09年プロ野球分析!⑩ オリックス・バファローズ

 オリックス・バファローズの2位への躍進を、昨年、予想していた人は少ないでしょう。低迷の中、5/21にコリンズが監督を辞任。その後、大石大二郎が監督代理に就任すると、生まれ変わったように快進撃を続けました。

 

 〝ビッグ・ボーイズ〟といわれる、カブレラローズらの強力打線がチームの売りですが(それに加え清原和博も所属していました)、昨年は投手陣の成績アップが目立ちました。

 

 特徴的だったのは〝2年目の新人王〟を獲得した小松聖をはじめ、入団6年で1勝しかしていなかった近藤一樹や、中継ぎだった8年目の山本省吾らが軒並み10勝以上を上げ、ローテーションを確立してしまったこと。ただし、この先発投手陣、挙げた成績ほど、安定感があった印象がありません。チームの完投勝利数はリーグ最少で、福岡ソフトバンクの3分の1の〝7〟。積み重ねた勝利はセーブ王の加藤大輔らリリーフ陣の奮闘、そしてやっぱり、試合の流れをひっくり返すほどの迫力ある打撃陣があってのもの、といえるでしょう。

 

 打撃陣は胸躍るメンバーです。カブレラ、ローズのスゴさは言うに及ばず。昨年ケガに泣いたラロッカは'04年に40本塁打'07年に27本塁打の実績、東北楽天から移籍したフェルナンデスも'06年まで毎年30本前後を放っていました。こんな選手のそろえ方をするチーム、ほかにありません。打線のバランスや、若手の育成を無視したメンバーだと批判もされますが、こうやって並んでれば相手投手はそりゃ怖いに決まってる、ってわけです。

 

 中軸の4人の平均年齢は実に36.75歳。先発投手陣が昨年同様の成績を挙げるかは未知数。…2位という実績を背にシーズンに挑むオリックスですが、大石監督は堅実なチームづくりを目指すべき1年になるのかもしれません。でも、見る側とすればこの打線は面白い! 超個性的な球団のまま、優勝まで突っ切ってほしいものです。(K)

オリックス・バファローズ(08年パ・リーグ2位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手

小松  15勝3敗 防2.51

金子  10勝9敗 防3.98

平野  1勝1敗 防6.75(※2軍成績)

近藤  10勝7敗 防3.44

山本  10勝6敗 防3.38

●リリーフ投手

菊地原 0勝3敗 防2.98

ボーグルソン★3勝4敗 防3.99

川越  2勝3敗 防4.00

加藤  2勝5敗33S 防3.29

●打線

1右 大村★ .302 2本

2中 坂口  .278 2本

3一 カブレラ.315 36本

4左 ローズ .277 40本

5指 フェルナンデス★.301 18本

6三 ラロッカ.169 1本

7二 後藤  .285 14本

8捕 日高  .266 13本

9遊 大引  .258 3本

[注目ポイント]

ベテラン・ビッグ・ボーイズによるメジャー級打線 

09年プロ野球分析!⑨ 阪神タイガース

 昨年、一時は2位に13ゲーム差をつけながら、歴史的な逆転優勝を許してしまった阪神タイガース。しかも相手は、宿命の敵・巨人とくれば、今季はなんとしてもリベンジを果たさねばなりません。

 ところが、ドラフトでは予定した選手がとれず、FAで狙っていた三浦大輔も獲得できず…。オフの補強は、うまくいっているとは言いがたい状態です。

 とはいえ、陣容はことしも間違いなく強豪チームのものです。下柳剛安藤優也岩田稔らの先発陣、藤川球児を中心とするリリーフ陣はリーグ最強。打線も〝アニキ〟金本知憲を軸に、バランスがとれていて、優勝争いをするには申し分ない戦力といえるでしょう。

 それでも、真弓明信新監督は、改革を構想しています。長年、阪神投手陣の看板だった、J・ウィリアムス、藤川、久保田智之の〝JFK〟を解体し、久保田を先発に回します。昨年、得点力を見せ付けた3番・新井貴浩、4番・金本の〝広島師弟〟の打順も崩し、鳥谷敬を中軸で起用することを考えているようです。

 うまく行っているチームの、一番の長所に手を加えるのは、大きな賭けといえます。ただ、投打の中心である下柳と金本はことし41歳。JFKの信頼性にも年々陰りが見えています。強いチームが強さをキープするためには、現状を変えていかなくてはいけない、と真弓監督は考えているのでしょう。

