争逃走劇「ザ・ウェイ・バック(原題)」(2010)、キーラ・ナイトレイ共演の犯罪ドラマ「ロンドン・ブールバード(原題)」(2010)、妖しい吸血鬼にふんする「フライナイト」(2011)など目白押しだ。

"コリン・ファレル" PROFILE ≫

ジェイミー・フォックス

俳優、コメディアン、歌手、ピアニストなどさまざまな肩書きを持つエンターテイナー

出演作「マイアミ・バイス」(2006)が5日(水)に衛星第2で放送。
監督を務めたマイケル・マンとは旧知の仲で、3度目のタッグを組んだ本作の企画を自ら監督に持ち込んだフォックス。幼いころからピアノを習い音楽の道へ進むことを目指していた彼は、コメディークラブのステージに飛び入り参加したことをきっかけにスタンダップ・コメディアンとしてキャリアをスタートさせた。
'96年には自身の冠番組を持ち、このころから映画にも出演する。そしてモハメド・アリのセコンド、ドリュー・ブラウンを演じた、マン監督の「アリ」(2001)で注目を集めた。さらに、2004年はフォックスにとって飛躍の年となる。マン監督と再び組んだ「コラテラル」では、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。彼は本作でタクシー運転手を演じるにあたり、実際に舞台となるロサンゼルスを夜な夜なタクシーで徘徊するなど入念な役作りを行った。そして盲目のシンガー、レイ・チャールズの半生を描いた「Ray レイ」では、得意の物まねやピアノの経験を生かし役作りに1年以上の時間をかけたリアルな演技で、アカデミー賞主演男優賞に輝いた。
黒人として初めて2つの賞に同時ノミネートされた俳優となり、トップ・スターの仲間入りを果たした彼は、その後も話題作への出演が続く。暴走する戦闘機を食い止めるパイロットを演じた「ステルス」(2005)、やり手マネジャーを演じ、歌も披露している「ドリームガールズ」(2006)、路上で暮らす天才音楽家にふんした「路上のソリスト」(2009)など演技派としてのキャリアを着実に重ねている。
コメディー俳優というイメージを演技派俳優として高い評価を得ることで見事に払拭し、歌手としてはさまざまなアーティストのアルバムへの参加や自身の活動も続けるフォックス。今後も大いに活躍が期待される彼の出演作2本が、1月22日(土)から公開される。2人の男それぞれの正義のぶつかり合いを描く、ジェラルド・バトラーとの競演が楽しみなサスペンス「完全なる報復」では、エリート検事を。また、妻の出産を間近に控え車で自宅へ急ぐ男と俳優志望の男との珍道中を描いた「デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断」では、ロバート・ダウニーJr.演じる主人公の親友にふんする。

"ジェイミー・フォックス" PROFILE ≫

江口洋介

優しい“あんちゃん”から大人の魅力を備えた男に変ぼうを遂げた演技派

出演作「GOEMON」(2009)が5日(土)にテレビ朝日系で放送。
185cmの長身と大人の色気を感じさせながらも、少年のような笑顔の似合う端正なルックスが魅力の江口。'87年にデビューした後、'90年代はじめには、当時人気のトレンディードラマ「東京ラブストーリー」('91)、「愛という名のもとに」('92)などで活躍。クールな二枚目で遊び人的な役を演じ、女性ファンを獲得する。そして彼の人気を不動のものにしたのが、'93年のホームドラマ「ひとつ屋根の下」。5人の弟と妹たちを何よりも愛する青年をすがすがしく好演し、“あんちゃん”の愛称でファン層を広めた。
'96年には、架空都市を舞台にした映画「スワロウテイル」でマフィアのボスを怪演。それまでの等身大の役とは異なった演技力を試される役に挑む。その後、落ち着いた“大人の男”の魅力が見え始めた江口には、当たり役となった人気TVドラマシリーズ“救命病棟24時”('99~)での敏腕医師や、「アナザヘヴン」(2000)での、人間の体を乗っ取る正体不明の殺人鬼と闘う刑事など、医師、刑事といった硬派な役が増える。その一方で、「凶気の桜」(2002)では、国粋思想に傾倒する3人の若者の兄貴分的殺し屋、「ギミー・ヘブン」(2004)での、“共感覚”を持つ孤独な男性という特異な役もこなし着実に役者としての幅を広げていく。
近年、映画中心の活動に変わってきた彼は話題の映画に次々と出演。製作費15億円の大作「戦国自衛隊1549」(2005)や、三崎亜記の同名小説を映画化した「となり町戦争」(2006)などで主役に抜擢される。
その後もコンスタントに出演作を増やしていき存在感を見せつけた江口は、医療ドラマをはじめ、社会派ドラマ、映画に数多く出演し、俳優としての地位を確立していく。2008年には、タイで横行する幼児売春などの闇の実態を描いた「闇の子供たち」で、闇ルートの臓器移植を取材する新聞記者を体当たりで演じた一方、異色のSF娯楽作「GOEMON」では伝説の盗賊・石川五右衛門にふんし、ワイルドな魅力を発揮して新境地を開拓した。
今後もいろいろな表情を見せてくれそうな彼は、日本映画界になくてはならない存在になりつつある。2011年2月11日(金)公開の「洋菓子店コアンドル」では、演技派女優・蒼井優と初共演。江口は、辛い過去を抱えて生きる伝説の元・天才パティシエ役を演じる。

"江口洋介" PROFILE ≫

唐沢寿明

コミカルな役からシリアスな役まで演じ分ける実力を持つ技巧派俳優

出演作「ラヂオの時間」('97)が11月22日(月)に、「みんなのいえ」('01)が11月23日(火)に、衛星第2で放送。
幅広い演技でドラマにCM、映画にと引っ張りだこの唐沢。彼は'80年に俳優としての活動を始めるが、デビュー当初は役に恵まれず、特撮アニメの脇役としての活動が多かった。そんな中、'92年に放送されたTVドラマ「愛という名のもとに」(フジ系)で大ブレーク。さわやかな好青年のイメージで人気若手俳優の仲間入りをする。
その後も、数々のTVドラマに出演し徐々に演技派俳優としての力をつけていく。中でも、山崎豊子原作の大作ドラマ「白い巨塔」('03~'04フジ系)の財前五郎役で、これまでのさわやかなイメージを覆し、シリアスで重みのある役もできることを証明。そうかと思えば、「ラヂオの時間」、「みんなのいえ」、「THE 有頂天ホテル」('05)、「ザ・マジックアワー」('08)などの三谷幸喜が監督を手掛けた映画にはすべて出演しており、自然体の演技や、唐沢独特のさわやかさを生かしたコミカルな一面を見せている。
さらに唐沢といえば、オモチャたちの世界を描いた人気のフルCGアニメ「トイ・ストーリー」シリーズのカウボーイ人形・ウッディの日本語吹き替え版の声優を演じていることでもおなじみ。これによって、小さい子どもからお年寄りまで幅広い層から人気を得、お茶の間の顔とも言うべき、愛される俳優となった。
近年では、浦沢直樹の人気コミックを実写映画化した大ヒット映画「20世紀少年」三部作で主人公のケンヂを演じたことも記憶に新しい。世界の危機と戦うことになった平凡な中年男性を哀愁深く熱演し、さらに一皮むけた貫禄のある演技を見せてくれた。
出演した映画の数は決して多くはないが、メーンとなる役どころが多く、どれも強烈な印象を残している唐沢。そんな彼は、'11年2月11日(金)から公開される映画「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」や、'11年秋公開予定の三谷幸喜監督最新作「ステキな金縛り」への出演を控えている。

"唐沢寿明" PROFILE ≫

レイフ・ファインズ

恋する男と悪役、どちらを演じても評価の高い演技派俳優

出演作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007)が19日(金)に日本テレビ系で放送。
原作小説と共に世界中で愛されている劇場版“ハリー・ポッター”シリーズ。その最終章の前編「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」が11月19日(金)から公開される。
同シリーズ第4弾「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005)からハリーの宿敵である闇の帝王を演じ、強烈な存在感を放っているファインズ。王立演劇学校を卒業後、英国の名門ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに入団し舞台俳優としてキャリアをスタートさせた彼は、'92年、「嵐が丘」の主人公に恋する男役で映画デビュー。その後、人妻と激しい恋に落ちる冒険家にふんしてアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた「イングリッシュ・ペイシェント」('96)をはじめ、「ことの終わり」('99)、「上海の伯爵夫人」(2005)、「愛を読む人」(2008)など、愛を追い求める男というロマンチックな役柄を多く演じ、気品あふれる魅力を発揮。
一方で、世界的に知名度を上げることになった「シンドラーのリスト」('93)の冷酷なナチ収容所の所長、「レッド・ドラゴン」(2002)で鬼気迫る熱演を見せた連続猟奇殺人犯、「タイタンの戦い」(2010)の人間を恐怖に陥れる冥界の王ハデスなどのサイコなキャラクターや悪役も得意としている。舞台でも活躍する演技派だけに、さまざまな役を見事に演じきり、見る者を魅了するのがさすがだ。
そして、クールなイギリス紳士のイメージが強かったファインズが、“ハリー・ポッター”シリーズで、肌は青白く鼻は潰れた外見も恐ろしい最強の闇の魔法使いボルデモートにふんしてファンを驚かせた。魔法界の支配を狙い執拗にハリーを狙うボルデモート。ファインズの今までのイメージを一掃してしまいそうなほどのこの役で、彼の認知度が一般的にも高まったと言える。2011年夏には最終章の後編「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」が公開される。
そんな彼が、ローマを追放された将軍が復しゅうのために宿敵と手を組みローマを滅ぼそうとする、ウィリアム・シェークスピアの同名悲劇の映画化「コリオレイナス(原題)」で監督デビューを果たす。現在も活躍を続ける舞台で、数多くのシェークスピア作品に出演してきたファインズの監督、主演作だけにどんな作品になるのか楽しみだ。

"レイフ・ファインズ" PROFILE ≫

ジュード・ロウ

美しい容姿と豊かな表現力で女性を魅了する英国のスター俳優

出演作「ホリデイ」(2006)が10月25日(月)に衛星第2で放送。
ヨーロッパ的なノーブルな美しさと舞台で鍛えた確かな演技力で、英国で最も優れた俳優の一人に数えられているロウ。彼の長編映画デビューは、'93年の「ショッピング」。以降、近未来SF「ガタカ」('97)やクリント・イーストウッド監督作品「真夜中のサバナ」('97)などに出演しているが、脚光を浴びるのは、文豪ワイルドの愛人を演じイブニング・スタンダード英国映画賞を獲得した「オスカー・ワイルド」('97)からだった。そして'99年の「リプリー」でハンサムなプレーボーイを演じセクシーな魅力を全開させる。国際的にも注目を集めた彼は、助演男優賞部門で米アカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされ、英アカデミー(BAFTA)賞を受賞した。
アメリカに拠点を移した後は一流監督のもと、毎年のように話題作に出演する。例えば、ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされたスティーブン・スピルバーグ監督の「A.I.」(2001)、南北戦争を背景に描いたアンソニー・ミンゲラ監督の大作「コールドマウンテン」(2003)など。こうして映画界を代表する俳優の仲間入りを果たしたロウは、それまでの繊細さに力強さを備え、表現力に磨きをかけていく。さらに2004年には、全く異なるタイプの作品5本に出演(マイク・ニコルズ監督の「クローサー」、マーティン・スコセッシ監督の壮大な伝記映画「アビエイター」、製作も兼ねた「スカイ・キャプテン ワールド・オブ・トゥモロー」、コメディーに初挑戦しナチュラルな演技が好評だった「ハッカビーズ」、チャールズ・シャイア監督の「アルフィー」、声の出演を果たした「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」)し、演技の幅を広げている。
近年では、ウォン・カーウァイ監督の初英語映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(2007)、ヒース・レジャーの遺作であり、彼の役をジョニー・デップ、コリン・ファレルと演じ分けた「Dr.パルナサスの鏡」(2009)、ワトソンにふんした「シャーロック・ホームズ」(2009)などが観客、批評家から絶賛された。
今後の出演作には、2011年12月全米公開予定のM・スコセッシ監督初の3D映画「ユゴーの不思議な発明」、「シャーロック・ホームズ」の続編「シャーロック・ホームズ2」などが控えており、ますます目が離せない存在である。

"ジュード・ロウ" PROFILE ≫

ジェット・リー

華麗なアクションで魅了する、アジアが生んだトップ・スター

出演作「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」(2008)が9日(土)にフジ系で放送。
シャープで美しいカンフー・アクションを武器に、香港映画のみならずハリウッドにおいても指折りの名アクション・スターとなったリー。幼いころから培ってきた武術の素晴らしさを広めるべく俳優を志した彼は、デビュー作「少林寺」('82)で本格的なアクションを披露し、注目の的に。以後しばらく低迷期が続くが、実在の武術家・黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)を演じた主演作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明」('91)が大ヒット。シリーズ化された同作によって国際的にその名を知られるようになる。そして'98年、ハリウッド進出第1作目となる「リーサル・ウェポン4」に出演し、初の悪役となるチャイニーズ・マフィアの黒幕を好演。これまでにないすごみのある演技でハリウッドでの好スタートを切った。
2年後の「ロミオ・マスト・ダイ」(2000)では早くも主役に抜擢され、ハリウッドでも不動の人気を獲得。以降、“香港のスピルバーグ”とも言われるツイ・ハーク監督の「ザ・ワン」(2001)や、信義のためなら命を懸けることもいとわない無名の英雄を熱演した「HERO」(2002)、リュック・ベッソン製作・脚本の「ダニー・ザ・ドッグ」(2005)などで主演を続け、アクション・スターとしての地位を確固たるものにする。また、中国の興行記録を塗り替える大ヒットとなった「ウォーロード 男たちの誓い」(2008)では、香港の金像奨にて初の主演男優賞を獲得した。
近作としては、魔力と共によみがえった冷酷な皇帝を演じた「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」や、カンフー・スター、ジャッキー・チェンと共演した「ドラゴン・キングダム」(2008)など、ハリウッドと中国をまたにかけてダイナミックな活躍を続けている。
そんな彼の新作は、10月16日(土)から公開されるシルベスター・スタローン監督・主演の「エクスペンダブルズ」。豪華アクション・スターが集結した本作でリーは、思慮深いマーシャル・アーツの達人を演じている。そのほか、自閉症の息子を持つ父親を演じた感動ドラマ「海洋天堂」(2010)、盟友ツイ・ハーク監督の3D武術映画「New Dragon Gate Inn(原題)」に出演する。

"ジェット・リー" PROFILE ≫

デニス・ホッパー

常に“反逆精神”を持ちつづけた型破りなクセ者俳優

出演作「スピード」('94)が10月3日(日)にテレビ朝日系で放送。
TVムービーを合わせると90本以上もの映画に出演したベテラン俳優ホッパー。「スピード」や「沈黙のテロリスト」(2001)の凶悪な爆弾魔、「ウォーターワールド」('95)の海賊のボス、「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」('93)の地下世界を牛耳る魔王など、悪役をやらせたら天下一品の“怪優”だ。中でも、性的倒錯者のギャングを演じた「ブルーベルベット」('86)、「レイク・フィアー」('99)のゆがんだ精神をもつ非情なサイコ・キラーなど、狂気に満ちたアブノーマルな役どころがはまり役で、強烈なインパクトを放っている。
また、“ハリウッドの異端児”の異名をとる彼はトラブルも多い。監督、脚本、出演を務めた「ラストムービー」('71)では配給をめぐりユニバーサル社と対立、ハリウッドを追放されてしまう。またこのつまずきから酒と麻薬中毒で入退院を繰り返し、'70年代後半から'80年代前半まで低迷期を送ることに。復帰後も、監督・出演作「ハートに火をつけて」('89)の製作会社との編集をめぐるトラブルでクレジットを拒否し、アラン・スミシー名義で公開されたり(後にホッパー自ら再編集し「バックトラック」というタイトルで劇場公開された)と、何者にも屈しない映画への情熱を見せつけた。
60歳を越えると、得意の“キレる”演技に加え、渋さと哀愁漂う新しい魅力も開花。日本でも話題になったTVドラマ「24 TWENTY FOUR」にゲスト出演するなど幅広く活躍する。その後も、美女を監禁するあぶない警部補を怪演した主演作「ザ・キーパー 監禁」(2004)、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督による「ランド・オブ・ザ・デッド」(2005)で、衰えをみせない実力を発揮。
晩年は、「エレジー」(2008)で、ベン・キングズレー演じる初老の大学教授の恋愛相談相手役を哀愁たっぷりに好演。ほか、クエンティン・タランティーノが製作総指揮を務めたバイオレンス・アクション「ヘルライド」(2008)などにも出演するが、2010年5月29日に前立腺ガンにより74歳で死去した。

"デニス・ホッパー" PROFILE ≫

内野聖陽

舞台を中心にテレビ、映画でさまざまな役を演じる演技派

出演作「252 生存者あり」(2008)が1日(金)に日本テレビ系で放送。
早稲田大学在学中に始めた英語劇で演劇の面白さを知り文学座研究所に入所、役者を志す。現在も文学座に所属する内野は、ドラマの端役などの修業を経て、'93年のNHKドラマ「街角」で主演デビュー。'96年、映画初主演を果たした「(ハル)」で日本アカデミー賞優秀新人賞を受賞。同年、NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で主人公のライバルで夫にもなる将棋棋士を演じ、その名を広めた。
翌'97年には、ドラマ「ミセスシンデレラ」(フジ系)の主人公と恋に落ちる音楽家や、「ラブジェネレーション」(フジ系)の東京地方検察庁に勤める検事など、理想の王子様タイプの役で女性からの注目を集める。だが内野は、特定のイメージの定着を避けるかのように、オーストリア皇后・エリザベートの生涯を描いたミュージカル「エリザベート」(2000年初演)で皇后を愛する黄泉の帝王トート、ウィリアム・シェークスピアの悲劇を宮藤官九郎が脚色したミュージカル「メタル・マクベス」(2006)では予言に振り回され暴君と化すランダムスターといった、派手なメークや斬新なストーリーの登場人物に挑戦。さらに、人気漫画の実写化ドラマ「エースをねらえ!」(2004、テレビ朝日系)で強烈なキャラクターの鬼コーチ宗方仁にふんして世間を驚かせた。
2007年には、NHK大河ドラマ「風林火山」の主役に抜擢され、JJサニー千葉やGACKTらに囲まれながら、武田信玄の軍師として知られる山本勘助を演じきった。留まることなく挑戦を続ける内野は、毎回、演じる人物像をとことん突き詰めることで個々のキャラクターを見事に表現している。豆腐屋と賭場の親分の2役を演じた「あかね空」(2006)では、豆腐職人を演じるため豆腐店で修行し、一方では、髪も眉も剃り落としてやくざにふんした。また、「252 生存者あり」ではハイパーレスキュー隊隊長という役柄のため練習と訓練を積み、台本にない部分を監督に提案して静馬という人間の兄弟愛を表現した。
そんな、演じるごとに役柄の人生を生きる内野が出演する映画「十三人の刺客」が9月25日(土)から公開。藩主の暴君ぶりを自らの死をもって訴える明石藩江戸家老を演じる。さらに、出演作「犬とあなたの物語 いぬのえいが」が2011年1月22日(火)公開予定。今後も内野がどんな新たな一面を見せてくれるのか楽しみだ。

"内野聖陽" PROFILE ≫

伊藤英明

スマートな二枚目から進化を遂げた“熱血漢”俳優

主演作「海猿 ウミザル」(2004)が18日(土)にフジ系で放送。
'97年にTVドラマ「デッサン」で俳優デビュー。その後、多数の作品に出演し、2000年、「ブリスター!」の熱狂的なフィギュア・マニア役で映画初主演を果たす。2001年の「陰陽師」では野村萬斎演じる安倍晴明と共に悪霊退治に挑む源博雅を演じ、続編にも出演。一作目では清明と出会ったばかりで“のろい”や“死”の恐怖におびえていた博雅を演じていたが、2003年に作られた「陰陽師II」では清明の相棒として成長した姿を見せる。
ここまでの伊藤はどちらかといえば優しくてスマートな二枚目の役かTVドラマ「YASHA“夜叉”」(2000 テレビ朝日系)や「白い巨塔」(2003- フジ系)などで演じていた知的でクールな役が多かった。このイメージを覆したのが2001年の海上保安官のエリートである潜水士を目指す青年たちの成長を描いた「海猿 ウミザル」。この作品で伊藤は役の仙崎大輔同様にその肉体を鍛え上げ、熱血漢の青年を等身大で演じ本領を発揮した。
その後「海猿」はシリーズとなり、TVドラマ、第2作「LIMIT OF LOVE 海猿」(2005)と作られ、「撮影の最中、“仙崎大輔”という役と一体化していくようだった」本人がコメントするくらい、“海猿”シリーズの“仙崎大輔”は彼の代表的な役となった。その後、巨大台風が襲う東京が舞台の「252 生存者あり」(2008)では元ハイパー・レスキューの男を演じた。伊藤は、娘を助けると共に一緒に地下に閉じ込められた人を励ましつづける主人公をたくましく演じている。
18日(土)には「海猿」の3作目となる「THE LAST MESSAGE 海猿」が公開。今回、伊藤演じる仙崎は海上巨大天然ガスプラント施設で起きた火災事故に立ち向かい、施設内に取り残された人々を救い出す。

