したたかに強い女性が世陸日本を救う

 今週末、クライマックスを迎える世界陸上。日本勢は苦戦しています。


 記者も為末大池田久美醍醐直幸澤野大地らが立て続けにメダル獲得!とはさすがに思っていませんでしたが、よもやそろって一次予選落ちとは…。メダル争いすら見られない、というのは想定外でした。ホームであることが逆にプレッシャーになってしまったんでしょうか…。


 9/2日には女子マラソンがあります。もうこうなったら、ここに期待するしかない! と日本中の人が思っていることでしょう。そしてまたプレッシャーに…。なんて悲観的すぎますね、すいません。


 代表選手は土佐礼子原裕美子小崎まり嶋原清子橋本康子。飛び抜けたタイムを持っている選手はいませんが、プレッシャーにはかなり強そうな顔ぶれがそろいました。


 東京国際高橋尚子を抜き去った土佐に注目が集まっていますが、記者のイチオシは原。今回と同じ大阪のコースで行われた1月の大阪国際で、渋井陽子らと競い優勝した選手です。


 印象的だったのは大阪国際直前の記者会見。持ち前の明るさで強気な発言を連発する渋井、落ち着いた雰囲気の小崎(も出てたんです)と並んで、原が出てきました。その雰囲気が面白かった! 「どうしてこの大会に出るんですか?」との問いに「お、同じ所属チームから何人も出ないように割り振られて…」。「このコースをどう思いますか?」には「ま、町中は走りにくいです…」。にこりともせず、要するに〝天然キャラ〟なんです。


 こういう人が、トップ選手なのか~。とちょっと意外に思っていたら、本番では本命渋井の背中にぴったりくっついて、後半に抜き去り優勝。しかも「くっつくのは作戦通りでした…」と、変わらぬ表情でコメント。とぼけてるようでしたたかな戦略家だったことに、びっくりしました。


 世界陸上のマラソンで、日本選手の中でトップに入り、かつメダルを獲得すると、北京五輪の代表に内定します。原がしたたかさを見せるか、粘りの土佐か、それとも…。面白い女性の戦いになりそうです。


世界陸上2007大阪大会


女子マラソン
9/2日朝6.55-9.30 TBS系 


理論派・為末の連続メダルへの奇策

 暑いな~。去年の夏はサッカーワールドカップで盛り上がったな~。来年はオリンピックだな~。となると、ことしはスポーツのビッグイベントはない、谷間の年なんだな~、っていうそこのあなた! 8/25土開幕の世界陸上があるじゃないですか。しかもことしは16年ぶりの日本開催。大阪で行われるんですよッ。

  

 世界陸上は212の国と地域が参加する、サッカーW杯、五輪に匹敵する巨大な世界大会。マラソン、100m走など男女計47種目の競技が、9日間にわたり行われます。2年前のフィンランド・ヘルシンキ大会は深夜の放送でしたが、今回は日本開催。TBS系やBS-iで、見やすい時間にばっちり生中継されます。  

 

 陸上の魅力は個人個人の力を、球技などのようにゲームの中で発揮するのではなく、運動能力をまさにそのまま競うその純粋さにあります。スピードとパワーの純粋なぶつかりあい。でも、純粋なスピード・パワーとなると、いろんなスポーツで〝体格に劣る…〟という修飾語がついてしまう日本選手、モロに不利なんじゃないか…。というようなイメージも抱いてしまいます。

 

 前回大会の男子400mハードルで銅メダルを獲得した為末大は言います。「速く走れない民族に生まれたってことはしょうがない。そこから勝つための計算をするのです。ルールの中でできることは、なんでも試します」。為末は昨年1年間、ハードルを跳ばず、走力アップのトレーニングに専念しました。そしてことしに入ってからは、ハードル間の歩数を全体で2歩減らす、という、独自の作戦に取り組んでいます。

 

  …っていっても、ピンときませんが、陸上関係者にきくとそれはトンでもない作戦なんだそうです。理論を練って、それを実現するためのテクニックを磨く。それが日本選手が世界のスピードとパワーに対抗するための手段になるのです。この作戦がうまくいけば、為末はまた、メダル争いで盛り上げてくれるでしょう。

 