 久保田が先発で成功すれば、先発陣は更に磐石になります。鳥谷が真の中軸に成長したら、打線はしばらく安泰です。それどころか、今岡誠林威助(リン・ウェイツゥ)ら去年牙をひそめていた強打者や、近年は不調ながらもメジャー89本塁打の実績があるメンチが本当の実力を発揮したら、大変な強力打線のチームになります。

 ことし、真弓監督の改革が正の連鎖を生んだとき、伝統の2球団の覇権争いは、セリーグを最高潮に盛り上げてくれそうです。(K)


阪神タイガース(08年セ・リーグ2位)
[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]
●先発投手
下柳  11勝6敗 防2.99
安藤  13勝9敗 防3.20
岩田  10勝10敗 防3.28
久保田 6勝3敗 防3.16
石川  2勝0敗 防2.16
 ●リリーフ投手
渡辺  5勝2敗 防2.67
アッチソン7勝6敗 防3.70
ウィリアムス5勝4敗5S 防3.09
藤川  8勝1敗38S 防0.67
●打線
1中 赤星  .317 0本
2三 関本  .298 8本
3遊 鳥谷  .281 13本
4左 金本  .307 27本
5一 新井  .306 8本
6右 メンチ★.243 0本(※MLB成績)
7二 平野  .263 1本
8捕 矢野  .275 4本
[注目ポイント]
鳥谷、メンチらの台頭で、チョモランマ打線復活へ!

09年プロ野球分析!⑧ 北海道日本ハムファイターズ

北海道日本ハムファイターズは、ここ数年、つねに優勝争いを繰り広げ、強豪チームへと変ぼうしました。チーム成績を見ると、昨年のチーム打率は.255で全球団の中で11位、本塁打数82と総得点533は12球団最下位です。一方で防御率3.54、総失点541は共にリーグトップの成績。つまり、完全な打低投高のチームなのです。

 

投手陣を中心とした堅い守りで、失点を防ぎ、少ないチャンスをものにする。これが日本ハムというチームなのですが、あまりの貧打に球団もついに大型トレードを画策。ことしはチーム不動の守護神だったMICHEALを巨人に放出し、坂本勇人の台頭で出番を失いつつあった二岡智宏を獲得しました。

 

グラウンド外での話題が先行し、今季に懸ける思いは相当強いはずの二岡が期待どおりの活躍をすれば、得点力のアップは間違いないはず。特に勝負強いタイプの打者だけに、稲葉篤紀らの負担が少しでも軽くなれば相乗効果も期待できそうです。そのほかでは、昨年不振を極めた森本稀哲の復活も、優勝争いをする上で、大事な要素の1つです。チーム不動の1番打者として森本が活躍すれば、2年ぶりのリーグ優勝、3年ぶりの日本一も見えてきます。

 

一方、MICHEALが抜けた投手陣は、抑えが誰になるのかが大きな問題です。ここ数年セットアッパーとしてチームを支えてきた武田久か、巨人から二岡と共に移籍してきた林昌範が候補となりそうですが、そこさえ決まれば、大崩れすることはない気がします。もともと先発投手陣は、グリンが横浜に移籍したものの、日本のエースに成長したダルビッシュ有を筆頭に、昨年12勝のスウィーニーや、多田野数人藤井秀悟ら実績のある選手がそろっています。気になる点があるとすれば、3月に開催されるWBCによるダルビッシュ有への影響ぐらい。チームの大黒柱のダルビッシュが1年を通じて活躍できないようだと、チームは一気に崩壊へと向かいそうです。

 

そして、最後に気になる人も多い中田翔。高卒ルーキーだったとはいえ、昨年1軍での出場機会は0でした。将来の日本球界を背負う逸材だからこそ、ことしはその片りんを見せてほしいと思います。(O)

 

北海道日本ハムファイターズ(08年パ・リーグ3位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]
●先発投手
ダルビッシュ有 16勝4敗 防1.88
スウィーニー  12勝5敗 防3.48
多田野 7勝7敗 防4.78
藤井 3勝8敗 防3.25
ウイング★2勝1敗 防2.33(※米AAA成績)

●リリーフ投手
武田勝 8勝7敗 防2.96
坂元  6勝1敗 防3.18
宮西  2勝4敗 防4.37
建山  1勝2敗2S 防3.07
林★  0勝0敗 防6.75
武田久 4勝7敗6S 防4.40

●打線
1中 森本  .253 0本
2二 田中  .297 11本
3右 稲葉  .301 20本
4一 高橋  .286 9本
5三 二岡★ .279 1本
6DH スレッジ.289 16本
7左 坪井  .220 0本
8捕 鶴岡  .210 1本
9遊 金子誠 .216 2本

[注目ポイント]

二岡智宏の加入で貧打解消なるか!?