"伊藤英明" PROFILE ≫

ベン・アフレック

俳優、脚本家、映画監督…幅広い分野で活躍を見せる行動派俳優

出演作「アルマゲドン」('98)が17日(金)に日本テレビ系で放送。
物心がついたころから俳優を目指していたアフレックは、子ども時代からCMやテレビドラマなどに出演し、高校・大学を通じて演技の勉強に没頭。大学時代は1度入学した大学を退学し、別の大学に入学し直して演劇を学ぶ。その後出演した「チェイシング・エイミー」('97)でレズビアンである女流漫画家アリッサ(ジョーイ・ローレン・アダムス)に恋をしてしまう青年・ホールデンを演じ注目を集める。そして「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」('97)では、長年の友人でもある主演のマット・デーモンと共に出演、脚本も担当。これがアカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、一躍脚光を浴びる。
このことをきっかけに、戦争による悲しい運命に直面するパイロットを演じた「パールハーバー」(2001)や「ずっとファンだった」と公言するジョン・ウー監督のサスペンス「ペイチェック 消された記憶」(2003)などのメジャー作品に続けて主演。名実共にハリウッドスターとしての地位を確立していく。そして「ハリウッドランド」(2006)ではTVシリーズのスーパーマンを演じた俳優、ジョージ・リーブスにふんし、その人間性を徹底的に研究。実在の人物を演じるという新境地を開拓し、ベネチア国際映画祭で男優賞を獲得し、改めて俳優としての実力を見せつけた。
その一方で「大作から小規模な作品などに、バランスよく出ることが目標」と語るように、広い視野での作品選びをすることを公言。ささいな車同士の接触事故から、思いもよらない運命に巻き込まれていく弁護士を演じた「チェンジング・レーン」(2002)など比較的小規模で公開される作品へも出演。型にはまらない活躍を見せる。
最近では「ミスティック・リバー」(2007)の原作者であるデニス・レヘインがアフレックの地元であるボストンを舞台とした小説「ゴーン・ベイビー・ゴーン」を映画化し商業映画監督に挑戦。この作品で誘拐された少女の母親を演じたエイミー・ライアンが、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、作品自体も多くの賞を受賞。高い評価を受け、アフレックの持つ映画製作者としての能力を印象づけた。
好きなことに徹底して取り組む姿勢から生み出される表現力によって、今やハリウッドを代表する俳優に成長したアフレックが、今度どのような俳優としての活躍を見せ、また映画製作者としてどんな作品を発表するか、期待せずにはいられない。

"ベン・アフレック" PROFILE ≫

デニス・クエイド

現在は父親役で味わい深い名優ぶりを発揮する性格俳優
主演作「バンテージ・ポイント」(2008)が9月10日(金)に日本テレビ系で放送。
'80年代から'90年代にかけて一世を風びしたクエイドも、今や渋い中年の役がすっかり板についた観がある。映画デビューしたものの、俳優である兄“ランディ・クエイドの弟”という程度にしか認知されていなかった彼を、一躍人気俳優にした作品がアカデミー賞4部門受賞の「ライトスタッフ」('83)。本作で彼はエリート宇宙飛行士の悲哀を好演し、高く評価された。その後も、人間の体内に紛れ込んでしまう男をコミカルに演じた「インナースペース」('87)、フットボール選手に挑戦した「熱き愛に時は流れて」('88)、実在の人気ロック・スターにふんした「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」('89)など幅広いジャンルで存在感を発揮。安定した演技力を誇る主役級俳優の一人としての地位を確立していく。だが、'90年代に入ると、当時の妻メグ・ライアンとおしどり夫婦と言われながらも、人気絶頂を極める彼女の影にすっかり隠れ、作品にも恵まれない不調の時代が続いた。
そんな彼が、2000年以降、「オーロラの彼方に」(2000)、「オールド・ルーキー」(2002)で理想的な父親像を演じ、見事に復活。そして、ブルジョワ家庭の主婦の苦悩を描いた「エデンより彼方に」(2002)では、妻と愛人とのあいだで揺れ動くゲイの夫を巧みに表現して批評家から絶賛された。さらに史実に基づき描かれた「アラモ」(2004)では、テキサス独立に奔走したサム・ヒューストン将軍を熱演。その凛とした深みある演技は、まさにテキサス出身の彼ならではのものだった。同年には、パニック超大作「デイ・アフター・トゥモロー」にも主演している。
最近では、「G.I.ジョー」(2009)、「レギオン」(2010)などに出演。新作としては、「Soul Surfer(原題)」、「Footloose(原題)」(2011年全米公開予定)などがある。前者は、サメに片腕を奪われた13歳の少女がサーフィンの大会で入賞を果たすという実話に基づくもので、彼は少女の父親にふんする。また'84年に大ヒットした映画のリメーク版の後者では、主人公に引かれていく娘の父親である牧師を演じる。タイプの違う父親役を、彼がどのように演じるか注目される。

"デニス・クエイド" PROFILE ≫

マット・デーモン

ナイーブな知性派から、アクションもこなす骨太の俳優へと飛躍したトップ・スター
出演作「ボーン・アイデンティティー」(2002)が1日(水)にテレビ東京系で放送。
「レインメーカー」('97)の弁護士役、「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」('97)の心を閉ざした天才青年など、'90年代は知的で繊細な役を数多く演じてきたデーモンは、自身も名門ハーバード大学で英文学を専攻するなど(後に休学して俳優業に専念)、役だけでなく実生活でも秀才。一方で、「リプリー」('99)では殺害した友人に成り済ますうっ屈した青年を演じるなど、どこか根暗なイメージもあったが、ジョージ・クルーニーら豪華俳優陣と共演し大ヒットした“オーシャンズ”シリーズや、本格アクションに初挑戦した“ボーン”シリーズでそれを払拭。特に“ボーン”シリーズでは役作りのため肉体トレーニングを行い、キレのある格闘シーンを披露してアクション・スターとして新境地を開拓した。ロバート・デ・ニーロが監督を務めた「グッド・シェパード」(2006)のCIAの諜報部員役、クリント・イーストウッド監督が南アフリカ共和国の実話を基に描いた「インビクタス 負けざる者たち」(2009)では実在のラグビー代表選手、「グリーン・ゾーン」(2010)で米陸軍上級准尉を演じるなど、骨太の演技派俳優としての地位を確立しつつある。一方で、「ドグマ」('99)、「ふたりにクギづけ」(2003)、「インフォーマント!」(2010)などのコメディーにも出演。型にはまることなくさまざまな役柄に挑戦し続けている。
「インビクタス 負けざる者たち」に続き、イーストウッド監督とタッグを組んだスリラー「Hereafter (原題)」が10月22日全米公開。また、「オーシャンズ12」の脚本家、ジョージ・ノルフィの初監督作となるSF映画「The Adjustment Bureau(原題)」や、ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督が「勇気ある追跡」('69)をリメークした西部劇「True Grit(原題)」が2011年に全米公開予定と、今後も注目作への主演が続くデーモンから目が離せない。

"マット・デーモン" PROFILE ≫

役所広司

数々の名作に出演し続ける日本が誇る名優
出演作「劒岳 点の記」(2009)が7日(土)にフジ系で放送。
今や日本映画界を代表する俳優、役所は、仲代達矢が主催する俳優養成所“無名塾”から俳優としてのキャリアをスタートさせた。TVデビュー後、'83年のNHK大河ドラマ「徳川家康」の織田信長役で脚光を浴びる。翌'84年にはNHK新大型時代劇「宮本武蔵」の主役に抜擢されるなど、主に時代劇で評価を得た。
その後は映画へと活動の場を移し、ダンスにはまる中年サラリーマンにふんした「Shall we ダンス?」('96)で社交ダンスブームを、黒木瞳との大胆なラブ・シーンが話題となった「失楽園」('97)では不倫ブームを世間で巻き起こした。また、ウナギにしか心を開けない男を好演した「うなぎ」('97)は、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。大人の男の色気が漂う繊細かつ存在感のある演技を見せた。
これらの作品で海外からも注目され、映画俳優としての地位を確立。その後も「CURE」('97)以降7本の黒沢清監督作や、三谷幸喜脚本の舞台「巌流島」('96)からTVドラマ「合い言葉は勇気」(2000)、「笑いの大学」(2004)を経ての念願の三谷監督作「THE 有頂天ホテル」(2005)など数々の作品に出演し、巧みな性格描写でさまざまなキャラクターを演じた。さらに「SAYURI」(2005)、「バベル」(2006)、「シルク」(2007)と海外作品にも意欲的に挑戦。国内外のさまざまな映画賞に名を連ね、名実ともに日本を代表する映画俳優のひとりとなる。
そんな役所は、「ガマの油」(2008)で監督デビューを果たす。うらら名義で脚本を担当した「うなぎ」などのスプリクター、中田琇子に勧められて監督・主演を兼ねた役所は、当初、監督として企画が進むかは半信半疑だったという。だが、この作品のために200ページもの絵コンテを描き、撮影中は出演者への演技指導にも力を入れるなど随所にこだわりを見せ、人間のエネルギーに満ちたファンタジーを作り上げた。
これまでとは違う視線で現場を見た経験が、俳優としての新しい目を開かせてくれたという役所だが、年内に2本の注目作の公開を控えている。9月25日(土)には、'63年に製作された同名作品のリメーク「十三人の刺客」が公開。ほか、討ち入りから密かに生き残った2人の赤穂浪士を描く「最後の忠臣蔵」は12月18日(土)より公開される。

"役所広司" PROFILE ≫

木村拓哉

映画俳優としての存在感を増しつつあるトップスター
出演作「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」(2009)が8月1日(日)にWOWOWで放送。
SMAPのメンバーとして、歌やTVドラマ、バラエティー番組と活躍を続ける木村。映画への出演は多くはないものの、トップスターだけが持つ魅力を活かし、どの作品でも鮮烈な印象を与えている。初の本格的な海外進出作品となったウォン・カーウァイ監督の「2046」(2004)では、アンドロイドに恋をする青年をクールに演じ、共演のトニー・レオンらアジアを代表する俳優と並び、劣らぬ存在感を発揮。そして、巨匠・山田洋次監督と組んだ時代劇「武士の一分」(2006)では、毒味の際、貝の毒にあたり失明する下級武士という難役に挑戦。抑えた演技で新境地を開き、高く評価された。さらにその翌年には、ハマり役ともいえる型破りな検事・久利生公平を再び演じたTVドラマの劇場版「HERO」(2007)が、その年の邦画No.1となる大ヒットを記録。“映画俳優・木村拓哉”という新たな顔を定着させた。
昨年は、ジョシュ・ハートネット、イ・ビョンホンと共に「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」に出演。他人の痛みを自らに取り込む不思議な能力を持つ青年役で、眼球にウジ虫がはうシーンをこなすなど、撮影に懸ける情熱はメガホンを取ったトラン・アン・ユン監督をうならせるほどだったという。
年末にかけ、2本の新作映画が待機中。1つは10月9日(土)公開のアニメ「REDLINE」。主人公のカーレーサーの声を務めており、声優としては宮崎駿監督の大ヒット作「ハウルの動く城」(2004)以来の作品となる。そしてもう1つが、名作アニメ「宇宙戦艦ヤマト」を実写化した、12月1日(水)公開の話題作「SPACE BATTLE SHIP ヤマト」。原作のファンで子どものころには“宇宙戦艦ヤマト”に乗るのが夢だったという彼が、主人公・古代進をどう演じるのかが楽しみだ。

"木村拓哉" PROFILE ≫

奥田瑛二

秀作を連発する映画監督は、役のリアリティを追及する技巧派俳優
自身3本目の監督作「長い散歩」(2006)が30日(金)にNHK衛星第2で放送。
俳優、故天知茂氏の付き人をした後、'76年に放送された特撮TV番組「円盤戦争バンキッド」の主演でデビュー。しかしその後数年は役柄に恵まれずに、不遇の時を過ごす。しかし'79年に公開された藤田敏八監督作品「もっとしなやかに、もっとしたたかに」で映画デビューをすると、この作品が転機となり、注目されるようになる。この後は、積極的にTVドラマにも出演するようになり「宮本武蔵」('84~'85 NHK)での本位田又八役を好演して以降「金曜日の妻たちへIII 恋に落ちて」('85 TBS系)などに出演。お茶の間にもその存在を広くアピールしていく。
しかし本人は映画俳優としての志向が強く、'86年には遠藤周作の原作を元にした故熊井啓監督作「海と毒薬」に主演。米軍捕虜の解剖実験に参加してしまう医師・勝呂を演じ、その年の毎日映画コンクールで主演男優賞を受賞。以後熊井監督の「千利休本覺坊遺文」('89)、「ひかりごけ」('92)、「深い河」('95)などの作品に出演、常連俳優となり、演技派のイメージを定着させる。さらに神代辰巳監督作品「棒の哀しみ」('94)ではこれまでのヤクザ映画にはない、一見平凡な中年ヤクザの狂気と哀しみを表現し、その年のキネマ旬報ベスト・テン日本映画主演男優賞やブルーリボン賞などを受賞し、俳優として確固たる地位を築く。
その後はかねてから抱いていた「50歳になったら必ず監督をやろう」という想いの通り、2001年に初めて映画監督に挑戦。連城三紀彦の同名小説を題材にした主演作「少女 an adolescent」を発表。モラルの欠如した中年警察官と中学生の少女との純愛を描き、第17回パリ映画祭グランプリを獲得。初めて映画監督を務めようと思い立ってから約10年の歳月が経過していたが、その間に映画を撮るための方法論をさまざまな現場で学び、その才能を遺憾なく発揮。監督2作目となる「るにん」('04)では極限状態に置かれた男女の“生”と“性”を表現し、2005年にアメリカで開催された第7回メソッドフェスト映画祭で最優秀作品賞受賞。3作目の「長い散歩」では主演の故緒形拳からイメージした作品を作り上げ、モントリオール国際映画祭グランプリなど数々の賞を受賞。
「これから10年間に5本(映画を)撮る」と監督デビュー時に語っている奥田。デビュー当時から彼は難しい役柄を、心の奥深くにまで入り込み、台本上の役をリアルな人間としてみせる演技で観客を魅了してきた。「(映画は)人の心の中にカメラが突っ込んでいくような感じ」と語る彼が、今度は映画監督として役者の経験をどのように生かし、どんな作品を我々に見せてくれるのか期待したい。

"奥田瑛二" PROFILE ≫

ジョシュ・ハッチャーソン

若くして大物感漂う実力派ティーン・アクター
出演作「センター・オブ・ジ・アース」(2008)が7月4日(日)にテレビ朝日系で放送。
弱冠17歳ながら、そうそうたる大物俳優と共演し、出演作はすでに20本以上という順調なキャリアを重ねるハッチャーソン。10歳のとき子役として芸能界に入った彼は、TVシリーズ「ER 緊急救命室」などに出演したのち、「ワン・ラスト・ライド」(2003・日本未公開)で映画デビュー。続く、「小さな恋のものがたり」(2005・日本未公開)では、幼なじみの少女に恋心を抱くダメ小学生を演じて確かな演技力を見せる。ティム・ロビンスと共演したSFアドベンチャー「ザスーラ」(2005)では、謎のボード・ゲームを始めたことによって危険な宇宙に放り込まれてしまう幼い兄弟の兄を演じた。以降も、迷子になった映画のスター犬と友情をはぐくむ「ファイアー・ドッグ 消防犬デューイの大冒険」(2006)や、ロビン・ウィリアムズの息子役を演じたコメディー「RV」(2006・日本未公開)など話題作が続く。
2007年には、世界中で愛読されている児童文学を映画化した「テラビシアにかける橋」に主演し、空想好きないじめられっこの少年を好演。本作のハッチャーソンと親友役のアンナソフィア・ロブの初々しく素直な演技は、多くの観客の心を揺さぶり、ヤングアーティスト賞若手主演男優賞と、同賞の最優秀若手アンサンブルキャスト賞を受賞した。翌年には、冒険SF小説の祖ジュール・ベルヌの「地底旅行」を基にしたアドベンチャー大作「センター・オブ・ジ・アース」に出演。ブレンダン・フレーザー演じる主人公のおい役を演じ、思春期の複雑な心情を繊細に表現した。
近年は、ベストセラー小説を映画化したダーク・ファンタジー「ダレン・シャン」(2009)で、主人公の親友にして後にライバルとなるスティーブ役を熱演。善良な少年役が多かったハッチャーソンが、たくましく成長した姿でダークな敵役を眼光鋭く演じている。新作としては、ジュリアン・ムーアと共演した「The Kids Are All Right(原題)」や、米国に侵略してきた共産軍と戦う高校生たちの姿を描く戦争アクション「Red Dawn(原題)」など目白押し。さらに、親から見捨てられた子供たちの物語「Carmel(原題)」では、出演だけでなく、プロデューサーも務めるマルチな才能を発揮している。

"ジョシュ・ハッチャーソン" PROFILE ≫

サム・ワーシントン

「アバター」で一躍、時の人となった期待の若手俳優サム・ワーシントン
出演作「ターミネーター4」(2009)が6月29日(火)にWOWOWで放送。強靭(きょうじん)な肉体と、繊細な演技力を併せ持つ新進気鋭の若手俳優ワーシントン。イギリスで生まれ、幼少時代にオーストラリアに移住した彼はそこで演技を学び、舞台やTV作品を中心に活動する。そんな中2000年に、タップ・ダンスに青春を懸ける若者たちの姿を描いた「タップ・ドッグス」で映画デビュー。2002年には、ブルース・ウィリス主演作「ジャスティス」に小さい役ながら出演し、ハリウッド進出を果たす。決して、華々しくスタートした俳優人生ではなかったが、着実に俳優としての力を蓄積していった彼は、ダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドに抜てきされた「007/カジノ・ロワイヤル」のボンド役最終候補の1人に挙げられていた。
そして、2つの大ヒット作に出演した2009年は、彼にとって非常に大きな飛躍の年となる。その1つは、「ターミネーター4」。世界的アクション大作“ターミネーター”シリーズで、初めて未来を舞台に描いたこの作品で準主役に選ばれ、物語の鍵を握る重要な役どころを熱演。そしてもう1つが、3D映画に革命をもたらした超大作「アバター」だ。当時、無名と言っても過言ではなかったワーシントンが、ジェームズ・キャメロン監督に気に入られ主役に大抜てきされたことについては、彼自身も驚いたという。これを機に、一気に世間にその名が知れ渡ったワーシントンだが、自身について「スター俳優ではなくラッキーな男だ」と、控えめな態度を崩していないところに人柄の良さが伺える。さらに翌年には、ギリシャ神話の世界を映画化したアクション・アドベンチャー「タイタンの戦い」(2010)でも主役に選ばれ、冥界の王ハデスに戦いを挑む勇者ペルセウスを演じた。これからの活躍が大いに期待される彼は、キーラ・ナイトレイと共演する「Last Night」や、ジョン・マッデン監督作「The Debt」への出演が予定されている。

