大みそかを燃やす〝桜庭劇場〟

 日本の格闘技界がなんとなく、一時の盛り上がりを失ってしまってからしばらく経ちます。PRIDEの消滅に、昨年末の〝ヌルヌル事件〟。スターの要素たっぷりだった、柔道の金メダリスト・石井慧も、アメリカの格闘技UFCに行くことを選択してしまいました。

 

 それでも、大みそかといえば、やっぱり格闘技を見て年を越したい! と思います。紅白歌合戦とならんで、もはや、年末の風物詩といってもいい! は言い過ぎですかね。

 

 ことしの格闘技は、TBS系の「Dynamite!!」。ジェロム・レ・バンナ×マーク・ハントセーム・シュルト×マイティ・モーミルコ・クロコップ×チェ・ホンマンと、実力者が勢ぞろい。坂口憲二の兄、坂口征夫×ボビーの弟、アンディ・オロゴン、や、謎の仮面格闘家キン肉万太郎の登場。HIROYAらK-1甲子園の試合も行われ、注目ポイントが満載です。

 

 中でも最大の注目カードは、これまで何度も話が持ち上がっては実現しなかった、桜庭和志×田村潔司の対戦です。記者会見では、桜庭がいきなり素手での対決を提案して挑発したり、雑誌のインタビューなどでも田村に批判的な発言をしたり、対戦前から緊張感が高まってきました。

 

 このようなやりかたを「プロレス的だ」と、好まない向きもあるでしょう。でも、記者Kは基本的に賛成です。例えばボクシング。坂田健史内藤大助はどちらもフライ級のすばらしい選手ですが、この年末に連続する二人のタイトルマッチで一般の注目度が高いのは、内藤のほうでしょう。それは、内藤の普段のトークが面白かったり、キャラの見せ方がうまかったり、ということなのかもしれませんが、誤解を恐れずに言えば人に見せることもスポーツ選手の実力のうち。桜庭の過剰な演出(?)も、試合に向けて気分を盛り上げてくれる効果は十分です。

 

 トークと奇抜な行動でひきつけておいて、最後はいつも真剣勝負の魅力を存分に見せてくれるのが桜庭和志。暗い話題が多い世の中ですが、大みそかは桜庭に無心で楽しませてもらいたいものです。(K)

 

格闘技史上最大の祭典

Dynamite!!・勇気のチカラ2008

12/31水 夜7.00-11.24 TBS系

朝青龍復活で初場所は「土俵」が盛り上がる!

 時津風部屋での集団暴行疑惑、朝青龍の夏巡業〝サボり〟事件、さらに一部の「八百長」報道まで…。「土俵外」でばかり騒がれてきてしまった昨年後半の大相撲。相撲ファンは嘆かわしい気持ちですごしたのではないでしょうか。

 

  13日からの大相撲初場所では、2場所の謹慎があけた横綱・朝青龍が戻ってきます。メディアは重箱の隅をつつくように、朝青龍の「反省していない態度」を指摘していますが、けいこが始まるとブランクを感じさせない引き締まった筋肉を披露。8日のけいこ総見では、もう一人の横綱・白鵬に5勝2敗と、強さがまったく衰えていないことを見せ付けました。

 

 記者の世代(30代デス)は、スポーツの中で、相撲がものすごく好き!という人はサッカーや野球に比べるとそんなに多くありません。それでも、自分のまわりでは、数々の格闘技がある中で「相撲最強説」というのがまことしやかにささやかれ、それを固く信じていたりする、国技・相撲へのシンパシーをなんとなく持っているところがありました。

 

 だから、'03年の大みそか、大相撲の元横綱・が「K-1 Dynamite!!」であっさり1ラウンドKOされ、リングにべったりと倒れこんだ映像には、たいへんな衝撃を受けました。力士って、弱かったのか…? というショックは、長いこと消えませんでした。

 

 その後、ブレイクしたのが朝青龍です。大きさが武器の曙と違って、スピードや技術を兼ね備えていて、「朝青龍ならやっぱり最強なんじゃないか…」と思わせる、朝青龍はそういう横綱だったのです。まあ、少なくとも記者にとっては。だから、去年の騒動はともかく、帰ってきた朝青龍がやっぱり強かったことはうれしいことでした。

 

 初場所の最大の注目は、〝ひとり横綱〟だった2場所で更にパワーアップした22歳の白鵬と、朝青龍との対決です。久々に「土俵」が大きく騒がれる場所になる、期待がもてそうです。(K)

 

大相撲初場所

 1/13日~2/3日 昼3.15-夜6.00ほか NHK総合、BS1

年末格闘技が示す格闘界の新たな道

 亀田や朝青龍騒動、浦和レッズのアジア制覇、ハニカミ王子誕生、中日・落合監督の驚きの采配、松坂や岡島の活躍、オシム監督の急病…。2007年もスポーツ界はいろいろありましたが、実は今年は総合格闘技の世界に大きな風が吹き荒れた年でもありました。

 

  '06年夏のフジテレビによる地上波放送撤退から、なんとか興行を続けていたPRIDEの興行権が、3月にDSEから離れます。興行はそのまま行われることなく、事務所は10月に解散。K-1とともに日本の格闘界を支えていた両輪の片方PRIDEは、消滅しました。

 

  実はこの大晦日に、そのPRIDEのスタッフによる、最後のイベントが行われます。「やれんのか!大晦日!2007」と銘打たれたその興行では、エメリヤーエンコ・ヒョードル×チェ・ホンマンなど豪華なカードが実現、地上波でこそ見られませんがK-1 Dynamite!!」とともに注目を集めています。

 

  衝撃的だったのは、その〝やれんのか〟の記者会見でした。「美しくピリオドを打つために、協力してくれる方々です!」と、高田延彦統括本部長に紹介されて登場したのが、K-1を主催する谷川貞治だったのです。宿命のライバルの登場にどよめく場内。高田とがっちり握手をして谷川が語ったのは、格闘技界が縮小してしまうことへの危機感でした。 

 

 ここ数年、世界の総合格闘技の中心は、日本からアメリカに移りつつあります。K-1やPRIDEのアメリカでのイベントの大成功がきっかけになって、これまでプロレスが中心だったアメリカで、UFCなど格闘技の力が大きくなりはじめました。そうなると、さすがエンターテインメント大国。そのスケールの大きさに、世界の最も力のある選手たちは、これまでの日本ではなく、アメリカを目指しはじめています。

 

 「総合というのは日本で生まれたもの。ここは一致団結して、知恵を絞っていかなくてはならない」と谷川。総合格闘技を、紅白歌合戦を食うほどの隆盛に導いた彼が行う大晦日のW興行。そこから日本の格闘技界の進む道が見えてくるかもしれません。(K)

 

やれんのか!大晦日!2007

 12/31月夜8.00~ スカパー!/e2byスカパー!で生放送

 K-1プレミアム2007格闘技史上最大の祭典

Dynamite!! 12/31月夜6.00-11.34 TBS系

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