09年プロ野球分析!⑦ 中日ドラゴンズ

 いよいよ記者O待望の中日ドラゴンズの戦力分析。どの球団よりも詳しく分析させていただきます!

 

 09年の中日ドラゴンズは、通算112勝のエース・川上憲伸、昨季35本塁打の4番、タイロン・ウッズ、24本塁打の中村紀洋と3人の主力がいなくなる緊急事態でスタートします。にもかかわらず現状で目立った補強はなし。落合博満監督の意向もあると思いますが、この大胆な展開に記者Oは興奮状態です。

 

 ここ数年、つねに優勝争いを繰り広げてきた中日は、戦力が固定されがちでした。そのため、主力選手の年齢が高齢化。スタメンに20代の選手が名を連ねることはほぼなかったのです。ですが、09年は横一線のスタート。新戦力の台頭が楽しみで仕方ありません。中でもセンターは競争が激化しています。記者のイチオシは多くの中日ファンの方と同様、平田良介です! 天性のアーチストであり、俊足も兼ね備える落合監督の秘蔵っ子が、最大のチャンスとなる09年に結果を残せば、これからの中日の顔になっていく存在となるでしょう。もちろん、センターのポジションを争う選手では、スイッチヒッターに挑戦する藤井淳志(彼の守備力は本当にすごい!)、キャラクターも魅力的な英智(彼の守備も本当にすごい!)、昨年横浜から移籍してきた小池正晃(本塁打も打てて、バントも得意!)など、誰がスタメンになってもおかしくない状況です。

 そして、長らく一塁を守ってきたタイロン・ウッズの後釜ですが、こちらは阪神の新井貴浩の実弟、新井良太に注目。新外国人選手の獲得もあると思いますが、できれば生え抜きの4番候補である新井に、そろそろ結果を残してもらいたいと思います。ほか、昨年捕手から内野手に転向した福田永将などの台頭も期待されるところです。

 また09年の中日を語る上で、荒木雅博井端弘和の“アライバ”コンビを忘れるわけにはいきません。共に今オフ、5年契約を結び、生涯ドラゴンズを誓った2人。09年はポジションをコンバートし、荒木がショート、井端がセカンドを守ります。球界一の二遊間のシャッフル。落合監督いわく、「荒木の守備範囲は世界一」とのこと。堅実な守備がウリの井端のセカンドとともに楽しみです。

 野手の話が長くなりましたが、投手陣の話も長くなります。エース川上のメジャーリーグ移籍は正直痛いですが、中日には次期エースとなる期待の3本柱が存在します。昨年は血行障害に苦しみ、結果が残せなかった地元出身の朝倉健太、中日のエース背番号20を背負う中田賢一、そして昨年先発、中継ぎとして大車輪の活躍を見せた吉見一起。昨年は3人で20勝でしたが、09年はできれば30勝~40勝の活躍を記者は勝手に期待しています。もちろんほかにも、200勝のベテラン山本昌や昨年ローテーションに定着したチェンなど、先発投手陣には頭数がそろっています。エースの抜けた穴は簡単に埋まるものではありませんが、全員が04年のときと同様に“10%の底上げ”を達成すれば、きっと優勝争いも可能だと思います。

 そして、記者Oが長年期待し続けてきた投手が1人。記者はユニホームも購入した中里篤史です。残念ながら記者のユニホームの背番号は18。中里はことし、エースの背番号18を剥奪され、70番を背負うこととなりました。選手としては末席となる70番という後がない状況で、輝きを取り戻せるか。高卒1年目で見せた中里の衝撃的なストレートに夢を見た中日ファンも多いと思います(記者もそのうちの1人)が、09年、復活のときです!