"サム・ワーシントン" PROFILE ≫

チェ・ミンシク

圧倒的な演技力で観客を魅了する韓国映画界屈指の実力派
出演作「ブラザーフッド」(2004)が25日(金)に衛星第2で放送。ソン・ガンホ、ソル・ギョングと並び演技派ビッグ3と称されるなど、韓国映画界きっての演技派俳優として知られるミンシク。“役者が演技をするときは取り憑かれたようにしなければならない”というポリシーを持ち、徹底した役づくりで知られる彼は、ジャンルを問わずさまざまな作品で名演技を見せ、韓国のみならず世界の映画人の尊敬を集める大物俳優だ。
高校在学中から舞台俳優として活動した彼は、「九老アリラン」('89)で映画デビュー。長い下積みを経て、チンピラ風の検事を演じた「ナンバー・スリー」('97未公開)、ソン・ガンホと共演したブラック・コメディー「クワイエット・ファミリー」('98)などの演技で高い評価を受け、個性派俳優として頭角を現していく。そんな中大きな転機となったのが、日本でも大ヒットした「シュリ」('99)への出演だった。テロ工作のため韓国へ侵入した北朝鮮兵士役を圧倒的な存在感で怪演した本作で、主役のハン・ソッキュを食うほどの強烈な印象を残してブレークを果たす。以降は、酒に溺れ放浪癖のある天才画家を熱演した「酔画仙」が2002年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、翌年主演した「オールド・ボーイ」が同映画祭審査員特別グランプリを受賞し、世界に通用する俳優として一気に知名度を上げる。「オールド―」では、理由も分からず15年もの間監禁され、復讐の鬼と化した主人公を“怪物”ともいうべき鬼気迫る演技で体現。怒り、憎しみ、孤独、愛などあらゆる感情を極限までスクリーン上に爆発させ、世界中から絶賛を浴びた。こうして韓国を代表する演技派俳優としての地位を揺るぎないものにしたミンシク。
「シュリ」や「オールド・ボーイ」からアクの強い役柄のイメージが強い彼だが、“情けない中年男”といった役を演じたときの彼もまた上手い。失職中の主夫が妻の浮気を知り殺意を抱く「ハッピー・エンド」('99)、夢破れた中年トランペッターが中学校の吹奏楽部とコンクールを目指す「春が来れば」(2004)、落ちぶれたボクサーが再起に挑む「クライング・フィスト」(2005)。どの作品でも、人生のどん底からもがく“ダメ男”を魅力的に巧演していた。
現在は、イ・ビョンホンと共演する新作スリラー「悪魔を見た(仮題)」を撮影中。ビョンホン演じる情報諜報部員の婚約者を殺したサイコ・キラーにふんし、白熱の演技対決を繰り広げる模様。「オールド・ボーイ」以来の強烈なキャラクターを演じるとあって、公開前から注目を集めている。

"チェ・ミンシク" PROFILE ≫

ラッセル・クロウ

無骨さと繊細さを兼ねそなえた名優
主演作「ビューティフル・マインド」(2001)が1日(火)に衛星第2で放送。ワイルドで男くさいヒーローから、心の病に冒された繊細な学者までたくみに演じ分けるハリウッドきっての“演技派”として、アカデミー賞の常連となっているクロウ。もともと地元オーストラリアで俳優業をスタートさせた彼は、「クイック&デッド」('95)への出演を機にハリウッドに進出。'97年の「L.A.コンフィデンシャル」で、警察内部の汚職に立ち向かう熱血漢の刑事を好演し、一躍注目を集める。
タバコ会社の内部告発に苦悩する中年科学者にふんした「インサイダー」('99)では、体重を20キロも増やし、髪をグレーに染めるなど、徹底した役作りでアカデミー賞主演男優賞にノミネート。2000年には、巨匠リドリー・スコット監督の「グラディエーター」で、ローマ皇帝の将軍から奴隷剣闘士に転じたマキシマスを熱演し、見事アカデミー賞主演男優賞を受賞。マッチョな男らしさと哀愁を帯びた瞳が多くの観客を魅了し、彼を一挙に大スターへと押し上げた。さらに、翌年の「ビューティフル・マインド」では、精神分裂症に悩まされながらも、妻の愛に支えられて偉業を達成した天才数学者の苦闘を渾身の演技で見せ、またしてもアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。以降、英国海軍として戦いに身を投じる伝説的な名艦長にふんした「マスター・アンド・コマンダー」(2003)や、大恐慌時代、どん底から一夜にして栄光をつかんだ伝説のボクサーを大熱演した「シンデレラマン」(2005)など、多彩な役柄で圧倒的な演技力を披露。ハリウッドでの不動の地位を獲得する。
2007年には、麻薬王となった男と、それを追う刑事の激突を描くクライム・アクション「アメリカン・ギャングスター」で、デンゼル・ワシントンと共演。2大オスカー俳優の火花散る対決シーンは映画ファンをうならせた。続く、レオナルド・ディカプリオふんするCIA工作員に危険な指示を出す切れ者上司を演じた「ワールド・オブ・ライズ」(2008)、国家的陰謀につながる殺人事件の真相を究明する新聞記者にふんした「消されたヘッドライン」(2009)に出演。最新作は、リドリー・スコット監督と5回目のダッグを組んだ歴史大作「ロビン・フッド」(2010)。本作の中でクロウは、多くの小説や映画で語り継がれてきた中世の英雄ロビン・フッドを演じる。強気をくじき、弱きを助けるタフで男らしい彼のヒーローぶりに期待したい。

"ラッセル・クロウ" PROFILE ≫

クリント・イーストウッド

西部劇ヒーローから世界を代表する映画人となった大御所
監督・主演作「許されざる者」('92)が17日(月)、監督作「父親たちの星条旗」(2006)が18日(火)、「硫黄島からの手紙」(2006)が19日(水)に衛星第2で放送。
俳優として半世紀以上のキャリアを誇り、監督として2度のアカデミー賞に輝くイーストウッドは、多くの映画人の尊敬を集めるハリウッドの大御所だ。そんな彼は俳優時代、「荒野の用心棒」('64)のニヒルなガンマンや、“ダーティハリー”シリーズ('71~'88)のアウトロー刑事に代表されるような、正義のためなら暴力も辞さない“武骨なタフガイ”といった役柄で人気を集めた。「恐怖のメロディ」('71)で監督業に進出した後も、「ガントレット」('77)、「ルーキー」('90)など多くの刑事アクションや犯罪ドラマを監督・主演し、バイオレンス・ヒーローとして活躍する。
そんな中、ターニング・ポイントとなった作品が、自身“最後の西部劇”と語る「許されざる者」('92)だ。アカデミー賞を受賞した本作で、イーストウッドは町を牛耳る保安官に制裁を加える老ガンマンを熱演。同時にそれまで演じてきた、暴力に暴力で対抗する“アンチ・ヒーロー”への疑問を作品に込め、高い評価を得た。
以降は、ラブ・ストーリー「マディソン郡の橋」('95)、SFドラマ「スペース カウボーイ」(2000)などさまざまなテーマに挑みながら新しいヒーロー像を模索。泥棒が大統領の殺人隠蔽を暴く「目撃」('97)、しがない記者が無実の死刑囚を救うため奔走する「トゥルー・クライム」('99)といった人間臭い“正義の執行者”や、ロートルのエージェントを演じた「ザ・シークレット・サービス」('93)、隠居中の元FBI捜査官役の「ブラッド・ワーク」(2002)などの老体に鞭打つ老齢の主人公を円熟した演技で体現。ボクシングを題材にした監督作「ミリオンダラー・ベイビー」(2004)では不器用な老トレーナーを好演するとともに、家族の愛と生命の尊厳という深いテーマを精緻なタッチで描き、2度目のオスカーに輝いた。
こうしてベテラン俳優にして巨匠という、唯一無二の映画人となったイーストウッド。そんな彼の集大成的作品が、昨年公開された「グラン・トリノ」(2008)。偏屈で人種差別的な老人が、アジア系移民の少年との交流を通して心を動かされ、彼らを守るために自らを犠牲にするという本作。孤高の“ヒーロー”として己の正義を貫き続けてきた彼の映画人生そのもののような役柄で、世界中から絶賛を浴びた。ことし80歳を迎える彼だが、「インビクタス 負けざる者たち」(2009)に続き、マット・デーモンとタッグを組んだ「Hereafter(原題)」(2010年10月22日全米公開)で初めてのジャンルとなるスリラーへ挑戦、レオナルド・ディカプリオの出演がうわさされる、実在したFBI長官の伝記映画「Hoover(原題)」も準備中と、ますます映画づくりにまい進している。

"クリント・イーストウッド" PROFILE ≫

ジョージ・クルーニー

ハリウッドの人気セクシー俳優であり超一流のフィルム・メーカー
ジョージ・クルーニー主演作「オーシャンズ13」(2007)が4月24日(土)にフジテレビ系で放送。“セクシーな大人の俳優”と称されることの多い彼は、その一方で下積み時代が長かったことでも有名。大学在学中に俳優の魅力にめざめたクルーニーは、'82年にロサンゼルスへ移住し、TV界を中心に活動を始める。だが、俳優として一向に芽が出ず、30歳を過ぎたころ、TVドラマ・シリーズ“ER 緊急救命室”('94~'99)で、プレーボーイの小児科医ロス役を演じ、ようやくブレーク。その後は映画に活躍の場を移し、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」('97)ではバットマン役、「ピースメーカー」('97)ではニコール・キッドマンを相手に主演するなど話題作に立て続けに出演。また、女性刑事と恋に落ちるセクシーな色男を演じた「アウト・オブ・サイト」('98)ではアカデミー賞にノミネートされ、脱獄囚たちの冒険を描くコメディー「オー・ブラザー!」(2000)ではゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞。
名実ともにハリウッドを代表するスターとしての地位を確立する。さらに、製作活動にも意欲的な彼は、「アウト・オブ・サイト」で意気投合したスティーブン・ソダーバーグ監督と共同で映画製作会社を設立し、オールスター映画「オーシャンズ11」(2001)を製作、すご腕の犯罪者チームのカリスマ的リーダー役を好演した。本作では、自分のギャラ額を度外視してブラッド・ピットやジュリア・ロバーツら豪華キャストの共演を実現させるなど、俳優の枠を超えた活動を精力的に行う。
また、「3年に1回くらいヒット作を作り、あとは低予算で自分の好きな作品を作りたい」という目標を持つ彼は、殺し屋になったTVプロデューサーの苦悩を描く「コンフェッション」(2002)を皮切りに監督業にも進出。2005年には、冷戦下の米国で、自由を脅かす権力に立ち向かった実在のニュースキャスターを描く「グッドナイト&グッドラック」でアカデミー賞監督賞と脚本賞、13キロも体重を増やしてベテランCIA工作員を演じた「シリアナ」で助演男優賞と、1人で3部門にノミネートされる快挙を成し遂げ、後者で初のオスカーを手にした。
以後、落ちこぼれの弁護士にふんした「フィクサー」(2007)や、監督兼主演を務めたラブ・ストーリー「かけひきは、恋のはじまり」(2008)で茶目っ気のある伊達男を軽快に演じるなど、幅広い演技力を持つ名優としての立場を揺るぎないものにしていく。そして最新作「マイレージ、マイライフ」(2009)では、飛行機のマイレージをためることだけを人生の目標にしているリストラ宣告人という難役を見事に演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。そんな彼の公開待機作は、ユアン・マクレガー共演のコメディー「ザ・メン・フー・ステア・アット・ゴーツ(原題)」や、普段は紳士、実は暗殺者という役を演じる「ジ・アメリカン(原題)」、弁護士の男が娘2人を連れて妻の愛人を探す旅に出る「ザ・ディセンダンツ(原題)」など目白押し。

"ジョージ・クルーニー" PROFILE ≫

ヒュー・グラント

イギリスが生んだ“ラブ・コメ”の貴公子
ヒュー・グラント出演作「ラブソングができるまで」(2007)が21日(水)に衛星第2で放送。「トゥー・ウィークス・ノーティス」(2002)、「ラブ・アクチュアリー」(2003)などラブ・コメディーには欠かせない存在となったグラント。デビューから2作目となる「モーリス」('87)でベネチア映画祭主演男優賞を受賞し、その後、英国在住の日本人作家カズオ・イシグロの同名小説を映画化した「日の名残り」('93)や、シャイな貴族の青年に扮した「いつか晴れた日に」('95)などに出演を重ね、“正統派美男子スター”として知名度を上げていく。'95年「9か月」でハリウッドでのデビューを果たし、以降、ジュリア・ロバーツと共演した「ノッティングヒルの恋人」('99)や、マフィアの父親を持つ恋人との騒動を描いた「恋するための3つのルール」('99)、ウッディ・アレン監督の「おいしい生活」(2000)など立て続けにコメディーに出演。どじだが憎めない男をコミカルな演技で見せ、それまでのピュアな好青年のイメージを一変させた。
そして、「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001)では女ったらしのヒロインの上司を、「アバウト・ア・ボーイ」(2002)では親の遺産でのほほんと暮らす独身貴族を好演。さらに、「ラブソングができるまで」では、復活に懸ける、落ちぶれた元ポップ・ミュージシャンを熱演した。
2009年には、「噂のモーガン夫妻」で、浮気をしてしまい、悪化した妻との関係を修復しようと奔走する敏腕弁護士役を演じている。“セックス・アンド・ザ・シティ”シリーズのサラ・ジェシカ・パーカーと夫婦役を演じ、話題になったことは記憶に新しい。“だめ男”を独自の味で“愛すべき存在”に変えてしまう持ち前のコメディー・センスは年々磨きがかかり、スター俳優としての地位を築き上げている。

"ヒュー・グラント" PROFILE ≫

アレック・ボールドウィン

熟年になって再ブレークを果たしたハリウッドのベテラン俳優
出演作「ディック&ジェーン 復讐は最高!」(2005)が14日(水)に衛星第2で放送。先ごろ公開された「恋するベーカリー」(2009)でメリル・ストリープ演じる中年ヒロインの恋の相手役にふんし、久しぶりに恋愛映画での好演を見せてくれたボールドウィン。アメリカではTVの人気コメディー・ドラマ「30ROCK」でエミー賞主演男優賞を獲得し、先月開催されたアカデミー賞授賞式の司会にも初抜てきされるなど、まさに再ブレーク中の彼だが、そこに至るまでの道は順風満帆ではなかった。ニューヨーク大学で演技を学んだ後、TVドラマでデビューし、舞台を中心に演技力を磨いていた彼は、'86年「ウーマン・イン・ニューヨーク」(日本未公開) で映画初出演を果たす。その後ティム・バートン監督によるホラー・コメディー「ビートルジュース」('88)や、警官に成り済ました若者を描く犯罪アクション「マイアミ・ブルース」('90)などでキャリアを積み、'90年に出演した海洋サスペンス「レッド・オクトーバーを追え!」で 一躍ブレーク。本作で彼は、ショーン・コネリーふんするソ連の潜水艦艦長と対決するCIAアナリスト、ジャック・ライアンをクールに好演し、その知的で端整なマスクで多くの女性ファンをとりこにした。
こうして二枚目俳優としての人気を獲得した彼は、“ロマコメの女王”ことメグ・ライアンの夫役を演じたラブ・ファンタジー「キスへのプレリュード」('92)、天才外科医にふんしたニコール・キッドマン共演のサスペンス「冷たい月を抱く女」('93)、デミ・ムーアふんする陪審員の女性をねらうマフィアの殺し屋を演じた「陪審員」('96)など、次々と話題作に出演。人気女優の相手役を務める主役級スターとして名をはせた。
だが年を重ね、体重も増加して看板のルックスが衰えるにつれ、徐々に脇役に回ることが多くなる。すると彼は逆にそんなルックスを生かし、「マーキュリー・ライジング」('98)の国家機密を守るために少年の暗殺を図る保安局大佐や、「エリザベスタウン」(2005)の腹黒い会社経営者など、悪役に挑戦し俳優としての幅を広げていく。2003年には高慢なカジノ・オーナーを熱演した「ザ・クーラー(原題)」(日本未公開)が高い評価を受けてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、全米での人気が再燃。見事なカムバックを果たした。
近年はTVでの活動が中心で、映画は主演作こそ少ないものの、「恋する~」のように印象的な役どころで作品を盛り上げている。新作としては、2001年に公開されたアニメ映画の続編「キャッツ&ドッグス2(原題)」(ことし8月公開)で声優を務めた。一方、昨年暮れには、主演ドラマの契約が切れる2012年に俳優を引退すると宣言し、ファンを残念がらせたボールドウィン。復活した彼の活躍をまだまだ見たいところだが、その願いは届くのだろうか。

"アレック・ボールドウィン" PROFILE ≫

ビル・ナイ

英国を代表するいぶし銀俳優
ビル・ナイ出演作「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」(2007)が4月4日(日)と11日(日)にテレビ朝日系で放送。TVシリーズからキャリアをスタートさせた英国のカリスマ俳優ビル・ナイ。彼は、名門ギルドホール音楽演劇学校で演技を学び、舞台俳優としてキャリアを積んだ後、「針の眼」('81)で映画初出演を果たす。しばらくはTVドラマで活躍することが多かったが、伝説のロックバンドが再起するまでを描いたコメディー映画「スティル・クレイジー」('98)で演じたボーカル・レイ役の怪演が話題を呼ぶ。劇中で歌も歌った彼は、笑いに秘められた中年の苦悩を巧みに表現し注目されるようになっていく。英国アカデミー賞助演男優賞を受賞した「ラブ・アクチュアリー」(2003)でも「スティル・クレイジー」と同様の再起を目指す往年のロックスターを演じる。本作では、少年っぽさが抜けない、どこか憎めないおちゃめでかわいい中年男性を好演している。そして吸血鬼一族とおおかみ男一族の争いを描いたアクション「アンダーワールド」シリーズ(2003、2006、2009)では、吸血鬼族の長老ビクターにふんしてこわもての演技を披露し、印象を残す。
こうして脇役でキャリアを積み上げてきた彼の名を世界中に知らしめたのが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの2作目から登場している海賊船を操る“深海の悪霊” デイビー・ジョーンズ船長役。特殊メークではなく、すべてCG処理されているが、不気味な海の怪物の姿は、一度見たら忘れられないほどインパクトが強い。その後も彼は、脇役ながらも強烈な個性で存在感を発揮していく。近作では、「ワルキューレ」(2008)のオルグリヒト将軍、「パイレーツ・ロック」(2009)の24時間ロックを流し続ける海賊局のドン、手塚治虫の『鉄腕アトム』をハリウッドでCGアニメ化した「ATOM」(2009)のお茶の水博士の声を担当。重厚でシリアスな演技からコミカルな役柄まで器用に演じ分けている。
また現在公開中の、モルモットによる特殊部隊Gフォースの活躍を実写とCGで描くアクション「スパイアニマル Gフォース」(2009)では、邪悪な億万長者レナード・セイバー役でいい味を出している。このように着実な活躍を続けているナイの新作は、2010年11月、2011年夏に公開が予定されている「ハリー・ポッターと死の秘宝」(2部作)。シリーズ最終作で初登場するナイは、魔法大臣のルーファス・スクリムジョール役にふんしている。

"ビル・ナイ" PROFILE ≫

フィリップ・シーモア・ホフマン

卓越した表現力で観客を魅了する名優
出演作「M:i:III」(2006)が3月27日(土)にフジ系で放送。
ホフマンは大学卒業後、サスペンス映画「トリプル・ボギー」('91)の端役で映画デビュー。翌年、アル・パチーノ主演の「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」で主人公を裏切る青年役を好演して頭角を現す。これを機に多くの出演作品に恵まれた彼は、「ツイスター」('96)での竜巻マニアの研究者役で味のある脇役ぶりを発揮。続く「ブギーナイツ」('97)でもお茶目なゲイ役が高評価される。さらに、名優ロバート・デ・ニーロと共演した「フローレス」('99)でドラッグ・クイーンにふんした彼は、デ・ニーロの演技を食う演技で観客の度肝を抜いた。その後も、教え子の女子生徒に手を出す高校教師を演じた「25時」(2002)や、落ちぶれた牧師役の「コールドマウンテン」(2003)などで印象的な役柄を多く演じる。
そして、同性愛者だった作家トールマン・カポーティがノンフィクション「冷血」を完成させるまでを描いた「カポーティ」(2005)で、ホフマンは主人公のカポーティを巧みに演じ、アカデミー賞などその年の主演男優賞をほぼ総なめにする。以後、俳優として黄金期を迎えた彼は、「M:i:III」でのアクの強い闇商人役や、「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」(2007)、「ダウト あるカトリック学校で」(2008)でオスカーに再びノミネートされる活躍を見せた。
今後も、初監督に挑んだラブ・コメディー「Jack Goes Boating」(原題)や、日本人監督の大野加寿夫が脚本・監督を手掛けるコメディー「Mr.Crumpacker and the Man From the Letter」(原題)への製作・主演と、話題作が目白押しだ。

