漫画家・井上雄彦が映画監督に意欲!?

「第2回 ASIAGRAPH アワード」の贈賞式が24日、都内で行われ、漫画家の井上雄彦氏らが出席した。
「ASIAGRAPH アワード」の中で、優れたコンテンツを創作し、アジア文化の発展に貢献したクリエーターに贈られる「創(つむぎ)賞」の受賞者に、井上氏が選ばれた。井上氏は「とても光栄です。僕自身は筆を使ったり、アナログの方へ時代を逆行している感じなんですけれども、ものを“創る”ことにおいてはアナログもデジタルも関係なく、行き着くところは“人間とは何か”といったことを追求していくものじゃないかと思っています。そういう気持ちで日々、締め切りと戦いながら描いています。今回の受賞を励みにして頑張ります」と感謝の気持ちを語った。
井上氏はその後、東京大学大学院教授でCGアーティストの河口洋一郎氏、精神科医で立教大学教授の香山リカ氏と記念講演に参加。その中で、「『SLAM DUNK』は1試合を1年ぐらいかけて描いていたので、『バガボンド』では旅の中で人と出会ったり戦ったりしながらも、サクサク進むものをやりたかった。でも自分の癖なのか、長く深く入り込んで描いてしまいます。吉川英治先生の『宮本武蔵』という小説に沿ってたのも最初だけで、今では跡形もない。設定を変えてからは苦しんでいます(笑)」と作品についての裏話を披露した。
短い時間をじっくり描くという作品の特徴について、「試合や戦いの濃密な場面とか、描きたい場面になればなるほど、同じ1秒でもいろいろな人の目線で描きたがるから長くなるんです」と語り、「『バガボンド』も終わらないですよね」とツッこまれると「いや、なんとしても終わらせますよ(笑)」と即答し、笑いを誘った。
また、井上氏を終始絶賛する河口氏は「一生漫画だけでいくんですか? 例えば実写映画を作ってみたいとか、ありますか?」と興奮した様子で質問。井上氏は、「やってみたいとは思います。もしも将来的に映画をやることになるんであれば、実写のほうがやりたいですね。でも“絵を描くこと”は僕にとってはすごく意味のあることなので、それ無しで映画を作るっていうのは、もしかしたら違うかも」と明言は避けた。その後も、「井上さんは世界に誇る日本の財産ですから。彫刻や舞台芸術とか総合的なクリエーターとして挑戦してほしい」と続ける河口氏に対し、井上氏は「恐縮です。でもやるとしたらこっそりやらせていただければ」と笑顔で答えた。