 主観的な話に終始してしまいましたが、最後に、09年限りでの引退を発表したミスタードラゴンズ、立浪和義のラストシーズンにもご注目ください!

 

中日ドラゴンズ(08年セ・リーグ3位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手
山本昌 11勝7敗 防3.16
吉見  10勝3敗 防3.23
小笠原 8勝11敗 防4.70
チェン 7勝6敗 防2.90
中田  7勝9敗 防4.65
朝倉  3勝4敗 防3.36
●リリーフ投手
清水昭 2勝2敗 防2.45
浅尾  3勝1敗1S 防1.79
高橋  2勝1敗1S 防2.33
中里  0勝0敗 防3.48
鈴木  0勝0敗 防1.13
岩瀬  3勝3敗36S 防2.94
●打線
1遊 荒木  .243 4本
2二 井端  .277 5本
3右 李   .254 16本
4三 森野  .321 19本
5左 和田  .302 16本
6一 新井  .167 0本
7中 平田  .268 1本
8捕 谷繁  .234 2本
[注目ポイント]
落合監督の秘蔵っ子・平田良介の才能が開花するか!?

09年プロ野球分析!⑥ 千葉ロッテマリーンズ

 千葉マリンスタジアムには独特の雰囲気があります。海浜幕張駅から続く、ユーモアたっぷりの球団ポスター。鳴り物を使わず、エールを張り上げるような応援の一体感。阪神ファンを思わせる情熱的なファンたちは、チームの指揮官を親しみを込めて〝ボビー〟と呼びます。

 

 ここ数年のロッテといえば、立派な強豪の一角。そのチームを作り上げたのは、ボビー・バレンタイン監督でした。明るいキャラでファンやチームを鼓舞する表の顔の裏には、選手を見極める確かな眼力と(95年に、当時オリックスにいたイチローを「世界でも五指に入る外野手だ」と見抜いていました)、緻密なデータ主義による合理的な戦術を持っています。

 

 毎日、状況によって変更される打順に注目が集まりますが、チームを強くした真髄は、メジャー式の100球交代制による、安定した先発投手陣の整備でした。05年の優勝時の清水直行小林宏之渡辺俊介を中心とした先発投手陣は他球団がうらやむ〝エース級〟ぞろい。ところが、あまりにも安定しているので、その顔ぶれは基本的に変わることなく、昨年は気がついたらチーム防御率がリーグ最下位に…。ことしは、先発投手陣に、新顔の飛躍が必須になるでしょう。記者Kの期待は、八重山商工出身の天才エース、大嶺祐太です。

 

 打線は相変わらずスキのないメンバーです。ただ、データ主義により毎日変わる打順は、〝ロッテ打線〟というもののイメージをなんだかぼんやりさせてしまいます。ことし、大きいのはその中でも〝核〟になりそうな井口資仁が加入したこと。今の井口の力なら、宣言しているトリプルスリー(3割30本30盗塁)も十分可能でしょう。万能型の井口を中心に自在に攻める打線、ボビー・マジックの発揮のしどころです。

 

 そんな09年版ロッテ。まだ開幕もしていないのに、先日、バレンタイン監督は〝今季限り〟で契約更新されないことが球団から発表されました。それでもファンの大歓声をうけて来日した彼は、最後の1年も必ず前向きに、全力でロッテを盛り上げてくれるでしょう。昨年オフにはみんなが敬遠していたWBCの監督にまで立候補していたボビーに、日本の野球ファンはもっともっと感謝するべきだよなー、と記者Kは思います。(K)

 

 

千葉ロッテマリーンズ(08年パ・リーグ4位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手

清水  13勝9敗 防3.75

渡辺俊 13勝8敗 防4.17

小林宏 5勝12敗 防5.02

成瀬  8勝6敗 防3.23

唐川  5勝4敗 防4.85

大嶺  2勝2敗 防5.23

●リリーフ投手

川﨑  2勝5敗1S 防3.00

シコースキー5勝1敗1S 防2.23

荻野  5勝5敗30S 防2.45

●打線

1遊 西岡  .300 13本

2右 サブロー.289 6本

3二 井口★ .267 9本(※MLB成績)

4左 大松  .262 24本

5指 橋本  .311 11本

6一 バーナム★.323 10本(※台湾成績)

7捕 里崎  .261 15本

8三 今江  .309 12本

9中 早川  .249 5本

[注目ポイント]

最強先発投手陣 再興のキーマンは大嶺!