"フィリップ・シーモア・ホフマン" PROFILE ≫

オーランド・ブルーム

美しく強い戦士たちを演じて大ブレークした二枚目俳優オーランド・ブルーム
出演作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」(2003)が21日(日)にテレビ朝日系で放送。“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズで、エルフ族の麗しき弓の名手レゴラスを演じて一躍脚光を浴びたブルーム。端正な顔立ちとノーブルな身のこなしで世界中の女性をとりこにしている若き英国の二枚目俳優だ。そんな彼の映画デビューは、名門ギルドホール音楽演劇学校在学中に出演した「オスカー・ワイルド」('97)。通りに立つゲイの若者の1人という端役だったが、その美しさだけで映画界からのオファーが殺到した。だが、まだ修業が足りないと思った彼は、映画出演の話を全て断って演技の勉強を続ける。そして、ギルドホール卒業を2日前に、ファンタジー超大作「ロード・オブ・ザ・リング」(2001)のレゴラス役を射止め、本格的な俳優活動をスタートさせた。
続いて、ディズニーランドのアトラクションを映画化した海洋アドベンチャー「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」では、海賊に連れ去られた最愛の女性を救うため大海原で冒険を繰り広げる鍛冶屋の青年を演じ、主役のジョニー・デップを食うほどの急成長を遂げる。今作の大ヒットとともに人気を爆発させた彼は、大作へのオファーが絶えないハリウッド若手スターの地位を確立。ブラッド・ピット共演の歴史スペクタクル「トロイ」(2004)では、自らの恋のため祖国に厄災をもたらしたトロイの王子にふんし、無敵の戦士アキレスをタフに演じたピットと対をなすナイーブな魅力でファンを感嘆させた。リドリー・スコット監督と組んだ「キングダム・オブ・ヘブン」(2005)では、父親の理想を受け継ぎ、十字軍に参加して偉大な騎士へと成長する鍛冶屋の青年を堂々と演じ、見事な主演を飾る。
同年には、等身大の青年を演じた現代劇「エリザベスタウン」(2005)に出演。失恋と失業のダブル・パンチをくらった青年が、新たな人生を歩みだす姿をナチュラルに演じている。最新作は、11人の監督がニューヨークを舞台にさまざまな愛の形をつづる「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー」(2008)。ブルームが出演したのは岩井俊二監督の「アッパー・ウェスト・サイド」で、若き青年作曲家とその助手の物語を描く。今後の出演作としては、ロックバンドのリーダーシンガー役にふんする「シンパシー・フォー・デリシャス」(原題)や、小さな町の人々の生活が1人の訪問者によって変化していくアンサンブル映画「メーン・ストリート」(原題)、SF逃亡劇「ザ・クロス」(原題)など目白押し。さらなる躍進を目指すブルームの今後の動向に注目したい。

"オーランド・ブルーム" PROFILE ≫

ショーン・コネリー

初代ジェームズ・ボンド役でおなじみの英国を代表する名優
出演作「史上最大の作戦」('62)が9日(火)に衛星第2で放送。
長寿スパイ・アクションシリーズ“007”シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で名をはせたコネリー。タフでワイルドな肉体にタキシードをさっそうと着こなし、ダンディーな魅力あふれるコネリー版“元祖”ボンドは、ファンの間でもピカイチの人気を誇る。この役によって彼の名は世界中に知れ渡り、以降7作にわたりシリーズの顔として活躍した。だが回を重ねるごとに、ボンドの強烈なイメージが定着することに嫌悪感を抱くようになった彼は、さまざまなジャンルの作品に出演し、イメージ・チェンジを図っていく。巨額の遺産をめぐるサスペンス「わらの女」('64)や、陸軍刑務所を舞台にした社会派ドラマ「丘」('65)などは、いずれもボンドのイメージが払拭できず失敗に終わったが、シリーズで着けていたカツラを取り、若づくりを止めた「オリエント急行殺人事件」('74)あたりから人生経験を積み重ねた男ならではの渋みが加わっていく。
そして「風とライオン」('75)で優しくも力強いアラブの首長役を熟年の風格を漂わせて熱演し、新境地を開拓。ようやく“脱ボンド”に成功した。さらに、'87年には暗黒街の帝王アル・カポネに命懸けで立ち向かう老警官を演じた「アンタッチャブル」で主役のケビン・コスナーを食うほどの存在感を発揮し、アカデミー賞助演男優賞を受賞。ボンドのスマートでタフな魅力にいぶし銀の輝きが加わり、渋い演技派への転身を果たした。
老齢となったその後は、華やかなスターとうまみの濃い個性派俳優として、主役から印象的な脇役まで幅広く活躍。ハリソン・フォードの父親役を演じて大ヒットした「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(89)や、テロリストと戦う元脱獄犯にふんした「ザ・ロック」('96)、美術品専門の大泥棒をセクシーに演じた「エントラップメント」('99)など派手なアクション作にも意欲的に挑戦。脱ボンドと同時に生やし始めたヒゲも新しいトレードマークとなり、年を重ねるごとに渋みと貫録を増した魅力的な俳優となっていく。気難しい老小説家にふんした「小説家を見つけたら」(2000)では、作家志望の黒人少年と深い友情を育んでいくまでを円熟した演技で見せ、生涯のベスト・ワークだと賞賛された。2006年にはその業績を称え、アメリカ映画協会の生涯功労賞を受賞したコネリー。これを機に引退宣言し、一線を退いている。

"ショーン・コネリー" PROFILE ≫

クリス・エバンス

成長著しい若手イケメン俳優
出演作「ファンタスティック・フォー 銀河の危機」(2007)が2月26日(金)に日本テレビ系で放送。近年の米若手俳優の中で目覚ましい活躍を見せているエバンス。高校卒業後に俳優となった彼は、いくつかのTVドラマで経験を積み映画界に進出。学園映画のパロディ「Not Another Teen Movie」(2001/日本未公開)で、生徒会長役を演じ、アイドル的存在となる。
キム・ベイシンガー主演のサスペンス「セルラー」(2004)では、見知らぬ女性からの一通の電話を偶然受け、ヒロインとその家族を救う若者役で出演。全編を通して携帯電話に話し掛けながら行動する難役を巧みに演じて演技派である一面も見せる。この映画で高く評価されたエバンスは、次にアメコミを映画化した「ファンタスティック・フォー 超能力ユニット」(2005)で、ジェシカ・アルバの弟で、全身を発火させる能力を持つヒューマン・トーチ役に抜擢される。女性に目がないプレイボーイでお調子者のヒューマン・トーチはエバンスのハマリ役となり、続編の「~銀河の危機」でも軽快な演技を見せている。その後は、「私がクマにキレた理由」(2007)をはじめ、「サンシャイン2057」(2007)、「フェイク シティ ある男のルール」(2008)などヒット作に立て続けに出演して知名度を上げる。
最近では、天才子役として名をはせたダコタ・ファニングと共演した「PUSH光と闇の能力者」(2009)で主役を射止め、若手イケメン俳優として更なるブレイクが期待されている。今後もアメコミを映画化したアクション「The Losers」(原題/日本公開未定)や、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(2007)のエドガー・ライト監督の最新作「Scott Pilgrim vs. the World」(原題/日本公開未定)など注目作がめじろ押しだ。

"クリス・エバンス" PROFILE ≫

アル・パチーノ

強烈な個性でアメリカ映画史を彩る名優
出演作「ゴッドファーザーPARTIII」('90)が2月13日(土)NHK衛星第2で放送。
数々の作品で圧倒的な存在感を残し、いま最も尊敬される名優としてハリウッド映画界に君臨するパチーノ。ニューヨーク市でシチリア移民の子として生まれ、貧しい生活を送ったパチーノは、いろいろなアルバイトを続けながら俳優を志し、'66年に念願のアクターズ・スタジオに入学する。その後、いくつかの舞台を踏み、'67~'68年度にオビー賞、'69年にはブロードウェイでトニー賞と、演劇界の権威ある賞を連続受賞し、映画界からも注目を集める。そして「ナタリーの朝」('69)の端役で映画デビュー。続く、麻薬中毒の青年を好演した「哀しみの街かど」('71)で初主演をした後、麻薬や暴力、人種差別などアメリカの世相を投影したアメリカン・ニューシネマを代表する俳優になる。さらに、'72年の「ゴッドファーザー」で、自分の意思に反してマフィアのボスに変ぼうしていく青年の凶暴さと冷酷さを堂々と演じきり、その名と実力を世界に知らしめる。
以後、ヒッチハイクでアメリカを横断する2人の男の友情を描く「スケアクロウ」('73)、わいろが横行する署内の腐敗に抵抗したために孤立してしまう刑事の苦闘を演じた「セルピコ」('73)、恋人の性転換手術の費用が欲しくて銀行強盗を決行したゲイの青年を熱演した「狼たちの午後」('75)、司法制度の矛盾と腐敗に挑む、若き理想主義者の弁護士に扮した「ジャスティス」('79)などの主演作で毎年のようにアカデミー賞にノミネートされ、演技派スターとしての地位を確立する。'80年代に入って、出演映画の興行成績が振るわずスランプに陥ったパチーノは、しばらく舞台に専念するが、「シー・オブ・ラブ」('89)の中年刑事役で映画復帰。そして「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」('92)で、目の不自由な退役軍人という難役を見事に演じ上げ、待望のアカデミー賞主演男優賞を受賞。しばし疎んじられていたアクの強さを、見る者を圧倒する演技力と存在感に好転させ、名優パチーノは新たなスタートを切った。
'96年には、パチーノ自身が「最も愛する世界」と公言するシェークスピアのドラマ「リチャード三世」を題材にしたドキュメンタリー「アル・パチーノのリチャードを探して」で監督デビューを果たす。近年の出演作は、全米の批評家から「生涯のベスト・パフォーマンス」と称賛を浴びた「インソムニア」(2002)や、強欲なユダヤ人の商人シャイロックに扮した「ヴェニスの商人」(2004)、助演に徹した「オーシャンズ13」(2007)では、悪玉となるホテル王に扮し、ジョージ・クルーニー、ブラット・ピットら豪華キャストにびくともしない貫録を見せた。2007年には、このような実績に対して、全米映画俳優協会の生涯功労賞など多数の名誉賞がパチーノに贈られた。
最新作としては、“死の医者”と呼ばれる実在の病理学者に扮するTV映画「You Don't Know Jack」(原題)や、シェイクスピアの4大悲劇の一つ「リア王」が今年米国公開予定。これまで数多くのシェイクスピアのキャラクターを演じてきたパチーノだが、リア王を演じるのは今回が初めて。パチーノが満を期して挑む悲劇の老王に期待したい。

"アル・パチーノ" PROFILE ≫

キアラン・ハインズ

北アイルランドを代表する実力派男優
出演作「トゥームレイダー2」(2003)が1月24日(日)テレビ朝日系で放送。いかつい外見からはちょっと想像しにくいが、実はシリアスからコメディーまでどんな役柄も器用にこなす実力派俳優。彼は、北アイルランド・ベルファストのクィーンズ大学で法律を専攻していたが役者に転向し、スコットランド・グラスゴーやアイルランド・ダブリンの劇場で舞台の経験を積む。映画デビューは、ジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」('81)。その後しばらくは、「コックと泥棒、その妻と愛人」('89)、テレビドラマ「第一容疑者」('93)などイギリスの映画やドラマに多く出演するが、2000年代に入るとハリウッド映画での活躍が目立つようになってくる。例えば、切れ者のロシア大統領役を熱演した「トータル・フィアーズ」(2002)やアイルランド系マフィアにふんした「ロード・トゥ・パーディション」(2002)、「トゥームレイダー2」などで重厚かつ人間味あふれる演技を披露。難しい役どころでも、役の内面をきっちり表現できる役者として存在感を発揮している。そうかと思えば、イギリスで起きた実話を基にしたコメディー「カレンダー・ガールズ」(2003)のヌードカレンダーに挑戦する妻におろおろする夫役のようなコミカルな演技もうまい。
こうして数々の舞台経験で培った彼の多彩な演技力は、映画界でさらに磨きがかかっていく。主役ヴェロニカの情報提供者で犯罪組織の一員を演じた「ヴェロニカ・ゲリン」(2003)では、アイリッシュ映画TVアカデミー賞助演男優賞にノミネートされる。さらにスティーブン・スピルバーグ監督の「ミュンヘン」(2005)では、イスラエル秘密情報機関の一員で暗殺現場の清掃人・カールを熱演。物静かで几帳面な人物を、彼は抑えた中にも自己主張のある演技で表現し強烈な印象を残した。近作では、SFジュブナイルの名作「星の国から来た仲間」('75)をリメークした「ウィッチマウンテン/地図から消された山」(2009)で、主人公の兄妹を追跡する悪役としていい味を出している。
このように個性派男優として着実な活躍を続けているハインズの新作は、2010年11月、2011年夏に公開が予定されている「ハリー・ポッターと死の秘宝」(2部作)。シリーズ最終作で初登場するハインズは、ホグワーツ魔法魔術学校の校長アルバス・ダンブルドアの弟役にふんしている。

"キアラン・ハインズ" PROFILE ≫

マギー・スミス

世界トップの舞台俳優や映画俳優から尊敬される俳優
出演作「天使にラブ・ソングを…」('92 )が1月22日(金)に日本テレビ系で放送。イギリスを代表する演技派俳優スミス。オックスフォード大学の演劇科で学んだ彼女は、演劇を続けながら映画のエキストラ出演をこなして経験を積み、'57年の演劇「Share My Lettuce」でのコメディエンヌぶりがうけて映画界からも注目されるようになる。そして愛憎と陰謀が渦巻く古典劇「オセロ」で、名優ローレンス・オリビエが演じる主人公の妻デズデモーナ役に抜擢される。同演劇を映画化した「オセロ」('66)で再び同役を演じたスミスは、夫を一途に愛する妻を熱演して米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、若きスター俳優の誕生を印象付けた。
演劇と映画で着実に演技の幅を広げていった彼女は、「ミス・ブロディの青春」('69)でウィットに富んだ会話などで生徒や同僚教師から注目を浴びる個性的な教師を好演してアカデミー賞主演女優賞を受賞する。そして、「ナイル殺人事件」('78)では再びアカデミー賞主演女優賞にノミネート。ニール・サイモンの戯曲を映画化した「カリフォルニア・スイート」('78)では、アカデミー賞に落選した女優役を存在感ある演技で魅せてアカデミー賞助演女優賞にも輝いた。
そのほか、スティーブン・スピルバーグ監督の「フック」('91)をはじめ、オスカー俳優ウーピー・ゴールドバーグと共演した「天使に-」など、スミスが出演する作品にはヒット作が多数ある。近年の代表作は“ハリー・ポッターシリーズ”で、シリーズを通じて登場する厳格な副校長マクゴナガル役として、脇役ながら気品ある凛とした立ち居振る舞いと抑揚のある声、味のある演技で物語を大いに盛り立てている。今冬公開予定のシリーズ最新作「ハリー・ポッターと死の秘宝 (PartⅠ)」からも目が離せない。

"マギー・スミス" PROFILE ≫

ポール・ニューマン

半世紀にわたり多くの人々に愛され続けた永遠のスター
主演作「渇いた太陽」('62)、「新動く標的」('75)が、それぞれ16日(水)、17日(木)に衛星第2で放送。2008年9月23日に、がんのため83年の生涯を閉じたニューマン。戦後アメリカを代表する俳優の1人と評される彼だが、記念すべき映画初出演作「銀の盃」('54)は批評家から失敗作と酷評され、彼の演技も当時のライバル、マーロン・ブランドの“亜流”とやゆされるなど、そのデビューは決して輝かしいものではなかった。だが2年後、伝記映画「傷だらけの栄光」('56)で主演を務めたニューマンは、徹底した役作りで実在のプロ・ボクサー、ロッキー・グラジアーノを熱演し、一躍脚光を浴びる。同作で演じた“あらゆる権威に反抗的なキャラクター”は、以後ニューマンの十八番となり、「ハスラー」('61) でふんした裏社会の頂点を目指す若者エディ役や、「暴力脱獄」('67)の脱獄に挑戦し続ける不敵な反逆児など、ユーモアと知性あふれる魅力的なアウトロー役でスターの地位を築いていく。中でも、19世紀末に実在した強盗2人組の生涯を描いた西部劇「明日に向って撃て!」('69)は、ニューマンの代表作として人気が高い。
この作品で彼が演じたのは、相棒のサンダンス(ロバート・レッドフォード)と共に強盗を重ねる、無法者ブッチ・キャシディ。国家権力の追及によって窮地に立たされながらも取り乱すことなく、夢を追い求めて自由奔放に生きるブッチの姿は、アメリカン・ニューシネマを代表する“アンチ・ヒーロー”として多くの人々に鮮烈な印象を残した。
映画も大ヒットを記録し、トップスターの地位を不動のものとしたニューマンは、'70年代に入ってからも、「明日に向って~」のジョージ・ロイ・ヒル監督&レッドフォードと再びタッグを組んだ犯罪コメディー「スティング」('73)や、超高層ビルの大火災を描いたパニック映画の最高峰「タワーリング インフェルノ」('74)など、多くのヒット作に出演。酒浸りの生活から目覚め、正義のために闘う中年弁護士役で絶賛を浴びた「評決」('82)の翌年には、その功績をたたえられ、ゴールデングローブ賞のセシル・B・デミル賞を受賞、'85年にはアカデミー名誉賞も受賞した。
さらに、エディの25年後を演じた「ハスラー2」('86)では、7回目のノミネートでついに念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞するなど、文字通り映画史にその名を刻んだ。還暦を超えても第一線での映画出演を続けたニューマンは、ベルリン国際映画祭男優賞を受賞した人間ドラマ「ノーバディーズ・フール」('94)や、ギャングのボスにふんした「ロード・トゥ・パーディション」(2002) などで、年齢を重ねた名優ならではの味わい深い演技を披露し、観客を魅了した。
その後2007年に5月に、“加齢により自分で納得のいく演技ができなくなった”という理由から引退を表明。ナレーターを務めたネーチャー・ドキュメンタリー、「ミーアキャット」(2008)が遺作となった。

"ポール・ニューマン" PROFILE ≫

スティーブン・セガール

日本人ファンの心を掴んで止まないアクション俳優
出演作「エグゼクティブ・デシジョン」('96)が12月9日(水)にテレビ東京系で放送。ベテラン・アクション俳優として今も活躍するセガール。彼が俳優になるきっかけは、7歳の頃から始めた武道だった。10年間日本で柔道や空手、合気道などさまざまな武道の修行を積んだセガールは、ロサンゼルスにマーシャルアーツの道場を開設。そこで、アクション映画のコーディネートを行い、映画界と関係を持つようになり、エージェントのマイケル・オービッツと知り合う。オービッツに紹介されたワーナー映画の会長テリー・セメルにそのスター性を見いだされたセガールは、自ら製作・原案も務め、映画初出演作となった「刑事ニコ 法の死角」('88)でいきなり主演に抜擢される。その寡黙なキャラクターとキレのよいアクションはたちまちハリウッドで注目を浴びる。
そして、戦艦を占拠したテロリストを相手に華麗なアクションを見せた「沈黙の戦艦」('92)でブレーク。実践に裏打ちされた格闘シーンは“セガール拳”と呼ばれ、セガール映画の醍醐味のひとつともなる。「沈黙の要塞」('94)で監督デビューし、「沈黙の標的」(2003)や「イントゥ・ザ・サン」(2005)などでは脚本も手掛けている。
また、ほとんどの作品は自らプロデュースも行っており、警官やFBI、軍人、スパイなどどんな役でも一貫したイメージの役を演じている。こうした様式美ともいえる無敵の男セガールが悪を一蹴するストーリーは、セガールファンの心を掴んで離さない。2010年には、「沈黙の●●」(原題はDriven to Kill)の●●に当てはまる言葉が一般公募されたことも話題となったDVDがリリースされる。本作でセガールは、愛する者を殺した敵に復しゅうする元ロシアのマフィアのボスを演じる。

