ドラマの世界観を大事に、ぶれずに突き進んだ演出が◎
「カメラワークなどのテクニックに頼らない演出や、臨場感は半端なかった」と評価が高く、ドラマの本質を伝える姿勢を貫いた「それでも、生きてゆく」の監督陣が断トツの1位に輝いた。2位、3位には「それでも、生きてゆく」とは真逆で、遊び心いっぱいの「勇者ヨシヒコ―」「荒川アンダー ザ ブリッジ」が入った。
「カメラワークなどのテクニックに頼らない演出や、臨場感は半端なかった」と評価が高く、ドラマの本質を伝える姿勢を貫いた「それでも、生きてゆく」の監督陣が断トツの1位に輝いた。2位、3位には「それでも、生きてゆく」とは真逆で、遊び心いっぱいの「勇者ヨシヒコ―」「荒川アンダー ザ ブリッジ」が入った。
壮大なスケールの物語を、悠然かつ緩急ある演出で見せた「JIN-仁-」。制作陣の意気込みが俳優陣の気迫を引き出し、視聴者を引き付けていった。2位の「マルモのおきて」も「脚本や登場人物の魅力をうまく表現していた」と高評価。3位は「名前をなくした女神」、4位にはシュールな世界観で冒険した「鈴木先生」が入った。
多部の超どアップや「太陽にほえろ!」のオマージュなど、遊び心がちりばめられた「デカワンコ」が、「美しい隣人」「相棒 season9」との僅差の戦いを制して1位に。「オマージュの見せ方がうまかった」「毎週楽しめた」などの声が多数。
「映像美やカット割、堤幸彦監督をはじめとするスタッフのこだわりが随所に感じられた」「ファンを裏切らない独特の世界観、視聴者を翻弄するテロップの使用法などに完敗」と堤ワールドを堪能したファンからの支持が絶大だった「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」。2位は「龍馬伝」の大友啓史ら、3位は「フリーター、家を買う。」の河野圭太ら。
脚本とともに演出も手掛けたクドカンが、撮影現場で長瀬と「どうやったらもっと面白くなるのか?」を話し合い、“くだらなさ”をまじめに追求した作品。2位の「モテキ」しかり、独特のセンスが光る演出に賛辞の声が寄せられた。
「視聴者の感情を揺さぶる演出が巧み」「美しい風景やゆっくりと進むカメラワークが物語の趣旨と合っていて、見ていて入り込んでしまった」など、監督部門でも「Mother」が圧巻の勝利。2位は東京・日本橋の風景を効果的に使っていた「新参者」。3位はスピード感とスリルを感じる演出が好評だった「チーム・バチスタ2―」。
ドラマ化は難しいと言われた山崎豊子の同名小説を見事に再現した「不毛地帯」。「スタート時は暗い内容で視聴率でも苦戦していたが、作品へのこだわりを捨てず、後半の展開へ生かした」「最終回の壹岐(唐沢寿明)が大門(原田芳雄)に意見するシーンはしびれた」と、重厚な人間ドラマを描き切った監督陣に賛辞の声が多数寄せられた。2位にはシリーズものの2作品「相棒」「コード・ブルー2」が入り、4位は最終回18.6%の高視聴率だった「曲げられない女」、5位は「ブラッディ・マンデイ」。
TV記者、審査員ともにダントツの1位。主人公が江戸時代にタイムスリップするという演出が難しいストーリーだったが、登場人物の心情を丁寧に描き、毎回盛り上がりどころを作り、視聴者を引き付けた。2位は光と影の見せ方や繊細な絵作りが高評価を得た「天地人」。3位は臨場感あふれるスリリングな演出で新たな刑事ドラマを作った「外事警察」。
俳優陣の緊迫感ある議論シーンが印象的だった「官僚たちの夏」に軍配。炭鉱や昔の風景などロケ地や時代背景にこだわり、高度経済成長期の日本という舞台をきっちり描いた点が支持された。2位は同得票数で「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」「任侠ヘルパー」「救命病棟24時」。
スピード感ある映像や多重画面など、海外ドラマのような演出が高評価を得た。対照的に、繊細な演出が秀でていた「白い春」は一歩及ばず。
2位に大差をつけ、「銭ゲバ」が受賞。「ドキュメンタリーのような撮影手法で、より緊迫感をあおった」と、特に最終回の演出に票が集まった。「ありふれた奇跡」は、「会話劇を大切にしていた」と評価が。
2位の「風のガーデン」と数票差という激戦を制し、「流星の絆」が受賞。悲劇と喜劇とのバランスや、本編と劇中劇との切り替えが得票につながった。最後まで賞を争った「風のガーデン」は、「脚本と映像の調和が見事だった」とこちらも高い評価が。
ヘリを使った撮影や大事故の映像など、「連ドラでは難しい大規模な演出に挑んだ」と審査員から高い評価を得た「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」が堂々受賞。「33分探偵」の演出も支持を集めた。「ROOKIES」はここでも3位と上位に。