09年プロ野球分析!⑤ 広島東洋カープ

記者Oの趣味の一つに、“野球場巡り”というのがあります。これまで全国各地の球場で野球を観戦してきたのですが、実はまだ訪れたことのない球場が二つ。その一つが広島市民球場なんです(もう一つは札幌ドーム)。ことしの夏休みに訪れる予定だったのですが、オリンピック特集号と時期が重なり、泣く泣く断念した次第です……と個人的な話はさておき、ファンの皆さんはご存じの通り、ことしから広島東洋カープは、広島市民球場から新広島市民球場(正式には「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」で、略称は「マツダスタジアム」)へとホームスタジアムを移します。というわけで、第5回は新生カープ元年を迎える広島東洋カープについて。

 

近年の広島は、主力選手の流出が相次ぎ、成績は低迷。前回優勝したのは91年で、Aクラスに入ったのも'97年が最後。過去10年の成績を見ると、4位が2回、5位が7回、6位が1回と目を覆うばかりです。それでも昨年はシーズン終盤まで中日と3位を争い、クライマックスシリーズ進出も見えるなど、着実に復活の足音は聞こえてきています。その原動力となったのが、若い選手たち。東出輝裕梵英心の実績のある選手に、赤松真人天谷宗一郎らが見事に飛躍しました。いずれも足のある選手で、広くなる新球場向きの選手たちがそろい、ことしは更なる活躍に期待が膨らみます。また、横浜から獲得したベテランの石井琢朗は、戦力としてだけでなく、その経験が若いチームにプラスに働くと思われます。そんな中、中日ファンの記者Oが一番気になったのは、昨年、打率.306、15本塁打と活躍したアレックスの解雇。広い新球場での守備面に不安があるのはわかるのですが、中日でも活躍した選手だったので、ちょっぴり残念な気がします。

 

さて、投手陣に目を向けると、最も痛いのは昨年8勝5敗の高橋健のFA宣言。現時点で高橋は、メジャーリーグへの移籍を希望していますが、移籍先は未定。仮にメジャー入りがなくなったとしても、選手枠の関係で残留の可能性は低いようで、計算に入れることはできません。そうなると、昨年15勝を挙げたルイスが先発の軸となり、大竹寛前田健太らが最低でも2ケタ勝てないようだと、上位進出は厳しそうです。前回のソフトバンクの分析でも書きましたが、野球はやっぱり投手力が重要です。打撃陣の戦力は整いつつありますが、ことしの鍵を握るのは投手陣だと思います。新球場の元年だけに、できればいいスタートをきってもらいたいものです。

 

広島東洋カープ(08年セ・リーグ4位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手

ルイス 15勝8敗 防2.68

大竹  9勝13敗 防3.84

前田健太 9勝2敗 防3.20

篠田  3勝4敗 防4.31

宮崎  1勝6敗 防6.89

 ●リリーフ投手

梅津  0勝3敗1S 防2.62

コズロースキー2勝1敗2S 防4.74

シュルツ 3勝4敗 防3.23

ドーマン★ 2勝0敗 防6.14

永川  4勝1敗38S 防1.77

●打線

1二 東出 .310 0本

2左 天谷 .263 4本

3三 シーボル.273 15本

4一 栗原 .332 23本

5右 嶋  .309 7本

6中 赤松 .257 7本

7遊 梵 .226 1本

8捕 石原 .265 9本

[注目ポイント]高橋の抜けた投手陣の奮起が上位進出への鍵!

09年プロ野球分析!④ 東北楽天ゴールデンイーグルス

 野村克也監督は、誰もが知っている通り弱いチームを強くする名人です。選手を育て、復活させ、東京ヤクルトを優勝させたのが就任3年め、阪神は任期の3年で結果を出せずもそこで育てた選手がその2年後には優勝を手にしました。そして東北楽天。6位、4位、5位ときて、ことしが監督4年目です。

 就任早々、40代手前の山崎武史が復活しました。昨年は、岩隈久志が近鉄エース時代以上の成績で完全復活。育成枠やドラフト下位で入った中村真人渡辺直人が次々に頭角を現し、〝野村流〟の戦力が一人、一人と加わってきました。