"スティーブン・セガール" PROFILE ≫

ウィル・フェレル

抱腹絶倒の“おバカ”コメディーで全米を爆笑させるスーパー・スター
出演作「メリンダとメリンダ」(2004)が21(水)に衛星第2で放送。“俺たち”シリーズなど主にコメディーで活躍し、アメリカで絶大な人気を誇るフェレル。190cmの長身にサル顔という個性的なルックスと下ネタ満載の“お下劣”キャラで、爆笑必死のコメディーを数多くヒットさせている。人気バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」で、ブッシュ前大統領をはじめ20人以上のキャラクターを持ちネタにして人気コメディアンとなった彼は、「オースティン・パワーズ」('97)を皮切りに映画界に進出。「エルフ サンタの国からやって来た」(2003未公開)では、妖精に育てられた人間の大男という役柄で初主演を務める。冴えない中年男の風貌で大真面目に妖精を演じるさまがなんともユーモラスで、彼の出世作となった。
こうして映画俳優としても人気を得た彼は、酒乱男役で全裸もいとわないバカ騒ぎを繰り広げた「アダルト♂スクール」(2003未公開)、やりたい放題の“性悪”ニュースキャスターにふんした「俺たちニュースキャスター」(2004未公開)、天才レーサー役でクレイジーなカー・レースに挑んだ「タラデガ・ナイト オーバルの狼」(2006未公開)などヒット作を連発。残念ながら日本ではDVDのみで公開されることが多かったものの、マッチョでセックス依存症のフィギュアスケーターをはまり役で熱演した「俺たちフィギュアスケーター」(2007)は、日本でもスマッシュ・ヒットを記録し、多くのファンを獲得する。得意の“オレ様”キャラを炸裂させ、股と股をくっつけあったり、股間をつかんだリフトなど下品な大技を目一杯披露し、大いに笑わせてくれた。
一方、こうした“おバカ”コメディー以外の作品では、意外にも高い演技力を披露している。「プロデューサーズ」(2005)ではナチス信望者のドイツ人劇作家を存在感たっぷりに好演。悲劇作家が執筆中の小説に人生を左右されていると知った男性の奮闘を描いた「主人公は僕だった」(2006)では、得意のオーバーアクトを封印し、おかしくも実直な演技で主人公の心の動きを繊細に表現した。この2作品はともにゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど、演技派としての評価は高い。
近作「マーシャル博士の恐竜ランド」(2009)でも、コミカルな演技に加え、本格的なアクションに挑戦するなど、新たな一面を見せてくれたフェレル。マーク・ウォールバーグ共演のアクション・コメディー「The Other Guys(原題)」や、ブラッド・ピットらと声優を務めたドリームスワークス社製アニメ「Megamind(原題)」など公開待機作もめじろ押しだ。これからもコメディーはもちろん、さまざまな作品で楽しませてくれるだろう。

"ウィル・フェレル" PROFILE ≫

ハビエル・バルデム

どんな役を演じても強烈な存在感を放つスペイン人初のオスカー俳優
ハビエル・バルデム主演作「海を飛ぶ夢」(2004)が12日(木)に衛星第2で放送。
スペインを代表する演技派俳優として国際的に活躍するバルデム。'90年に本格的な映画デビューを果たした彼は、ペネロペ・クルスと共演した恋愛ドラマ「ハモンハモン」('92)で、クルス演じる美少女と恋人の仲を裂こうとする精力絶倫の青年を演じ、「ゴールデン・ボールズ」('93)では野心に満ちたマッチョな男性役で肉体美を披露するなど、しばらくセックス・シンボル的な役が続いていた。それらの作品で見せた野性的な魅力で人気を集めたものの、折に触れて「自分のことをセクシーだとは思わない」と語るバルデムは、自らのパブリック・イメージをかなぐり捨て、多彩な役に挑戦するようになっていく。俳優志望の青年にふんし、歌と踊りを披露したラブ・コメディー「電話でアモーレ」('95)では、スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞の主演男優賞を受賞。また鬼才ペドロ・アルモドバルによる愛憎劇「ライブ・フレッシュ」('97)でも、複雑な感情を抱えながら車いすの生活を送る男性役を好演するなど、次第に演技派俳優として頭角を現す。
そんな彼にとって転機となった作品が、キューバの亡命作家レイナルド・アレナスの生涯を描いた「夜になるまえに」(2000)だった。初の英語映画の主演作であり“カストロ独裁政権下で迫害を受けた同性愛作家”という難役を、バルデムは、アレナスの著作をすべて読破しキューバへ渡って彼を知る人々に会うなど、徹底した役作りを重ね体当たりで演じきった。同作で披露した、繊細で時に女性的な表情や雰囲気は、それまで彼が演じた役では見られなかったもの。その熱演は世界中で称賛され、ベネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞したほか数々の映画賞に輝いた。難役であるほど演技派としての本領を発揮するバルデムはさらに、ダイビング中の事故で首から下が不随となった実在の男性、ラモン・サンペドロを演じた「海を飛ぶ夢」で2度目のベネチア国際映画祭主演男優賞を受賞する。全編を通してほぼ寝たきりのまま、表情だけでラモンのユーモアから苦悩までを表現した彼の演技は、人々の心に深い感動を呼び起こした。
このラモン役とは対照的に、圧倒的なまでの恐怖感を醸し出したのが、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督作「ノーカントリー」(2007)で演じた冷酷な殺し屋アントン・シガー役だった。「暴力が大嫌いなので出演には不安があった」と語るバルデムだが、「どんな役も偏見を持って判断するのではなく、キャラクターになりきるべきだと思う」という信条を裏付けるように、スクリーンに登場した瞬間から強烈な存在感を放ち、“「羊たちの沈黙」('91)のハンニバル・レクター以来の映画史上最悪の殺し屋”といった評もうなずけるほどの怪演を見せた。同作はアカデミー賞で作品賞、監督賞などを受賞、バルデムも助演男優賞に輝いた。
今年は、ウディ・アレン監督作「それでも恋するバルセロナ」(2008)で大人の男の色気漂うプレーボーイの画家を演じ、観客を魅了したバルデム。「バベル」(2006)のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作「Biutiful(原題)」など、待機中の新作ではどのような顔を見せてくれるのか楽しみだ。

"ハビエル・バルデム" PROFILE ≫

アラン・リックマン

クールで紳士的な個性派俳優
11月6日(金)に出演作「ダイ・ハード」('88)が日本テレビ系で放送。
洗練された演技力と、ルックスからは想像しにくい甘い声とのギャップが独特な雰囲気をかもし出すリックマン。デザイン学校卒業後、夢だった俳優を目指してイギリスのロイヤル演劇アカデミーに入ったリックマンは、初舞台を踏んでからはイギリスのロイヤル・シェークスピア劇団で活躍。'87年の舞台「危険な関係」を見ていた映画プロデューサーのジョエル・シルバーによって、映画デビュー作「ダイ・ハード」でブルース・ウィリスの敵役に登用され、クールな悪役ぶりが注目される。
その後、「ロビン・フッド」('91)で、国王不在の国を牛耳ろうとする悪代官役を好演した彼は、英国アカデミー賞助演男優賞を受賞。90年代前半には禁断の姉弟愛を描いた初主演作「クローズ・マイ・アイズ」('91)をはじめ、数々の作品で主役から脇役までをこなした。そして、日本未公開の「Mesmer」('94)で主役の催眠暗示療法師を巧みに演じた彼は、モントリオール世界映画祭の最優秀男優賞を受賞。90年代後半に入ると「いつか晴れた日に」('95)、「マイケル・コリンズ」('96)で再び英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされる。
それ以降は「ドグマ」('99)などで個性的な役どころを演じて好評は得る。日本でも広く知られるようになったのは「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001)を第1作とするJ・K・ローリング原作の人気シリーズで、ひときわミステリアスな教師・スネイプ役だろう。今年7月に公開されたシリーズ第6作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2008)でもその存在感をいかんなく発揮している。
そんな彼の最新作は来年4月17日公開の「アリス・イン・ワンダーランド」(2010)。本作は児童小説「不思議の国のアリス」を基に、ヒットメーカーのティム・バートン監督&ジョニー・デップがタッグを組む話題作。リックマンは、身長が縮んだアリスに元に戻るための助言をするキャタピラ役を演じる。

"アラン・リックマン" PROFILE ≫

阿部寛

イケメン・モデルから俳優へ転身を遂げた実力派
阿部寛出演作「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(2008)が10月30日(金)に日本テレビ系で放送。189cmの長身と甘いマスクでイケメン・モデルとして活躍した後、役者としてのキャリアを重ね、今やコメディーからシリアス、アクションまで巧みに演じ分ける演技派俳優へと成長した。'87年のデビュー作「はいからさんが通る」でいきなりヒロインの相手役に起用され注目を集めた阿部は、その波に乗って「YAWARA!」('89)、「孔雀王 アシュラ伝説」('90)などに出演。
しかし、“モデル出身の男前”というイメージが先行し、来る役は2枚目ばかりで俳優として伸び悩みの時期が続いた。そんな彼が大きな転機を迎えたのは、つかこうへい作・演出の舞台「熱海殺人事件 モンテカルロイリュージョン」('93)への出演だ。そこで風変わりなゲイの刑事にふんした彼は、今までのイメージをぬぐい去る怪演を披露。これを機に役者としての個性をものにし、翌年の「凶銃ルガ-08」では殺人犯に変身していくサラリーマンという難役をこなして高い評価を受けた。以降、「人でなしの恋」('95)では妻に不義をはたらく画家に、「ゴジラ2000 ミレニアム」('99)では内閣官房副長官に、「プラトニック・セックス」(2001)ではキャバクラで大金をばらまく怪しい客にと、さまざまな役柄に挑戦。2002年には人気TVシリーズを映画化したヒット作「トリック 劇場版」に出演。ひときわ異彩を放つ自称天才物理学者を快活に演じ、阿部にとって大きな自信をつけるハマリ役となった。
その後は、ボサボサ頭の毛皮姿に大剣を背負う孤高の侍・万源九郎をコミカルに演じた「大帝の剣」(2007)、病院内で起きた事件の真相に迫る切れ者役人にふんした「チーム・バチスタの栄光」(2008)など数々の話題作に出演し、着実に演技の幅を広げていく。さらに今年は「チーム・バチスタの栄光」の続編「ジェネラル・ルージュの凱旋」(2009)で好演しており、今や日本映画界で最も多忙な俳優の1人となる。そんな彼の次回出演作は、フランスの傑作映画の日本版リメーク「死刑台のエレベーター」(2010年秋公開予定)で医療グループの社長婦人と不倫関係になる魅力的な医師を演じる。

"阿部寛" PROFILE ≫

ジョシュ・ハートネット

大物俳優への道を着実に歩む人気若手実力派
出演作「ヴァージン・スーサイズ」('99)が10日(土)に衛星第2で放送。
ソフトでクレバーな魅力にあふれているハートネット。ラブ・ストーリーでは等身大のアメリカの若者を演じ、戦争ドラマではガッツみなぎる兵士にふんするなど、今や幅広い演技力であらゆるジャンルの作品に引っぱりだこの若手実力派である。彼は'98年に「ハロウィンH20」で映画デビューし注目を集めたのち、ロバート・ロドリゲス監督の「パラサイト」('98)でクールな魅力をふりまき一躍人気スターの座についた。以降、ソフィア・コッポラ監督の「ヴァージン・スーサイズ」では恋に迷う思春期の少年をみごとに演じ、パディ・ブレスナック監督の「シャンプー台のむこうに」(2000)では理髪店主の父親に不甲斐ない思いを抱くピュアでかわいらしい美容師青年にふんし、ファンを魅了する。
そして、超大作「パール・ハーバー」(2001)に出演し、主人公ベン・アフレックの親友役で陸軍航空隊に所属するパイロット、ダニーを熱演。世界中で大ヒットした同作での好演で、ひとまわり大きくなった彼は一気に大ブレークした。さらに同年の、巨匠リドリー・スコット監督による戦争ドラマ「ブラックホーク・ダウン」では、レンジャー部隊の作戦班長となる兵士にふんし、激闘の中で成長していく青年を巧みな演技力で表現。この作品によって、彼のそれまでの“売り”でもあったナイーブなイメージに、タフさが加わり、一層役柄の幅が広がった。こうして彼は、スクリーンでの地位を確立していく。
その後の出演作は、40日間の禁欲生活を強いられる青年をコミカルに好演したラブ・コメディー「恋する40days」(2002)、ハリソン・フォードふんするベテラン刑事と共に殺人事件を追う新米刑事を演じ、初の刑事役で新たな一面を見せた「ハリウッド的殺人事件」(2003)、フランス映画「アパートメント」('96)をハリウッド風にリメークした「ホワイト・ライズ」(2004)、ボクサーを演じ肉体改造にストイックに取り組んだ「ブラック・ダリア」(2006)など。今年は、木村拓哉、イ・ビョンホンという日韓のスターと共演したサスペンス「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」での探偵役クラインが記憶に新しい。
彼の次回主演作には、2010年全米公開予定の「BUNRAKU」(原題)、アメフト選手にふんする「END ZONE」(原題)などが控えている。

"ジョシュ・ハートネット" PROFILE ≫

サム・ニール

ニュージーランドを代表する実力派俳優
9月28日(月)に主演作「ジュラシック・パークIII」(2001)がテレビ東京系、「ジュラシック・パーク」('93)が衛星第2で放送。
安定感のある演技で作品に落ち着きを与える実力派俳優ニール。彼の俳優人生のルーツは大学時代に始めた演劇が基盤となっている。舞台俳優として頭角を現した彼は、大学在学中にプロの劇団に参加して1年間イギリス国内を巡演。そこで培った経験を生かし、'77年にはデビュー作となるニュージーランド映画「テロリストたちの夜 自由への挽歌」(日本未公開)で主演を飾る。その後、いちずな愛を貫く名家の青年役を演じたオーストラリア映画「わが青春の輝き」('79)で、イギリス人俳優ジェームス・メーソンがニールの演技を高く評価。メーソンの推薦状がきっかけで「オーメン 最後の闘争」('81)の主役を射止め、ハリウッドデビューを果たす。だが作品の酷評と同様に演技も酷評されたニールは、80年代はTVムービーでの脇役が中心となる。
しかし90年代に入るとショーン・コネリー主演の「レッド・オクトーバーを追え!」('90)や、カンヌ国際映画祭パルム・ドール(グランプリ)をはじめその年の映画賞を総ナメにした「ピアノ・レッスン」('93)などの話題作への出演を足掛かりに、80年代の脇役経験を生かして存在感ある演技を見せる。そして全米で大ヒットした「ジュラシック・パーク」で、現代によみがえる恐竜と対峙する主人公の考古学者役を演じた彼は、これまでの無口で紳士的な役とは違う活発的な一面を見せてハマリ役となる。その後も「ジャングル・ブック」('94)をはじめ数多くの作品に携わり、「ジュラシック・パークIII」でもパート1と同じ役柄で大ヒットの立役者となる。
近年では「エンジェル」(2007)で、数奇な運命をたどる主人公の女性作家が書いたベストセラーを世に送り出す発行人を演じた。最新作は、2010年1月8日全米公開のバンパイア・ムービー「Daybreakers(原題)」。ニールは、ほとんどの人類がバンパイア化した近未来で、生き残った人間を捕まえて家畜として殺さず血液を提供させる養殖ファームの管理者を演じる。

"サム・ニール" PROFILE ≫

山崎努

渋味と貫録ある演技でさまざまな役に挑戦しつづける名優
山崎努出演作「おくりびと」(2008)が9月21日(月)にTBS系で放送。
独特の存在感で、黒澤明や伊丹十三といった巨匠の映画に出演してきた山崎は、日本映画界になくてはならない重鎮のひとりだ。デビュー時から演技や作品へのこだわりに並々ならぬものがあった彼は、当時の新人俳優にしては珍しく出演作を厳選。黒澤監督の「天国と地獄」('63)で屈折した誘拐犯を不気味なムードで演じ、その徹底した役づくりが高く評価され一躍注目を浴びた。その後は主にTVでの活躍が目立ち、時代劇シリーズ「必殺仕置人」('73)で演じた“念仏の鉄”は、歴代の仕置人の中でも底知れぬ恐怖を感じさせるキャラクターとしてファンの間でも人気が高い。
'80年には、黒澤の「影武者」で武田信玄の弟・信廉に扮してキネマ旬報、報知映画賞の助演男優賞を受賞。続き、伊丹監督のデビュー作「お葬式」('84)で、義父の葬儀を執り行なうことになった男をコミカルに演じ、日本アカデミー賞ほか数多くの主演男優賞に輝いた。さらに「タンポポ」('85)「マルサの女」('87)など、伊丹作品に連続して出演。頑固そうな顔とは裏腹のひょうひょうとした雰囲気が、伊丹特有のユーモア・センスとマッチして、妙なおかしさをつくり出している。
近年の代表作は、在日コリアンである主人公の父親を好演し、多くの助演男優賞を受賞した「GO」(2001)、獄中生活を淡々と過ごす受刑者を穏やかに演じ、圧倒的な存在感を見せた「刑務所の中」(2004)、金庫破りに情熱を燃やす老人たちの姿を描いた犯罪コメディー「死に花」(2004)、詐欺師業界の大黒幕に扮した犯罪サスペンス「クロサギ」(2006)などがある。
2008年には、遺体を清め棺に納める“納棺師”という職業に就いた男性の奮闘をユーモラスに描く「おくりびと」で、主人公を納棺師の道へ誘いこむ納棺会社の社長を好演。同作は、日本映画としては初となる第81回アカデミー賞外国語映画賞ほか、国内外の映画祭で89冠に輝いた。このオスカー受賞が追い風となり、日本映画では異例の1年間の長期上映となっている。さらに同年には、飛行機墜落事故を取材する新聞記者の奮闘を描く「クライマーズ・ハイ」で好色家のワンマン社長を怪演。“同じ役柄は二度と演じない”という彼のポリシー通り、さまざまな役柄を精力的に演じている。
新作としては、9月19日(土)から公開される白土三平の漫画を映画化した時代劇アクション「カムイ外伝」(2009)でナレーターを務めている。

"山崎努" PROFILE ≫

ヘイデン・クリステンセン

「スター・ウォーズ」シリーズでブレークした美形スター
主演作「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」(2002)が29日(土)にフジ系で放送。
その美ぼうと子役時代から培った演技力で、ハリウッドの若手スターとして注目を集めるクリステンセン。そんな彼の映画デビュー作は、鬼才ジョン・カーペンター監督によるホラー「マウス・オブ・マッドネス」('94)だった。だが出演シーンは短く、自転車で新聞を配る少年役でちらりと顔を出しただけ。その後も、TVムービーやソフィア・コッポラ監督の青春ドラマ「ヴァージン・スーサイズ」('99)などに出演するがすべて脇役にとどまり、11キロ体重を落として不良高校生役を演じたTVシリーズ「マウンテン・ウォーズ ホライズン高校物語」(2000)が初主演作となった。この作品でお茶の間の注目を集めた彼は、続いて出演した映画「海辺の家」(2001)でも、家族の愛に飢えた反抗的な高校生役を好演。感情の機微を繊細に表現した演技が評価され、ゴールデングローブ賞助演男優賞へのノミネートを果たす。
そして2002年、「マウンテン・ウォーズ―」を見たジョージ・ルーカス監督により、「スター・ウォーズ エピソード2―」のアナキン・スカイウォーカー役に抜てきされる。北欧系の血を引くその陰りのある美ぼうが、後に悪の帝王ダース・ベイダーへと転身する宿命を抱えたアナキンのキャラクターにマッチ。同作の続編でシリーズ完結編でもある「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」(2005)では、手足を切り落とされダークサイドに落ちていくアナキンの生きざまを鬼気迫る演技で体現した。
このアナキン役を含め、陰影のある役を演じる機会が多かったクリステンセンだが、作品選びについては「自分の役にチャレンジングな部分があるかどうかが基準の一つ」と発言。'60年代のファッション・アイコン、イーディ・セジウィックの姿を描いた「ファクトリー・ガール」(2006)では、ボブ・ディランをほうふつとさせるロック・スター役でシエナ・ミラーとの濃厚なベッド・シーンに挑戦するなど、新たな一面を披露した。
瞬間移動能力を持つ主人公を演じた異色SFアクション「ジャンパー」(2008)公開の際も、「監督がダグ・リーマンだったから出演した。ダグは人と違うことをやろうとするし、そのプロセスも独特。そんな彼の姿勢を尊敬している」とコメント。今後もその飽くなきチャレンジ精神で、より多彩な魅力を発揮してくれそうだ。
新作「ニューヨーク、アイ ラブ ユー」が今年公開予定。ニューヨークが舞台の短編オムニバスで、クリステンセンは中国人監督チアン・ウェンが手掛けた1編に出演している。