ホラー作と見まがうほどの緊迫感のあった、錦戸演じる宗佑が登場するシーンなどの演出が高い評価を受け「ラスフレ」の監督陣が授賞。2位には、“ダイブ”シーンの映像表現などが秀逸だった「ハチワンダイバー」の水田成英監督が選ばれた。
大胆なカメラワークで、スタイリッシュかつ緊迫感ある映像を作り上げた「SP(エスピー)」が1位。鈴木雅之ならではのコミカルなアングルが光った「鹿男あをによし」が2位。美しい実景が胸を打った「薔薇のない花屋」が3位に。
湯川のフレミングの法則のポーズなど、キャラ設定に細部までこだわりポップ感を加味した「ガリレオ」が「医龍 Team Medical Dragon 2」に勝利した。大掛かりな実験や、本格的な手術シーンで、両作品ともに見ごたえ十分。
衝撃的ないじめ場面を臨場感たっぷりに見せた「ライフ」が圧勝。ドラマチックな劇中音楽も効果的に使用し、焦燥感と恐怖をあおった。イケメンの青春をお祭りムード満載で見せた「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」が2位。
とがった映像で魅せた「ライアーゲーム」との激戦を制し、スピード感あふれる厨房シーンが印象的だった「バンビ~ノ!」が受賞。1話の中に数回サブタイトルを入れる試みも、物語にメリハリを持たせた。
“のだめ”の圧勝。CGや人形も駆使し、原作コミックを“ここまでやるか!?”と驚くほど忠実に再現。ラストのオーケストラシーン、スピード感ある笑いなど、ドラマならではの新たな感動を引き出した。2位は淡々とファンタジックな空気感が唯一無二の“僕道”。
好対照を成す「結婚できない男」と“マイボス”の2強対決。派手ではない話をじっくりと、ディテールにこだわりつつ粋に見せた「結婚できない男」が、プリン争奪戦などバカネタへの全力投球が楽しい“マイボス”に競り勝った。シュールなギャグ満載の“下北”が3位。
心臓手術を生々しく、CGなども駆使して分かりやすく見せることに成功した「医龍 Team Medical Dragon」が受賞。手術シーンだけでなく、人間ドラマの部分のテンポの良さも見事。小ネタ満載で豊川を自在に遊ばせ、作り手のノリの良さが感じられた「弁護士のくず」が次点に。
会話の間、とぼけた登場人物のキャラ立ち、くだらないギャグと、絶妙な計算でゆるい笑いを生んだ“時効”が勝利。映像に巧みにヒントを潜ませた「アンフェア」が僅差で2位。
ダークな質感の画面で主人公らが抱える心の葛藤を表現。また、要所でスローモーションによる演出を効果的に使うなど、常に映像によって作品のメッセージを表現していた“野ブタ”が受賞。次点は、まさに“画(え)”で魅せた「義経」。
オタクワールドをコミカルに見せ、ブッ飛んだ妄想シーンなど、ギャグ満載で楽しませた“電車”がV。作り手もオタク的細かさで、ネット住人の部屋の隅々に至るまでこだわりを詰め込んだ。天海をとことん怖く見せた“女王”が2位。
劇中で主人公の性格が180度変わり、最後にまた180度変化するという複雑な心情描写を破綻させずに、しかも分かりやすく演出した「恋に落ちたら・僕の成功の秘密」が次点の評価。時代劇も交えながら違和感なく古典落語の世界を見せた「タイガー&ドラゴン」が受賞。
病院内の混乱状態をスピード感あふれる映像で切り取り、見る側が息を止めるほどの臨場感を演出。一方で、アップを効果的に使い、登場人物の絶望や苦悩をリアルに伝えた。
スキー場での出会い、イルミネーションの中でのキスと、ともすれば古いと言われるような場面を“今”の感覚で演出。最近の恋愛ドラマが失っていたトキメキ感を蘇らせた。
豊川悦司はじめ、役者陣の新たな魅力を引き出した演技指導が光った。またあくまで品のあるコミカルなシーンや、優しくせつない独特の空気感などで、雰囲気あるつくりに仕上げた。
城西支部のフリースペースを使った“集合⇔離散”の群像劇は、計算されたセットもカット割りも真骨頂発揮。多用したカメラ目線も効果的で、凝りに凝った通販CMにも感嘆させられた。
イメージカット、「料理の鉄人」ふう解説など、斬新な“遊び”で、ドラマ制作の“セオリー”を打ち破った。カメラワークも同様で、俯瞰あり地べたからの視点ありと実験的だった。
カット割り、小ネタやアドリブの差し込み方など、すべてにおいて大胆かつ個性的な演出が光った。役者の魅力から放送時間枠まで、計算され尽くした感のある完成度はさすが。
連ドラでのオールロケはまさに英断。そしてそれがみごとに当たり、作品独特の“池袋ワールド”を構築した。心地よく裏切る堤幸彦一流のカット割りや、画像加工もさえわたった。
車イスの押し方にバリエーションをもたせたり、柊二(木村拓哉)が慣れた手つきで車イスの車輪をふき取ることで時間経過を伝えるなど、細かな部分まで現場全員で考えている感が秀逸!