 ことし、楽天が飛躍するのに必要なのは、それらの戦力が変わらず実力を発揮すること。ただ、それだけでは強豪チームというには物足りません。チームの浮沈のカギを握るのは、このオフ、積極的に採用した新戦力の活躍です。

 一番の大物は、松井秀喜の同僚だったラズナー。昨年はヤンキースで20試合に先発しました。岩隈、田中将大と3本柱として、球威は十分。メジャーでは安定感に難がありましたが、そこをなんとかするのが野村監督の用兵の妙の見せどころです。

 そして打者ではなんといっても、中日からFA移籍した中村紀洋でしょう。35歳の中村は、昨年の実績も十分。〝野村再生工場〟で更に全盛期に近づくようなことがあれば、セギノールリック、山崎と構成する中軸は、他球団にとって脅威になります。

 独自の野球理論をボヤキ節にのせて展開し、しっかりと結果を出す野村監督の存在は、今のプロ野球の大きな楽しみのひとつです。仙台でのイベントでは「80歳まで監督を続けたい」と話した野村監督が見せてくれる〝弱者が強者を倒す野球〟に、ことしも注目です。(K)


東北楽天ゴールデンイーグルス(08年パ・リーグ5位)
[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]
●先発投手
岩隈  21勝4敗 防1.87
田中  9勝7敗1S 防3.49
ラズナー★5勝10敗 防5.40(※MLB成績)
朝井  9勝11敗 防4.38
永井  6勝7敗 防4.68
●リリーフ投手
グウィン1勝1敗3S 防3.86
川岸  4勝3敗3S 防1.94
小山  3勝8敗4S 防3.72
チルダース★3勝5敗20S 防3.78(※米AAA成績)
●打線
1遊 渡辺直 .251 0本
2二 高須  .282 4本
3三 中村紀★.274 24本
4一 セギノール.324 13本
5左 リック .332 12本
6指 山崎武 .276 26本
7右 中村真 .292 1本
8捕 嶋   .230 0本
9中 鉄平  .270 5本
[注目ポイント]
ラズナー&中村紀の大物新戦力が野村マジックで大暴れ!

09年プロ野球分析!③ 福岡ソフトバンクホークス

 記者Kの愛情たっぷりの横浜ベイスターズ分析、そして大胆なヤクルト優勝予想に続き、今回は記者Oが福岡ソフトバンクホークスを分析します。

 

このブログでも何度か書いていますが、記者Oは生粋の中日ファン。ただ、実はソフトバンクも好きな球団の一つなのです。というのもドラフトマニアの記者にとって、ソフトバンクほど魅力的なドラフトを展開しているチームは他にはないというのが理由。ことしも高校ナンバーワンスラッガーの大田泰示を果敢に指名。抽選で外したものの、大学ナンバーワン投手と評判だった近畿大学の巽真悟を獲得し、甲子園をわかせた報徳学園の近田怜王など、記者Oが中日に欲しかった投手をそつなく獲得しています。

 

そんなドラフト上手なソフトバンクですが、昨年は64勝77敗3分の成績でまさかの最下位。優勝争いもできると思われた戦力からすると信じられない結果ですが、やはり痛かったのは投手陣の不振ではないかと思われます。

 

リハビリに専念したエースの斉藤和巳は一度も登板できず。10勝の杉内俊哉、8勝の和田毅の両左腕も期待どおりの活躍とは言えませんでした(和田は北京五輪出場、杉内は2ケタ勝利で期待はずれというのはちょっとハードルが高いですが)。右腕では新垣渚が4勝、期待のルーキー大場翔太も3勝と、ローテーションで投げるべき選手が活躍できなかったことが最下位に沈んだ要因だと言えるでしょう。それでも2年目の大隣憲司がチーム最多の11勝を挙げたことは大きな収穫。杉内、和田の左腕3本柱が確立し、右腕では復活の期待が懸かる斉藤と新垣、大場の成長、即戦力ルーキー巽の加入など明るい話題が多いのも事実です。昨年、ドジャースとパドレスで25試合に登板し、2勝3敗の実績を残したファルケンボーグなどの新外国人の加入も考えれば、これはもう、“野球は投手力!”と考える記者Oの予想では間違いなく優勝争いができると思われます! その投手陣の中であえてポイントを挙げるとするなら、やはりエース斉藤の復活。ブランクはあるものの、ズバ抜けた勝率を残してきたエースが復活すれば、チームに勢いが出るのは間違いありません。