"ヘイデン・クリステンセン" PROFILE ≫

ジェーソン・ステイサム

個性的な存在感を放つ新世代のアクション・ヒーロー
主演作「トランスポーター」(2002)が8月9日(日)テレビ朝日系で放送。
鍛え抜かれた肉体を駆使し、アクション映画を主体として活躍するステイサム。'72年にイギリス・ロンドンに生まれた彼は、水泳の飛び込み競技の選手としてイギリス代表チームに所属した。その後はファッションモデルに転向し、“フレンチ・コネクション”、“リーヴァイス”などのブランドで活躍。'98年にフレンチ・コネクションのオーナーが、ガイ・リッチー監督作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」に出資したのが縁で、リッチーに見いだされ映画デビュー。続くリッチー監督作「スナッチ」(2000)で非合法ボクシングのプロモーター、ターキッシュを演じ、共演者のブラッド・ピットやベニチオ・デル・トロと並ぶ存在感を見せ付ける。
その後は、女好きの警察官にふんしたSF映画「ゴースト・オブ・マーズ」(2001)、ジェット・リー共演の「ザ・ワン」(2001)に出演。2002年には、リュック・ベッソン製作・脚本「トランスポーター」で主役に抜擢。闇のトランスポーター(運び屋)として職務をまっとうするプロ、フランク・マーティンを好演し、作品は全米興行収入1位を記録。ステイサム自身も世界的なスターとなる。翌年には、強盗のプロフェッショナルたちが金塊強奪に挑むクライム・アクション「ミニミニ大作戦」(2003)に出演。人気シリーズ第2弾「トランスポーター2」(2005)で再びフランク・マーティンを演じたステイサムは、カーチェイス、スキューバダイビング、格闘シーンを含む全てのスタントをこなし、アクション・スターとしての地位を確立。以降、アドレナリンを出し続けなければ死んでしまう殺し屋にふんした「アドレナリン」(2006)、ジェット・リーと2度目の共演を果たした「ローグ・アサシン」(2007)、“死のレース”に出場する男の試練を描くアクション「デス・レース」(2008)と順調にキャリアを築く。
'71年にイギリス・ロンドンで実際に起こった銀行強盗事件を描く「バンク・ジョブ」(2008)は、アメリカとイギリスで第1位のオープニング成績を記録。新作としては、スタイリッシュ・アクション第3弾「トランスポーター3 アンリミテッド」が8月15日(土)に公開。超凄腕の運び屋・フランクが、愛車から20メートル離れると爆発するという罠を仕掛けられ、シリーズ最大の危機に立ち向かう。9月26日には、アドレナリン・シリーズの続編「アドレナリン:ハイ・ボルテージ」が公開予定。さらに「ミニミニ大作戦」の続編が2011年にアメリカで公開予定と、新作が目白押しだ。

"ジェーソン・ステイサム" PROFILE ≫

堺雅人

ほほえみで魅了する演技派俳優
堺雅人出演作「クライマーズ・ハイ」(2008)が8日(土)にフジ系で放送。
昨年、大河ドラマ「篤姫」で“うつけ”と“正気”の二面性を持つ将軍家定役を見事に演じ、幅広い人気を獲得した堺。舞台で培った確かな演技力を武器に、映画、TVと多方面に活躍中だが、なんといっても彼の一番の魅力はその笑顔だ。映画デビュー間もない2001年に出演した「ココニイルコト」では、難病を患う自らの境遇を達観し、“ええんとちゃいますか”という口癖と屈託のない笑顔で主人公を見守る同僚役が印象的だった。出世作となった大河ドラマ「新選組!」(2004)では新選組総長・山南敬助を熱演。当初山南が近藤勇らを蔑むかのように見せていた冷笑が、彼に賛同し、組に加わる過程で理解の笑みへ、切腹が決まった最期には諦念の笑みへと変ぼうしていくさまに視聴者は心を奪われた。主人公たちをやさしい笑顔で見守る美大講師を好演した「ハチミツとクローバー」(2006)、都市伝説にのめりこみ、常軌を逸していくカメラマンの姿を“狂気”が入り交じった笑みで表現した「壁男」(2007)と穏やかな優しい役も、影のある役でも存在感を伺わせる。突然行方をくらましたエリート会社員にふんした「アフタースクール」(2007)は、彼が冒頭で見せる含みのある笑顔が事件を意外なてん末に導く布石として利いていた。言葉で語らなくても、そのほほえみの中から苦悩や諦め、陰などいくつもの感情を表現できるところが彼の俳優としての個性と言えよう。
また、そのほほえみゆえ、裏に秘めている何かや鋭さが表裏一体となっているように感じさせる。「クライマーズ・ハイ」では、泥まみれになりながら日航機墜落事故の第一報を伝えようと奔走する新聞記者を熱演。眼光鋭い表情で堤真一ふんする全権デスクに食ってかかるさまは、ここ数年続いた“穏やか”“いい人”のイメージとはまた違うものだった。殺人と癒着を疑われる天才医師を演じた「ジェネラル・ルージュの凱旋」(2009)では、不敵な笑みを浮かべ、怪しいような、そうでもないような、謎の多い魅力的なキャラクターを作りあげた。作品ごとに違う顔を見せてくれる彼の今後の活躍に注目だ。

「南極料理人」現在は、TBS系ドラマ「官僚たちの夏」に出演中。映画の新作は、「南極料理人」が8月8日(土)より公開。堺は南極にやって来た観測隊の調理担当にふんし、意外な料理の腕前を披露している。そのほか、実在した結婚詐欺師を演じた「クヒオ大佐」が今秋に公開、伊坂幸太郎の同名ベストセラー小説を映画化した「ゴールデンスランバー」も来年公開と、出演作がめじろ押しだ。

(C)2009「南極料理人」製作委員会

"堺雅人" PROFILE ≫

ベン・スティラー

監督、製作、脚本もこなす売れっ子コメディー俳優
主演作「ナイト ミュージアム」(2006)が8月7日(金)日本テレビ系で放送。
俳優だけでなく、監督、脚本などマルチな才能を発揮しているスティラー。コメディー俳優の両親の影響でショービジネスの道を志した彼は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で舞台芸術を学んだ後、ブロードウェーで舞台に立つ。その後も俳優業のかたわら、パロディー映画を撮ったり、人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」の出演者兼ライターをするなどショービジネスの多方面で活躍する。
彼の映画デビューは日本軍捕虜の役を演じた「太陽の帝国」('87)。そして、もともと製作者になりたかったという彼は、「リアリティ・バイツ」('94)で念願の監督業にも進出した。この作品は、Xジェネレーション世代の現実を描いたものとして高評価を受け、スティラー自身も一時“Xジェネレーションの旗手”と言われたが、その後は、俳優、監督の両方ともコメディーに軸足を置いた活動を行っている。
そんな彼がブレークしたのは、キャメロン・ディアス演ずる高校時代の同級生メリーを13年間も思い続ける青年にふんした「メリーに首ったけ」('98)。ついていない情けない男をラブリーに演じ強烈な印象を残した。そして、ロバート・デ・ニーロと共演した「ミート・ザ・ペアレンツ」(2000)で演技の実力が認められ、それ以降のスティラーは着実に実績を積み重ねていく。超売れっ子のスーパーモデルを熱演した「ズーランダー」(2001)、天才一家の長男で元天才不動産投資家にふんした「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001)、脇役であり悪役でありながら、すっかり主役を食ってしまった潔いほどの汚れぶりを発揮した「ドッジボール」(2004)など突飛なキャラクターの演技が光る。
そんな彼の抜群のコメディーセンスは、監督としても発揮され、コメディーを中心に既に5本の映画を演出している。昨年公開された「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」は、彼が「太陽の帝国」出演時にひらめいた20年来の企画を実現させたもの。戦争映画のため何も知らされず本物の戦場に送りこまれてしまった俳優たちの奮闘を笑いでつづったコメディーで、落ち目のアクションスターを演じた彼は、監督、製作、脚本もこなした。こうして今ではアメリカを代表するコメディー俳優の1人になった彼は、これからも日本にお笑い旋風を巻き起こしてくれるだろう。
次回主演作である「ナイト ミュージアム2」は8月13日(木)より公開。博物館を舞台に描くファンタスティック・コメディーの続編で、今回の舞台はワシントンD.C.に実在する世界最大のスミソニアン博物館。彼は前作同様、動き出す展示物を相手に奮闘する警備員ラリーにふんしている。

"ベン・スティラー" PROFILE ≫

ケビン・コスナー

低迷期を経て輝きを取り戻した正統派スター
主演作「守護神」(2006)が26日(日)にテレビ朝日系で放送。
誠実で頼りになる正統派のヒーローを演じ、'90年代前半にはアメリカを代表するスターとしてハリウッドに君臨したコスナー。仲間と車で旅に出る大学卒業直後の若者役で初主演を務めた「ファンダンゴ」('85)と、無法者一味と戦う4人組ガンマンの1人にふんした西部劇「シルバラード」('85)の演技で映画ファンの目を引いた彼は、鬼才ブライアン・デ・パルマ監督によるアクション大作「アンタッチャブル」('87)で一気にスターダムを駆け上る。
この作品でコスナーが演じたのは、禁酒法下のシカゴ暗黒街を牛耳るアル・カポネとその犯罪組織の撲滅に挑む、若き財務官エリオット・ネス。理想に燃える等身大のヒーローという役柄は、ファンタジー・ドラマの名作「フィールド・オブ・ドリームス」('89)で演じた、亡父への思いを野球に託して奇跡を起こす農民役や、ケネディ大統領暗殺事件の真相を追及する「JFK」('91)の地方検事役などにも通じ、コスナーは“90年代のヒーロー”として正統派スターの地位を築いていった。中でも、製作・監督・主演を務めた西部劇「ダンス・ウィズ・ウルブズ」('90)は作品賞・監督賞などアカデミー賞7部門を受賞。興行収入でも大成功を収め、その人気は絶頂を迎える。
これらの作品で新しいタイプのヒーロー像を体現する一方、「ボディガード」('92)等の娯楽作品ではアクション・スターとしての魅力をいかんなく発揮するなど、'90年代前半のコスナーの快進撃はとどまるところを知らなかった。だが、巨費を投じて製作した海洋アドベンチャー、「ウォーターワールド」('95)が興行的に大失敗し、「ダンス―」に続く監督・主演作「ポストマン」('97)が酷評されるなど、ちょう落も早かった。
その後は、最愛の妻を失った男性にふんしたラブ・ストーリー、「メッセージ・イン・ア・ボトル」('99)や、夫に家出された女性とその娘たちを支える隣人を演じた「ママが泣いた日」(2005)など、派手さはないが味のある作品で演技の幅を広げていく。そして2006年、伝説のレスキュースイマー役で主演を務めた海洋アクション、「守護神」が久々に大ヒットを記録。撮影前にハードな訓練を受けたコスナーは、大半の場面をスタントなしでこなす熱演を見せ、多くの人々に復活ぶりを印象づけた。
現在、ベン・アフレック共演の新作「The Company Men(原題)」を撮影中。ある企業の人員削減策が、リストラ組と居残り組の両方に衝撃をもたらすドラマで、コスナーは、アフレックふんするリストラされたエリートビジネスマンの義理の兄を演じる。

"ケビン・コスナー" PROFILE ≫

ダニエル・ラドクリフ

世界のアイドル・スターから役者の道を進む青年へ
ダニエル・ラドクリフ出演作「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(2004)が12日(日)にテレビ朝日系で、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007)が17日(金)に日本テレビ系で放送。
魔法学校に入学した少年ハリーの冒険と成長を描くJ・K・ローリング原作の「ハリー・ポッター」シリーズの映画化で、主役のハリー・ポッターを演じ、世界の注目を集めたラドクリフ。幼い頃から演技に興味があった彼は、'99年に英BBCで放送されたTVドラマ「デビッド・コパーフィールド」で、コパーフィールドの幼少時代を演じ、俳優デビュー。その後、ピアース・ブロスナン主演のサスペンス「テイラー・オブ・パナマ」(2001)でスクリーンに進出する。そして同年、世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッターと賢者の石」の映画化に際し、約3000人という候補者の中から主人公のハリー・ポッター役を射止める。シリーズ第1作目、第2作目の監督を務めたクリス・コロンバスは「ダニエルを見た瞬間、その場にいた全員が『この子だ』と確信した」と語っている。シリーズ2作目以降、ダニエルの成長に伴いハリー役の降板も噂されたが、原作者とファンの支持を受け、続投が決定した。
「ハリー・ポッター」以外の役柄にも積極的に挑むラドクリフは、BBC制作のコメディー・ドラマ「エキストラ2:スターに近づけ!」(2006)に本人役でゲスト出演。子どものイメージに思い悩み、だれかれ構わず女性を口説きまくるというパロディーを演じた。続き、第一次世界大戦を舞台に、17歳の少年将校を演じたTVドラマ「ダニエル・ラドクリフのマイ・ボーイ・ジャック」(2007)、初恋に揺れ動く思春期の少年を演じた「ディセンバー・ボーイズ」(2007)に出演。
さらに、ロンドンのウエスト・エンドで上演された舞台「エクウス」(2007)で、馬に異常な執着を見せる少年・アランを好演し、舞台上での全裸シーンにも話題が集まる。翌年には「エクウス」のニューヨーク上演が始まり、ブロードウェイ・デビューを果たす。

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」新作としては、「ハリー・ポッター」シリーズの第6弾、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が、2009年7月15日(水)に日米同時公開。続き、「ハリー・ポッター」シリーズの最終章となる「ハリー・ポッターと死の秘宝」の第1部が2010年11月、第2部が2011年に公開予定。さらに、若くしてソマリアで亡くなったフォト・ジャーナリスト、ダン・エルドンを描く「ザ・ジャーニー・イズ・ザ・デスティネーション(原題)」の主演が決定している。

(C)2009 Warner Bros. Ent.
Harry Potter Publishing Rights(C)J.K.R.
Harry Potter characters, names and related indicia are trademarks of and (C)Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

"ダニエル・ラドクリフ" PROFILE ≫

シャイア・ラブーフ

スティーブン・スピルバーグもほれ込んだハリウッド期待の若手スター
シャイア・ラブーフ主演作「トランスフォーマー」(2007)が20日(土)にフジ系で放送。
スピルバーグも太鼓判を押す演技力とスターの素質を兼ね備えるラブーフ。今やハリウッドで最も注目される若手俳優の1人となった彼の映画デビュー作は、傑作児童文学を映画化したファミリー・アドベンチャー、「穴 HOLES」(2003、日本未公開)だった。シガニー・ウィーバーらベテラン俳優と共演したこの作品で、無実の罪で捕まり更生施設でひたすら穴を掘らされる少年を熱演し、注目を集める。
その後は「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」(2003)、「アイ,ロボット」(2004)、「コンスタンティン」(2005)など大作に続けて出演し、ハリウッドでの足場を固めていく。中でも、人間の世界に侵入する悪魔と戦う探偵の姿を描いた「コンスタンティン」では、キアヌ・リーブスの相棒役で強い存在感を発揮した。
そんな彼が本格的なブレークを果たした作品が、主演を務めたサスペンス「ディスタービア」(2007)だった。同作でラブーフは、暇つぶしで始めたのぞき見ゲームが原因で事件に巻き込まれていく高校生役を好演。映画も10代を中心に多くの観客を集め、スマッシュ・ヒットを記録した。着実にスターへの道を歩み始めていた彼は、巨匠スピルバーグに見初められ、さらなる飛躍を遂げることになる。
まず2007年には、スピルバーグが製作総指揮を務め、日米合作のアニメを実写化した「トランスフォーマー」の主役に抜てき。ブロックバスター大作としては初の主演となったこの作品では、ハードなアクション・シーンも見事にこなし、映画の大ヒットに貢献した。
続いてスピルバーグが自ら監督を務め、19年ぶりに復活した人気シリーズ第4作「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」(2008)に、ハリソン・フォード演じるインディの息子役で出演。名優フォード相手に物おじすることなく、繊細さと不良っぽさが同居した青年を演じ、日本でも多くのファンを獲得した。さらに、監督は「ディスタービア」のD・J・カルーソ、製作総指揮はスピルバーグという、気心の知れたスタッフと組んだサスペンス「イーグル・アイ」(2008)では、無実の罪を着せられ国家に追われる羽目になる青年役で、これまでにない大人の魅力をたたえた演技を見せ、映画ファンをうならせた。

「トランスフォーマー リベンジ」「トランスフォーマー」の続編「トランスフォーマー リベンジ」が6月20日(土)より公開。アメリカ、中国、エジプトなど世界各地を舞台に、人類を巻き込んだ金属生命体の戦いを描いたSFアクションで、ラブーフは前作に続いて主人公の青年サムを演じる。

(C)2009 Dreamworks LLC. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.Hasbro,TRANSFORMERS and all related characters are trademarked.

"シャイア・ラブーフ" PROFILE ≫

中井貴一

時代劇からコメディーまで巧みにこなす実力派俳優
中井貴一出演作「亡国のイージス」(2005)が14日(日)にテレビ朝日系で放送。
父親は往年の二枚目俳優・佐田啓二、姉は女優の中井貴惠という芸能一家に生まれた中井。山田太一脚本のTVドラマ「ふぞろいの林檎たち」('83)で、四流大学生であることに劣等感を抱きながらも、ひたむきに生きていく若者を好演し、ブレークのきっかけとなる。
その後、市川崑監督が自作を29年ぶりに再映画化した「ビルマの竪琴」('85)の主役に抜擢。悲劇を背負い、僧となった水島上等兵の演技は多くの観客の涙を誘った。続いて、山田洋次監督の「キネマの天地」('86)や、相米慎二監督作「東京上空いらっしゃいませ」('90)などに出演した彼は、着々と俳優としてのキャリアを積んでいく。
そして、大石内蔵助と吉良側の司令塔・色部又四郎との謀略戦争を軸に“忠臣蔵”を描いた時代劇「忠臣蔵 四十七人の刺客」('94)では、主演の高倉健を向こうにまわしての熱演を見せ、日本アカデミー賞助演男優賞をはじめ多くの映画賞を受賞。また、愛する家族のために戦いの中に身を投じていく新撰組の剣士を演じた「壬生義士伝」(2002)では、日本アカデミー賞主演男優賞に輝く。一方、謎の術師にふんした「陰陽師II」(2003)や、冷徹な視線の奥に不気味さが漂う対日工作員を演じた「亡国のイージス」では悪役としても質の高い演技を発揮。
また、「ヘブン・アンド・アース 天地英雄」(2003)では外国映画に初出演し、せりふのほとんどが中国語という役柄に挑み、役者として大きな成長を見せる。その甲斐があってか、後に主演とプロデューサーを務めた日・中合作映画「鳳凰 わが愛」(2007)ではその手腕を評価された。
近年では、津川雅彦(監督名・マキノ雅彦)初監督作品「寝ずの番」(2005)に続いての主演となった「次郎長三国志」(2008)で、痛快な仲間たちを引き連れる清水次郎長を熱演。7月18日(土)に公開される新作「アマルフィ 女神の報酬」では、織田裕二演じる外交官・黒田に日本から指示を出す上司役として、声の出演をしている。

"中井貴一" PROFILE ≫

ダニエル・クレイグ

新生ボンドへのバッシングを絶賛に変えた実力派アクター
ダニエル・クレイグ出演作「トゥームレイダー」(2001)が6日(土)にフジ系で放送。
“007”シリーズの6代目ジェームズ・ボンドとして注目を集め、同世代の俳優の中で最も優れた1人と称えられるクレイグ。イギリスのチェスターに生まれた彼は、16歳でロンドンに移り、ナショナル・ユース・シアターの一員となる。その後、ロンドン・ギルドホール音楽演劇学校でユアン・マクレガー、ジョセフ・ファインズらと共に演技を学び、'91年に卒業。翌年、映画「パワー・オブ・ワン」('92)で映画デビューを果たす。
以降、TVドラマや舞台などで高い評価を得たクレイグは、「愛の悪魔/フランシス・ベーコンの歪んだ肖像」('99)で実在の画家、フランシス・ベーコンの恋人を演じ、エジンバラ映画祭の男優賞を受賞。実力派の俳優として広く知られるようになる。2001年にはアクション・アドベンチャー大作「トゥームレイダー」で、アンジェリーナ・ジョリー扮する主人公ララ・クロフトの恋人役をゲット。続いて「ロード・トゥ・パーディション」(2002)、「Jの悲劇」(2004)、「ミュンヘン」(2005)などで高い演技力を見せたクレイグは、2006年に「007/カジノ・ロワイヤル」で新生6代目ジェームズ・ボンドに大抜擢される。
クレイグの起用が発表された当初は、金髪で青い目の容姿がボンドのイメージと異なると、ボンドファンから様々なバッシングも受けた。しかし、実際に公開されるとシリーズ史上最高の興行成績を記録し、クレイグへの評価も一変。タフでセクシーなのはもちろん、内面の危うさを感じさせる新世紀のボンドを見事に演じ、英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるなど絶賛が集まった。
その後の主な出演作は「インベージョン」(2007)、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」(2007)、「ディファイアンス」(2008)と順風満帆。“007”シリーズの2作目「007/慰めの報酬」(2008)では、アクションシーンの撮影中にクレイグ自身が顔や手を負傷するアクシデントに見舞われるも、その渾身の演技は期待を裏切らず、映画は大ヒットを記録した。
新作としては、スティーブン・スピルバーグ監督による映画「タンタンの冒険:なぞのユニコーン号」がアメリカで2010年に公開予定。クレイグは、極悪非情の海賊レッド・ラッカム役を演じる。“007”シリーズの新作「Bond 23」(仮)の製作も決定しており、イギリスで2011年に公開予定。ファンに求められる限りボンドを続けたいと言うクレイグ。鍛え抜かれた肉体にセクシーなスーツ姿のクレイグを世界が心待ちにしている。