作品の肝といえる、新児(豊川悦司)の嘘がほころんでいくときの緊迫感を、ドラマチックな演出で見せて作品の格調を高めた。夕景の映像美や稲垣吾郎のナレーションの演出もさえた。
細かなしぐさからシチュエーションまで、徹底的にリアリティーを追求した映像は圧巻。真に迫ることで生まれた誇張のない説得力や静かな迫力が作品の狙いをより明確にした。
ライティングの妙など随所にちりばめられたこだわりの演出で作品の格調を高めた。“やりすぎない”ほどよさに好感。鑑別所の少女たちの魅力を最大限に引き出したことも評価された。
斬新かつスタイリッシュな演出で受賞レースを独走。意表をつく間の取り方や、ザラッとした映像など、ゴールデンタイムのドラマとは思えない大胆さ。飽きさせない技術に脱帽。
デフォルメ系の演出と違い派手さはないものの、脚本の伏線を生かして静かに盛り上げ、ラストに向けて高まる緊張感は圧倒的。作品に深みをもたせる心情描写のうまさも光った。
“引き”の映像が目立ったのは「金城くんの全身からにじみ出る演技を見せようと、ルーズショットを多用した」(武内D)結果。深田恭子への熱心な演技指導も受賞の要因となった。
本賞常連の鈴木雅之Dは5回目の受賞。おなじみのデフォルメされた映像も大胆さを増してコメディーに徹し、極端な表情の特大アップなどが物語をより強力に楽しませた。
とにかく登場する女性陣がカッコよかった! サスペンス的スリルや人間ドラマの深み、ユーモラスな会話などが洗練された演出でひとつにまとまり、作品の完成度を高めていた。
永山耕三Dらが、得意の王道ラブストーリーで初受賞。キスやすれ違いをひとつひとつていねいに撮り見る側の気持ちを盛り上げる手腕はさすが。ボーカル入りのBGMも気分でした。
木々の緑や川の流れを、みずみずしく情緒豊かにとらえた「それが答えだ!」が受賞。ベテラン俳優勢に埋もれず各生徒の印象が強く残ったことからも、個性を生かす的確な演技指導がうかがえた。
倍速モードや、足跡(靴跡)の多用など、自由な遊び感覚で楽しい絵づくりを実践した「いいひと。」演出陣が受賞。人物のアップと、スケール感のある引きの絵の対比が魅力的だった。
“張り込みグッズ”などのアイテムで刑事の職場のリアリティーを出し、ていねいな人物描写とテンポのいい会話でやりとりも魅力たっぷりに見せた。作品全体に流れる爽快感が印象的。
審査員、TV記者とも同点1位だった2作。「秀吉」はおおがかりなクレーンなどを駆使してダイナミックな映像をつくった。「こんな私に誰がした」は、動きのある映像をリズミカルにつないだ。
工場の中、海辺、グラウンド、東京のオフィスと、舞台を変えるごとにメリハリのある絵をテンポよく見せ、笑いと涙のツボを刺激。個性ある役者の“おかしみ”を引き出していた。
大胆なカット割り、画面にピンクのフィルターをかける斬新さ、主張の強い演出で作品をドラマチックに見せた。“王道”演出の「ロングバケーション」をかわし、“変化球”的演出で勝利をもぎ取った。
7か月に及ぶ長期ロケで、ロケ地にこだわり、季節感にこだわり、叙情的な映像にこだわった「白線流し」が受賞。ドラマ経験の少ない若い俳優たちへの演技指導もみごとだった。
ストップモーションを用いたり、場面全体を遠くから引いて撮ったシーンが、ファンタジックな物語と合って印象的だった。第1話冒頭の“時代劇”場面も叙情的な映像でキレイでした。
この部門も「愛していると言ってくれ」と「沙粧妙子・最後の事件」が大接戦を演じたが、結果的には僅差で「沙粧妙子・最後の事件」がもぎ取った。独特の映像表現で緊張感を持続させ、ミステリーファンをもうならせた!
舞台はレストラン内のみ。シチュエーションに変化がなく、およそテレビ的とはいえない条件にもかかわらず、役者の個性をうまく引き出し、視聴者をクギづけにした演出に高い評価が。
「スウィート・ホーム」('94年 TBS系)で、頭角をあらわした福澤ら若手が編集。2クールドラマの成功は若い彼らの大胆でこまやかな演出の賜物。監督も役者とともに育っていくのだ。
「白鳥麗子でございます!」('93年 フジ系)などのコメディーでは定評のあった鈴木氏が、“大人のドラマ”でも手腕を発揮。抜群のテンポのよさと斬新な画面切り換えが評価された。
「人間・失格」は、映画「高校教師」('93年)の監督・吉田健氏と「十年愛」('92年 TBS系)の吉田秋生氏が参加。悲しみや怒りなど感情の起伏を増幅させるみごとな演出で、監督賞を獲得。
星氏らが場面展開の少ない「古畑―」の緻密で、かつ大胆な演出で冴えを見せた。緊迫感と気が抜けるシーンと、演出の緩急のバランスも、ドラマの個性を際立たせた要因だった。
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