 

投手陣に明るい話題が多いのに比べ、野手陣は08年と比べ、あまり顔ぶれが変わらない形となりそうです。俊足巧打の本多雄一川崎宗則の1、2番をクリーンアップが返すのが基本となりますが、ただ大きく変わりそうな気配があるのが3番打者。普通に考えれば多村仁が本命であることに間違いはないのですが、松田宣浩が抜てきされる可能性も。仮に松田を3番に置き、故障がちな多村を6番に置くことができれば、打線に破壊力が増すことは明白。昨年の得点力不足は一気に解消される可能性も高まります。

 

そして09年、ソフトバンクで最も注目されるのは、やはり秋山幸二新監督。これまで書いたように戦力的に見れば十分優勝争いのできるチームを、ことしから率いる秋山監督がどう扱うのか? 再び常勝軍団へと変えられるのか? 本当に楽しみなチームだと思います。(O)

 

福岡ソフトバンク(08年パ・リーグ6位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手

大隣 11勝8敗 防3.12
杉内 10勝8敗 防2.66
和田 8勝8敗 防3.61
新垣 4勝6敗 防4.18
大場 3勝5敗 防5.42
斉藤 0勝0敗 防0.00

●リリーフ投手

馬原 0勝2敗11S 防2.79
ホールトン 4勝7敗6S 防4.27
久米 4勝1敗3S 防3.25
小椋 3勝0敗1S 防5.40
ファルケンボーグ★2勝3敗 防5.23(※MLB成績)

●打線

1二 本多  .291 3本
2遊 川崎  .321 1本
3三 松田  .279 17本
4一 松中  .290 25本
5DH 小久保 .253 20本
6左 多村  .302 3本
7右 アギーラ★.295 29本(※米AAA成績)
8捕 高谷  .180 2本
9中 柴原  .277 3本

 [注目ポイント] エースの斉藤和巳が復活するか!?

09年プロ野球分析!② 東京ヤクルトスワローズ

 昨年、高田新監督のもと奮闘するも、5位に終わった東京ヤクルト。しかしこのチーム、分析してみると、下位のチームとはとても思えません。〝長いシーズン〟を勝ちぬける要素をしっかり持っているのです。

 

※勝てる要素① 先発投手のアタマ数がそろっている!

 その試合の流れを決める最大の要素は先発投手。144試合を勝ち越すためには〝絶対的な大エースが1人いてほかがダメ〟より、〝10勝前後できる人が4~5人いる〟ほうがいい、というのが記者Kの考えです。その点、ヤクルトは最優秀防御率の石川雅規、最優秀勝率の館山昌平川島亮に、韓国で実績のある李恵践(イ・ヘチョン)、一気にエースになる可能性に満ちた由規…。ばっちりそろっているんです。

 

※勝てる要素② 勝利の方程式ができている!

 リリーフエースは、林昌勇五十嵐亮太押本健彦ら中継ぎ陣から林へのリレーは、昨年、阪神の〝JFK〟にも劣らぬ安定感がありました。今年はそれに左腕のバレットも加わってパワーアップします。勝ちパターンがある安心感。長いシーズン、とても大きなことです。

 

※勝てる要素③ 打線が〝線〟になっている!

  まあ、具体的には走れるってことです。盗塁王の福地寿樹(42盗塁)を筆頭に20盗塁以上が4人。これだけ塁に出て怖い選手がいると、相手投手は一人一人、区切って対戦することができなくなる。打線の威力は倍増する、ってわけです。

 

 そんなヤクルトに昨年足りなかったのは、唯一、長打力でした。それもアメリカで実績のあるデントナの加入で解消の可能性が高いと予想します。AAAで高打率の選手は、日本でも活躍する率が高いというデータもあります。そして、昨年絶不調ながらも、一昨年35本塁打のガイエルも、秘密兵器として控えています。

 

 ヤクルトといえば、なんとなく下位候補という人、とんでもない! 記者Kは思い切って優勝候補の一角、と予想します。外れてもなにもしませんが…。(K)

東京ヤクルトスワローズ(08年セ・リーグ5位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手

石川  12勝10敗 防2.68

館山  12勝3敗 防2.99

李★  7勝5敗 防4.69(※韓国での成績)

由規  2勝1敗 防4.55

川島  7勝9敗 防4.70

●リリーフ投手

バレット★4勝5敗 防3.21(※米AAA成績)

押本  5勝6敗1S 防3.34

松岡  5勝3敗 防1.39

五十嵐 3勝2敗3S 防2.47

林   1勝5敗33S 防3.00

●打線

1右 福地  .320 9本

2遊 川島  .255 4本

3中 青木  .347 14本

4一 デントナ★.365 21本(※米AAA成績)

5三 畠山  .279 9本

6左 飯原  .291 9本

7二 田中  .290 5本

8捕 相川★ .255 7本

[注目ポイント] 由規、本領発揮で大エースへ!?