"ダニエル・クレイグ" PROFILE ≫

マーク・ウォールバーグ

“バッド・ボーイ”から華麗なる転身を遂げた次世代ハリウッド・スター
マーク・ウォールバーグ出演作「ハッカビーズ」(2004)が1日(月)に衛星第2で放送。
愛嬌のある笑顔と、鍛え上げられた肉体が魅力のウォールバーグ。ローティーンのころストリートの不良少年として育った彼は、万引きや強盗、ドラッグなど何でもアリの荒んだ青春時代を送る。その後一念発起してラップ・ミュージシャンとしてデビューし、派手なパフォーマンスで人気の白人ラッパー“マーキー・マーク”として一世を風靡した。映画界に入った当初は、そんな自身の経験を生かし、「バスケットボール・ダイアリーズ」('95)で、麻薬におぼれ殺人を犯してしまう高校生という役柄をほぼ“地”で好演するなど、ダークな役柄で評価を得る。
そしてなんといっても彼の評価を一気に高めたのが“若きポルノ男優”という役にふんした「ブギーナイツ」('97)。18kgの減量で自慢の筋肉を落とし、全裸も辞さない体当たりの演技で“俳優ウォールバーグ”の存在を世に知らしめた。以降は「ビッグ・ヒット」('98)のお人よしのヒットマンや、「スリー・キングス」('99)の一攫千金を狙う兵士など、自身のキャラクターを匂わせるような役で、娯楽作に続けて出演。宇宙飛行士役にふんした「PLANET OF THE APES 猿の惑星」(2001)では、主演も十分に張れる俳優に成長。「ミニミニ大作戦」(2003)ではエドワード・ノートン、シャーリーズ・セロンらを従え、犯罪グループのリーダーを風格十分に演じ、名実ともにスター俳優の仲間入りを果たした。
そして、近年の代表作が、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた「ディパーテッド」(2006)。本作で、正義感の強い“キレた刑事”を迫力たっぷりに熱演し、主演のレオナルド・ディカプリオ、マット・デーモンらに負けない存在感と演技力の高さを印象付けた。その後も、天才的な射撃手にふんした「ザ・シューター 極大射程」(2007)などのアクション大作から、“見えない恐怖”から逃れようとする高校教師を演じた「ハプニング」(2008)などのシリアスな作品まで幅広く出演し、売れっ子ぶりを見せつける。現在俳優として最も脂が乗っていると言えよう。
新作としては、アリス・シーボルトの同名小説を基にしたファンタジー「The Lovely Bones(原題)」がことし秋に全米公開。娘をレイプされて殺された両親をレイチェル・ワイズとともに演じる。

"マーク・ウォールバーグ" PROFILE ≫

マシュー・マコノヒー

甘いルックスと変幻自在な演技が魅力の俳優
出演作「サラマンダー」(2002)が5月15日(金)に日本テレビ系で放送。
精悍なマスクと主役から脇役までを巧みにこなす演技力が人気のマコノヒー。「ボーイズ・オン・ザ・サイド」('95)で注目された彼は、ブラッド・ピットをはじめ多くの若手俳優が参加したと言われる「評決のとき」('96)のオーディションで、原作者のジョン・グリシャムの熱望によって主役に大抜擢。同作で人種差別問題に立ち向かう青年弁護士を好演したことがきっかけで一躍注目され、「コンタクト」('97)ではアカデミー女優ジョディ・フォスターと共演を果たす。また、スティーブン・スピルバーグ監督の「アミスタッド」('97)では時代背景こそ違うものの、「評決のとき」を彷彿とさせる熱血漢の弁護士役が評価され、若手実力派スターの地位を固めていく。
以降、イーサン・ホークとの共演が話題となった「ニュートン・ボーイズ」('98)で大役をこなすと、これまでのシリアス路線とはうってかわって、「エドtv」('99)などのコメディーにも挑戦。「ウェディング・プランナー」(2001)、「10日間で男を上手にフル方法」(2003)で見せる、ハンサムなルックスと軽妙なキャラクター性は女性のハートをつかみ、ロマンチック・コメディーに欠かせない俳優へと変ぼうした。
その後、主演と製作総指揮を務めた「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」(2005)ではさらにイメージを一新。広大なサハラ砂漠を舞台に巨大な陰謀から世界の危機を救うために立ち上がる冒険家を熱演し、今までにないタフな男の一面を見せた。
近年では、実在の大学アメフト部の監督を好演した日本未公開作「マーシャルの奇跡」(2006)や、よりロマンチック・コメディーとアドベンチャーに磨きをかけた「フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石」(2008)も記憶に新しい。作品ごとにイメージを変化させる俳優マコノヒーからはこれからも目が離せない。最新作「Ghosts of Girlfriends Past(原題)」では、過去・現在・未来の恋人たちの亡霊の訪問を受けたことで心を入れかえていくプレーボーイを演じている。

"マシュー・マコノヒー" PROFILE ≫

コリン・ファース

着実に築いた演技力を見事に花開かせた英国スター
主演作「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(2005)が5日(火)にNHK衛星第2で放送。
イギリスの演劇界でキャリアを築き、舞台や映画などで活躍するコリン・ファース。俳優を目指し、ロンドン芸術大学のザ・ドラマ・センターで演技を学んでいたファースは、'82年の卒業公演で「ハムレット」の主役を演じ、多くのタレント・エージェントに注目される。翌年には、ウエスト・エンドで上演された「アナザー・カントリー」の主役に抜擢。同性愛や共産主義に傾倒する学生、ガイ・ベネットを演じた。さらに、この公演を見た初演時の主役、ルパート・エベレットの推薦で、映画版「アナザー・カントリー」('83)で主人公の親友のトミー・ジャド役を獲得し、イギリス映画界の新星として脚光を浴びる。
以降、ヒュー・グラントら同世代の俳優が次々とハリウッドへ進出するなか、時々ハリウッド映画へ出演しながらも、故郷で地道にキャリアを伸ばすファース。そんな彼を一躍スターにしたのは、英国のTVドラマ「高慢と偏見」('95)だ。冷淡な印象の裏に優しさを秘めるマーク・ダーシー役を好演し、英アカデミー賞TV部門の主演男優賞にノミネート。2001年には、世界中で500万部の売り上げを記録したベストセラー小説の映画化「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001)で、主人公の女性を一途に愛する生真面目な弁護士を演じ、イギリスのみならず世界的にも知名度を広げた。
その後も、演技に対する姿勢が真面目なコリンに監督からのオファーは止まらず、「真珠の耳飾りの少女」(2003)では、17世紀のオランダに生きた画家、ヨハネス・フェルメールの謎に満ちた人物像に人間的な温かみを加え、天才画家の内面を見事に表現した。さらに、19人の恋愛模様を描いた群像劇「ラブ・アクチュアリー」(2003)、魔法使いと子供たちの交流を描く「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」、ショービズ界の裏側を描いた官能ミステリー「秘密のかけら」(2005)など、さまざまなジャンルの映画に出演。今年公開された、ポップスグループ“アバ”のヒット曲にのせて描かれるミュージカル映画「マンマ・ミーア!」(2008)では、歌い踊る出演者のメリル・ストリープやピアース・ブロスナンと共に、ファースも甘い美声を披露している。
新作としては、オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」を映画化した「ドリアン・グレイ(原題)」が9月18日にイギリスで公開。さらに、巨匠ロバート・ゼメキス監督が、ディケンズの名作を映像化したファンタジー「Disney's クリスマス・キャロル」や、オーランド・ブルーム出演の、見知らぬ者が来たことで住民たちの生活が一変する群像劇「メイン・ストリート」と出演作がめじろ押しだ。

"コリン・ファース" PROFILE ≫

椎名桔平

話題作には欠かせない実力派俳優
椎名桔平出演作「アンフェア the movie」(2007)が4月18日(土)フジ系で放送。
端正な顔立ちと180cmの長身、どこか危険な雰囲気を漂わせる椎名。アウトローからエリートビジネスマンまで、イメージを固めることなくさまざまな役にチャレンジし、幅広い演技を見せる実力派俳優だ。
彼の映画デビューは、'86年、倉本聰監督「時計/Adieu l'Hiver」の小さな役。その後、劇団・新宿梁山泊や蜷川幸雄、岩松了などの演出による数々の舞台出演を経て、「湾岸バッド・ボーイ・ブルー」('92)の主人公と敵対する暴走族リーダー役で注目されるようになる。そして、「ヌードの夜」('93)、「GONIN」('95)など、'90年代前半は石井隆監督作品に常連として出演し、強烈なキャラクターで頭角を現していく。
初の単独主演となった三池崇史監督の「新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争」('95)では、チャイニーズ・マフィアと宿命的な対決をする中国残留孤児2世の刑事を、全身からほとばしる激しい感情を出して熱演。そうかと思えば、「女帝」('94)では、ヒロインの料亭のおかみを株売買に巻き込むエリート証券マンにふんし静的な魅力も見せる。
こうして、作品ごとに存在感のある俳優として成長してきた彼は、金融業界の内幕を描いた高杉良のベストセラー小説の映画化「金融腐蝕列島 呪縛」('99)で、第23回日本アカデミー賞優秀助演男優賞をはじめキネマ旬報助演男優賞など数多くの映画賞を受賞。実力派俳優としての確かな地位を確立していく。そしてその後も、テレビ、映画、舞台とメディアを選ばぬ活躍を見せる。
近年の映画の代表作では、大正初期の下町で女性たちを勇気づける寡黙なすご腕の化粧師を役に入り切った演技で熱演した「化粧師 KEWAISHI」(2001)、盲導犬のクイールを優しく見守り続ける訓練士を好演した「クイール」(2003)、個性的な詐欺師たちの一人を貫禄十分な演技でみせた密室群像劇「約三十の嘘」(2004)、主人公のおいらんを本気で愛してしまう武士を存在感たっぷりに演じた「さくらん」(2006)などがある。そして今年2月公開の「余命」では、がんの治療と出産のはざまでかっとうする主人公を支える夫にふんし、見守ることしかできない男の複雑な心情を抑えた演技で表現した。

「レイン・フォール/雨の牙」こうして話題作にコンスタントに出演し続ける彼の新作は、バリー・アイスラーのベストセラー小説「雨の牙」が原作の本格ハードボイルド・アクション・サスペンス「レイン・フォール/雨の牙」(4月25日[土]より丸の内ルーブルほか全国公開)。日系アメリカ人の暗殺者ジョン・レインが、ある殺しの依頼を受けたことから政権汚職と利権をめぐる陰謀に巻き込まれ、自身の愛と復しゅうのはざまでほんろうされる姿を描く。彼は主役のレインを演じ、あこがれの男優ゲーリー・オールドマンとの共演を果たしている。

"椎名桔平" PROFILE ≫

トニー・レオン

繊細さとセクシーな魅力を併せ持つアジアきってのスター
トニー・レオン主演作「レッドクリフ PartI」(2008)が4月12日(日)にテレビ朝日系で放送。
端正なルックスと、高い演技力に裏打ちされた存在感で、アジアを代表するスターの1人となったレオン。そんな彼が注目を集めるきっかけとなったのは、台湾の巨匠ホウ・シャオシェン監督の「悲情城市」('89)での演技だった。口の不自由な青年役を演じた彼は、微妙な表情と仕草で複雑な感情を見事に表現。同作はベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、レオンの名も世界的に知れ渡った。
そして'90年には、同じくアジアを代表する監督の1人、香港のウォン・カーウァイ監督の青春群像劇「欲望の翼」に出演。同作では短時間の出演に終わったレオンだが、以降、カーウァイ作品の常連となっていく。日本でもヒットしたラブ・ストーリー「恋する惑星」('94)では、別れた恋人への未練を断ち切れない警官を演じ、多くの映画賞で主演男優賞を受賞。男同士の切ない愛の行方を描いた「ブエノスアイレス」('97)では、レスリー・チャンとの濃厚なラブ・シーンに体当たりで挑み、話題を呼んだ。さらに、許されぬ恋に落ちる男女の心情を描いた「花様年華」(2000)では、マギー・チャン演じる人妻と引かれ合いながらも、一線を越えることができない既婚の新聞記者役を好演。哀愁を帯びた色気のあるまなざしが多くの人々を魅了し、アジア人としては初となるカンヌ国際映画祭最優秀男優賞に輝いた。
一連のカーウァイ作品で見せる“陰のあるセクシーな男性”のイメージが強いレオンだが、チョウ・ユンファ共演のフィルム・ノワール「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌」('92)や、刑事アクション「ロンゲストナイト」('97)など、骨太で男っぽいキャラクターを演じることも多い。中でも、犯罪サスペンス“インファナル・アフェア”シリーズでは、暗黒街に潜入したおとり捜査官を演じて抜群の存在感を発揮。シリーズ3部作は大ヒットを記録し、マーチン・スコセッシ監督によってハリウッドでもリメークされた。誰もが認めるトップ・スターとなったレオンだが、演技に対する真摯な姿勢と探求心は失わず、アン・リー監督作「ラスト、コーション」(2007)では全裸で激しいラブ・シーンを演じ、製作費100億円を投じて「三国志」を映画化した「レッドクリフ PartI」にも出演するなど、今なお新しい役柄に挑戦し続けている。

「レッドクリフ PartII-未来への最終決戦-」新作「レッドクリフ PartII-未来への最終決戦-」が4月10日(金)より公開。レオンは前作同様、諸葛孔明(金城武)が軍師を務める劉備軍と同盟を結び、天下統一を企てる曹操軍に戦いを挑む孫権軍の司令官・周瑜を演じる。

(C)2009 Three Kingdoms Limited.All rights reserved.

"トニー・レオン" PROFILE ≫

浅野忠信

日本を代表する個性派俳優
浅野忠信出演作「座頭市」(2003)が5日(日)にテレビ朝日系で放送。
独特な世界観で観客を引き込み、近年海外の監督からも高い評価を受ける浅野。だが、彼は俳優デビューする以前はモデルやバンドマンといったアーティスト色の強い存在だった。しかし、脇役で出演した映画デビュー作「バタアシ金魚」('90)をきっかけに“映画でだけなら仕事してもいい”と感じるようになる。デビュー直後でこそ「青春デンデケデケデケ」('92)や、「眠らない街 新宿鮫」('93)などで比較的に目立たない脇役をこなした浅野。その後は当時新鋭監督だった岩井俊二、青山真治、是枝裕和監督らにその才能を見出され、個性的な魅力を漂わせる俳優へ変ぼう。ジョン・カーウァイ監督の「wkw/tk/1996@/7'55"hk.net」('96) や、クリストファー・ドイル監督の「孔雀」('99)に出演して国際的な知名度も高めていく。
それまで国内の大作映画に出演することの少なかった浅野だが、知名度を上げたことで大島渚監督の「御法度」('99)、「五条霊戦記 GOJOE」(2000)といった時代劇でも高い演技力を発揮。鮮やかな殺陣を披露して若手個性派俳優としての地位を確立する。以降、ベネチア映画祭のコントロコレンテ部門に出品された「地球で最後のふたり」(2003)では、タイで働く潔癖症の日本人青年役を好演したことが評価され主演男優賞を獲得。日本を代表する個性派俳優へと成長する。また昨年は、セルゲイ・ボドロフ監督からはまり役と絶賛された主演作、「モンゴル」(2007)が第80回アカデミー賞外国語作品部門にノミネート。受賞こそ逃すが、着実に活躍の場を世界へと移しつつある彼がハリウッドを席巻する日も近いかもしれない。

「鈍獣」最新作「鈍獣」が5月16日(土)からシネクイントほかで公開。'04年に公演された宮藤官九郎脚本の同名舞台を映画化した本作で浅野は、友人たちに殺されかけても何故か死なない世界一鈍感な男を演じる。また、6月には日本地図完成のために命を懸けた男たちの軌跡を描く「剱岳 点の気」の公開も控えている。

(C)2009「鈍獣」製作委員会

"浅野忠信" PROFILE ≫

ビン・ディーゼル

アンチヒーローでナイスガイのアクション・スター
主演作「トリプルX」(2002)が4月3日(金)に日本テレビ系で放送。
正義の味方として悪と戦ってきたシルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーとは異なる新世代アクション・スターとして人気のディーゼル。そり上げた頭といかつい顔の彼が演じる役は、SFホラー「ピッチブラック」(2000)での銀河系で恐れられる札付きの凶悪犯や、「ワイルド・スピード」(2001)でのストリート・レースを仕切る男、「トリプルX」でのシークレット・エージェントとして雇われたXスポーツ界のカリスマなど、ちょっとワルなアンチヒーローが多い。中でも、改造車でのストリート・レース、バイクやスノーボードといったXスポーツをうまくアクションに取り入れた「ワイルド・スピード」「トリプルX」は若者から絶大な支持を受け、彼をスターダムにのし上げた。
しかし、そんなディーゼルがハリウッド・デビューを果たしたのは、意外にも戦争ドラマ「プライベート・ライアン」('98)での、子ども好きな優しい兵士役。しかもこの役は、無名だった彼に目をつけたスティーブン・スピルバーグ監督が、彼のために脚本に追加して作った役だった。また、ディーゼルいわく“僕は根っからのロマンチスト”で、名女優ジュディ・デンチに、彼が製作と原案も手掛け主演した「リディック」(2004)への出演依頼をする際には、花束を抱えて彼女の元を訪れたという。ワイルドでふてぶてしいイメージが強い一方で、思いやりのあるナイスガイなディーゼル。初めてコメディーに挑戦した「キャプテン・ウルフ」(2005)ではその両方の魅力を発揮し、生意気な5人の子どもたちときずなをはぐくむ孤独な海軍特殊部隊のすご腕隊員を好演し新境地を開いた。
新作としては、ファンの期待に応えるように再主演する“ワイルド・スピード”シリーズの第4作「Fast & Furious」が4月3日(金)に米で公開。日本では5月9日(土)に、近未来が舞台のSFアクション「バビロン A.D.」(2008)が公開する。謎の女性を護送する世界最強の傭兵役で主演し、女性アクション・スター、ミシェル・ヨーとの共演や、ストリートファイター役で出演するK-1選手ジェロム・レ・バンナとのバトルなど、アクション・スターとしてまたまた楽しませてくれるようだ。

"ビン・ディーゼル" PROFILE ≫

小栗旬

人気と実力を兼ね揃えた若手No.1俳優
小栗旬主演作「クローズZERO」(2007)が27日(金)にTBS系で放送。
映画やTV、舞台など多方面で活躍し、いまや日本で最も注目を浴びる若手俳優と言える小栗。クールでスマートな“イケメン俳優”といったイメージの強い彼だが、実際は現場のムードを明るくさせるほど人懐っこく、“演じる”ことに対して非常に熱い一面を持つ。「いただいた役はどんなことがあってもやり抜きたい」と語るように、どんな作品の役作りも真摯に取り組み、地道に努力と実績を重ねてきたからこそ、人気だけではなくその演技力を評価する声は多い。11歳で子役エキストラとしてデビューした彼は、'99年「しあわせ家族計画」で映画初出演。主にTVドラマで露出を増やしていく一方、江戸時代の刺客を演じた「あずみ」(2003)をはじめ、ロボットコンテストを目指す落ちこぼれ高専学生にふんした「ロボコン」(2003)、幼い頃に受けたいじめが元で二重人格者となった少年役の「隣人13号」(2004)など、コンスタントに映画出演も重ねる。そして、超お金持ち高校に通うセレブ高校生・花沢類を演じたドラマ「花より男子」(2005)で、彼の俳優生活は大きな転機を迎える。この作品で演じた、容姿端麗でナイーブな“王子様”キャラが彼のもつソフトな雰囲気にぴったりはまり、作品のヒットとともに一気に人気が爆発した。
その後一層活躍の場を広げつつ、ブルーリボン賞作品賞を受賞した「キサラギ」(2007)、全編英語のせりふによる異色和製ウエスタン活劇「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」(2007)など話題作に続々と出演。「代表作のひとつと胸を張って言える」と言わしめた「クローズZERO」では、TVでついた“王子様”キャラから一転、すごみの効いた鬼気迫る演技で激しいケンカ・シーンを体当たりで演じ、男子校の覇権を目指す“ワルメン(不良)”を熱演。女性ファンばかりでなく、男性ファンをもとりこにするほどの演技力を見せつけた。

「クローズZEROII」そんな「クローズ―」の続編で、彼の最新作となる「クローズZEROII」が4月11日(土)より全国東宝系で公開。前作から8カ月後、不良の巣窟・鈴蘭男子高校と“殺しの軍団”と恐れられる鳳仙学園の抗争が描かれる本作で、小栗は前作に引き続き滝谷源治を演じる。また、秋には芥川龍之介の小説「藪の中」を映画化した「TAJOMARU」の公開も控えている。

(C)2009高橋ヒロシ/「クローズZEROII」製作委員会

"小栗旬" PROFILE ≫

アンディ・ラウ

俳優としても歌手としても頂点を極めるアジアのスーパースター
アンディ・ラウ(「ウォーロード/男たちの誓い」)主演作「インファナル・アフェア」(2002)が16日(月)に、同じく主演作「インファナル・アフェアIII 終極無間」(2003)が18日(水)に、それぞれ衛星第2で放送。
“香港四天王”の1人としてトップの座に20年間にもわたって君臨し続けているアジアのトップ・スター、ラウ。'82年に映画デビューして以来、約120本という香港映画界屈指の映画出演本数を誇る彼は、「ゴッド・ギャンブラー」('89)などのコメディーから、「いますぐ抱きしめたい」('88)などの香港ノワールもの、そして「愛は波の彼方に」('99)などのラブストーリー、「女スパイ・川島芳子」('89)などの文芸大作から歴史ものまで幅広くこなし、鍛え上げられた肉体を生かした男っぽい骨太の演技で高い評価を得ている。
そんな彼の近年の代表作が、地盤沈下が激しい香港映画界を蘇生させたといわれる「インファナル・アフェア」シリーズ。2002年の香港映画賞を総なめにし、ハリウッドでリメークもされた本作で、彼は警察に潜入するマフィアを熱演したが、実は脚本にも全面的に参加していたという。また、全米で公開し、米ゴールデングローブ賞・外国語映画賞にノミネートされた中国時代劇作品「LOVERS」(2004)では、感情を素直に表現できない唐の捕吏という難しい役どころを好演した。これら作品への出演を経て彼は、アジア圏を超えた、国際的な知名度を獲得し、不動の人気を築いていく。
その後、命を狙われる冷静沈着なマフィアのボスを演じた「ベルベット・レイン」(2004)、元妻と恋の頭脳戦を繰り広げる泥棒にふんした「イエスタデイ、ワンスモア」(2004)、戦乱の世の中国で攻撃せずに防御だけを貫く“非攻”を掲げていた墨家の天才戦術家を知的に、クールに、そして人間味たっぷりに好演した日・中・韓合作の大作「墨攻」(2006)と、あらゆるジャンルに意欲的に取り組む。また現在、公開中の「三国志」(2008)では、たぐいまれな勇気と戦場での武勇により中国全土にその名を知られる英雄・趙雲を完璧に演じきっている。

「ウォーロード/男たちの誓い」こうして新作ごとにより深い味わいを増していく男優へと成長している彼の次回作は、ジェット・リー、金城武と共演した話題作「ウォーロード/男たちの誓い」(2009年5月8日公開)。西太后が君臨する激動の清朝末期を舞台に、義兄弟の契りを交わした3人の男たちの愛と友情、そして裏切りを壮大なスケールで描いており、彼は盗賊のリーダーにふんしている。

(C)2008 Talentaid International Ltd.All.Rights Reserved.