  日本がもともと得意とするマラソンに加え、女子走り幅跳び池田久美子男子走り高跳び醍醐直幸男子ハンマー投げ室伏広治男子棒高跳び澤野大地、そして為末…。過去にはなかったほどの多様な競技でのメダル候補は、日本選手の近年のこうした努力のたまものといえます。

 

  「スピードとパワー」の陸上。今回は、それに加えて日本選手の「理論とテクニック」にもぜひ注目してみてください。

世界陸上2007大阪大会

8/25土~9/2日 ほぼ全日にわたりTBS系、BS-iで放送。

詳しくは番組表を参照してください。

「男子400mハードル」は

25土夜8.45(一次予選)、26日夜8.45(準決勝)、28火夜10.20(決勝)

北島康介のチョー自然体な魅力

 '04年、アテネ五輪の競泳・男子平泳ぎ100mで、日本全国のでっかい期待にさらっと応え金メダルを獲得した北島康介。その時の「チョー気持ちいい!」で流行語大賞までさらい、一気に時の人に。ザテレビジョンでも当時、表紙に起用させてもらいました。


 そんな北島選手ですが、実はアテネ五輪のあと、2年間は成績がやや低迷していました。競泳選手は4年に一度のオリンピックにピークを持っていく調整をするため、そこでの不調は大した問題ではない、という見方もできます。とはいえ、「勝てない」ということに不安がないわけがありません。記者が北島選手に取材をしたのは、そんな状態から抜けきれていない昨年末でした。


 3月にオーストラリアのメルボルンである、世界選手権の準備期間にあたるその時期。北島は復活に懸け、練習に励んでいました。話が同い年の24歳で引退したばかりのイアン・ソープに及んだときです。「メルボルンではご飯食べに行こう、とか話していたのに…。なんで辞めるんだろ。僕は、(調子が悪くても)辞めるってことはゼンッゼン考えたことないんですよ」。ケロッと語ったことばが印象的でした。


 競技年齢の低い競泳の選手にとって、24歳での引退というのは早すぎるわけではありません。とはいえ、同じように時代を築いてきたソープの引退をうけ、ショックをうけるでもなく、調子の上がりきらない自分を思いあせるでもなく、「なんで辞めるんだろ」という自分のことばがでてくる。〝自分〟を持っているのが、北島康介の強さなんだな、と思ったのを覚えています。


 その後、世界選手権では100m平泳ぎで銀メダル、200m平泳ぎで金メダル。みごとな成績を収めます。その勢いのまま北島が挑む、日本開催の世界競泳。世界選手権100mで北島に勝った世界記録保持者のブレンダン・ハンセンも来日する、楽しみな大会になりました。ハンセンに勝てれば、北京へ向け、いよいよ北島完全復活! となります。 


 昨年の取材で「水泳にたいして、僕、単純にすごくわくわくしてるんですよね!」と語っていた北島。日本の競泳界は千葉すず、山本貴司、中村礼子ら、コンスタントにスターを輩出しています。でも、北島が特にみんなの記憶に残るスターであるのは、奔放で自然体、それでいてちっとも憎らしくない、こんなキャラクターのせいなのかもしれません。


世界競泳2007インジャパン
~千葉国際総合水泳場
8/21火、8/23木、8/24金 夜6.30-7.54 テレビ朝日系
8/22水 夜0.16-1.40 テレビ朝日系
北島康介が出場する男子100m平泳ぎは21火、男子200m平泳ぎは23木

甲子園開幕!北の球児たちは3たび輝く!?

夏の高校野球が開幕しました。


 甲子園の映像が毎日テレビに流れていると、ホントに夏だなー、って感じがしますね。そして、クライマックスの決勝のころになると(ことしは8/22水の予定)、もうすぐ夏も終わるのかなっていう気分になる。もう日本人の季節感覚とセットになってしまっているんですね。


 女子編集部員(25歳)は、「私、甲子園って見てると、8回ウラくらいで必ず涙が出てきちゃうんですよね。この子たち、頑張ってるんだなって…」(オバサンかい!)としみじみと語っていました。1916年の第1回大会の頃は、大阪朝日新聞という地方新聞主催の、数ある野球大会のうちのひとつでしかなかったこの大会。近年になって特待生問題なんかでもめてもいますが、これだけ国民に浸透しているスポーツイベント、やっぱり大したものだ、と思います。