09年プロ野球分析!① 横浜ベイスターズ

  1月は野球ファンには寂しい季節です。選手の移動や契約更改も一区切りつき、キャンプは2月から(選手の移動の悲喜こもごもについては、ぜひ新書「戦力外通告」シリーズ(角川ザテレビジョン刊)をどうぞ! と宣伝)。

 

  野球好きがこの時期にやることといえば、好き勝手な戦力分析くらいでしょう。…ということで、編集部きっての野球マニア、記者Kと記者Oが、09年プロ野球の戦力分析シリーズをスタートします! 緻密な研究といくらかの取材にもとづきつつも、独断と偏見も満載ということであしからず…。

 

 

  第1回は昨年48勝94敗2分という、豪快な成績でダントツの最下位に沈んだ横浜ベイスターズ。実は記者Kは生粋の横浜ファンですが、負けても負けてもまた負けて、そろそろいいだろ、と思っても負けた昨年は、負けないとものたりないという一種のトランス状態に陥り、貴重な経験をしました。

 

  その横浜、オフには弱点を埋める補強に取り組んできました(まあ、弱点だらけなんですが)。リーゼントのエース三浦大輔がFA宣言し、悩んだ末残留。北海道日本ハムと東北楽天で実績のあるグリンに、メジャー経験のあるマストニーウォーランドを獲得。一昨年12勝の寺原隼人を先発に戻し、昨年後半に急成長した若手の山口俊石井裕也らをリリーフに置く投手陣は、形になって見えます。まあ、あくまで昨年と比べてですが…。投手陣のポイントはずばり、今年46歳になる工藤公康。彼がもう一花、咲かせてくれると、チーム防御率4.74(ほかの5球団は3.29~3.78の範囲…)の投手陣は、生まれ変われるかもしれません。

 

  一方の打線ですが、右打者史上最高打率の内川聖一、本塁打王・村田修一、34本塁打の吉村裕基と続くクリンアップは、誰が見ても文句ナシでしょう。で、問題はそれでなんで勝てないのか?ってところですが、昨年で言えば1、2番の石井琢朗(広島に移籍)、仁志敏久らが出塁できず、クリンアップを生かせなかった。これじゃ打線としては怖くなかったんですね。その点、今年はどうかというと、1、2番候補は〝成長に期待するしかない〟若手たち。うーん、やっぱり不安です。捕手も、二遊間も〝成長に期待〟組。

 

 〝期待〟要素が多すぎて、上位進出!と宣言するのは難しいですが、投打とも軸はあるので楽しみな状況でもあります。ことしも豪快に打ちまくる中軸打者たちを楽しみつつ、あれ、なんでまた負けたの?と首をひねる日々、にならないことを祈りたい、記者Kでした。(K)

 

横浜ベイスターズ(08年セ・リーグ6位)

[09年予想布陣 ※成績は08年シーズン ★は新戦力]

●先発投手

三浦  7勝10敗 防3.56

寺原  3勝9敗22S 防3.30

グリン★7勝14敗 防3.64

小林  6勝5敗1S 防4.41

工藤  0勝2敗 防5.27

●リリーフ投手

ウォーランド★1勝1敗 防6.10(※MLB成績)

那須野 5勝12敗 防6.47

石井  2勝0敗 防2.38

山口  1勝1敗 防0.76

 ●打線

1中 松本★ .315 2本(※大学通算成績)

2遊 石川  .243 1本

3一 内川  .378 14本

4三 村田  .323 46本

5左 ジョンソン★.307 25本(※米AAA成績)

6右 吉村  .260 34本

7二 藤田  .241 1本

8捕 武山  .230 0本

[注目ポイント] 46歳工藤公康、最後の一花咲かせるか!?

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