"アンディ・ラウ" PROFILE ≫

ウィレム・デフォー

強烈な個性でキリストから吸血鬼まで演じる性格俳優
出演作「トリプルX ネクスト・レベル」(2005、日本未公開)が8日(日)にテレビ朝日系で放送。
演じる役柄の幅広さにかけてはハリウッド随一ともいえるデフォー。そんな彼の名を世界的に知らしめた作品が、オリバー・ストーン監督による戦争ドラマ「プラトーン」('86)だった。ベトナム最前線の小隊に属しながらも、無益な殺人は犯すべきでないという信念を持つ軍曹役を熱演し、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。
同作で若手演技派俳優の1人に躍り出たデフォーはその2年後、マーチン・スコセッシ監督の問題作「最後の誘惑」('88)に出演し、さらに注目を浴びることになる。この作品で彼が演じたのは、何とイエス・キリスト。愛と性に悩む1人の人間としてキリストを描くというスコセッシの演出意図の下、ストイックかつ熱情的に人間臭いキリスト役を好演。作品は保守派のキリスト教徒たちの反感を買い、上映反対運動も巻き起こったが、デフォーの俳優としてのポテンシャルの高さは疑う余地がないものとなった。
その後は、詩人T・S・エリオットにふんし、精神を病んだ妻との葛とうを受け身の演技で表現した「愛しすぎて 詩人の妻」('94)や、自分を裏切った考古学者への復しゅうに燃える元スパイを演じた「イングリッシュ・ペイシェント」('96)等で繊細な演技を披露。どんなタイプの作品でも観客に強い印象を残すデフォーだが、その容貌魁偉なルックスやアクの強さもあってか、悪役や非現実的な役を演じたときにとりわけ抜群の存在感を発揮する。人気アクションの続編「スピード2」('97)では、豪華客船をシージャックする元コンピューター・プログラマーにふんし、前作で爆破犯を演じたデニス・ホッパーをしのぐ悪役ぶりでサスペンスを盛り上げた。また、ジョン・マルコビッチ共演のホラー「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」(2000)では派手なメーキャップで吸血鬼役を怪演し、2度目のアカデミー賞助演男優賞ノミネートを果たす。さらに2002年には、大ヒット作「スパイダーマン」に出演。軍事企業を経営する天才科学者と、その裏の顔である怪人“グリーン・ゴブリン”の2役を、コミカルな芝居を織り交ぜつつエキセントリックに演じ、ダークな魅力を振りまいた。
新作もめじろ押しで、ナチスの収容所でガス室送りを免れたサーカス団芸人の物語を描く「アダム・レザレクティド(原題)」や、再び吸血鬼役を演じた近未来ホラー・アクション「デイブレイカーズ(原題)」などの公開が待たれる。

"ウィレム・デフォー" PROFILE ≫

ピアース・ブロスナン

“007”で一躍注目された二枚目俳優
主演作「ゴールデンアイ」('95)が18日(日)にテレビ朝日系で放送。“007”シリーズの5代目ジェームズ・ボンドで知られるブロスナン。アイルランド出身の彼は、11歳でロンドンに移住し、20歳から演劇を学ぶ。その後ハリウッドに渡るが映画では役に恵まれず、もっぱらTVドラマで活躍。中でも「探偵レミントン・スティール」('82~87)での軽妙な私立探偵役が人気を博し注目を集めた。そのころすでに、ロジャー・ムーアの後を引き継ぐ4代目ジェームズ・ボンドのオファーを受けるが、「探偵レミントン―」の続編が決まりあえなく断念。「ゴールデンアイ」で満を持して5代目を襲名した。二枚目の容姿とダンディーな大人の男としての魅力だけでなく、ユーモラスで女性の母性本能をくすぐるような“ブロスナン版ボンド”は、一時期沈滞していたシリーズを再び人気シリーズに浮上させる。
42歳にして世界的スターにのし上ったブロスナンは、ボンド役以外でも「ダンテズ・ピーク」('97)、「トーマス・クラウン・アフェアー」('99)などハリウッド大作で主演をはり存在感を示していく。また、ボンド役最後となる「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002)前後には、「テイラー・オブ・パナマ」(2001)や「ダイヤモンド・イン・パラダイス」(2004)でボンドを思わせるような役にふんし、ファンを喜ばせた。
その後数年、日本ではあまり活躍を見られなかったが、ベテラン俳優クリス・クーパー主演のブラック・コメディー「あぁ、結婚生活」(2007)や1月30日(金)に公開する、名女優メリル・ストリープ主演によるブロードウェー・ミュージカルの映画化「マンマ・ミーア!」(2008)などで健在ぶりを見せている。そのほか、スーザン・サランドン共演の「The Greatest」、ロマン・ポランスキー監督作「The Ghost」などが製作進行中だ。ことしで56歳を迎えるブロスナン。渋みを増した男の色気で二枚目俳優として今後も楽しませてくれそうだ。

"ピアース・ブロスナン" PROFILE ≫

妻夫木聡

さわやかなイケメン俳優から成熟した実力派俳優へ
妻夫木聡出演作「どろろ」(2007)が11(日)にTBS系で放送。
さわやかな笑顔と、自然な演技が魅力の妻夫木。'98年にTVドラマ「すばらしい日々」でデビュー以来、数多くのドラマや映画に出演している。その風貌からか、当初はイケメン俳優としてTVドラマを中心に活躍していたが、シンクロナイズドスイミングに挑戦する高校生を描いた「ウォーターボーイズ」(2001)の主演を務めたことで転機を迎える。ひたむきにシンクロに挑むその姿が彼のもつ雰囲気にぴったりはまり、日本アカデミー賞優秀主演男優賞、新人俳優賞を受賞するなど、俳優としての実力を高く評価された。以降、徐々に映画出演の機会を増やしていく。
報知映画賞主演男優賞を受賞した「ジョゼと虎と魚たち」(2003)では、脚の不自由な少女と恋に落ちる平凡な大学生を、繊細な表現力で演じた。また、秘密兵器の鍵を握る少女と恋に落ちる元特攻隊員にふんした「ローレライ」(2005)や、幼なじみの伯爵家の娘との悲恋に苦しむ侯爵家の長男役の「春の雪」(2005)、血のつながらない妹をけなげに支える兄を演じた「涙そうそう」(2006)など、話題作に続々と出演。さらに近年は、今まで演じることが多かったさわやかな好青年といった役柄だけではなく、さまざまな役柄に挑戦し、役者としての幅を広げている。
「どろろ」では、魔物に体の48カ所を奪われた青年という難しい役どころを陰影のある演技で披露。「憑神」(2007)では、ひょんなことから災いの神に取り憑かれてしまう“ツイテナイ”下級武士の悲壮をユーモラスに表現し、「闇の子供たち」(2008)では、タイで臓器売買の闇を追うカメラマン役を、江口洋介や宮崎あおいら共演陣に負けない存在感で演じ切った。さらに、東京国際映画祭で2冠に輝いた「ブタがいた教室」(2008)では、食育や命の大切さをテーマに、“食べることを前提に学校でブタを飼う”という実験的な授業に挑んだ新任教師を体当たりで熱演。生徒役の26人の子どもたちと本当の教師と生徒のような関係を築き、嘘のない、リアルな子どもたちの表情や言葉を引き出した。自身も、「子どもたちと同じように学んでいけた作品だった」と語り、俳優としての成長を深く印象付ける作品となった。

「感染列島」現在は、NHK大河ドラマ「天地人」に主演中。俳優として磨きがかかり、新たな飛躍を遂げた彼の活躍に、今後も目が離せない。映画では、最新主演作「感染列島」が、1月17日(土)より全国公開。本作は、新型ウイルスの感染爆発(パンデミック)の脅威に日本中がさらされるパニック・エンターテインメントで、妻夫木は、隔離された病院で患者の命を救うために懸命に戦う救命救急医を演じている。

(C)2009映画「感染列島」製作委員会

"妻夫木聡" PROFILE ≫

藤原竜也

新しい役柄に挑み続ける若き実力派
藤原竜也主演作「デスノート the Last name」(2006)が1月9日(金)に日本テレビ系で放送。
蜷川幸雄の秘蔵っ子と言われ、高い演技力と存在感で大活躍している若手実力派俳優の藤原。彼は'97年、15歳のときに、ロンドンのバービカン劇場で「身毒丸」('97)の初舞台を踏み、鮮烈なデビューを果たす。そして、「15歳で初舞台とは思えぬ存在感で、天才新人現る」と大絶賛された、その卓越した演技力で、しばらくは、舞台でキャリアを着実に積んでいく。映画界への初お目見えは、学園ミステリー「仮面学園」(2000)。初出演にして主演を務めた彼は、幼い頃のトラウマを抱えた仮面職人の青年役で、内面の複雑さを見事に表現した。そして同年、中学生同士を殺し合わせるという内容が物議を呼び、国会でまで論議されて話題となった「バトル・ロワイアル」に主演し、一般に知名度が高まった。彼が演じた七原秋也役は、次々に起きる殺りくと対峙するという非常に難しい役どころ。しかも、舞台でのキャリアが長い彼も、映画は、この作品がまだ2本目。普通ならプレッシャーに押しつぶされかねない状況の中、「苦労した映画は、それだけすごくいい。映画は、厳しいけれど、魅力的で面白い世界、もっともっと映画を勉強したい」と意欲を見せた。
こうして同作品で強烈な印象を残した彼は、その言葉通り、以降映画への出演を重ねていく。初めはTVドラマとして製作され、好評を得て劇場公開された三池崇史監督の「SABU・さぶ」(2002)、難病の弟を支えるために暗黒の世界に生きる兄にふんした「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」(2004)、孤高の天才をクールに演じた「デスノート 前編」(2006)と「デスノート the Last name」。そして、2008年7月に公開された「カメレオン」では、その顔立ちから高貴な役が多かった彼がハードボイルドな外見に変身、ノースタントでアクションに挑むなど、復しゅうに燃える詐欺師を熱演し、新たな魅力を開拓させた。
そんな数々の映画や舞台でのストイックなまでの演技で、常に観客を魅了する彼の次回主演作は、2009年秋公開予定の「カイジ」。大人気コミックの実写版で、彼の役は、自堕落な日々を送るフリーターという、今までと正反対のキャラクター。このカイジを、どう演じるか、彼の新境地に大注目である。

映画「カイジ」
2009年秋 全国東宝系ロードショー
(C)2009映画「カイジ」製作委員会

"藤原竜也" PROFILE ≫

ローレンス・フィッシュバーン

どん底から這い上がってきた俳優
出演作「マトリックス」('99)が12月20日(土)にフジテレビ系で放送。
クセのある顔立ちで、映画やTVなど多方面で活躍するフィッシュバーン。「M:i:3」(2006)で見せた冷静沈着なキャラから、「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」(2007)で地球を襲う謎の生命体シルバー・サーファーの声優まで、どんな配役も巧みな表現力でこなしてしまう彼は、いまやハリウッドきっての名優と言っても過言ではない。少年時代からTVドラマに出演し、オフ・ブロードウェイの舞台で経験を積んだフィッシュバーンは、'75年の映画デビュー作「Cornbread, Earl And Me」(日本未公開)で、たちまち主役の座を射止める。そして、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督がベトナム戦争におけるアメリカ軍を批判的に描いた、「地獄の黙示録」('79)の少年兵士役で、数少ない出演ながら好演をみせて注目を集める。だが、その後は思うようにいかず、低迷に悩む日々を過ごしていく。
そんな中、歌手ティナ・ターナーの半生を描いた「TINA ティナ」('93)で、酒におぼれ、暴力を振るう夫を熱演して、彼はアカデミー賞主演男優賞の候補にノミネートされる。次作「オセロ」('95)での好演も話題となり、3部構成で描かれたSFシリーズ「マトリックス」('99)、「マトリックス リローデッド」(2003)、「マトリックス レボリューション」(2003)では、主人公たちをまとめるリーダー・モーフィアスを怪演。日本でも一躍大ブレイクを果たした。
以降、アカデミー賞作品賞候補に挙がったミステリー・ドラマ「ミスティック・リバー」(2003)や、ジョン・カーペンター監督による'76年の傑作アクションをリメークした、「アサルト13 要塞警察」(2005)などで、脇役ながら主演を飲み込むほどの存在感を放っている。来年も、9月公開(日本未定)の「Armored」(2009)ほか出演作が目白押しだ。

"ローレンス・フィッシュバーン" PROFILE ≫

チョウ・ユンファ

アジアのトップ・スターから国際派俳優へと転身したベテラン
チョウ・ユンファ主演作「バレット モンク」(2003)が11日(木)にテレビ東京系で放送。
哀愁漂う大人の雰囲気と確かな演技力で、地元香港のみならず、国際的に活躍の場を広げるユンファ。シリアスな表情と甘い笑顔を巧みに使い分ける彼は、メロドラマからコメディー、アクションと幅広いジャンルで際立った存在感を放っている。そんな彼が一躍ブレークしたのが、暗黒街の男たちの抗争と友情を描いた「男たちの挽歌」('86)。監督のジョン・ウーとともに、ハードボイルドな男の美学を追求した“香港ノワール”のブームを築き、香港のアカデミー賞と称される香港電影金像奨の主演男優賞を受賞。さらに、「友は風の彼方に」('87)、「過ぎゆく時の中で」('89)でも再び同賞に輝き、たちまち“亜州影帝”と呼ばれるアジア映画界のトップ・スターの座に上り詰めた。
'95年にはアメリカに移住し、盟友ジョン・ウーが製作総指揮を務めた「リプレイスメント・キラー」('98)でハリウッド進出を果たす。その後、ジョディ・フォスターと共演した「アンナと王様」('99)でハリウッドでも十分通用することを証明すると、アカデミー賞外国映画賞など4部門に輝いた中国・アメリカ合作のアクション大作「グリーン・デスティニー」(2000)で剣の名手を貫禄の存在感で演じきり、世界的な名声を確立。2007年には、世界的大ヒットを記録した冒険ロマンの第3作「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」で伝説の中国海賊王を好演するなど、ハリウッドでも安定した力を発揮している。
新作「Shanghai」が公開待機中。1940年代前半、日本の占領下にある上海を舞台に、殺された友人の死の真相に迫ろうとするアメリカ人記者が国家絡みの秘密を知るラブ・サスペンス。共演はジョン・キューザック、コン・リー、渡辺謙、菊地凛子。ユンファは闇社会のボスで出演。このほか、公開されるのかどうかで話題を振りまいている人気アニメの実写版「Dragonball」に、武天老師(亀仙人)役で出演する。

"チョウ・ユンファ" PROFILE ≫

ダニー・グローバー

脇で魅する黒人俳優のトップスター
ダニー・グローバー主演作「プレデター2」('90)が11月30日(日)にテレビ朝日系で放送。
まじめで、人間味あふれる温かい雰囲気が魅力のグローバー。アフリカ系アメリカ人の彼は、サンフランシスコ州立大学とブラック・アクターズ・ワークショップで演技を学び、その後も、昼間は市の仕事をしながら演技の修業を重ねていく。やがて、ブロードウェーに進出し、シアター・ワールド賞を受賞するなど、数多くの舞台に立ち活躍し始める。
そんな彼の映画デビューは、32歳のとき。アルカトラズ刑務所から奇跡の脱出を果たした男たちを描いた「アルカトラズからの脱出」('79)で、端役ではあったが収監者の1人を演じた。その後しばらくは、TVの人気番組に出演しながら、映画出演の機会をうかがっていたが、サリー・フィールドがオスカーに輝いた「プレイス・イン・ザ・ハート」('84)で、主人公を献身的に支える農夫を好演し注目を浴びる。'30年代に生きる黒人の悲哀を、前向きに、しかしながらでしゃばりすぎない演技で丁寧に表現し、作品に深みを与えたのは、さすがグローバーならでは。さらに翌年には、スティーブン・スピルバーグ監督の「カラーパープル」でヒロインをいたぶる乱暴な夫を熱演。このときの迫真の演技を振り返り彼は、「俳優は、役柄の内側にあるものを体現すべきというのが、わたしの役への取り組み方。アフリカ系アメリカ人は、映画で自分を表現するチャンスが今までなかった。せりふは映画を超え、映画は手段となりアフリカ系アメリカ人を見つめ直すきっかけになる」と語っている。
こうしてアメリカを代表する黒人俳優へと成長した彼が、さらにハリウッド・スターの仲間入りを果たすことになったのは、後に人気シリーズとなる「リーサル・ウェポン」('87)でメル・ギブソンふんする型破りな刑事の相棒、家庭的でまじめなマータフ刑事役に起用されたこと。これで、日本での知名度もぐんと上がった。以降、知的で温かみのある判事役として貫禄を見せた「レインメーカー」('97)、クールな悪役の元米軍大佐を演じた「ザ・シューター 極大射程」(2007)、レンタルビデオ店の店長にふんした奇想天外なコメディー「僕らのミライへ逆回転」(2008)など、コンスタントに出演し続け、シリアスな作品からコメディーまで作風を問わず、今や脇を固める役者として欠かせない存在となる。

「ブラインドネス」本年度カンヌ国際映画祭オープニング作品である話題の新作「ブラインドネス」が22日(土)より丸の内プラゼールほか全国公開中。ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説を映画化した心理パニック・サスペンスで、彼は原因不明の伝染病で失明した黒い眼帯の老人を穏やかに演じている。また来年夏には、出演とエグゼクティブ・プロデューサーを兼任する日米合作映画「The Harimaya Bridge はりまや橋」が公開される予定である。

(C)2008 Rhombus Media/02 Filmes/Bee Vine Pictures.

"ダニー・グローバー" PROFILE ≫

<