 高校通算ホームランの記録を更新した中田翔選手が所属する大阪桐蔭高が、大阪予選で敗退し、最大の注目ポイントがなくなってしまった今大会。ですが、もちろん注目の選手はたくさんいます(くわしくは8/8発売の「週刊ザテレビジョン」で!)。


 記者の注目は南北海道代表の駒大苫小牧高です。'05年、57年ぶりの春夏連覇という偉業を達成した直後に野球部長の暴力行為が発覚、さらに'06年3月には卒業生の飲酒、喫煙が分かり、'06年の春の大会を辞退することになってしまいます。それでも奮起して、夏には田中将大(現・東北楽天)を中心に準優勝を達成。ところが、田中が卒業したあとの新チームはふるわず、秋の北海道大会では2回戦で敗退。その後、特待生問題で主力がごそっと入れ替わり…。何度も何度も重なる挫折を乗り越えて、それでもこの夏、また甲子園に帰ってきたのです。


 チームの主力は、激動の'05年に1年生だったメンバー。際立った選手のいない陣容とも言われていましたが、エース格の対馬直樹選手は、地区大会で1試合ごとに成長し、いまや立派なエースになりました。チームに不祥事が重なったことで、マイナスイメージもつきまっとってしまいますが、もちろん選手一人一人に責任はありません。逆風の中、野球への想いを結果に結びつけた選手たちの努力は、賞賛されるべきでしょう。


 ぜひ3年連続の決勝進出を果たし、北海道をもりあげてほしいものです。


※ザテレビジョン発売日は一部地域で異なります

第89回全国高校野球選手権大会
8/8水~22水 NHK総合、NHK教育、ABC、BS朝日で
朝8.30-夜6.55などに放送
(雨天などによる延期あり)
1回戦「駒大苫小牧×広陵」は
8/11土の第4試合

柳本ジャパンのスゴすぎるセッター・竹下

 今週末から、バレーボール全日本女子チーム・通称柳本ジャパンが参戦する、「ワールドグランプリ」が開幕します。毎年大きな国際大会をやっている印象のバレーですが、本当の目標は来年の北京オリンピック。柳本ジャパンのチーム作りも最終段階、ということでことしの戦いぶりは特に注目されています。

 

 全日本女子の世界ランキングは現在世界6位。上のチームはロシアや中国など、いかにも強そうなところばかりですが、日本は年々着実に成長していて、ひょっとしたら五輪でメダル!?と期待できるところまで来ているのです。

 

 記者は2年前、全日本女子の合宿を取材したことがあります。日本代表なんだから、さぞかし厳格な雰囲気の中で練習をしているのかと思いきや、その練習はワンプレーごとに明るく声をかけあい、冗談が飛び、高校の部活動を思わせるような楽しげな感じがあり、その一方で練習内容はとことんハード。雰囲気のよさと各選手のモチベーションが連動していて、チームが強い理由がなんとなく分かった気がしたのを覚えています。

 

 その雰囲気の中心にいたのが、当時も今でも全日本の主将を務める竹下佳江でした。身長159cm。女性としては普通ですが、なんせバレーの選手は180cmを超えるような人ばかり。ひときわ目立つ不利を背負った彼女がチームの中心でい続ける理由は、そのリーダーシップももちろんですが、なんたってプレーが圧倒的なんです。誰よりも速く球に反応し、驚くほど正確なトスを上げる。その飛び抜けた反射神経と瞬発力は、天才アスリートそのもの。昨年の世界選手権で、チームは6位ながらも大会MVPに選ばれたのは竹下でした。世界の強豪の中でも、それだけ飛び抜けた存在だったことが証明されたのです。

 

 竹下が上げ、高橋みゆき栗原恵木村沙織らが打つ新チーム。あれれ、かおる姫がいないじゃん…と言う方、今回、菅山かおるは残念ながら体調不良で召集されてませんが、落ち込むなかれ。セッター竹下の超人的な動きを追いかける、という楽しみ方もあるんですよ!

 

 五輪にむけ、本気モードの柳本ジャパンに注目です。

バレーボールワールドグランプリ予選ラウンド 「日本×カザフスタン」 8/3金 夜6.55-8.54 TBS系 「日本×ドミニカ共和国」 8/4土 夜7.00-8.54 TBS系 「日本×キューバ」 8/5日 夜7.00-8.54 TBS系

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